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▼2012年12月31日

シャルランのレコード

PC300239.JPG 何だかんだいいながらも、シャルランレーベルのレコードが合計8枚になってしまいました。

 もちろん、音質もいいレーベルではあるのですが、私にとって素晴らしいのは、全て楽曲的に「ハズレ」が無いって事ですかね。

 バロックを中心にした、小編成でかわいらしい音楽と録音ばかりのレコードで、嬉しくなってしまいます。

 8枚揃ってますが、どのレコードも最低で3回は聴いてます。買ったばかりなのでまだ演奏回数は稼げていませんが、恐らく、この先も愛聴しまくるでしょう。

 アナログを復活させて良かったと共に、年末になってこんなに素晴らしい音楽達と出会えたことを感謝して、今年最後のエントリとさせて頂きます。

 それでは、皆さん良いお年を!

OLYMPYS XZ-1

▼2012年12月29日

忘年会でタロット占いをお願いしてみた

 今日は会社の忘年会。

 忘年会と言っても、グループ社員総集合(って訳にもいかないんでしょうが)な訳で、会場は豪華に都内一流ホテルのホールを借り切って行われました。出席者はザッと見て3〜400人位いたのかな?

 当然それだけのイベントとなると、各種出し物もそれなりに行われています。アームレスリング大会にカラオケ大会、そして卓球大会(同じフロアの女子チームが優勝して賞金で社用のマッサージチェア買うといってた)など、イベントも盛りだくさん。

 そんな中、毎年恒例らしいのですが、各占い師さん達による出張占いコーナーin収益はチャリティーへ…というイベントが行われていました。
 こんな機会でもなければ、一生占い師さんに占いをお願いすることもないと思いますので、チャレンジしてみます。

 人相占いや手相、星座、水晶など様々な占い師さんがいたのですが、私はその中でタロットコーナーへ行ってみることに。お金払って占いしてもらうとか、人生初めての経験です。長生きはするもんです。

 スタッフに案内され、別室のタロット占い師のお姉さんの前に座ります。なんせ占いとか初めての経験なので、何を聞いてよいのかわかりません。思わず「皆さんどんな事を占ってもらうんですか?」と質問してしまいました(笑)

 お姉さんによると「そうですね〜、仕事運とか恋愛とかお金とか色々です。もっとピンポイントで占ってほしいことがあれば、状況を説明してもらえれば占えますよ」とのこと。じゃ、順番に聞いてみようかな?ということで、持ち時間15分の間に色々聞いてしまいました。その結果…

1:総論
 運気は絶賛上昇中。今年の6月前後からすごい勢いでよい状態になっている。その状態は来年の中盤でピークに達して、しばらくそのまま続くとのこと。

2:仕事運
 来年はかなり良い。今までやってきた仕事の集大成があり、それがが一段落して、新しいことに挑戦できる。挑戦してもしなくても、仕事は成功するでしょう。とのこと。

3:健康
 そろそろ歳なので、自分の健康よりも両親の健康を聞いてみましたが、両方とも至って健康。その他説明してもいないのに、結構核心を突くような話もされたのですが、ぷらいべ〜と(笑)なので割愛。

4:異性
 出会いは1月、次が2月。必ずと言っていい程一生続く良い異性との出会いがある筈。但しすぐには結婚に至らない。それを逃すと、春から夏にかけては仕事の良い運気の方が勝るので、出会いは厳しい。ただ11月にも良い出会いのピークがある。

5:金運
 収入も増えるが支出も増える。あなたにはお金に換えられる何かを持っている。それに気が付けば財産も増える。ただ、入るだけ使ってしまう(ドキッ)ので、財産が増えるかどうかは微妙。ただ、金運も上昇中なので、お金に困ることはない。

6:エピローグ
 あなたの今年は、春先からすごく良い状態で、今年は仕事の仲間に恵まれたターン。とにかく良い運気が続いているから、自信を持って色々なことを始めるチャンスです。

 だそうです。
 つまり、来年はイケイケの年だということですね。おそらく人生最後の運気上昇年だと思いますので、少しは前向きに生きてみようかと思いました。

 しかし、占い師さんってすごいよね。
 実は私の方からは殆ど喋らず、質問も「来年の仕事運はどうですか?」みたいなかなり抽象的な質問しかしていないのですが、彼女が語る言葉は、私の核心をかなり突いているというか、おまえ私のメール不正アクセスしてる上に、Twitterのアカウント知ってるだろ!と言いたくなってしまう位、見事に私のことを知っています…というか、知っている気にさせてくれます。

 人生初の占い体験でしたが、結構ショックも受けて面白かったなー、というお話でした。

▼2012年12月23日

Castillo de Canena First Day of Harvest

PC230133.JPG 「初摘みオリーブオイル」というそうです。

 なんでもこのオイルは、2012年11月1日に収穫されたそうで、それから4時間以内に搾った最高品質のオリーブオイル。瓶には「空輸品」と書いてあります。メイド・イン・スペイン。250mlで2,680円したったわこんちきしょう!。

 つことで、前のエントリにある「エクストラバージンの嘘と真実」で紹介されていた、カスティージョ・デ・カネナのオリーブオイルを買ってみました。本物のオリーブオイルの味を知りたくなってね。

 購入場所は日本橋三越。今日買ってきたオイルの他にも、ファミリーレゼルブと呼ばれるシリーズの、ピアクル種・アルベキーナ種、そして私が買ってきた初摘みオリーブオイルのピアクル種・アルベキーナ種、そして1ランク上のロイヤル種、こちらは4,800円位しましたが…の全ラインナップが揃っていました。

 その中で、今回私が買ってきたのは、その中の「初摘みオリーブオイル・ピアクル種」というものです。ピアクル種というオリーブは、完熟すると黒くなる実を持ち、濃いオイルが収穫できるとのこと。そして、自家受粉ができる貴重な種らしいです。

 早速、食事の時にスプーンですくって、直接食べてみました。この濃い緑色…すごいな。

 気になる味ですが、なんというか、日本人の私が言うのもおこがましいですが、とても懐かしい味です。昔、子供の頃に「これがオリーブオイルだ」と聞いて舐めた、あの味を思い出します。

 今スーパーマーケットで売られている、無味無臭のオリーブオイルとは違い、独特の苦みとエグ味、そして、ほのかに青い野菜というか、植物の香りがします。そうだよね…昔のオリーブオイルって、こんな香りだった。喉ごしも全然良くなくて、むしろ口の中や食道を舐め伝ってゆくようなそんな感じ。そう、結構人によって好き嫌いがありそうな、独特な風味です。

 次は、夕飯で茹でたパッケロに垂らして食べてみます。うーん、味の支配力強いなぁ。トマトソースの風味を抑え、完全にパスタの味を支配しています。
 もう逸品、魚のフライに垂らしてみても、これはおいしい。実は冷凍食品(笑)のフライなんですが、なんというか、味が高級な感じになりました。

 残念ながら、私は地中海沿岸の生まれではないので、このオイルを直接グビグビと飲むのはちょっとアレな気がしているのですが、焼き魚などに垂らして食べると、本当に美味しそう。
 ちなみに、同封されていた栞には、「焼き魚、お刺身、納豆ごはん、厚揚げ、お味噌汁、アイスクリーム」などの和食にも合うと書かれています。さすがに味噌汁に入れるつもりはありませんが、焼き魚と厚揚げにこのオイルは、本当においしそうだなと思いました。

 高価とはいえ、私のような貧乏庶民にも買えない値段ではないですし、酒と違って一晩でなくなるものでもないので、価格満足度はそれなりに高いかと思います。
 というか、オリーブオイルを普段使っている人は、一度、このクラスのオリーブオイルを買って、自分の味覚をリセットしておいた方がいいかもしれません。あ、オリーブオイルってこういうモノだったよね、臭くて苦くて喉ごし悪くて…でも美味しかった。そんな思い出がよみがえるかも。

 そして、このオイルについては、こちらのショップで購入できるみたいですよ。

OLYMPYS XZ-1

Bromptonをちょっくら整備

PC230124.JPG 先週、ブロンプトンで走っていたら、途中でパンクしてしまい、修理が面倒でそのまま放置していたのですが、昨日は雨で外出できなかったので、この機会にチューブ交換をと思って作業開始。

 最近は妙にパンクが増えてきた気がするので、ついでに、悪評高い純正リムテープを、パナレーサーの緑タイプに交換することにしました。
 ブロンプトンの純正リムテープは、そりゃもう酷いもんで、こんなのあってもなくても訳にたたんだろ…と思っていたのですが、ま、リムテープが純正で付いているだけマシとも言えます。サクッと交換後、ついでに以前から気になっていた後輪ハブのメンテナンスを。というのも、最近玉当たりが緩んできたのか、異音が出ることもあるし、少し回転が鈍くなってきた気がしたので。

 とはいっても、夕闇の中でスタメをバラしてメンテするつもりはありません。そっちはまた今度にして、玉当たりの調整のみを行う事にしました。

 といっても、ブロンプトンの場合、玉当たり調整はリアのチェーンのテンショナーを外さないとハブレンチが入らない構造なので、結構苦労しました。
 ハブレンチは、絞めすぎると回らなくなりますので、ガタが出なくて抵抗が少ない位置を探してレンチを締め込む。そして、その状態で乗車して、ガタ、異音が出ない状態まで再び絞める…。絞めすぎると露骨に後輪の回転が鈍くなるのでまた調整…と、普段この手の整備をやっていない素人にとっては、当たり所のカンがなかなか掴めず、何度かやり直す羽目に。結局パンク修理と玉当たり調整で、合計3時間位の時間を費やしてしまいました。

 つことで、早速今日はブロンプトンに乗ってお出かけ…と思ったのですが、今朝の関東地方は空が曇って寒いです。そうそうにスタバへ避難してドヤリングとなってしまいました。

 さすがにこれから少しは走ってくるかな。
 そうそう…パナレーサーのリムテープには、ブロンプトン用の16インチサイズはありませんけど、18インチサイズがピッタリ使えますよ。

OLYMPYS XZ-1

ちゅうかなミクさんが届いたよ!

