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工作少年の日々/森博嗣

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 森博嗣の本は、私がミステリーは嫌いなので、読む機会はないと思っていたし、そもそもそんな作家の存在は知ってはいたけど知らなかった(名前は聞いたことあるけど、特に意識していたことはないという意味)のですが、本屋さんの店頭でこの本を偶然見つけてこの作家のことを知りました。なるほど、庭園鉄道の方ね、それなら何かで見たことがあります。

 とても面白かったので、他にも彼の本を読んでみたい…というつもりは更々なく、やはりミステリーについては手を出さないと思います。ただ、エッセイについては、何冊か手を出してみたいと思います。

 本書については、色々と話題にしたいことがあるのですが、その中で1つ、

飛行機が美しく見えるのは、例えば家電製品や洋服などのように「人に優しい」という部分がないからではないだろうか。

 という部分が、とても印象に残りました。確かにその通り。飛行機はスタイリング自体が性能の1つであり、そこには他のプロダクツのように、マーケティングの都合…といったものが入り込む余地がありません。また、飛行に関係ない要素が入り込んだとしても、それは明確な意志を持って行われる行為であって、間違っても「かわいくみえるから」「女性に受けるから」「ご年配の方にとって優しい」という要素が入り込む余地は存在しないと思われます(例え飛行機でも、インテリア、に関してはこれらの要素が入る余地が多分にありますが…)。あれ、でもポケモンジェットとかあるじゃん…なんて言われる方もいるかもしれませんが、あれはスタイリングではなく、表面上のプリントに過ぎません。F-1カーの表面にスポンサーの広告が入っているのと同じ事でしょうか。

 そして、これはミリタリー趣味にも通じるものがありますね。軍事関連の機械もスタイルは性能の一部です。世間のミリタリーヲタの方々が、どことなく(というか、多くの場合過剰に)理屈っぽいのは、彼等の愛玩する対象物が、そういった性能に直結しないスタイルを否定した所にあるからかもしれません。

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