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コニカC35(Konica C35)

カメラ写真

♯308731/大きなレンズと、その上にちょこんとのっかっている露出計窓が可愛い

 

 

 最近はすっかりカメラにはまってしまって、手元にはいろいろと懐かしのカメラが集まってくるようになりました。ということで、私が実際手にしたカメラについて、写真を交えながら軽く紹介していこうという企画。第一回は1968年に小西六(現:コニカ)から発売され大ヒットしたコニカC35の上位機種。コニカC35 FDです。
 実はこのカメラ、私が所有しているものではなく、先日友人宅に遊びに行った折にちょっと古いカメラの話題になり、その時友人が整理箱のなかから出してきてくれたもの。なんでもその父親が昔コパル(このカメラのシャッターはコパル製)に務めていて、その縁で買ったカメラだとか…。古いので使えるかどうか判らないとのことで、動作チェックのため私が預かってきました。

 

 


 まず正面。まず目に付くのが、コンパクトカメラに似合わぬ大口径レンズ、HEXANON f=38mm F 1:1.8。この大きな前玉を見ていると、なんだかいい写真が撮れそうな気がしてきます。レンズ上にある小さな窓が露出計窓。鏡銅右側に見える黒いレバーがピント調整。左に見える銀色のレバーはセルフタイマーです。軍艦部にはファインダと距離計窓。この時代のカメラが持つオーソドックスなデザインです。

 次は裏面写真。ファインダは二重像合致式で、距離計窓がありません。ま、当たり前っていや当たり前ですが…。その他上面にある操作部左から「フィルム巻き上げノブ」「アクセサリーシュー」「フィルム&シャッター巻き上げレバー」「シャッターボタン」です。それとボディ手前にある黒い丸は、ストロボ接点です。プラスチック製のカバーが付いています。


 次の写真は鏡銅上部を見た写真。手前に並んでいる数字がシャッター速度調整ダイヤル。次がピントリング。最短撮影距離は0.9mです。一番内側に見えるダイヤルは、良く判らないのですが、おそらくフラッシュ連動の距離設定ダイヤルだと思います。また、このカメラはシャッター優先AEになるので、絞り調整ダイヤルはありません。


 次は上下から眺めた写真。上部にある操作部は説明したので、省略。下からの写真を解説すると、中央やや左寄りに見える小さな突起は、シャッター解除ボタン。フィルム巻き上げ時にこのボタンを押して、シャッターチャージを解除します。その右側に見える穴は三脚穴で、その次が電池室。このカメラは水銀電池で露出を計って絞り羽根を作動させますので、電池がないと適正な撮影が出来ません。
 鏡胴に見える数字は、フィルム感度設定ダイヤル。ASA感度とDIN感度の数字が並んでいます。


 このカメラは、本来SR44、またはLR44水銀電池一個で作動します。現在では環境への配慮から水銀電池の生産は止まってしまっているので、このカメラを使うには、アダプタを介してボタン電池を装填しなければなりません。このアダプタ、単にスペーサーとしての役割だけでなく、電圧調整の機能も兼ねているため、その辺にあるモノで勝手に詰め物をして電池を入れるとカメラを破損する恐れがあります。注意して下さい。
 尚、需要が少ない関係なのかこのアダプタ、売値が2,500円前後と結構高価です。このカメラを使うには、電池と合わせて3,000円程度の出費を強いられることになります。



 早速試写してみました。スキャナは日本ポラデジタルのPrimeFilm1800iを使っていますので、あくまでも参考程度に考えて下さい。オリジナルのポジは、ここでお見せできないのが歯がゆい位奇麗に仕上がっています。
 1枚目は廃虚になったガソリンスタンド。二枚目は稲の写真。三枚目は昔懐かし風情の乾物屋です。使用フィルムはフジ・センシア100。シャッター優先AEなので細かい撮影データは覚えていないのですが、実際の使用に当たっては、ファインダ内に表示される絞りと露出のメーターが見やすいため、自分の意図する仕上がりを割と簡単にイメージすることが出来ます。
 上がってきたポジを見てみると、色調は極僅かに青が強いのか、割とクールな印象です。絞り解放では若干色が薄めになる気もしますが、画面の隅々までシャープな像を結んでいます。このヘキサノンレンズ、期待以上の性能でビックリしてしまいました。
 露出計も正確な値を示しているみたいで、今回の24枚分のポジ全ての中で、露出を大幅にハズしたコマは一枚もありませんでした。もし、このカメラにマニュアルの絞り調整があったなら、もっとこのレンズを生かした撮影が自由に出来て、現在でもマニア向けの高性能サブカメラとして珍重されていた機種だったかもしれません。
 それと実際にこのカメラを持って外に出掛けると、現在のAFコンパクトカメラよりも素早い撮影が出来ることにも気が付きました。晴れた日の昼間は、シャッタースピードをあらかじめやや遅めにセットして絞りを深めに取り、距離リングを無限遠にセットしておけば、シャッターチャンスが現れたときに、ほぼタイムラグ無しでシャッターを押し切ることが出来ます。これは便利です。

 現在ではこのカメラ、中古屋のジャンクコーナーで、捨て値を付けられ売られていることが多いみたいですが、もし状態の良い個体を発見したなら、そっと救出してあげて下さい。きっと優秀なサブカメラとして働いてくれると思いますよ。

 

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