EC190593.JPG もう先週の話ですけど、「増殖気味」の初回限定版に付属していた、中華ミクさんが届きました。いや…もちろんCDの方も届きましたけどね。

 見ていると、とてもあいくるしくてしにたくなってくるので、会社の机に飾ることにしました。業務をサボリながらさりげなくヲタアピールができるということで、私としては一石二鳥のアイテム(意味不明)。ま、とにかく可愛いのでお勧めです。

 なんだかついでみたいになっちゃいましたが、中のアルバムもモチカッコいい。ミクさん声のシーメンスが聴けるとは感動しちゃいましたよ。

 初回版はまだ店頭にあるのかなぁ。初回版じゃなくてもお勧めです。

OLYMPYS E-3 + Zuiko Digital 50mm F2.0 Macro


増殖気味 X≒MULTIPLIES(初回生産限定盤)DVD付/HMOとかの中の人。(PAw Laboratory.)

エキストラバージンの嘘と真実/トム・ミューラー

PC200113.JPG 皆さん、オリーブオイル食べてますか?私も毎日もこみち並みにオリーブオイルを口にしています。
 しかし、そのオリーブオイルが偽物だとしたら…わかりませんよね、オリーブオイルが本物か偽物かと言われても。

 本書は、そのオリーブオイルの疑惑を明らかにしてくれる本。なんでも、NYのスーパーマーケットで売られていた“エクストラバージン”のオイルは、その殆どが“エクストラバージン”の品質とはほど遠いレベルのオイルで、なおかつ、中には粗悪なオリーブオイルに混ぜ物をして売られていた製品もあるとか。わかりませんよね、そんな事言われても。

 例えば、日本人であれば“醤油”を偽造したのであれば、案外すぐにバレるんじゃないかと思うんですよ。しかし、オリーブオイルの香りなんてね。普段直接オリーブオイルを飲む習慣のある日本人は殆どいませんので、……わかりませんよね、香りとか言われても。

 でも、本場イタリアでもそうだったんだなぁ…と。もっとも日本人だって、ごま油とかサラダ油とか偽造されたら、多分わからないと思いますけど。

 思えば、ここ10年位、エキストラバージンオイルって随分安くなったよなぁ〜とは思っていたんですよ。
 私が料理にオリーブオイル使い始めた頃は、さすがにエキストラバージンオイルはちょっと高くて、特別なオイルだという認識がありました。でも、今スパーマーケットに行くと、エキストラバージンオイルと普通のオリーブオイルって、そんなに値段変わらないんですよね。ラベルのブランドによっては、価格が逆転している製品すらある。
 あと、香りが以前よりしなくなりました。昔のオリーブオイルって、独特な香りがまた楽しいものだったのですが、一部の苦手な人達がいたようで…最近では香りが殆どしなくなりました。両方ともおかしいとは薄々思っていたのですが、ま、日本は円高だし…と、あまり深くは考えていませんでした。
 しかし、この本を読むと、500mlで1,000円以下で売られているエキストラバージンオイルは、もう買いたくないな…と思いました。そりゃそうだよね、冷静に考えてみればエキストラバージンって、いわゆる“一番搾り”な訳で、世界中のスーパーマーケットの棚を埋める程、流通するはずがありません。夏になると全国のスーパーでも売られるようになる“国産ウナギ”みたいなモノですかね。なので、日常で料理に使うオリーブオイルは、中途半端な価格の輸入品より、国産の普通のグレードのオイルを購入した方が絶対安全な気がします。

 もっとも、そんな中でも、地に落ちたオリーブオイル界を健全に復活させようという努力をしている人達はいるみたいです。そう考えると気分も少し明るくなります。本書で紹介されていたコチラのオリーブオイルとか、買ってみたくなりますね。本書の出版で、人気出て品切れとかありそうな話ではありますが。

 内容は、むつかしいモノではなく、短い章立てのルポをまとめた体裁となっているため、読みやすいです。日常でオリーブオイルを使っている方、またMOCO'Sキッチンのファンの方は、一度目を通しておいた方がいいと思います。

OLYMPYS XZ-1



▼2012年12月22日

SATIN M-14

EC220603.JPG アナログをやり始めると、昭和な日本人の凄さがわかります。
 伝説のカートリッジ、幻のアーム…etc. 日本製品ばかりです。そして、コチラも伝説の日本製カートリッジです。

 SATINのM-14を聴いてみました。大分前に友達から預かっていたカートリッジで、針磨きだっけ?と思っていたら、超音波洗浄の方でした(笑)。もっとも、交換針の方には全く手をつけていないので、どうぞよしなに…(笑)

 サテンとは、1950年代から80年代にかけて、独創的なカートリッジを製造していた日本の京都にあったオーディオメーカー。社名の由来は天秤だか工学用語だかの「さ点」からきているというのをどこかで読んだような記憶がありますが、よく覚えていません。なんでも、カートリッジやアームの設計思想において、理論武装がすごいメーカーだったそうです。

 実際、このカートリッジもユニークな構造です。MM並みの高出力コイルを採用し、それを支えるダンパーは、ゴムではなくシリコングリスを用いて、ダンプを最小限に抑えています。その先のカンチレバーは、ジョイントを用いて接続しますので、MC方式ながら針交換が可能という異色のカートリッジ。
 音も独特で、当時は国産メーカーがこぞってオルフォトン形式を模倣していた中、異彩を放っていました。ソニーのESシリーズや、トリオ(KENWOOD)にもOEMでカートリッジを供給していたそうなので、知らぬ間に、案外SATINのお世話になっていた人は多いのかもしれません。
 今回紹介しているM-14については、こちらのページ当時のカタログが公開されています。

 早速音を聴いてみます。アームはLINNのBASIK PLUS。ちなみに、最近はLINNのアームが手持ちで3本になったので、気軽にアーム毎交換して複数のカートリッジが楽しめるのがうれしいです。
 カートリッジのサイズのせいで、スタイラスポイントが少し外側になってしまったのですが、そこはご愛敬。内部のグリスもさすがに劣化しているだろうし、ちゃんと音出るかな?と思ったのですが、とりあえずきちんと音は出ました。

 聴いてみて感じたのは、さすが高出力型MC、とにかく出力が大きい。アンプのボリウムも普段より2〜3時程下げます。ネイムのアンプはボリウム下げるとギャングエラー(左右バランス)の調整が面倒なんだよね。
 スピーカーの中央に陣取って聴いてみますと、こんなに古いカートリッジなのに、とても音がいいです。音については、IKEDAに比べて現代的というかフレッシュな感じがします。ロックとかポップスが、とても気持ちいいと思いました。盤のトレース能力も安定しています。もう発売されてから40年以上経つカートリッジなのに、アナログは本当に侮れないです。IKEDA9cIIIがなければ、常用カートリッジとして自分がもらっちゃう位の実力です。

 ただまぁ、さすがにIKEDAと比べると、細かいニュアンスは劣るのは仕方ありません。特に音が消える様の佇まいや、ピアノ、弦楽器の危なげな鋭さなどは到底敵いません…というか、こういう部分でIKEDAに敵うカートリッジも、この世にあまり存在しないとは思いますが。
 しかし、M-14が歌う人の声などは、適度な野太さと繊細さが同居しているような不思議な音色で、かなり気に入りました。常用はしませんが、なんかの時には、この音を聴いてみたいと思う時があるような機がします。

 古いカートリッジなので、入手先は主にネットオークションからになると思いますが、そちらでも結構人気があるようです。ただ、入札が殺到するとはいえ、まだ非常識な相場にはなっていないようなので、SATINの音が懐かしくなった人は、早目に可動品を確保した方が良いかもしれませんね。私もいずれかのモデルに入札してみようかなぁ。

OLYMPYS E-3 + Zuiko Digital 50mm F2.0 Macro

▼2012年12月21日

エレベータのひらくボタン

 エレベータの「ひらく」「とじる」ボタンの認識が、昔からできないのです。

 ここの所、毎日エレベータを使っているんですが、扉についての操作ボタンが、幼い頃から全く「認識・cognition」できません。いや…少し詳細に言えば、意味がわからないのではなく、図形を認識した後「認知・recognition」というプロセスが働かないと、どちらが開くボタンで閉まるボタンなのかが、頭の中で判らないということです。

 例えば、私がエレベータに乗ろうとして、その後から別な人が慌てて乗り込んでこようとした時など、とっさに「開く」ボタンを押してあげる事ができないのです。
 何故なら、ボタンを「認識」して「認知」しなければならないので、「とっさ」の動作ができないからです。


Yazi 01


 上は一般的なエレベータの「開く」「閉る」ボタンです。一般的には、上記の記号で大勢の方が正しい意味を「認識」できるから、このような記号がボタンに採用されているんだと思います。しかし、私の場合は全くダメです。上記のボタンを目で見て認識した場合、全く反対の意味で捉えてしまいます。


Yazi 02


 上の図を読み解いてみると、正しい認識は左になると思います。つまり、さんかくの尖ったアイコンを「矢印」だと認識する例です。おそらくこっちの人が殆どなんだろうなぁ…と思いますが、私の場合は全く逆、右側の認識をしてしまいます。
 図では「不等号」と書いていますが、どちらかというと、私の場合は、さんかくの図形を、進行する方向ではなく、エネルギーが解放される方向として認識しているようです。「とじる」のボタンを、左右から力で押し付けるイメージ。そして「ひらく」は、その力を左右に解放しているイメージ。通常の認識と全く逆ですね。

 でも、ここで不思議なのは、上記のボタンの図形を何度も見ても、脳が覚えないことです。毎日のようにエレベータのボタンを押していれば、いずれ脳が学習して「認知」しなくても、条件反射的に図形の意味を学習するはずです。
 しかし、そうならない理由は、上記のように図形の意味を中途半端に「認識」してしまうからかな?と思っています。

 極端な話「しまる」ボタンが「☆」で、「ひらく」ボタンが「Д」だったりと、図形の持つ意味が、その動作を全くイメージさせない図柄であれば、単に脳で、それらの符号に意味づけを紐付けるだけなので、何度かボタンを押していれば、慣れてしまうのかも知れません。

 同じような疑問を持っている人はいないのかと検索してみると、以下のページでエレベータのボタンについて考察されています。

 WentWayUp: WebLog:エレベーターの開閉ボタン問題への解

 上記サイトからの引用になりますが、私としては、以下のボタンデザインが秀逸だと思いました。


OpenClose DoorIcon


 ちなみに、私のように、やはり迷う人もいるようで、デイリーポータルでは「開くボタンはほぼ左!」というスローガンで頭の認識を上書いてしまう提案をしているようです。

 デイリーポータルZ:エレベーターの開くボタンは、ほぼ左

 なんだか、結局のところ、エレベータの「ひらく」「とじる」ボタンは、記号・視覚デザインとして、失敗なんじゃないかな?と私は思っていますが、皆さんはどう思いますでしょうか。
 そして、とっさにどちらが「ひらく」ボタンなのか、正しい「認識」でボタンを押すことはできますか?


