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ジョブス伝記・下巻

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20111102_01.jpg 上巻に引き続き下巻も読みました。今気がつきましたが、本来は上下巻じゃなくて「I」と「II」でしたね。でも下巻の方が判りやすいと思いますので、その表記で通します。

 本来の発売日は今日ですが、都内の本屋さんでは昨日から店頭に並んでいました。私はお昼過ぎにたまたま寄った渋谷マークシティー地下にある本屋さんで、丁度陳列されている所から一冊頂いてきましたよ。そして、そのまま打合せに向かう電車内で読んで、会社帰りで読んで、家に帰って読んでと、昨日中に読み終えてしまいました。

 上巻と違い、下巻は私達にお馴染みのApple製品が沢山登場します。iMac、iPod、iPhone、iPadなど…どれも最近になって私達が手にした、革新的な製品達です。あまりにも身近な出来事なため、伝記というより雑誌の特集記事を読んでいるような気楽さで読み進められます。
 そんな中で私が特に興味深く感じた部分は、iPod誕生の下りでしょうか。彼等がどれだけ音楽と芸術を愛して、それらとテクノロジーを結びつけるマジックをどうやって発揮してきたのか…とても面白かったです。そして、こういう仕事は、日本企業というか日本の企業人には出来ないだろうなーと思いました。アイディアとか方法論とかよりも、iPodよりウォークマンの方が音質重視で音はいいから〜なんてセンスでは問題外です。こんなんだから日本製のオーディオは…ま、やめときましょう。

 iPhoneに使われているゴリラガラスのエピソードも面白かったですね。まさに、失われつつあるロストテクノロジーが、Appleのおかげでよみがえります。メーカーが1960年代に作ってはみたものの、高品質すぎて使い道のなかったガラスを、Appleは自前で工場まで用意して、その素材をiPhoneの液晶パネルに採用してしまいました。
 それは、私達が今iPhoneやスマートフォンで毎日触れている液晶ガラスです。iPhoneという製品が存在しなければ、こんなに毎日触ってカバンに放り込まれて時には路上に落とされても、輝きを失わないガラスを、私達は手にできていなかったかもしれません。

 本書の結末は、皆が知っているその結果です。最後に彼の口から語られる長目のメッセージで本書は締めくくられます。iPodやiPhone、iPadに電源ボタンがない秘密が明かされて、彼の伝記は終了します。

 ジョブスという人物の評価が定まるのは、この先いつになるかわかりませんが、良くも悪くも、必ずや歴史に残る経営者であったでしょう。

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スティーブ・ジョブズ I/ウォルター・アイザックソン(訳)井口耕二
スティーブ・ジョブズ II/ウォルター・アイザックソン(訳)井口耕二

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