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大谷嶺攻略記

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EB250537.JPG 始まりはいつもお蕎麦屋さんでの密会から…。

 今回のお蕎麦屋さんは、東京都江戸川区にある手打ち蕎麦屋さん木香。蕎麦の香りがツンと心地よい。まずは蕎麦味噌をお通しで頂いて、その後は舞茸の天ぷら盛り合わせ、そして、焼きの入ったそばがきを頂いて…って、このエントリはグルメ情報ではありません。よくわかりませんが、その場で決まったことが、11月の末頃に「大谷嶺へ行こう!」ということ。

 大谷嶺といえば、知る人ぞ知る有名スポット。あの幸田文が「崩れ」という本を書くきっかけにもなったといわれる、日本三大崩れの大谷崩れがあるところ。崩れマニアにとってはたまらないスポットでもあります。

 私も崩れ好きを自称するからには、全国各地の崩れスポットを歩き回り…って程のマニアじゃないんですが、かつて日本三大崩れの一つ、稗田山崩れを目の前にしたときは、その大自然の力に畏怖を覚えた記憶があります。
 もっとも、あの辺はその後の台風で、姫川流域が壊滅状態になってしまい、下流域も「ネオ三大崩れ」があれば、ここは間違いなく入るよな…というインパクトのある光景になってしまいましたので、崩れマニア的には是非訪れなければならないスポットになってしまいましたけど。

 と、話がずれてきましたが、今回私達は、関東圏からそれ程離れている訳でもない割には、皆さん案外出かけることのない、静岡県阿部川流域の大谷崩れを制覇しようと出かけてきた訳です。

 メンバーは前回と同じく、にしだやさんいのうえさんと私。ま、山行記としては、にしだやさんいのうえさんのエントリの方が良くまとまっていますので、そちらを参照頂くとして、とにかく周辺の風景には圧倒されましたね。大谷領へ行く前の道でも、阿部川の傍若無人さは伺い知ることができ、結構な堰高がある砂防ダムの上が完全に土砂で埋まっていたりと、なかなかデンジャラスな雰囲気。
 スタート地点でも砂防ダムが延々と続いているのですが、どれもエッジが岩で砕かれ、堰上にはあまり安定しない形で大きな岩が鎮座ましましていたりします。これって、雨が降る度に転がっていくんですかね。1枚目の写真では判りにくいですが、スタート地点でも結構な傾斜があったりします。

 早速靴紐を絞めて登山開始!事前にこんなに心が折れそうな登山ってのも珍しいです。なんたって、目の前の崩れてるあの斜面をひたすら登ってゆく訳ですからね。

PB252696.JPG で、これが途中で撮影した斜面です。このような急斜面を延々と登ってゆきます。そしてもちろん、日本三大崩れのど真ん中ですから、崩落も結構あるようです。というか、私達が登っている間にも、小規模な岩石崩落がありました。静かな山の中で、突如「ピシッ」という音がしたと思ったら、目の前の斜面(写真の方向)を岩が転げ落ちてゆきました。私達は位置的に安全な場所ではあったのですが、下から登ってきた人の安否が気になります。

 頑張って登って2時間位でしょうか。ようやく尾根道に到達。その後も割と急な登り下りを繰り返し、標高2,000m(正確には1,999.7mらしい)の大谷嶺山頂へ到着。山頂からは真っ白になった南アルプスの山々もよく見えます。地味に日本第2の標高を持つ「北岳」も目にすることができましたよ。

 登ってきたら、当然下らなければならない…で、帰りはその急斜面を頑張って下ってきました。もう足が限界…、あ、豆知識ですけど、山の筋肉痛は斜面を下るせいで起きるんですよ。登りっぱなしなら、筋肉痛にはならなかったりします。

 終わってみれば、一気に登って一気に下るという、結構充実感のある登山ではありました。そして、その他の地域ではなかなか目にすることができない、珍しい光景も目にできたのは嬉しかったです。もっとも、途中の登りはどう考えても有酸素運動ではありませんでしたが(笑)

 別に上へ登らなくとも、登山口付近から大谷領を眺めるだけで、大自然が創り出した迫力は充分に味わうことができます。もう路面凍結の時期になって危ないですが、暖かくなったら皆さんもドライブがてら出かけてみては如何でしょうか。そして、興味がある人は、是非上まで登ってみようぜ!

OLYMPYS E-3 + Zuiko Digital 11-22mm F2.8-3.5
OLUMPUS μTOUGH-8010


崩れ(講談社文庫)/幸田 文

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