 

▼2012年12月20日

なんだかキミが恋しくて/さよならポニーテール

Sayonaraponi 考えてみれば「さよポニ」のCD買ったのは今回が初めて。

 もちろん、聴いた事がないわけではなくて、彼女達の音楽は以前TSUTAYAでCDレンタルしたとき、まとめて何枚か借りたうちの1枚に入っていました。
 聴いてみると、確かに可愛らしい歌声でしたが、ちょっと暗い感じの歌やアレンジがあまり好みでないな…と思って、「新規追加曲」のプレイリストから落ちた後は、そのままiTunesのライブラリに入ったままです。

 なのですが、このアルバムは良かったな。
 タワーレコードの試聴機に入っていたので、色々聴いてるついでに聴いてみただけなのですが、曲のトーンが少し変わっています。初めて、さよポニのCD、レンタルじゃなくてDiscを買ってもいいかな…と思いました。

 特にトラック2「わたしの悲しみを盗んだ泥棒」とか、スタートの弾む感じは、かなりお気に入りです。少女系ポップスはこコレじゃないとね。暗い歌歌って許せる(許せた)少女は、谷山浩子だけだっつーのw。

 初回限定版にはボーナストラックも付いていて、こちらも可愛らしい雰囲気ながらちょっと悲しい曲で、なかなか良いです。
 レンタルで済ませてもいいんでしょうが、レンタルだとこういった初回限定トラックが含まれない盤だったりするので、その辺をご認識の上どうぞ。

▼2012年12月19日

PLANEXのSW-0008F2で音は変わるか?

PC180110.JPG 次はハブですよ、ハブ。シャーーッ!!

 つことで、とある世間では「音がいいHab」というジャンルがあり、ネットワークオーディオ黎明期から、○○社製のハブは音がいい…とか、音にこだわるなら○○社製のルーター…みたいな話は一部で盛り上がっていました。今でも検索すると、皆さんの試行錯誤ぶりが、色々と公開されていて面白いです。

 これらについて、正直私は「ついてけないな」と思っていたのですが、最近になって、リアルで知り合いの方が約2名こちらの方とかが、PLANEXの8ポートハブにしたら、音が良くなった。と仰られていまして、だったら私も買ってみようかな?という気持ちになったのでした。

 実は「音がいい」とは位相が違う話で、ネットワークオーディオにはスイッチングハブを追加した方が音がいいんじゃないか?みたいな話は、2011年の某所で行われたオーディオ系忘年会で盛んに議論されていました。

 つまり、家庭内のPC等、様々なネットワークトラフィックに、ネットワークプレーヤーやメディアサーバーを直接ぶら下げるのではなく、スイッチングハブを使って、ネットワークプレーヤーとメディアサーバーを、他のトラフィックから隔離した方が、データ転送的には優れているんじゃないか?という仮説を唱えられ、実践してみよう…みたいな話が語られていた訳です。
 私もこの話に参加しながら、従来のとにかく「信号の接点を減らす」的なピュアオーディオの概念は、ネットワークオーディオだと違うんだな…みたいに感じていた記憶があります。

 そんな前振りがあったので、元々「何らかのスイッチングハブはオーディオ用に追加しようかな…」と、漠然と考えていたのですが、こういうイチオシの製品があるとの事で、わかりやすく選ぶことができました。

 で、今回購入したのがこの「PLANEX SW-0008F2」。こちらはネットワークオーディオで有名な某社も、ショーなどのデモでは密かに使っているという噂がある逸品。
 8ポートのスイッチングハブとしては高価な部類ですが、ポートミラーリング機能を実装していたりと、サイズの割には高機能な製品です。パッケージも業務用チックな段ボールに製品名のシールが貼られているだけで、非常に素っ気ない。

 ネットワーク方面について、そっちはそっちで色々遊びたい気もするんですが、とりあえずオーディオ的に使ってみましょう。

 まず、自宅のネットワーク構成ですが、インターネット側から見ると、モデムを越えて最初の機器が、AppleのAirMacEXtream、基本はコチラがネットワークのルーターとなり、家庭内のDHCPサーバーとなります。そこにぶら下がっているのが、同じくAppleのTimeCapsule。こちらはブリッジ接続なので、ネットワーク的には有線/無線のハブ機能を担っています。その先に各種PCやLINNのSneaky DS、その他諸々の無線端末がぶら下がっている状態。
 この状態にSW-0008F2を追加して、ネットワークサーバーになっているMacminiSneaky DSをPC側のネットワークから切り離しました。
 ちなみに何となくTime MachineとSW-0008F2のカスケード接続には、昔懐かしクロスケーブルを使ってみましたが、多分意味が無いのでCat7のケーブルに変更しようかなと思ってます(今ではクロスケーブルの需要は少なくCat7の製品は存在しない)

 更にハブの電源も音に影響出る!との話もありますが、昨日の時点ではそんな所にまで構っていられないので、とりあえずやたらと太い付属の3P電源ケーブルを使いテスラクランプ経由で電源を確保しました。

 早速音を聴いてみます。私のシステムでは、事前に聞いていた程“激変”でもなかったですが、確かに音は変わっています。音色についての変化は感じませんでしたが、よりステレオイメージが明確になったのと、ステージが少し広がった気がします。音色は変わらないし、中央の音の濃さも変わらないので、かなり良い方向に変化していると感じました。

 まだ夜間に小音量で聴いただけなので、結論は出せませんが、この音量でサウンドステージが改善されたということは、おそらくそれなりの音量で聴けば、かなり良い感じに変化してゆくのではないかと。しばらく通電しておけば、また様子も変わるでしょうしね。

 ちなみに、LINNのSneaky DSだけなのかは知りませんが、ネットワークプレーヤーは接続するLANケーブルの状態に割とシビアです。実際、再生中に途中のLANケーブルを持って振ってみたりすると、再生音が途切れたりすることがあります。ストリーミングバッファを殆ど確保していない通信してるんだなぁ…と、ちょっと感心してしまいます(追記:後で気が付きましたが、途中でHIT-100が繫がっているせいかもしれません)
 なので、途中のネットワークの状態には、かなりシビアな筈。本製品ではなくても、DSやるには、しっかりとしたネットワーク構成は重要だなと思いました。
 あと、コチラは単純にスイッチングハブとしても、高機能なので、他にも色々遊びたくなってきますよね。

 いずれにせよ、単体のスイッチングハブ導入は、オーディオと関係なくても、ネットワーク的には正しいグレードアップなので、私のような無線ルータに直接機器をぶら下げている構成の人で、オーディオな人なら、本製品の導入を検討してみても良いかもしれません。

OLYMPYS XZ-1


LINTO復活!

EC190600.JPG 郵便局員が直々に荷物もってお詫びにきましたよ、「ご迷惑おかけしました」って。

 つうことで、何故か発送トラブルに巻き込まれて到着が遅れていた、フォノイコの最終兵器、LINN LINTOが到着しました。局員の方にお話を聞くと、どうやら倉庫の片隅に放置されていたようで…ま、良かったです。
 また、お送り下さったANIさんも、ご迷惑おかけしました。箱の中にスープカレー入ってて嬉しかったです。

 さて、このLINTOですが、アナログのLINNが、創立25周年記念ということで突如発売した、ある意味意外でもありますが、LINNとして単体初のフォノイコライザー。もっとも、以前にはPre-Preampという製品もあるにはありましたが、あれはLinnの製品なのかNaimの製品なのかよくわからない代物だったので。

 発売当時は、まだLINN製品をあまりべた褒めしてなかったオーディオ評論家達も絶賛!私も発売後の比較的早い段階に、自宅で音を聴かせてもらったのですが、これはもうすごい…思わず「買います」と言っちゃいました。
 当時の価格は、単機能(MC専用)のフォノイコで20万円と、なかなかハイエンドな製品だったのですが、逆にCD時代が進むにつれ、もっとバケモノみたいな値段のフォノイコがいくつも発売されましたので、相対的には比較的安い買い物だったのかも。
 その後LINTOは30万円近くまで値上げされた後、最近はUPHORIKという製品にバトンタッチしたようです。こちらは、MMもMCも使えますし、様々なゲインにもディップスイッチで対応しているようなので、LINTOの最終価格と比べて、販売価格33.6万円はお買い得な気もします。

 PC180107.JPGさて、戻ってきたLINTOですが、設置前にやる事があります。というのも私のLINTOは、以前使っていた高出力MCカートリッジ、BenzMicro Glider用に、内部の利得を54dbへ下げてあるのです。この先、低出力カートリッジと低出力な人生を送る私にとって、切換で下げた-10dbは是非確保したい所。

