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炉辺夜話/宮本常一

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 宮本常一の本は、彼自身がまとめた本は面白いんだけど、最近の編集書は一冊通して読みにくいというか、あまりないように抑揚がなくて、どうも途中で止まってしまう事が多い。もっともこれは編集者の仕業ではないかと(笑)。個々のエピソードは実に面白く内容が濃い。

 本書で一番印象に残った部分、熱海は戦後ほとんど人口が増えていない。またこの文章が書かれた時点(昭和40年頃?)で、明治から続いている旅館は1軒しかない。今ではその旅館も存在していないかもしれない。つまり、観光というのはある意味焼き畑みたいなもので、地元の人間の為になっていそうでなっていないという事。

 他、この土地は見込みがある、あそこの土地は人がダメ…など、きっぱりと物事を発言している。地方が価値を持って振興するためには何が必要か、本当によく見えてくる。彼の本を読むと、金の事しか考えていない今の地方役人達はなんて愚かなんだろう…本当にそう思う。
 本書でも「中央からの援助ばかりを当てにしてる地方は見込みがない」と言い切ってます。

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