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島へ。

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 今日本屋さんで、海風舎という出版社が発行している「島へ。」という雑誌を見た。特集は屋久島だった。

 昔、屋根まで荷物でいっぱいにしたミニで、友人二人と私を含め3人で、九州の最南端まで行ったことがある。そして、最南端の佐多岬から屋久島を見て「フェリーに乗ってあそこまで行けるかな?」という話になり、鹿児島港に行ってみると、屋久島行きのフェリーは2日に1便で、私達が港に着いた日は丁度出港が終わった日だった。
 その日は鹿児島市内に一泊して、次の日に屋久島を目指すかどうか話し合ったのだが、結局屋久島へは行かず、そのまま東京に引き返すことになった。

 今でも「屋久島」という名前を聞くと、あの頃のことを思い出して、やっぱり島に行っておけば良かったと思う。それはきっと、飛行機でサクッと島に行って帰ってくるのと、全然違う体験になったはずだと思うからだ。

 その時一緒に南を目指した友人達はもういない。だから同時に「屋久島」という名前は、少しの切なくもなる島の名前だ。私は多分、もう一生その島へは行かないつもりでいる。

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