 LINTOの利得切換は至って簡単というか乱暴(笑)。メインの基板を本体から取り外し、その裏側にあるジャンパーをカットすればローゲインになります。写真で掲載したこの部分です。そして、このジャンパーを再びつなぐと元の利得64dbへ戻ります。
 早速はんだでサクッと再接続。作業時間はコテ暖める時間の方が長いくらいですね。ただ、製品の基板上での作業になりますので、自信がない方は、カットするのはともかく、戻すのはサービスセンターに持ち込んだ方がいいかもしれません。というか、サービスセンターなら、ひょっとして再接続じゃなくて、金属ジャンパーごと元に戻してくれるかも(知りませんが)。そうじゃなくても、音質的にはともかく、素人作業よりは気分が良いでしょうし。

 早速、システムに組み込んで試聴!といきたい所ですが、まだ作業があります。私が使っているNaimのプリアンプ、NAC-12の天板を開けて、MC用フォノステージNA323Sボードを、スルーボードに取り替えなければなりません。他の入力端子に入れても良いんですが、NAC-12は元々入力が3系統しかない上に、他2つはDIN端子なのでケーブルを用意するのが面倒です。
 ボードの差し替えは別にむつかしい作業じゃないのですが、OLDBODY仕様なのでネジ8本も外さないといけないのがたりー。でも、コチラもサクッとやっちゃいました。

 早速お気に入りのレコードに針を下ろします。
 夜間でのリスニングなのであまりボリウムを上げられないのですが、やはりLINTOはすごいですね。空間が以前よりも広がり、人の声がぐっと前に出てきています。と同時に、NA323Sボードも悪くはなかったんだなと思いました。

 ということで、BASLK入手からのアナロググレードアップ作戦も、ここでひとまず終了です。参考までに、これまでやった事をメモしておきますと…。

 ・BASIKのインナープラッターをAXIS用の金属プラッターに変更。
 ・軸受けのオイルを交換。純正モブリデン系から、もう少しサラッとした機械油に変更。
 ・ITTOK LVII導入。カートリッジはIKEDA9cIII。
 ・LINN LINTOの復活。

 となります。
 機材に関しては、ターンテーブルとアーム以外は、基本手持ちの再利用になるのですが、費やした金額を改めてふり返ると、やはり、アナログはお金も手間もかかりますね。でも、楽しいんですよね、レコードの音は。

OLYMPYS E-3 + Zuiko Digital 50mm F2.0
OLYMPYS XZ-1


▼2012年12月16日

beautiful world/Connie Talbot

PC160101.JPG タルボットたん、ハァハァ。

 現在LINNレコードでは、クリスマスまでの毎日、ハイレゾ音源を含む毎日1曲無料ダウンロードサービスが行われております。

 なので、近頃はリンレコのサイトに行くことが増えたのですが、そんな中、サイドメニューの「RECORD OF THE WEEK」で見つけたConnie Talbot。
 確か天才6歳児歌手とかいって数年前話題になってたよな、位しか認識がなかったのですが、今ではもう、花も恥じらう12歳。すっかり大人びてきましたね…と思って試聴してみたのですが、これがなかなかよい!価格も24bit/96kHzデータが$24.00となかなかお買い得。早速ポチッと購入してみました。

 リンレコのサイトはJCBカードが使えないので、普段使っていないサブのクレジットカードを用意しなければいけないのが面倒なのですが、とりあえずVisaで決済。ダウンロードして聴いてみました。

 うぉう…!歌うまいな〜。聴き惚れちゃいましたよ。歌唱力は一級品なのに、声変わり前の女の子の瑞々しい声がスピーカーの間に広がります。
 また、録音もすごくいい。ベタですが7曲目の「Amazing Grace」とか、グイグイ引き込まれる感じです。

 ちなみに、このアルバムはiTunes Music Store(iMS)でも販売されていて、価格は1,500円程。もちろんゾンアマでも販売されていて、MP3ダウンロード版がiMSと同じく1,500円。CD版が2,275円だそうなので、個人的には、リンレコのダウンロード販売が一番おトクかと思います。CDクオリティでいいなら$13.00だしね。

 これからの寒い季節、皆さんもタルボットたんの優しい声を聴いてハァハァしましょう。心を温めましょう。写真はリンレコ版に同梱されていたPDFジャケットの一部です。

OLYMPYS XZ-1

Beautiful World/Connie Talbot

シャルランのレコードを買う

PC160098.JPG 昨日は午後から出かけてユニオン詣で。

 何枚かレコードを買ってきたのですが、そこで手にした「シャルラン」のレコード「quatuor a cordes slovaque」。スロヴァキア・四重奏というレコードです。

 シャルランといえば、古いオーディオマニアにとっては耳にしたことがあるのではないでしょうか。私は正直よく知らなかったのですが、レーベル名にもなっている「シャルラン」という録音技師が興したレコードで、ワンポイントとバイノーラルにこだわった高音質なレコーディングが特徴。その為、オーディオチェック用のレコードとしても人気があったとか。

 肝心の音楽については、マイナーレーベルのため演奏家へ大金を払えず、ギャラが安い楽団を探してきては、そこでマイナーな曲を演奏してもらっていました。彼は曲の内容よりも録音に興味があったのか、それとも、マイナーな楽曲にも素晴らしいモノがある!という気概でこのようなラインナップだったのか、よくわかりません。
 その後も、メジャーどころで人気のある楽曲がリリースされず、その為肝心のレコードがあまり売れずに、ヒッソリと消えていったようです。

 つことで、私もこの「quatuor a cordes slovaque」を聴いてみたのですが、音もいいけど音楽も良いねぇ…。確かにマイナー音楽っぽい雰囲気がありますが、室内楽が好きな人には、この美しい弦楽器の響きがたまりません。

 折角なので曲目リストですが

1:Joseph Myslivecek 1737-1781
  Quatuor a cordes en ut majeur

2:Jan Adam Frantisek Mica 1746-1811
  Quatuor a cordes en ut majeur

3:Antonin Rejcha 1770-1836
  Quatuor pour flute et cordes en ut majeur

 となっております。

 以前はシャルランのレコードって、あまり売れずに数も少ないため、それなりに中古価格も高騰していたらしいのですが、私が買ったレコードは、1,200円でした。
 音もいいし収録されている音楽も素晴らしい。特にB面「アントニオ・ライヒャ」なんて、他にもCDとか探したくなります。良い買い物したわぁ。

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▼2012年12月15日

ITTOK LVIIとAKITO IIとBASIK PLUSアームに付いているイモネジについて

PC110082.JPG コネタ系です。

 さて、これで私が所持しているLINNのアームは合計3本になったのですが、比較してみると色々と違いがあって面白いです。今回は、小さなパーツだけど、実は製品の音決の思想に関わる大きな点なのではないか…みたいな所を考察。

 写真のこの2本のねじ、アームベースに付属している、アームを固定するイモネジです。上がBASIK PLUS(ややこしいですが、LINNにはAXISに付属していたトーンアームで「BASIK PLUS」というアームがあります。ターンテーブルとは別製品です。更にややこしいことに、LP-12用電源で「BASIK」という製品があり、ネットで情報を検索するのに難儀します。)に付属していたイモネジ。下がAKITO IIに付属していたイモネジ。ITTOK LVIIのイモネジは、BASIK PLUSと同じに見えるネジだったので割愛しました。

 観察すると、BASIKとITOKのネジは、通常のイモネジに、アームを面で受けるための金属が被さっています。更にこのアダプタをよく見ると、微妙にアームの表面と密着するように弧を描いており、ネジの圧力をきちんと面で受ける構造になっています。
 対するAKITO IIは、先端は丸まっていますが、ちょっと尖った形の単純なイモネジ。シンプル・イズ・ベストな構造です。

 では、そのネジを受けるアーム側はどうなっているのかというと、これがまた不可解で、BASIK PLUSは完全な円柱。AKITO IIとITTOK LV IIは、ネジを受ける部分に少し切り欠きがあります。
 理にかなっている気がするのが、BASIK PLUSで、完全な円柱を円に密着するように加工されたアダプタを介してベースに固定するという、当然ながらの構造。
 AKITO IIもまぁ正しくて、切り欠けのある谷に対して、少し尖った形のネジを打ち込んで、点接触でアームを固定。これもオーディオ的には正しい構造。
 じゃ、ITTOK LVIIはどうなのというと、イモネジにはBASIK PLUSと同じようなアダプタが付いていて、更に前のエントリにもあるよう、ベースの反対側には切り欠きがあり、3箇所での点接触でアームを固定すればいいのに、何故かイモネジは面接触になっています。

 これらの微妙な仕様の違い、海外製品には割とある「あまり気にしてなくてロット毎にパーツが違っちゃった」という可能性も考えられますが(それが一番可能性が高い)、ひょとしたら、製品毎に狙った音や効果の違いに差があるからかもしれません。

 特に結論はないのですが、同一メーカー品でも色々な考え方があるものだなぁ…と思ったので、ついエントリを建ててしまいました。いや、特に何も考えていないのかも知れません。それか、AKITO IIのイモネジが単に破損したか別なネジに交換されただけかも知れません。

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BASIKにアームレストを付けたよ

PC150097.JPG ITTOKがきて初めての休日。つことで色々と工作を…。

 まず行ったことは、ITTOK用のアームレストを付けること。こちら、ITTOK LVII迄のモデルは、アームレストがアームベースと完全別体になっていて、装着するには、ターンテーブルに穴を開けなければなりません。
 LP-12などでは、ターンテーブル側のアームベースは別になっていますので、あまり躊躇もないんですが、BASIKとAXISの場合は、ターンテーブルのベースに直接穴を開けなければならないので精神的に結構しんどい。でも、やっちゃいましたけどね。

 家にあったBOSCHの電動ドリルで穴を開けたのですが、これがまた結構大変で、木の板のくせにBASIKのベースはやたらと堅い…。まず2mm径くらいのドリル歯を使ったのですが、ベースを貫通させるまでにバッテリ2回交換しました。ギュッと押し付けるようにドリルをあてても、中間層でやたらと堅い箇所があり、ドリルが進まない上になにやら焦げ臭い匂いが…。仕方ないので、焼けない速度で少しずつ穴を掘り進めていきました。
 一度貫通してしまえば、その後はあっけなく穴を広げることができて。次は5mmドリル、そして最終的には8mmドリルでフィニッシュ。無事成功しました。
 位置はアームホールからちょっと遠くしてみました。アーム取り付けてみると意外とギリギリだったのでヒヤヒヤしましたが。

