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ガンダムと連邦軍と物量について

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 昔から何となく疑問に思っていたのだが、ガンダムのオリジンを読んでみてそりゃそうだよなと思った事。

 つまり、世間では「ジオンは国力が小さくて物量の連邦軍に負けた」という認識が主流みたいだが、テレビシリーズ、あるいは映画のガンダムを見ているだけでは、とうていそんな印象はないんだよね。

 まずは、大反抗の開始であるソロモン攻略戦、画面を見ている限りでは、おそらくこの戦いが連邦軍が一番物量的に恵まれていた戦いだろう。それでも、基礎戦力が足りないために、ソーラシステムという奇策を用いて陽動作戦を採っている。

 ちなみに、一般的陸上戦闘では、練度・士気・兵器レベルが同等の場合で、攻撃側は防御側の3倍を持って五分五分の戦いができると言われている。何故なら、防御側は陣地にこもって移動する必要がないし、陣地内の防御施設や地形を利用して身を隠せるからだ。逆に言えば、攻撃側は戦いながら自ら進撃しなければならないというリスクを負う。銃火の中に身をさらして移動しなければならないため、損耗率も大きいのだ。

 ただ、遮蔽物のない宇宙戦闘では状況は異なると思われる。宇宙空間での戦闘なら、お互いに身を隠す場所がないので、地形効果は望めないだろう。それにしても、攻撃側は陣形を変えながら進撃しなければならないので、やはりある程度の不利はあると思われる。
 しかし、ソロモンは要塞攻略戦だ。マトモに考えれば、全く地形効果を得られない攻撃側である連邦は、一方的に防御陣地から隠れて射撃が可能なジオンと比べ、相当不利な戦いであったはずだ(だからこそ連邦は、攻略開始と同時にビーム攪乱幕による地形効果を築いている)

 となると、まともにソロモン攻略を行う為には、連邦軍はドズルの宇宙攻撃軍に対して、最低でも5倍以上の戦力差、可能であれば10倍位の戦力差をもって攻撃するのが筋だと思うのだが、画面から伺い知る限り、連邦軍は、初期攻撃に参加したワッケイン隊を主力と勘違いさせるような戦力に見せかけつつ攻撃している。つまり、この段階でワッケインの戦力は、ソロモンを攻略するのに全く戦力的には足りないという意味であろう。
 陽動でソーラシステム設置に動いていた主力のティアンム艦隊の動きも、連邦の戦力が全く足りない故の作戦であるとしか考えられない。よくあるガンダム評論通りに、連邦軍が圧倒的な物量でジオンを攻めているのなら、主力を初期攻撃に参加させず、ソーラシステム後の突入戦力として温存しない。わざわざワッケイン隊を囮のように使って損耗させる意味もないと思う。私が連邦軍高官であれば、ソロモン正面から攻撃を加え、主力の戦力を充分見せつけてジオンの戦力を正面に集め、反対側からソーラシステムでとどめを刺す。
 長くなったが、ソロモン攻略時、連邦は全く戦力が足りていなかったのではないかと思われる。

 その後の動きについてもおかしな点が多い。ソロモンを攻略できた連邦は、どうして「ア・バオア・クー」の攻略をあれだけ急いでいたのであろうか。地球圏から事実上ジオンを追い出して、ソロモンを占領して更にルナツーまで持っている連邦軍にとって、後のジオン攻略はもっと余裕を持って行えたはずだ。
 というか、よく言われる1/30の国力差が本当なら、連邦は黙って一年間戦力増強を行うだけで「ア・バオア・クー」と「グラナダ」「ジオン本国」の3面作戦すらできる程の戦力が確保できたのではないか。
 あの時点で連邦軍が焦ってジオンを攻略する理由がない。というか、理由はないのではなく、どこかで作戦を急がないといけない理由はあったと見るべきなのだろう。

 もちろん、当時の連邦上層部の中には「ジオンを放置しておけば、またコロニー落としなどの大量虐殺が行われるかもしれない」という危機感を持っていた高官もいただろう。しかし、一応それらの戦争については「南極条約」で手を封じてある。もちろん戦時条約でしかないので、そんなもの守られるのかは疑問なので、連邦上層部がジオン攻略を急がせた…というのもあるのかもしれない。だからといって、勝つか負けるかのバクチを行い、負けた後再び連邦宇宙軍が駆逐されてしまったらおしまいである。なので、ソロモン後おける連邦軍の動きが、自分的にイマイチ納得ができないんだよね(アニメだからさーという話はナシにしてw)

 更に、連邦軍は、ジオンの「ソーラレイ」で一度に30%の戦力を失いながら、半ばヤケクソ気味でア・バオア・クー攻略戦に突入している。あれも解せないところで、もし30%を失ってもア・バオア・クー攻略を行えるほどの戦力があるのなら、あの時点での連邦軍の悲壮感?は、あまり考えにくい。というか、戦争は戦争である。攻撃側が五分五分の戦いなどは選択しない。連邦軍がア・バオア・クーを攻略すると決断したとしたら「こりゃ勝てるよね」という戦力差を持って行うのが当然だ。

 では、何故賭け事にも近い戦力を持って、連邦はア・バオア・クーを攻めたのか。

 まず考えられるのは、現場では悲壮感が漂っていたが、作戦本部では「この戦力があればア・バオア・クー攻略は確実」という見解であったこと。ガンダムという話は、最前線の人間が主な登場人物なので、後方の人間との温度差があるのは当然だろう。つまり、画面では激戦だったが、実のところは連邦にとってア・バオア・クー攻略なんて楽勝であったという説。
 う〜ん、どうだろう。だったらア・バオア・クー攻略直前で「デギン・ザビ」の会談申し入れを、あの最前線であっさり受け入れるかな?ま、これはレビル将軍の性格もからんでくる話なので、何ともいえないけど。

 しかし、仮に連邦軍の戦力がジオンを圧倒するほどであれば、ア・バオア・クー攻略に対して、グラナダとソロモンを牽制する戦力だって用意できたはずだし、30%の艦艇を失った後でも、更に後方のソロモンから予備兵力を動員できたはず。ただ、そういった描写は全然なかったよね。

 えーと、書いていてもキリがないので、この続きはまたそのうちに(笑)

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