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ブロンプトンのコロコロをかかとに当たらなくするパーツ

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P3310990 ブロンプトンと言えば、リアに装着された小さなホイール…というと、タイヤのことを指すみたいになるので、私はこの部分を「コロコロ」と呼んでいるのですが、折りたたんだときに脚になる形で丸いキャスター、いわゆる“コロ”が付いています。

 このコロ、年式によって差があるようですが、純正状態だと本当に“コロ”というべきサイズの小さなプラスチック状のローラー(ほぼ回転しない)が装着されているだけなので、ここを純正オプション品であるやや大きなコロに交換すると、折りたたんだ状態でブロンプトンを楽に転がすことができるようになります。

 この「転がせる」というのがブロンプトンの良いところで、一時期はこの特徴を生かし、輪行袋の下半分を開放状態にして、駅などをコロコロと転がしてブロンプトンを持ち歩くというのがちょっと流行りました。
 ちなみに以前はこの状態で列車にも乗車できた(というか乗車が黙認されていた)のですが、最近では列車内に自転車を持ち込む際は、完全に密封された輪行袋に収納しなければならなくなったので、駅などでブロンプトンを転がして移動するのもすこしだけ気後れする時代に…。
 もっとも、列車内に持ち込まなければ、駅のホームでブロンプトンを転がすことは禁止されていません。それとコロコロ状態での明示的に列車内への持ち込みを禁止しているのは今のところJRのみで…ま、この辺はあまり語ると荒れる一方なのでこの辺にしておきますが、とにかくブロンプトンのリアにあるコロコロは、今となってはブロンプトンのアイコンともいえるべきパーツになっています。

 で、このコロコロなのですが、便利な反面1つだけそれなりの問題点もありまして、それはこのコロがペタルを漕いでいるときかかとに当たること。かかとに当たって痛い程度ならいいのですが、ズボンを裾で折り返していたりすると、そこがこのコロに引っかかったりして、状況によっては結構危ないのです。
 なので昔の純正コロ?は、この部分が引っかかってもすぐに外れやすいよう、外側に向けたテーパー状になっていたりしたモノなのですが、それはともかくとして、この部分はブロンプトンにおける数少ない欠点でもありました。まぁ…慣れてくると自然とかかとを外側に向けるようなペダリングになったりするものなのですが。

 そのブロンプトンの欠点をなんとか改善できないか?ということで開発されたのがこのパーツ。名前はまだないようですが、開発者の名前をとって「山本式コロ?」とでもいうのかな。3Dプリンタ製です(後日質問すると、パーツ名は「コロコロオフセッター(仮称)」だそうで、売りに出す際名前も募集するとのこと)
 試作品とのことで、およそ1年くらい前にモニタ価格で譲って頂き、何度か使ってみた感想を紹介したいと思います。

P3310991 P3310992
↑左がコロを収納した状態、右がコロを展開した状態

 本体は、メインパーツとそれに埋め込まれた金属製のシャフト、そしてフレーム側に装着する蓋。この金属製シャフトは片側が可動するようになっていて、見れば想像つくと思いますが、輪行時には外側に引っ張り出し、走行時には内側に押し込みます。この押し込んだ状態の幅が、ちょうどブロンプトンリア三角でコロを外した幅とほぼ同じまで狭くなるので、ペダルを漕いでいるときでも、かかとにホイールが当たりにくくなります。

 装着方法ですが、まずはリアのエラストマーサスペンションを取り外して本体に挿入します。
 このエラストマーを差し込む部部分ですが、モデルによってはエラストマーの種類がいくつがあるようなので、若干加工が必要なときもあります。私の場合はこのエラストマー表面にあった 「FARM」という文字をナイフで削り取って挿入しました。そして、その上からもうひとつの蓋をかぶせて、ブロンプトン本体のリア三角にボルトと共にねじ込んで行きます。その際、コロを装着するシャフトは上向き水平を保つようにして下さい。パーツの一部がリア三角の間に入り回転方向が固定されます。
 また、ボルトですが、あまりきつく締めず、リア三角の固定フックの具合を確かめながら徐々に締め込んでいくようにします。私の場合ですが、ボルトはあまりキツ目に締め込むより、やや余裕を持つ感じで締めた方が良いみたいです。作業中はブロンプトンを寝かせて装着した方が安全です。ちなみに、初期モデルにはこの蓋がなかったのですが、これがないと輪行中に本体がエラストマーから抜けます。そのため私は後日別便でこの蓋を送ってもらいました。
 本体パーツを無事に装着できたら、本体に埋め込まれている六角ボルトへコロコロを装着します。ネジは純正コロに付属しているネジがそのまま使えます。これで完成。慣れれば5分位で作業できると思いますが…ま、慣れるほど何度も付けたり外したりはしないか。装着後は必ずテスト走行を行って下さい。