 次はアームベースの取り付けです。もっとも、AKITO IIのアームベースは、ITTOKとも互換性があるので、そのままでも良かったのですが、実は性能に少し違いがあります。

PC150086.JPG 写真を撮ってみました。左のシルバーがITTOKのアームベース。右の黒いのがAKITOのアームベースです。

 価格が違いますので、仕上げの善し悪しはありますが、そこは無視してよく観察すると、なにやら穴の形が違いますね。AKITOの方は完全な真円ですが、ITTOKの方は、穴の左側が少し削られているのがわかりますでしょうか。

 何故このような構造になっているのでしょう。理由は、アームベースとアームとを固定する仕組みにあります。
 通常はイモネジで、アーム本体を片方から押し付けて、アームベース内周の反対側の円で挟み込むことによりアームを保持するのですが、その場合、ベースの穴が真円だと、固定ポイントはイモネジの1点とその反対側で円の内側に接触している1点、計2点となります。
 しかし、ここでイモネジの反対側の内周に切り欠きがある場合、接触ポイントはイモネジ部分の1点と、内周切り欠きの開始点2箇所、計3箇所でアームを保持することになるのです。
 どちらが安定するかは想像の通りです。細かいことですが、アナログプレーヤーの音質は、こういう細かい所の積み重ねが、再生音に効いてきます。

 さて、これらの工作が終わって、さっそく音を聴いてみました。アームレストは音に関係ないと思いますが、アームベースを交換したことは、確実に音の差になっていますね。もっとも、ベースの構造というより、新たにベースをきちんと締め直した事の方が音の差になっているのかもしれませんが、とにかく音が一層クリアになり、IKEDAっぽい音に1歩近づいてきた気がします。

 さーて、この後はLINTOが届けば、とりあえずアナロググレードアップ作戦は一段落しますかね。レコード聴くのが楽しくなってきたので、どこかにレコードを仕入れに行ってくるかな。

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▼2012年12月13日

ネットワーク分離装置HIT-100は音をゆったりとさせた

PC130084.JPG ネットワークオーディオがだんだんと盛り上がってきましたが、それに伴って電波なグッズも色々と販売されてきているようです。

 メーカーも必死だなwと思いますが、そりゃね…原価数十円のパーツを「オーディオ用」として売り出せば万円な製品になるんですから、アクセサリーメーカーも必死です!というか、個人的にはオーディオアクセサリ業界って、非常に失敗のリスクが少ないというか…失敗しても宣伝費以外の損失が少ないという優良業界だと思うのですが、さて。

 とまぁ…昔はそれなりにそういうモノに手を出してきた私ですけど、これは電波ではない!
 ネットワーク信号を物理的にアイソレートするアダプタ、日本光電のHIT-100です。この名前、場末のヒットチャートかよ!と思っちゃいますが、違います。ちゃんとしたネットワーク製品です。
 つか最悪、音に影響がなくても、患者さんには影響あるんです!何故ならコチラは鳴く子も黙る医療用機器、ホスピタルグレードです。因みにオーディオアクセサリ好きな人達は“医療用”大好きです。自動車好きの“レーシング用パーツ”に似た響きがあります。

 茶化すのはこれくらいにして、実際オーディオに取り組んできた人間からすると、PCオーディオ系のノイズに対する寛容性というか無理解は我慢できない訳です。なんせ、電源ケーブル1本のアースですらグダグダ言ってきた人達です。2ピンケーブルの電源と、それにぶら下がった数々のUSB機器やネットワーク機器、オマケにそれらは全てアースがいい加減なのはもちろん、それぞれ好き勝手にノイズ出しまくってる訳で、どうも生理的にイヤな感じ。
 中にはハッキリと「家電に影響あるぞ」とパッケージに書いてある製品もある始末で、こうなってくるともう、PC周辺機器のノイズはデジタルだということで「なかったこと」にしてしまうか、PCオーディオなんてクソ!と言いながら、時代に背を向けて生きるしかありません。でもそれも淋しい。

 もちろん、ネットワークを通る信号はデジタルで、そのデータの普遍性は、様々な規格によって保護されています。アナログ機器のような曖昧さは許されません。例えどんなにノイズが多い環境でも、LANケーブルで転送されたデータは復号処理され、必ず転送元と転送先でバイナリが一致しています。そうでなければ、コンピュータのプログラムは機能しません。
 しかし、例えバイナリが一致していても、その信号線のクオリティーは無視していいか?というと、そんな事はないのです。いくらデジタルなオーディオ機器であろうと、最終的に人の耳で聴くためには、デジタルデータをアナログ信号に変換しなければならない訳で、機器までのデータ転送が完璧であろうと、そこに高周波のノイズが飛び込んできていい筈がありません。

 因みに、LINNのDSシリーズでは、ネットワークを受ける端子付近にあるネットワークのパイロットランプを、設定で点滅しないようにすることができます。なんでこんな設定があるのかというと、ズバリ「音」に影響があるからです。例えバイナリ一致のデータが受けられたとしても、PC業界特有のノイズへの無頓着さは、音質的にまだまだ改善すべき余地があるということです。昔からのオーディオ的には、アンプのパイロットランプを消すと音が変わるとか、常識だったしね。

 前置きが長くなりましたが、このネットワーク分離装置「HIT-100」。これは、LANケーブルの信号を物理的に遮断するアダプタとなります。
 「ちょっと待て!LANケーブルの信号を遮断したら、信号通じないだろ!?」もっともな疑問ですが、この製品はそうやって、ネットワーク信号を電気的に遮断して情報のみを伝達することにより、コモンモードノイズや過電流を防ぐ仕組みとなっています。その仕組みについては、メーカーさんの製品ページを参照して下さい。

 で、これがどうしてオーディオ的に優れているかというと、PC回りからのノイズなどを、物理的に遮断できるからです。つまり、LINN DSのようなネットワークプレーヤーでは、この機器を間に挟むことにより、PC回りの信号ノイズとグランドノイズから、オーディオ側の機器が物理的に遮断される事となります。これは音に影響ない訳ない!のです。

 私もこの製品は、以前から「買わねば」と思っていたのですが、ウダウダしているうちに、アマゾンでは何故か取り扱い終了。送料払って一般通販サイトから買うのもアホらしいし、近頃はパシフィックオーディオで取り扱いを開始したとのことで、そのうちユニオンでも売られるんだろうと思っていましたら、本日、年末セール中とのことで、通常価格よりも割引きの8,400円。速購入!早速使ってみました。

 接続は、Sneaky DS側に30cm位のLANケーブルを装着して、その先にこのHIT-100を接続しました。つまり、DSの最終段付近で信号をアイソレートした訳ですね。接続後に音楽再生。何か変わっているのでしょうか?

 正直、音質の違いはあまりわかりませんでした。特に音のレンジが伸びている訳ではないし、音色も変化しません。でも、決定的に変わったことがあります。それは、HIT-100の装着前より、明らかに「テンポがゆったりと聞こえた」事です。

 これはすごいことだと思います。つまり、音色に何ら変化がないのに「テンポがゆったりとした」ということは、そのまま情報量が増大しているのではないかと。
 なぜゆったりとした方がいいのかというと、色々な音色や情報が頭に飛び込んでくると、人は脳の処理が活発になり、体感時間が延びるからです。学生の頃の100m走、普通なら15秒〜遅くても20秒近くだと思いますが、脳が活性化して肉体が俊敏になった瞬間は、その時間が濃密に長く感じたりしませんか?つまり、そういうことです。

 音質で迷ったときは、比較してテンポがゆっくりと聴こえる方を選べば、ほぼ間違いありません。そして、このHIT-100は、普段奏でている音楽を、より濃密に脳が活性化する方向に変化させてくれたということになります。

 この製品は、全てのネットワークオーディオをやっている人達に、オススメできるアイテムだと思います。売価は10,500円ですが、訳のわからんケーブルやアクセサリを買ったと思えば、安いものです。

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▼2012年12月11日

LINN ITTOK LV IIとIKEDA 9cIII

EC110577.JPG ちょっと前にLINNのBASIKというアナログプレーヤーを入手して、久しぶりにレコード三昧の毎日を送ってるのですが、この度更なる新兵器を入手。
 伊藤さんが作ったアームだからITTOK!ということでITTOK LV IIというトーンアームです。

 まずはバイヤーズガイド的な情報から。
 入手先はヤフオクで、落札金額は6万円台…ま、相場通りでしょうか。アーム単体の出品は少ないので、あまり相場感がないのですが、数年前では10万弱くらいでいくつか落ちていましたので、今回の価格なら、そんなモノかなと。

 ITTOKですが、ここの所海外のオークションでは、大体500ドル台で出品されているケースが多いようです。でも最終落札額まではわかりません。1ドル80円だと約4万円〜なので、500ドル強なら安い!と思ってしまいますが、国際小包の送料が数十ドルに加え、トーンアームは部品扱いになりますので、別途関税がかかります(通関処理の都合でかからない場合もありますが、基本的にパーツの輸入には関税が必要です)。もちろん消費税も…と考えると、最終的には600ドル+位になるかもしれません。海外から落札するときはこの辺の追加予算もお忘れなく。あとebayでは、何故かしばらく前から、ITTOKの改造品がよく出品されているようなので、ご注意下さい。

 最近はあまり熱心に見ていなかったのですが、ITTOKのLV IIとLV IIIでの相場は、あまり変わらないようです。というか、さほど出品も多くないので、落札金額は相場よりも、たまたま欲しい人が重なると上がるといった感じ。ただ、海外ではEKOSの出品もコンスタントにあり、初期型だと900〜1000ドルが開始価格みたいな感じなので、ITTOKだと、どんなに競っても700ドル迄じゃないでしょうかね。

