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DIN→RCAケーブル3本勝負、セカンド!

ケーブル写真

NAIT2と一緒に

 

 ようやく涼しくなってきて、オーディオ本番の季節になってきました。今回は、ヘビーなNaimユーザーでいらっしゃるpearlさんのご協力で、新たにDIN→RCAケーブルをテストする機会を頂いたので、ご紹介したいと思います。

 ちなみに今回のケーブルテストは、原則として以前私が作成したLINNブラックの線材を使ったDIN→RCAケーブルとの比較になっています。この記事をまだ未見の方は、是非そちらの記事からお読みになっていただくことをお勧めいたします。
 それと今回の試聴は、CDプレヤーがLINN KARIK、アンプがNaim Nait2、スピーカーがMerlin EXL-1という構成で試聴しています。例え同じケーブルを使ったとしても、皆さんがお使いの機器では、必ずしもこのような結果が得られるとは限らないことをご承知下さい。

 

フランス製?、怪しげなケーブル

ぶっといです

 「ETALONとか書いてある、なぞのすごく太いDIN−RCAケーブル」という解説でお借りしました。お値段も数万円という事で、結構なハイグレードケーブルです。
 見た目から解説しますと、まずDIN側は金属ロック付き端子。そこから直径1cmはあろうというケーブルがニョキっと出ています。そして約8cm先で二本に別れ、その先すぐに直径が2.5cm位はあろうかという、大きなノイズクリーナー(?)2個に入っていきます。
 その先は更にケーブルが片チャンネル二本に別れ、直径が1cmのケーブル同士束ねられていて、RCA側では、その束ねられたゲーブルが、更に前記と同じノイズクリーナー(?)に入り、そこで一本にまとめられ、端子部に到達するという、なにやらとても複雑な構造になっています。長さは約1m。

 音なんですが、前回の三本勝負でお馴染みの自作リンケーブルと比較すると、やや余韻が押さえられた軽い表現のサウンドになります。軽い表現というとちょっと語弊があるかもしれませんが、見た目の重量級な印象とは打って変わって、爽やかな表現のサウンドという事です。これは、やはり前回の三本勝負で聴いたオーでックス純正ケーブルの明るい表現とはまた違います。
 それと、音のレンジはやや下に伸びているのにも係わらず、各楽器音のつながりが大変なめらかに聴こえます。この傾向の音は、重厚なオーケストラを好んだり、各楽器の解像度を追求する人達には向かないかもしれませんが、軽やかなジャズ演奏や、ポップスが好きな人に向いたケーブルかもしれません。

 

フランスNaim純正(?)ケーブル

線材は柔らかめです

 こちらは「フランスのnaimディーラーのハイグレードDIN-RCAケーブル」という事でお借りしました。こちらのケーブルも、上記のケーブルと同様、DIN側の端子はロック付きで金属製になっています。ケーブルの素材はLINNブラックに似た感じ。太さも柔らかさも非常に似ていますが、フランスnaimケーブルの被覆にはやや艶があり、LINNに比べて微妙に細いみたいです。

 音は、LINNケーブルに比べると、やや重心が下がったサウンド。というか、フランスnaimのケーブルの方が上下の伸びがしなやかで、やや高級感のある、適度に湿り気のある音と言えばいいのでしょうか?。ただ、音像に関しては、LINNの方が奥行きを感じますし。フランスnaimのケーブルは、ボーカルの音像がちょっと大きめになり、楽器の前に位置するように聴こえる点がやや気になります。
 出てくる音は、一瞬クラシックの交響曲に向いているかとも思ったのですが、しばらく聴いていると、解像度で音を表現するケーブルではなく、音のつながりや美しい表現をを重視した、聴かせるタイプのケーブルだと感じました。

 

んで、LINNブラック使用の自作ケーブル

お馴染みの自作ケーブル

 詳しくは前回の三本勝負を参照して欲しいのですが、長い間使ってきて変化した点は、音に柔らかさが出てきたということ。前回では抑制のあるサウンドと表現していますが、今ではもうちょっと世俗的(^^;; な艶を感じるケーブルになってきました。やはりエージングの効果というものは大きいですね。
 ただし、始めに感じた音のキャラクターが変化しているという事は、断じてありません。あくまでも奏でるサウンドは、自作当時に感じたサウンドの延長上にあります。

 

 今回は、形も構造も音も全然違う二本のフランス製(?)DIN→RCAケーブルをチェックする機会に恵まれたのですが、不思議と二本のケーブルとも、何処かしら音の基本としては共通の方向性を感じ取ることが出来ました。ポイントは、両ケーブルとも解像度で勝負していないという点でしょうか。それでいてLINNのケーブルほど禁欲的でもない。これを「フランスのエスプリが…」などと書いてしまうのはいささか芸がないのですが、やはり機械にせよケーブルにせよ、その国独特の個性というものは確実に存在するのかもしれません。

 我々日本人としては、次回はオーディオテクニカあたりの線材を使って、純国産DIN→RCAケーブルというのを作ってみると、案外面白いかもしれませんね。

 

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