トップページへ

海岸線の歴史/松本健一

flatearth.Blog* » 書籍と雑誌 » 海岸線の歴史/松本健一

 帯にあった「日本のアイデンティティは「海岸線」にあり」という文句に惹かれ購入。なかなか面白い本だった。

 考えてみれば、私たち日本人は、国土に世界で有数の長さを誇る海岸線と豊かな漁場を持ちながら、その海に対する意識は、年々遠ざかっているのでは無かろうか。大体、海岸沿いにある街でも、子供達が海辺に行き、水に入って遊んでいるなんて風景はほとんど目にしない。そういう場所のほとんどは、決められたシーズン以外は遊泳禁止となっており、遊泳どころか海岸線に近づくのさえ学校によって禁止されていたりする。
 確かに水辺の事故のことを考えると、教育機関としてはその手の場所に出入りすることは禁止したくなる気持ちもわかるが、この勢いで行くと、そのうち外出そのものも規制されていってしまうのでは?クルマ通りが多い道路だって危ないしね。

 で、この本だが、海岸線について何かテーマを掘り下げるという形式よりも、むしろ日本の海岸線にまつわる色々なエピソードを色々と取り上げているという内容。そのため読みやすいと思う。
 著者によると「日本の海岸線について取り上げられている本は無かったので自分で書いた」とあるが、考えてみると…無いかどうかはともかく、珍しいテーマであるとは思う。これだけ日本には海岸線が溢れているのにね。

 私などは関東の人間なので、特に強く感じるのだが、関西に比べ関東はもっと海に対する距離感が遠いような気がする。確かに東京湾からすぐ北の鹿島灘付近は、海の難所として知られ、あまり船舶の航行に適した海域でないというのもあるが、もう少し海というか水辺について積極的に利用してもいいような気がする。
 海辺だけでなく、河川についても、例えば隅田川の遊覧船などは完全な観光目的だが、もう少し航路などを工夫すれば、普通に通勤航路としても利用可能ではないか…なんて思う。
 外洋航路については、気象用件にも左右されることが多いが、もっと日本人の意識が海に向いていれば、色々と利用できそうな航路は多いのでは?大体、カーフェーリーに人だけで乗船できると知っている人も案外少ないのではないか。

 ま、この本を通じて日本の海岸線について深く考察したい…という目的だとちょっと物足りなさも感じるが、海岸線についての概要に興味がある…という人には、なかなか面白い本だと思う。

 あと、この本のテーマとはちょっとずれるが、文明を「石の文明」と「泥の文明」に分けている考え方はちょっと面白いと思った。この著者の「泥の文明」という本も読んでみるかな。

海岸線の歴史/松本健一
砂の文明・石の文明・泥の文明(PHP新書)/松本健一

|海岸線の歴史/松本健一|


コメント(4)

中国へ行って思ったこと。「日本広ぇ」
海洋の面積も含めてではあるが、北海道のオホーツクから、南は台湾の手前まで。
中国の西域を忘れれば (^^; 遜色ないぞ、日本。かなりな面積。
車で日本国内を走ってて、それなりにではあるものの大きさを実感してたけど、海洋領有の基準となる領土の重要性に改めて気づいた。
日本は山も多いので、陸地立体的表面積+海面を含めると、かなりのものかも。

投稿者: じみぃ | 2009年05月12日 20:45



お!中国に行かれましたか。
ひょっとしてFで?(笑)

私はまだ、日本と外国を比較できる程、外国に行ったことはないのですが、
確かに、日本国内でもっと生きたいところが山程あって、
海外旅行行きたいとはあまり思わない感じです。

日本は広い!
でも海外旅行もちょっと行きたい(笑)。

投稿者: よっち | 2009年05月13日 09:27



残念ながら仕事だったので F じゃありませんでした (^^;
でもできるものなら、イギリスまで、いやその先まで行って見たいものですね。

投稿者: じみぃ | 2009年05月14日 22:07



じみぃさんならひょっとして…と思ったのですが、さすがに違いましたか(笑)。

でも、大陸横断ドライブって確かに燃えますね、妄想すると!

投稿者: よっち | 2009年05月15日 13:12



« 前の記事へ

次の記事へ »

トップページへ