 さてこのITTOKですが、最大の特色は、ダイナミックバランス型のアームだということ。
 アナログプレーヤーは、その先端に装着されたカートリッジにある針でレコードを読み取る訳ですが、アームはその針圧のかけ方によって、主に2種類の方式が存在します。

 ひとつは「スタティックバランス型」と呼ばれるモノで、これは天秤と同じ構造です。支点を中心に左右同じ傾きになるようアームのバランスを取り、そこから“おもり”を使って針圧を得ます。実際はおもりを載せるのではなく、アームの後ろにあるバランスウェイトをスライドさせ、支点をずらすことで指定針圧を得ます。現在発売されているアナログプレーヤーのアームは、殆どがこの形式です。

 そしてもうひとつが「ダイナミックバランス型」と呼ばれる方式。こちらもスタティックバランス型と同様、支点を中心に左右が同じ重さになるようバランスを取るのですが、その後の針圧のかけ方が“おもり”ではなく、スプリングなどを用いて機械的に荷重をかけます。そのため、原理的にはアームが天地逆さまになっていても、カートリッジには指定の針圧がかかる事になります。

 どちらの方式が優れているのか、アナログ全盛期には色々と論争が起きたのですが、現在では構造の単純さから、スタティックバランス方式が主流となっています。しかし、LINNのEKOSを始め、高級トーンアームの世界では、今でもダイナミックバランス型のアームは健在です。

 ダイナミックバランス型アームの利点は、その安定したトレース能力にあります。音溝の状態や、歪んでしまった盤面に対しても、常に動的に一定の針圧をかけられるのが特徴。逆にスタティックバランス型の利点は、その単純な構造故に、徹底的に工作精度を追求できるという点にあります。
 それぞれの方式に優劣はなく、使用するターンテーブルやカートリッジ、また、環境によって再生音の質は変わってきます。ただ、現在ではダイナミックバランス型のアームが、その構造の複雑さから、おおよそ高価である、というだけです。

 では、私が何故、BASIKに付属していたAKITO IIというトーンアームを持っているのに、今回あえて古い時代のアームをもう1本手に入れたかというと、機器のアップグレード目的というより、以前から所持しているIKEDA 9cIIIというカートリッジを使いたかった!のが理由なのです。

 このカートリッジは極めてユニークな構造となっており、一般的なカートリッジにあるカンチレバーが存在しません。カンチレバーとは、おそらく皆さんが「カートリッジの針」と聞いて真っ先に想像する、本体から斜め前に突き出している棒のことです。その棒の先をルーペで見ると、小さな“トゲ”のようなモノが見えますが、それがダイヤモンドでできた、本来のアナログプレーヤーの針となります。
 そして、IKEDAのカートリッジは、その針が直接コイル…つまり発電機本体に取り付けられています。それらについて詳しくは、過去のページ「カートリッジを磨こう!」を参照して頂けるとわかりやすいと思いますが(イラッとする文章ですが若気の至りということでw)、とにかく見た目的にも構造的にも危なげなカートリッジです。

 で、このカートリッジは、ダイナミックバランス型のアームを使わないと、性能を発揮できないのです。
 IKEDAのカートリッジは、カンチレバーというある種「緩衝材」がないおかげで、音溝のトレースに関する動作は全てアーム側で引き受けることになります。その為、盤面の状態やセッティング、そして音溝の変化に敏感です。また、盤面の状態はもちろん、音溝の状態によっても、簡単にカートリッジがホップしてしまい、それは音の歪みとなって現れます。そのため、針先には常に動的な仕組みで加重をかけ続ける必要があり、使うにはダイナミックバランス型のアームが必須となっています。

 以前、このカートリッジをスタティックバランス型のLINN BASIK PLUSというアームで使ったことがあるのですが、音が歪みっぽくなり使い切れない代物でした。IKEDAの場合は、特に型番が進化する程機材の選定がシビアとなり、初代IKEDA 9では、まだスタティックバランス型アームでもなんとか音になったのですが、IIIになるともうダメになりました。

 では、どうしてこんなにめんどくさいカートリッジが売られているのかというと、それはもう単純に「音がいいから」です。
 コイルとダイレクトに接続された針先の音は、ちょっと他のカートリッジでは聴けない種類の音を奏でます。この方式が最上であるとはいいませんが、一度ハマると抜け出せない音であることは間違いありません。
 で、私もこのITTOKをつかって、ようやくIKEDA 9cIII本来の性能を発揮させる事ができそうなのです。

 長くなりましたが、これが今回、私がITTOKを手に入れた理由となります。音質的な感想等は、また後日、別エントリで。

OLYMPYS E-3 + Zuiko Digital 50mm F2.0 Macro

▼2012年12月09日

ドッグファイトの科学/赤塚聡

PC090071.JPG 空戦の大原則。「運動エネルギーが多い方が有利」。「速度と高度は等しく運動エネルギーに変換される」。

 つまり、空戦は速度が速い方が有利。また、速度が足りなくてもその分高度がある方が有利、ということになります。この原則は本書だけでなく、空戦について解説している本、全てに書いてあります。

 私もですが、この原則が頭でわかっていても、なかなか感覚で理解できないんですよね。なんせ、人は地上…つまり二次元で生きている存在ですから。

 つことで、本書のように、実際空を飛んでいる人が実例を書くとわかりやすいですね。
 例えば、敵機の後から速い速度で進入したときは、ブレーキをかけるのではなく、一度ホップして速度を高度に変換するんですよ。そうすれば、運動エネルギーを捨てることなく、敵機の後を追尾し続ける事が出来ます。
 そして、空戦でもっとも恐れることは、激しい旋回や特殊なマヌーバを繰り返して、運動エネルギーを失ったまま戦域に留まることです。これは絶対に避けなければなりません。

 私も学生の頃はそれなりに空戦に興味を持ち、友達と一緒に様々な空戦のシミュレーションゲームをやってみました。でも、頭でわかっていても、なかなか3次元の機動というのは、うまく利用できないんですよね。
 それと、フライトシミュレーターのようなゲームをやってみても、どうしても旋回で相手の後を取ろうとしてしまう。でも、実際の空戦は違うんですよね。何故旋回力に勝る零戦が、旋回力が劣るけど馬力のある米軍機に苦戦するようになったのか、本書では実にわかりやすく書いてあります。

 おそらく、今生きている人の99.99999%の人にとって、空戦のロジックなんて知らなくてもいい事だし、知っていても人生で役立てる機会はないでしょう。
 しかし、テレビアニメや映画で目にする空での戦いが、実際は物理に支配された現象であるという、驚きの世界を知るのは悪くはないと思います。

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刺激に飢えて遂にクラシックまでいった人達

EC070566.JPG よく「高級オーディオマニアはジャズの名盤やクラシックしか聴かない」などと揶揄されることが多いですが、確かに間違ってはいません。大筋の傾向として私もその通りだと思います。

 では何故そうなるのかというと、曲の質などは除外しますが、流行のポップスよりも、クラシックを気持ちよく聴くためには、大がかりな再生装置が必要になることが多いからです。
 この辺は、タマゴが先かニワトリが先かの問題に似ていますが、低音・高音をしっかりと再生できる機器だと、ポップスのように中域に音が集中している音楽だと、刺激が足りなくなってきます。その為、高級オーディオマニアは、ジャズやクラシックにハマってゆくことが多いんだなと思っています。

 私が考えるに…。

1:子供の頃はラジカセ(今はiPodとかか)で流行のポップスを聴く

2:アルバイトとかして少し性能のいいオーディオ機器に手を出すと、音が伸び伸びと鳴るのが楽しくて、アンビエント系音楽などに手を出す。

3:更なる刺激を求め、機器をバージョンアップする。

4:機器が鳴ってくると、今度は生演奏の音楽が気持ちよくなり、JAZZ等にも手を出す。

5:更にサックスやピアノの高音質表現を求め、機器をバージョンアップする。

6:クラシック音楽って聴くと気持ちいいじゃん!

7:オーケストラの広大なダイナミックレンジを再現するために、機器に大金を払うようになる。

8:以下エンドレス…

 と、以上のような流れではないかと。

 なにが言いたいのかというと、世間でのクラヲタや、ジャズヲタは、例えばレコード屋で配られているジャズレコードのフライヤーのように「家に帰ってゆったりとしたサックスの音に癒される」とか「スインギーな調べと共に1日の疲れをリフレッシュ」なんて事はきっと考えていません。
 元々ポップスやロック、ヘビメタ(全員が通過する訳でもないだろうけど)を聴いて、それが楽しくて更なる刺激に飢え、ジャズ演奏での生楽器の鋭い切れ込みや、クラシックのオーケストラ演奏のような雄大な音像空間に活路を求めているのです。

 なので若い方達は、小銭を持ってそうなおじさん達が、ジャズやクラシックのCDを買い漁る姿を見て「歳を取ったらああいう刺激の少ない音楽がいいのかな…」などと考えるのではなく、彼等はロックンロールの刺激ではもう満たされなくなった音楽ジャンキーなんだ、と思うようにしましょう。
 そう考えれば、少しはクラヲタのおじさん達にも親しみがわいてくるのではないかと思いますが、如何でしょう?

