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ハンナ・アーレント「責任と判断」

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 これからプレゼンなんだけど…ま、その前に本屋さんに寄ってちょっと買ってしまった本。

 ハンナ・アーレントとは、ドイツ出身のアメリカ人思想家。公と個についての独特な解釈が面白いのだが、正直理解するのに難解だと評判。私も若い頃、何かの本に手を出した記憶があるが、正直内容なんて全く覚えていない。

 で、なんで急に彼女の思想に注目しだしたのかというと、ミーハーな理由だが、週末に寄ったカフェ・プロントで配っているフリーペーパーで、ガンダムの富野由悠季監督へのインタビューが出ていて「最近ハンナ・アーレントを読み始めたのだが、難解で全く読み進められない。もっと若いうちに読んでおけば良かった」みたいなことを言っていたから。確かに彼女の思想の一部は、ガンダムで富野監督が言いたくてもうまく表現できなかったあのもどかしさに通じるモノがあるかも…と思って、昨日概略を記した新書を読み、今日本屋に寄ったら、この「責任と判断」というテキストがとても面白そうに思えたので、買ってみたという訳。

 もちろん、まだ全ては読み終えていないが、確かにガンダムファンは読んでみると面白いかもしれない。彼女の思想を読んでみると、ファースト後半からVガンダムに至る、富野監督の苦悩がなんとなく重なってくるような気すらする。

 「戦争犯罪はその特異性から再犯率が非常に低い上に、彼等はその個の意志を持って犯罪に荷担した訳ではない、社会に彼等を裁く権利は…」みたいな考え方。あるいは「どんな独裁政府でも、全ては“合意”なしでは成り立たず、また“合意”できるのは成人であり、そこに“服従”してしまうのは子供である」みたいな(かなり意訳…間違ってるかも)等の彼女の思想は、若い身空で、ガンダムとかイデオンとかダグラムとか…そういうめんどくさい人間模様のアニメに付き合ってきた、私たちの世代の方が、より分かりやすく心に染みるのかも…なんて思ったりもした。

今こそアーレントを読み直す (講談社現代新書)
責任と判断/ハンナ・アーレント

|ハンナ・アーレント「責任と判断」|


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