 まず、装着後の感想ですが、サスペンションが固くなります。え?と思う人もいるかもしれませんが、これはエラストマー本体の外側への変形が抑制されるから。なのでエラストマーは密閉されたパイプ内で本体の変形を伴わない純粋に素材としての弾力性のみでサスペンション効果を得ることとなります。そのため若干乗り心地も固くなるのです。
 それとやはり一番のメリットは、かかとがコロに当たらなくなること。ブロンプトンのペダルをやや内側で踏んでも大丈夫になります。もっともこの状態でも裾が折り返されているズボンで走っているとたまに引っかかりますが、それはもう仕方がありません。ただ、引っかける頻度は相当減ります。
 このパーツの意味は、ほとんどがこの部分の改善のためだったりするので、普段ブロンプトンのペダリングにどれだけ不満を持っているかによって、このパーツの価値もまた変わってきます。少なくとも「走る」という点においてはきちんと「改善」されます。
 また、コロを展開した際は、折りたたんだ状態でブロンプトンを安定した状態で転がすことができます。

 ではデメリットはないのか?と言われると、若干あります。
 まずは強度の問題。誤解しないでほしいのは、普通に転がして普通に折りたたんだ状態で置いておく分には強度的に問題はありません。
 3Dプリンタ製とのことで、この辺実物を見ていない人は想像しにくいかもしれませんが、パーツそのものはおそらく大型のハンマーでも使わない限り破壊できません、それくらいの強度があります。
 ただ、頻繁に輪行で使う人にとって、その辺の強度はまだ未知数です。というのも輪行してるときって意外とブロンプトンを雑に扱うときってのがあるんですよね。どうしても折りたたんだ状態で「ヨイショ」と電車に乗せたり、駅の段差を持ち上げたりしたとき、割とガツンと地面に置いてしまうことがあったりします。
 私はこのパーツを使っておそらく10回以上は輪行して、さらにガツンとブロンプトンをコンクリートの上に置いてしまったことも何度かありますが、少なくとも壊れそうな感じではありません。ただずっと大丈夫なのか?と聞かれると、さすがにオリジナルのリア三角直付けコロ程の強度はないでしょう。

 それともう一点気になるのは、コロコロの固定がどうしてもエラストマーと同じ回転軸側で遊びが出ること。つまりコロコロが完全に固定されるのではなく、すこし左右に動くんですよね。ここはあまりガッチリとフレームに固定してしまうとまた別な問題が発生しそうなので仕方がないと思うのですが、電車で移動中などややブロンプトンが倒れやすくなりますので、そこは注意です。
 それと、デメリットではないのですが、折りたたんだ状態ですこし(ほんの少しですが)全高が高くなりますので、シートピラー下に装着してある滑り止めのゴムが、若干効きにくくなります。もっともこれは装着しているサドルにもよるかもしれません。私の純正ペンタグリップ+ブルックスB17のサドルでは、少し意識してシートピラーを下に押し込まないと、ピラー下の滑り止めが地面に密着しなくなりました。これも意識して注意していれば問題はないのですが。

 売値は私が聞いたときの話だと、初期ロット7,500円前後を考えているそうです。ブロンプトンのコロをオフセットさせるパーツは他にもいくつかあるようですが、他の製品に比べ半額以下。それに、私の手元にある「山本式〜」は初期の試作品なので、他のロットはもう少し改善されているのかもしれません。

 個人的には、荒っぽくガンガン輪行しまくる人には、強度的な問題があるかも…と思ったりしますが、普通にブロンプトンで走り、適当に輪行も楽しんで…という人にとってはメリットがあるパーツではないかと思います。特にブロンプトンで「走り」を意識している人は、ペダリングの自由度が広がりますのでかなりお勧めです。

 いつから売りに出されるのかわかりませんけど、興味がある方は制作者であるStudio K'sの山本さんまで連絡してみては如何でしょうか?

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マイオーディオライフ2018 ~それぞれの、音楽とオーディオと人生と~/山本耕司

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