OLYMPYS E-3 + Zuiko Digital 14-54mm F2.8-3.5

▼2012年12月08日

ブラック企業/今野晴貴

PC080033.JPG その名も「ブラック企業」です。何たるストレートな書名(笑)。しかし、読んでみて色々と考えさせられる本でした。

 本書の第1章では、ブラック企業との関わりを、主に個人の視点から眺めてゆきます。人が、如何にブラック企業において破壊されていくか…そんな話。ま、この辺は皆さん、ネットや何やらでそれなりに情報は得ているでしょうし、噂も聞いているでしょう。全くえげつない話です。

 問題は第2章の方かなぁ…、ブラック企業が日本を滅ぼすという視点。確かにその通り。本当につくづくそう思いました。
 因みに、本書で実名が出ている企業は「ウェザーニューズ」「ローソン系列のSHOP 99」「ワタミグループ」です。その他、著者が一番書きたかったであろう企業が、近年の流行で世界的なアパレルブランドへと躍進したX社。もうおわかりでしょう。ちなみに本書の事例に近い例が、こういった検索を行うと沢山出てきますが、偶然でしょうか。

 これら「ブラックとされる企業」が、本来企業側の責任で負担しなければならない、治療費や生活保障費をただ乗り、つまり「フリーライド」しているという視点は、成る程なと思わされます。
 そして最近のメディアにある「若者は昔に比べすぐに仕事を辞める」や「すぐに生活保護をもらおうとする」という論調が、少なからず上記を含めたブラック企業達が暗躍する要因になっているとも書かれています。つか、そんなブラック企業の総帥が東京都の首長になろうとしてたんですね。おそろしい…。そして、それらブラック企業は、日本の若者を焼畑的に消費し尽くした後、

 ブラック企業はこれらのコストを日本社会へ押し付けることで急成長し、グローバル企業へと羽ばたいてゆく。第1章でみたX社はその好例である。X社が業界で世界的な企業になる過程では、彼等に「選別」され、「使い捨て」にされた若者たちが鬱病に苦しみ、その治療の負担は日本市民の税金・社会保険料で賄われる。

 と書かれています。そうです、ブラック企業で心を破壊された人達をケアする為のコスト負担は、その要因をつくったブラック企業ではなく、私達日本国民が負担させられているのです。何が社内英語化でしょうか。笑っちゃいますね。

 残念ながら、日本のメディアは総じてブラック企業達の見方です。テレビでは度々「若者達が折角入社してもすぐに辞めてしまう」「今の就職難は企業をえり好みしているから」や「生活保護受給者を減らすために現物支給を」などといったリポートが繰り返されます。
 そのため、私達は無意識での思考として「なんだかんだで若者は会社をすぐに辞めるよね」「辛い環境でこそ頑張れて1人前」「生活保護受給条件をもっと厳しくしろ!」と考えてしまいがちです(ちなみにナマポ問題について私は「例の吉本芸人」の行為は絶対に許せないと思いますが、安易な基準やシステムの変更には反対です。問題は既存のシステムを恣意的に利用する受給者と、逆に公正な運用を妨げる役人が多い事が問題なのです。現行法の適正な運用を行えない限り、いくらルールを変えても無駄です。)
 例えば数年前に「ブラック会社に勤めているんだが、俺はもう限界かもしれない」という映画がありましたが、こちらはまごう事なきブラック企業を賛美した映画です。私は公開当時からTwitterとかで「ばかじゃね?」とか言っていましたが、つまり、こんな社会的犯罪行為をお涙頂戴映画に仕立てちゃうんですから…って矛盾すら考えない程、みんな普段から、ブラック企業側の視点に立って考えてしまっているという事でしょう。これは、日本国民みんなが反省しなければなりません(ついでにこの映画を作った監督を始め脚本家達は自らがやった仕事の意味を猛省してほしいものです)

 これから就職しようとする人だけではなく、今働いている人全ての人が、こういった本を読んで、労使との健全な関係について考え直さない限り、日本の社会に未来は無いでしょう。そして口を開けば「グローバル化」と言っている経営者達が、何故日本を脱出したがっているのかのカラクリについても、その意味を考えなければなりません。

 あと、これが一番大事だと思いますが「ブラック企業の味方をする、もしくは製品・サービスを買う」事を、みんなでキッチリと止める事ですかね。本書を読んで、つくづく思わされました。

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▼2012年12月06日

なりひらばし電器商店/岩岡ヒサエ

PC060031.JPG 東武伊勢崎線…今では東武スカイツリーライン()笑、の駅構内で買ってきました。

 さすが地元とあって、ベストセラー本の真ん中に置いてありましたよ。
 私は不勉強ながら、このマンガのことはサッパリ知らなかったのですが「なりひらばし」という地名のタイトルに惹かれて購入。そういえば「業平橋」の駅はもうないんだねぇ。

 買ってみて知りましたが、実はSFだったんだね、このマンガ。意外とシュールな世界観。
 あと、主人公の女の子が全く美少女じゃないってのも好感が持てます。マンガってのは、たまに、こういった普通では考えも付かないことをやらかしてくれるから、なかなかやめられません。

 物語がなにを目指しているのか、イマイチよくわかりませんけど、続刊が出たらまた買ってみたいと思います。

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いとみち・二の糸/越谷オサム

PC050029.JPG 以前読んだ「いとみち」続編出たんだ!思わず購入しました。

 サックリ読んでみたけど、今回は「いと」のキャラ立ちまくりだった前作と違い、割と普通の青春小説っぽくなってました。しかし越谷オサム氏の小説は、相変わらず読後感がいいねぇ。なにやら自分にいいことがあったような気分になれます。

 終わり方が何となく続編ありそうな雰囲気だったし、高校一年、二年、そして三年と揃った方が物語的にはまとまり良さそうですが、個人的には続編あってもなくてもどちらでもいいかな。

 むしろ表紙絵的には「アニメ化」とかされそうで、そっちの方はちょっと心配。わぁ的には、あまりアニメ化とか漫画化とかしてほしくない、読後の余韻をいつまでも感じていたい作品です。

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いとみち/越谷オサム
いとみち・二の糸/越谷オサム

▼2012年12月02日

ソビエト製のよくわからないレコード

EC020559.JPG 華麗にアナログ復活記念として、本日は中古レコード屋さんへ。

 そこで見つけてきた、Made in The U.S.S.R.のレコード。曲の内容はサッパリ分かりませんが、ピアノと弦楽器の曲だというのはわかる。何となく気になって買ってきちゃいました。

 ボロボロですがなんか味のあるジャケットには「Д 04572-04573(a)」とありますが、これがタイトルなんですかね。お店で盤はチェックさせてもらったのですが、ずしりと堅くて重い。

 聴いてみると、ちょっと驚く程音が良くて、なかなか躍動感がある協奏曲でした。思わず二度聴きしてしまいましたよ。

 つことで、中古レコードってなんだかいいよね…というお話。

OLYMPYS E-3 + Zuiko Digital 14-54mm F2.8-3.5

大谷嶺攻略記

EB250537.JPG 始まりはいつもお蕎麦屋さんでの密会から…。

 今回のお蕎麦屋さんは、東京都江戸川区にある手打ち蕎麦屋さん木香。蕎麦の香りがツンと心地よい。まずは蕎麦味噌をお通しで頂いて、その後は舞茸の天ぷら盛り合わせ、そして、焼きの入ったそばがきを頂いて…って、このエントリはグルメ情報ではありません。よくわかりませんが、その場で決まったことが、11月の末頃に「大谷嶺へ行こう!」ということ。

 大谷嶺といえば、知る人ぞ知る有名スポット。あの幸田文が「崩れ」という本を書くきっかけにもなったといわれる、日本三大崩れの大谷崩れがあるところ。崩れマニアにとってはたまらないスポットでもあります。

 私も崩れ好きを自称するからには、全国各地の崩れスポットを歩き回り…って程のマニアじゃないんですが、かつて日本三大崩れの一つ、稗田山崩れを目の前にしたときは、その大自然の力に畏怖を覚えた記憶があります。
 もっとも、あの辺はその後の台風で、姫川流域が壊滅状態になってしまい、下流域も「ネオ三大崩れ」があれば、ここは間違いなく入るよな…というインパクトのある光景になってしまいましたので、崩れマニア的には是非訪れなければならないスポットになってしまいましたけど。

 と、話がずれてきましたが、今回私達は、関東圏からそれ程離れている訳でもない割には、皆さん案外出かけることのない、静岡県阿部川流域の大谷崩れを制覇しようと出かけてきた訳です。

 メンバーは前回と同じく、にしだやさんいのうえさんと私。ま、山行記としては、にしだやさんいのうえさんのエントリの方が良くまとまっていますので、そちらを参照頂くとして、とにかく周辺の風景には圧倒されましたね。大谷領へ行く前の道でも、阿部川の傍若無人さは伺い知ることができ、結構な堰高がある砂防ダムの上が完全に土砂で埋まっていたりと、なかなかデンジャラスな雰囲気。
 スタート地点でも砂防ダムが延々と続いているのですが、どれもエッジが岩で砕かれ、堰上にはあまり安定しない形で大きな岩が鎮座ましましていたりします。これって、雨が降る度に転がっていくんですかね。1枚目の写真では判りにくいですが、スタート地点でも結構な傾斜があったりします。

 早速靴紐を絞めて登山開始!事前にこんなに心が折れそうな登山ってのも珍しいです。なんたって、目の前の崩れてるあの斜面をひたすら登ってゆく訳ですからね。

PB252696.JPG で、これが途中で撮影した斜面です。このような急斜面を延々と登ってゆきます。そしてもちろん、日本三大崩れのど真ん中ですから、崩落も結構あるようです。というか、私達が登っている間にも、小規模な岩石崩落がありました。静かな山の中で、突如「ピシッ」という音がしたと思ったら、目の前の斜面(写真の方向)を岩が転げ落ちてゆきました。私達は位置的に安全な場所ではあったのですが、下から登ってきた人の安否が気になります。

 頑張って登って2時間位でしょうか。ようやく尾根道に到達。その後も割と急な登り下りを繰り返し、標高2,000m(正確には1,999.7mらしい)の大谷嶺山頂へ到着。山頂からは真っ白になった南アルプスの山々もよく見えます。地味に日本第2の標高を持つ「北岳」も目にすることができましたよ。

 登ってきたら、当然下らなければならない…で、帰りはその急斜面を頑張って下ってきました。もう足が限界…、あ、豆知識ですけど、山の筋肉痛は斜面を下るせいで起きるんですよ。登りっぱなしなら、筋肉痛にはならなかったりします。

 終わってみれば、一気に登って一気に下るという、結構充実感のある登山ではありました。そして、その他の地域ではなかなか目にすることができない、珍しい光景も目にできたのは嬉しかったです。もっとも、途中の登りはどう考えても有酸素運動ではありませんでしたが(笑)

 別に上へ登らなくとも、登山口付近から大谷領を眺めるだけで、大自然が創り出した迫力は充分に味わうことができます。もう路面凍結の時期になって危ないですが、暖かくなったら皆さんもドライブがてら出かけてみては如何でしょうか。そして、興味がある人は、是非上まで登ってみようぜ!

