トップページへ

エレベータのひらくボタン

flatearth.Blog* » 日々の日記 » エレベータのひらくボタン

 エレベータの「ひらく」「とじる」ボタンの認識が、昔からできないのです。

 ここの所、毎日エレベータを使っているんですが、扉についての操作ボタンが、幼い頃から全く「認識・cognition」できません。いや…少し詳細に言えば、意味がわからないのではなく、図形を認識した後「認知・recognition」というプロセスが働かないと、どちらが開くボタンで閉まるボタンなのかが、頭の中で判らないということです。

 例えば、私がエレベータに乗ろうとして、その後から別な人が慌てて乗り込んでこようとした時など、とっさに「開く」ボタンを押してあげる事ができないのです。
 何故なら、ボタンを「認識」して「認知」しなければならないので、「とっさ」の動作ができないからです。


Yazi 01


 上は一般的なエレベータの「開く」「閉る」ボタンです。一般的には、上記の記号で大勢の方が正しい意味を「認識」できるから、このような記号がボタンに採用されているんだと思います。しかし、私の場合は全くダメです。上記のボタンを目で見て認識した場合、全く反対の意味で捉えてしまいます。


Yazi 02


 上の図を読み解いてみると、正しい認識は左になると思います。つまり、さんかくの尖ったアイコンを「矢印」だと認識する例です。おそらくこっちの人が殆どなんだろうなぁ…と思いますが、私の場合は全く逆、右側の認識をしてしまいます。
 図では「不等号」と書いていますが、どちらかというと、私の場合は、さんかくの図形を、進行する方向ではなく、エネルギーが解放される方向として認識しているようです。「とじる」のボタンを、左右から力で押し付けるイメージ。そして「ひらく」は、その力を左右に解放しているイメージ。通常の認識と全く逆ですね。

 でも、ここで不思議なのは、上記のボタンの図形を何度も見ても、脳が覚えないことです。毎日のようにエレベータのボタンを押していれば、いずれ脳が学習して「認知」しなくても、条件反射的に図形の意味を学習するはずです。
 しかし、そうならない理由は、上記のように図形の意味を中途半端に「認識」してしまうからかな?と思っています。

 極端な話「しまる」ボタンが「☆」で、「ひらく」ボタンが「Д」だったりと、図形の持つ意味が、その動作を全くイメージさせない図柄であれば、単に脳で、それらの符号に意味づけを紐付けるだけなので、何度かボタンを押していれば、慣れてしまうのかも知れません。

 同じような疑問を持っている人はいないのかと検索してみると、以下のページでエレベータのボタンについて考察されています。

 WentWayUp: WebLog:エレベーターの開閉ボタン問題への解

 上記サイトからの引用になりますが、私としては、以下のボタンデザインが秀逸だと思いました。


OpenClose DoorIcon


 ちなみに、私のように、やはり迷う人もいるようで、デイリーポータルでは「開くボタンはほぼ左!」というスローガンで頭の認識を上書いてしまう提案をしているようです。

 デイリーポータルZ:エレベーターの開くボタンは、ほぼ左

 なんだか、結局のところ、エレベータの「ひらく」「とじる」ボタンは、記号・視覚デザインとして、失敗なんじゃないかな?と私は思っていますが、皆さんはどう思いますでしょうか。
 そして、とっさにどちらが「ひらく」ボタンなのか、正しい「認識」でボタンを押すことはできますか?

誰のためのデザイン?―認知科学者のデザイン原論(新曜社認知科学選書)/ドナルド・A. ノーマン D.A. ノーマン 野島 久雄

 

|エレベータのひらくボタン|


« 前の記事へ

次の記事へ »

トップページへ