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▼2018年11月30日

フライトの楽しみは?

 RSSに入ってる森博嗣のエッセイが、ちょっと目につくタイトルだったので読んでみます。

 フライトの楽しみは?:店主の雑駁

 日本の鉄道の車内は暑いとか、その辺も同意なのですが、面白かったのは主翼を見るという部分。自分は飛行機に乗る機会が少ないのですが、確かになるべく窓際を選びますし、それが主翼の近くだったりすると嬉しくなる方(一般的に主翼付近は下の風景が見えないのであまり喜ばれません)

 子供の頃に読んだ、小学館の「飛行機なんでも入門」という本に「主翼の近くに座ったときはフラップなど主翼の動きを観察しましょう」なんて書いてあり、その通りに子供の頃飛行機に乗るときは、夢中になって主翼の動きを観察したものです。そのおかげで、大人になっても主翼の動きを見るのは実に楽しい。

 しかし、改めて思うと、飛行機というか、空気ってすごいなと思います。

 私たちが普段体験する空気の動きというのは、実に不安定で、風の強い日など髪の毛を乱したり持ち歩いている傘を裏返したりと、割と気まぐれというか、とらえどころのない印象です。

 人類が飛行機を発明できたのは、機械的な技術の進歩というより、色々な人が経験してきた「空気」という存在が、集合知によってわかり始めてきたというのが正しい。
 初めて飛んだ、ライト兄弟が作成したライトフライヤーは、エンジンを含め革新的な技術があった訳ではありません。ただ、彼らは様々な実験や情報から空気という存在を理解し、ある程度の軽さと馬力を持ったエンジンをグライダーに装着すれば空に飛び上がれると確信して自分たちでエンジンを作りました。
 おそらくこのプロジェクトに国家などが絡んでいたら、もっと高性能なエンジンと機体がいきなりできたのかもしれませんが、そういった機械的な技術は、人類が初めて飛ばす航空機にはさほど必要ありませんでした。本当に必要な技術、知見とは、空気に対する理解だったんですね。

 なので、私がたまに飛行機に乗ったりすると、翼のあたりの動きをまじまじと観察してしまうのです。そして、フラップやエルロン、そしてラダーやボルテックスジェネレータ(は動きませんが)など、機体の大きさに比べると、さほど大きくもない様々な空力付加物が、きちんと計算通り、機体をコントロールする役割を担っているのがすごいなと、何度見ても興奮します。

 日常で暮らしているだけでは意識できない、でも世界には人の感覚を超えた物理法則があり、それを応用して実用化している。飛行機の美しさってのは、そういう技術を内包した部分にもあるんでしょうね。

▼2018年11月18日

Technics SL-10

PB180862 テクニクスのリニアトラッキングプレーヤーシリーズは、欲しいという程でもないのですが、ずっと心に引っかかっていまして、特にこのSL-10は、音は知りませんが、オーディオコンポーネントの1つとして実に美しいなと思っていたのです。

 それが、ちょっと前にとある中古屋さんで試聴させてもらえる機会がありまして…音を聴くと想像していたよりも良い、というか、積極的に音が良いと感動してしまいました。ただまぁ…その場では買わずに、申し訳ないのですが、後日、別なお店でかなり格安の出物を見つけて購入。
 なんたってオリジナルの310MCというカートリッジがきちんと生きている状態で付属していたこともあり、昨今の中古相場を考えるとカートリッジに本体がオマケでついてきたような価格でした。しかも保証付き。

 このSL-10という機種は、ある意味テクニクスDD(ダイレクトドライブ)の終着点的なコンセプトを持ったプレーヤーでもあります。つまり誰にでも簡単に手軽にレコード演奏ができる、それも高音質で…という、夢のようなプレーヤーでした。

 この機種が発売された当時の日本におけるオーディオ業界は、重量信仰主義がはびこっていた時代であり、キャビネットにせよアームにせよ、オーディオはとにかく重い方が音が良いと言われていました。
 そんな中で発売されたこのSL-10は、当時のマニアから「便利なのはわかるけど、こんな軽量でふらふらするリニアトラッキングプレーヤーの音がいいはずがない」とか「大体アームがプラ製でまともな音が出るはずがない」とか「こんなのはミニコン好きでオーディオに関心がない人達が買うものだ」とか、そんな評価も多かったようです。おそらく今でもそう思っている人は多いはず。