OLYMPYS E-3 + Zuiko Digital 11-22mm F2.8-3.5
OLUMPUS μTOUGH-8010


きゃんでぃっど/小幡休彌

PC024249 秋葉原にある書泉という本屋さんの3Fだったかな…、カメラ書籍のコーナーに、何故かずっとこの小説が平積みになっているのです。確か、店員さんによる吹き出しのポップもあったと思うのですが、内容は覚えていません。

 で、そのカメラ本のコーナーに行くたびに目にする訳で、何度か通っていると、だんだん気にするようになってくる訳です。
 「どんな本なのかな?」とか「どんなキャラが出てくるんだろう?」とかね。

 そして、おそらくですが、何度か売り場に行くうち、4〜5回目くらいで、めんどくさくなって買ってしまいました。もうパッパと読んだる!って勢いで(笑)

 つ事で内容ですが、ラノベです。いや…確かに帯には「写真、好き?」とありますが、別に写真以外でも成立する物語のような気もしますし、そういう意味では、ストーリーに対して、カメラや写真がびっちりと深く関わる話って程でもないです。

 まーでも、ソレこそが正当な「ラノベ」なのかな、って気もします。なので、本書は正しくラノベが好きな人にはお勧めしますが、逆に言えばラノベのお勧めどころってのを、私が良く理解していませんので、本当はお勧めの本じゃないのかも知れません。
 でも、カメラや写真好きで、それら目当てで買って読むのはあまりお勧めしません。

 いや、私としては、サクッと読めたし案外楽しめたので、それなりに肯定的な評価しますけどね。あと、主人公がオリンパスの一眼レフ使ってるのも、ポイントちょっぴり加算です。

OLYMPYS XZ-1


LINN BASIKを入手

EC010554 アナログプレーヤーです。LINN製のね。

 実は、ほんの半年くらいまで、アナログプレーヤーはLINNのAXISというターンテーブルを使っていました。
 こちら、廉価版のわりには結構性能が良く、また、泣く子も黙る上級機、LINNのLP-12と比べて、電源も33/45回転の切り替えもこれ一台で済むため、私的にはもうこのプレーヤー死ぬまで使い続ける!と思っていたのですが、残念ながら半年位前に突如、ターンテーブルが回らなくなってしまいまして、遂にお亡くなりあそばされました。

 AXISについては、LINN側でも確度の高い故障率データをもっているようで、某なかのひとからは「そろそろ壊れるよ」と予告されていたのですが、私のAXISは大丈夫!とタカをくくっていましたね。早目に対策すれば、田中屋クリエイティブの修理キットでなんとかなったかもしれないのですが、仕方ありません。これも自業自得。

 ま、実際は最近アナログレコードなんて聴かないしね、新しいプレーヤーはそのうち考えるとして、しばらくはPCオーディオで充分だわ…と思っていたのですが、実は結構ストレス貯まるんですよね、アナログが聴けないって。

 急にレコードが聴きたい!という衝動は特になかったのですが、街を歩いていて、アナログレコードの特売セールを見たり、CD屋さんにいって「アナログ盤限定発売!」みたいなチラシを見る度に「あぁ…今の自分には関係ないんだな〜」と思うのが辛いというか…。最近あまり聴いてなかったとはいえ、それはいつでも「聴ける自由」があったからの事なんだなと、改めて実感。

 かといって、同じメーカーのLP-12なんて買う金は更々なく、どこかに中古のREGAでも売ってないもんかな、と探していたのですが、今日何となく寄ったオーディオユニオンで、入荷したばかりというLINN BASIKが出ているのを発見!アームも現行品と同様のAKITO-2がついてます。

 LINNのBASIKとは、かつて生産されていたLINNの廉価版アナログターンテーブル。
 その前にLP-12の弟機として15万円で売られていたAXISターンテーブルが、弟機のわりには凝った作りで、LINNにしてみれば作れば作る程赤字だったらしく、さすがにAXISの生産を中止して、もっとちゃんと安く作れるプレーヤーを販売しよう!ということでデビューさせた機種だったようです。

 当時の定価は138,000円で、ターンテーブルの構造は内枠だけをフローティングさせていたAXISのように凝った作りにせず、その頃イギリスで人気があったREGAのアナログプレーヤーのように、ターンテーブルとアームボード全体を完全に一体化させて、全体をゴム足でフローティングするという簡易な構造で、コストカットを図っていました。
 しかし、せっかくターンテーブル本体をコストカットしたくせに、何を考えているのか、当時定価80,000円で売っていたAKITOというアームを標準装備しちゃって、この機種も売れば売る程赤字という状態に(ちなみに今ではこのアーム178,500円だ!)。結局BASIKも比較的短命に終わったらしく、その後LINNのアナログプレーヤーは、LP-12以外作られることはありませんでした。

 アホみたいな話ではありますが、そんな迷走ならユーザーにとっては嬉しい訳で、そのせいか、AXISもこのBASIKも、あまり中古市場で見かけることがありません。
 たまに見かけても、中古のわりにあまりお買い得でなかったりしたのですが、LINNが数年前にこれらモデルのサポートを打ち切ったせいか、近年はようやく、オークションなどで見かけることも増えてきたようです。

 しかし、注意ですが、まずAXISは修理できません。そして、今問題なく動いていても、近い将来に壊れます。中古で入手することは避けた方が無難。
 そして、今回のBASIKについても、モーターが壊れたら終わりです。ただ、このモーターはそうそう壊れるものでもないようなので、値段が安ければ手を出してもいいみたい…。

 ということで、長くなりましたが、この度BASIKを入手して、再びLINNのアナログライフを始める事が出来た訳です。うれしいね。

 早速セッティングと音出しです。まず、カートリッジは、ベンツマイクロのグライダーを装着。ただ、後から気が付いたのですが、このカートリッジ、カンチレバーをマウントするゴム部分がもう溶け出してきていて、音は出るのですが、少し歪みっぽくなります。もう寿命ですかね。なので家にあったLINNのKLYDEを使っています。

 フォノイコライザーは、LINNのLINTOといきたい所ですが、こちらは貸し出し中のため、NAIM AUDIOの内蔵MCボード、NA323Sを使用。つか、NAIMの内蔵ボードは他にも色々あったと思うのですが、何処行ったんだろう。

 ちなみに、フォノケーブルは、LINN純正ではなく、好みでSMEのフォノケーブル使ってます。確か購入当時は5万円位したような気が…。ということで、アナログは色々とお金かかるというか、お金のかけどころが多くて困ります(笑)

 久しぶりに聴くアナログレコードは、なんというか、いいですね。これを聴いてしまうと、やはりデジタルはどんどん進化しようと、アナログは残り続けるんだなと思います。例え、ノイズがあっても、測定上音の歪みがあっても、とにかく私にとって気持ちの良い音なんです。いいなレコード。

 夜の小さな音での音楽鑑賞にも優れています。ボリウムを絞っても、実態感があまり消えないのがアナログのいい所。
 残念なのは、どうしても聴く音楽が一昔前の音源中心になってしまうことでしょうか。新譜で手に入るレコードの種類って限られてるもんね。

 あと、なんだかんだで、アナログレコードしか発売されていない音楽…というケースはかなり減ってきましたが、それでもまだチラホラとCD化されていない音源はあったりして、それらが聴けるのはいいことです。
 今晩はアナログ復活記念で、CDでは聴けない音楽特集!このエントリ書いているときは、日本特撮映画の問題作(?)さよならジュピター」のサントラレコードを聴いていますよ…って、今調べてみたらこのレコードもCD化されたことあったのね。

 とまぁ、書き続けていてもキリがないのでここまでにしますが、とにかくアナログシステムが復活して嬉しいな!というお話しでした。明日は久しぶりに、中古レコード屋さんに行ってみようかな。

OLYMPYS E-3 + Zuiko Digital 14-54mm F2.8-3.5

▼2012年12月01日

新創刊!Gaudioを買ってみました

EC010545.JPG PC Audio Fanという雑誌が、装いも新たに新創刊して、今度はGaudioだそうです。オーディオ雑誌は久しく買っていないのですが、創刊号だそうなので買ってみました。

 お値段は1,500円。付録にハイレゾ音源が入ったDVDディスクが付いてきます。

 ザッと眺めてみると…判型もそうだけど、特集記事の構成とか、中程にあるユーザー訪問記とか、後半のソフト特集とか、なんだか懐かしのAV FRONT誌を彷彿とさせます。金かかってそうだなぁ〜。

 中身は、組み合わせ系の記事と、新製品紹介。そして、ユーザー訪問記は面白いですよね。昔のAV FRONTでも、長岡鉄男の訪問記が一番楽しみだったし。あと、ソフト紹介に多くのページを割いているのも好感が持てます。普段自分があまり聞いていないジャンルのディスクとか、買ってみようかな?とか思っちゃいますね。

 一時期、この国ではオーディオという趣味が死滅しそうでした。あれ程あったオーディオ雑誌も、最不況期には「STEREO」と「STEREO SOUND」位になった時期もありましたね。それが知らない間に、今ではアキヨドのオーディオコーナーで、オーディオ雑誌だけで棚が一つできる位の盛況ぶりです。つかね…ヨドバシカメラでオーディオ用の真空管が買える時代が来るとは想像もしてませんでしたよ。

 ということで、この雑誌が売れて、また世の中でオーディオが流行って、みんながいい音で音楽を聴ける時代が来るといいですよね。

OLYMPYS E-3 + Zuiko Digital 14-54mm F2.8-3.5


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