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▼2022年03月12日

きみはウランガラスを知っているか?

P1181012 現在では主にアンティークになりますが、ウランガラスというガラスがあります。

 その名の通り、このガラスの中にはウランが含まれていて、19世紀のボヘミア地方で、ガラスに黄色の発光剤を混ぜたモノがたまたまウラン化合物であり、紫外線(当時は早朝や夕焼けの日の光)に当てると、緑色に怪しく光るとのことで人々を魅了してきました。現在では俗に言うブラックライト(紫外線ライト)で、強制的に発光させることができますが、もちろん当時はそんなライトは存在しませんでしたので、更にミステリアスな趣だったのかと想像します。

 逆にそれがウランである事が判明した以降は、ウランは多くの国で国家による管理資源となり、製造もほぼストップ。現在では製造元のチェコや米国でごく僅かに製造されているだけのようです。

 また、戦前では日本でもウランガラスは製造されていましたが、戦後は全て終了。しかし、今世紀に入り岡山県の方でウラン鉱床が見つかり、そこで主に観光用として国産ウランガラスの製造がスタートしています。

 で、何故かそのウランガラスが妙に欲しくなってしまったんですよね。今回購入したウランガラスのティーカップセットは、米国ホッキング・グラス社製のアンティーク、およそ1935年〜39年の間に製造されたモノのようです。
 この会社はファイヤーキングを生み出したアンカーホッキングの前身となる会社で、故にこのティーカップセットは、米国製のウランガラスとなります。

 ガラス製品としては、さすがに年代モノのせいか、手作り感溢れる仕上がりで、よく見ると淵が綺麗な円形ではなく、何となく歪んでいるのもまたアンティークな食器の趣で味わいがあるところですが、この製品最大の特徴は、ウランガラスであるということ。なのでごく微量に放射線を出しているはずです。
 もっとも、このウランガラスで使われている程度のウランでは、当然ながら健康被害を起こすことはあり得ませんが、こういうの嫌いな人はダメな食器かもしれませんね。放射線嫌いって科学じゃなくて宗教なので。

 このカップで普段コーヒーを嗜んでいる私なのですが、コーヒーを入れると豆が放射線で更に熟成されて…なんてことは当然ありませんが、やはり薄緑の食器に注がれるコーヒーの色は、なんだか見た目も綺麗でコーヒーが美味しくなったように感じます。

 現在入手できるウランガラスは、ほとんどがアンティークになるため、価格の相場もあったりなかったりではありますが、このカップについては5,000円弱。高いか安いかの感じ方は人次第かと思いますが、約1世紀前で、更にウランガラスなんてキャラが立ってる製品としては安いかなと感じます。

 国産で新品のウランガラス製品は、岡山県の妖精の森ガラス美術館内のミュージアムショップで購入可能みたいですが、それなりにお値段するようです。

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 こちらは、ブラックライトを当てた写真。このように怪しく緑色に光るのが魅力ですね。

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▼2022年03月06日

ワルプルギスの夜/グスタフ・マイリンク

https://live.staticflickr.com/65535/51921279554_69040ee0ea_m.jpg おそらく去年の11月位に買っている。ようやく読了。

 購入の動機は「そういえば、国書のワルプルギスの夜、買っとこうかなぁ〜」なんて気楽なものあったが、2021年11月当時、調べてみると、ゾンアマではプレミア、他のオンライン書店の在庫を調べると、唯一ジュンク堂の渋谷店で在庫が残っている状態。さっそく取り置きしてもらって購入。ひょっとして日本最後の店頭在庫を確保したかもしれない。

 国書刊行会がリリースするこれら幻想文学集は、この手の嗜好を持つ人たちからは国書税…などと呼ばれているようで、そもそも文学についてはさしたる知識も興味もない自分が購入してしまってよかったのか?は別にして、このマイリンクは知っていたし、ワルプルギスの夜については新刊の当時から知っていた。
 というか、マイリンクはそのうち読んでみようかと思っていた当時「ワルプルギスの夜」という、ある種ヲタにとってはキャッチーなタイトルの本が出たので、そのうち買ってみよう…と、頭の片隅にずっと残っていたのであった。
 まぁ、在庫なくなる前に気が付いて確保できて良かった。

 内容については…まあ、色々な所で語っている人もいるし、解釈についても色々みたいだから、ゾンアマのレビューや、Googleで感想を検索して読んでみて下さい。何となく雰囲気わかると思う。

 個人的に惹かれたのは、白いドミニコ僧という長編で、「尸解(しかい)」と「剣解(けんかい)」という言葉。巻末の解説には当時のマイリンクが、“アウグスト・フィツマイヤーという同年代の東洋学者の論文「尸解と剣解」からこの概念を教わったといわれる”とあるが、こんな言葉は当然知らなかった。
 この通り、これらの小説にはマイリンク自身が傾倒していたといわれる東洋的概念がふんだんに登場し、それが中世ヨーロッパ的なオカルト思想と相まって、独特の世界観を醸し出している。

 翻訳者は巻末の解説で「どうしてマイリンクはこれほど変てこりんな小説をかくのだろう」とも書いているが、私としてはこのような小説が当時のプラハ(第一次世界大戦の前)で、受け入れられ読まれていたという方が驚きだ。
 本書に収録されている小説はさほど売れた訳でもなさそうだが、もうひとつのマイリンク代表作である「ゴーレム」は、当時としては爆発的に売れたとある。次はこっちを読んでみよう。

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ワルプルギスの夜:マイリンク幻想小説集/グスタフ・マイリンク
ゴーレム/グスタフ・マイリンク

真鶴

P3051052 真鶴に行ってきた。

 真鶴と言えば、川上弘美の小説「真鶴」。昔このブログでも話題にしたことがあったが、何となくずっと頭の中に残っていて、あの小説の舞台を1度は歩いてみたいと思っていた。

 朝6時過ぎの電車に乗ってJR真鶴駅、そこから市営バスに乗って、ケープ真鶴というバス停…要は半島の先端までバス移動をして、そこから歩いて帰ってくるというルートをとる。

 この小説についてはある種の「幻想文学」と言ってもよく、生と死の間、現在と過去の中を行ったり来たりしながら進んでゆく。
 小説では森が深く曇った半島の海辺を歩いていたようであったが、私の訪れた日は晴れ渡っていたので、あまりそういった幻想的な雰囲気はなかった。
 しかし、短いながらも鬱蒼とした森の中、そしてそれを過ぎると、小さな傾斜地にびっしりと建ち並ぶ住宅など、実に散策しがいのある場所だったと思う。

 あの小説を読んでもう10年以上、私の心の中の“真鶴”が、ようやく完結したかのような休日であった。当日撮ってきた写真はこちらで公開しています。

OLYMPUS E-M1 + Zuiko Digital 14-35mm F2.0 SWD / M.ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F2.8 PRO

真鶴/川上弘美

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