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▼2012年12月13日

ネットワーク分離装置HIT-100は音をゆったりとさせた

PC130084.JPG ネットワークオーディオがだんだんと盛り上がってきましたが、それに伴って電波なグッズも色々と販売されてきているようです。

 メーカーも必死だなwと思いますが、そりゃね…原価数十円のパーツを「オーディオ用」として売り出せば万円な製品になるんですから、アクセサリーメーカーも必死です!というか、個人的にはオーディオアクセサリ業界って、非常に失敗のリスクが少ないというか…失敗しても宣伝費以外の損失が少ないという優良業界だと思うのですが、さて。

 とまぁ…昔はそれなりにそういうモノに手を出してきた私ですけど、これは電波ではない!
 ネットワーク信号を物理的にアイソレートするアダプタ、日本光電のHIT-100です。この名前、場末のヒットチャートかよ!と思っちゃいますが、違います。ちゃんとしたネットワーク製品です。
 つか最悪、音に影響がなくても、患者さんには影響あるんです!何故ならコチラは鳴く子も黙る医療用機器、ホスピタルグレードです。因みにオーディオアクセサリ好きな人達は“医療用”大好きです。自動車好きの“レーシング用パーツ”に似た響きがあります。

 茶化すのはこれくらいにして、実際オーディオに取り組んできた人間からすると、PCオーディオ系のノイズに対する寛容性というか無理解は我慢できない訳です。なんせ、電源ケーブル1本のアースですらグダグダ言ってきた人達です。2ピンケーブルの電源と、それにぶら下がった数々のUSB機器やネットワーク機器、オマケにそれらは全てアースがいい加減なのはもちろん、それぞれ好き勝手にノイズ出しまくってる訳で、どうも生理的にイヤな感じ。
 中にはハッキリと「家電に影響あるぞ」とパッケージに書いてある製品もある始末で、こうなってくるともう、PC周辺機器のノイズはデジタルだということで「なかったこと」にしてしまうか、PCオーディオなんてクソ!と言いながら、時代に背を向けて生きるしかありません。でもそれも淋しい。

 もちろん、ネットワークを通る信号はデジタルで、そのデータの普遍性は、様々な規格によって保護されています。アナログ機器のような曖昧さは許されません。例えどんなにノイズが多い環境でも、LANケーブルで転送されたデータは復号処理され、必ず転送元と転送先でバイナリが一致しています。そうでなければ、コンピュータのプログラムは機能しません。
 しかし、例えバイナリが一致していても、その信号線のクオリティーは無視していいか?というと、そんな事はないのです。いくらデジタルなオーディオ機器であろうと、最終的に人の耳で聴くためには、デジタルデータをアナログ信号に変換しなければならない訳で、機器までのデータ転送が完璧であろうと、そこに高周波のノイズが飛び込んできていい筈がありません。

 因みに、LINNのDSシリーズでは、ネットワークを受ける端子付近にあるネットワークのパイロットランプを、設定で点滅しないようにすることができます。なんでこんな設定があるのかというと、ズバリ「音」に影響があるからです。例えバイナリ一致のデータが受けられたとしても、PC業界特有のノイズへの無頓着さは、音質的にまだまだ改善すべき余地があるということです。昔からのオーディオ的には、アンプのパイロットランプを消すと音が変わるとか、常識だったしね。

 前置きが長くなりましたが、このネットワーク分離装置「HIT-100」。これは、LANケーブルの信号を物理的に遮断するアダプタとなります。
 「ちょっと待て!LANケーブルの信号を遮断したら、信号通じないだろ!?」もっともな疑問ですが、この製品はそうやって、ネットワーク信号を電気的に遮断して情報のみを伝達することにより、コモンモードノイズや過電流を防ぐ仕組みとなっています。その仕組みについては、メーカーさんの製品ページを参照して下さい。

 で、これがどうしてオーディオ的に優れているかというと、PC回りからのノイズなどを、物理的に遮断できるからです。つまり、LINN DSのようなネットワークプレーヤーでは、この機器を間に挟むことにより、PC回りの信号ノイズとグランドノイズから、オーディオ側の機器が物理的に遮断される事となります。これは音に影響ない訳ない!のです。

 私もこの製品は、以前から「買わねば」と思っていたのですが、ウダウダしているうちに、アマゾンでは何故か取り扱い終了。送料払って一般通販サイトから買うのもアホらしいし、近頃はパシフィックオーディオで取り扱いを開始したとのことで、そのうちユニオンでも売られるんだろうと思っていましたら、本日、年末セール中とのことで、通常価格よりも割引きの8,400円。速購入!早速使ってみました。

 接続は、Sneaky DS側に30cm位のLANケーブルを装着して、その先にこのHIT-100を接続しました。つまり、DSの最終段付近で信号をアイソレートした訳ですね。接続後に音楽再生。何か変わっているのでしょうか?

 正直、音質の違いはあまりわかりませんでした。特に音のレンジが伸びている訳ではないし、音色も変化しません。でも、決定的に変わったことがあります。それは、HIT-100の装着前より、明らかに「テンポがゆったりと聞こえた」事です。

 これはすごいことだと思います。つまり、音色に何ら変化がないのに「テンポがゆったりとした」ということは、そのまま情報量が増大しているのではないかと。
 なぜゆったりとした方がいいのかというと、色々な音色や情報が頭に飛び込んでくると、人は脳の処理が活発になり、体感時間が延びるからです。学生の頃の100m走、普通なら15秒〜遅くても20秒近くだと思いますが、脳が活性化して肉体が俊敏になった瞬間は、その時間が濃密に長く感じたりしませんか?つまり、そういうことです。

 音質で迷ったときは、比較してテンポがゆっくりと聴こえる方を選べば、ほぼ間違いありません。そして、このHIT-100は、普段奏でている音楽を、より濃密に脳が活性化する方向に変化させてくれたということになります。

 この製品は、全てのネットワークオーディオをやっている人達に、オススメできるアイテムだと思います。売価は10,500円ですが、訳のわからんケーブルやアクセサリを買ったと思えば、安いものです。

OLYMPYS XZ-1

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