 でも、改めてこの歳になって本機の音を聴いてみると、ちょっとビックリするくらい音が良いんですよね。
 自分が普段LINNとか使っているからなのかもしれませんが、この当時の重量級アナログプレーヤーにある音のしつこさや重さがなく、軽々とさわやかに音楽を奏でます。例えば普段LINNとかロクサンとか、その手のプレーヤー使っている人には心に響くのではないかと思います。
 なんていうかな、敢えて例えれば、以前アナログファンの間で話題になった、AIWAの1万円プレーヤーをそのまま高音質にした方向で、この音離れの良さや、リズム感って、例えばYAMAHA GT2000系の重量級アナログプレーヤー使ってる人には物足りなくて心に響かないかもしれません。また、当時の日本のオーディオは、そのGT2000系の方が正統とされていましたので、本機の音質は、マニアにとって正しく評価されていなかった節もあります。
 あと、あの頃のオーディオマニアって、単純に操作が簡単だったり、デザイン性が高い機械とか見下していましたからね。ちょっと見た目がいいアンプとかあると「外見などに余計なコストをかけず、よい音にコストをかけるのがメーカーとして正しいありかた」なんて鬱陶しい投稿がよくFMファンやレコパルの投稿欄に載っていたりしたものです。ああいう人達、今はどんな機器でオーディオ楽しんでいるのかな?

 話をSL-10へ戻しますが、著名オーディオ評論家でもこちらのプレイヤーをセカンドで愛用していた人は多いようで、有名どころだと五味康祐が最後に使ったプレイヤーはこのSL-10だったようですし(入院中という制約はあるにせよ音は褒めていたみたい)、同じくオーディオ評論家の岡俊雄もステレオサウンドで度々本機の記事を書いています。コンパクトで音が良いので、レコードを聞きながら本を読んでいたそうです。

 もっとも「音が良い」といっても「じゃあフルセットのLINN LP-12より音がいいのか!」とか「総額数百万円のハイエンドプレイヤーと比較して言っているのか!」など、イきり立たれても困るのですが、まぁ…常識の範囲でとても音が良いという意味です。

 さて…買ってきたら一応中古品という事で、各所をチェック。

 まず、SL-10でトラブルが多いドライブベルト確認ですが、ここは扉の内側カバーを分解しないといけないのでパス。内側カバーはネジで外せるのですが、スタビライザーを外すのにコツがいるらしく、保証期間中にわざわざ壊す危険を冒す必要もありません。現状でちゃんと動いてるんだから大丈夫でしょう。

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 もう一つトラブルが多いのは、インシュレータゴムの劣化。こちらは本体を裏返してネジを外すだけなので気楽にチェックできます。点検したところヒビ割れもなく弾性も保っていましたので、念のためオープンカー乗りの必需品であるラバープロテクタントでコーティングしておきます。

 アームの感度はやや下がり気味(アームへの追従性が遅い)だったので、内側アームベースにある調整ねじを時計回りに少し回して調整。本来は基板上2カ所の電圧を測って中点を割り出す必要があるのですが、ここは見た目の感覚で合わせて問題ないみたい。
 アームの角度については、シングルレコードによっては着地点からはみ出してしまうことがあるので、少し内向きに調整。ここの角度は演奏中だと関係ないので安全策をとります。
 近年発売されているシングルレコードは、レコード端のツバの部分が少ないのか適当なのか、最近のシングルレコードだと着地点外すことが多いです。レコードのスタートポジションを内側に調整をすればいいのかもしれませんが、どちらかというと、スタートポジションは合ってるのですが、レコードに針が着地した瞬間にカートリッジが遠心力で外側に振り落とされてる感じ。古いドーナツ盤だとそんな事ないんですけどね。
 この問題、本来はスタートポジション調整でなんとかすべきなのですが、ここは先に書いたスタビライザーを外して内側カバーと基盤もバラさないと調整できないので、ちょっと躊躇しています。そもそもレコード盤の問題っぽいので、調整しても直るかわからないし。

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 針圧も確認します。一応ダイナミックバランス型のアームなので、指定の目盛りに合わせて調整すればいいのですが、もう古いですからね、スプリングも弱っているかもと思って念のため針圧計で測定したら、目盛りはぴったりでした。このT4Pというカートリッジの指定針圧は規格で決まっていて1.25gです。私は指示通りの重さより心持ち重めで調整しました。

 設置場所は出窓の上。なんというかこういう場所に設置してこそのSL-10って気がしますね。専用オーディオラックよりも、普通の家具の上など、インテリアに溶け込む場所に設置するのが似合います。本機はハウリング耐性もそれなりにあるので、よほど不安定な場所に置かなければ問題ないかと。
 設置場所の水平出しは必要なし!本機はダイナミックバランス型なので、なんと垂直に立てた状態でも問題なく動作します。というか、メーカーのTechnicsから純正で斜め置き用のスタンドが別売りで用意されていたくらい。まぁ…厳密に言えばモーターのスピンドルは水平状態にしておいた方が偏摩耗少なくて済みそうな気もしますが、常識的に水平ならあまり気にせずとも大丈夫かと思います。

 私の部屋の場合は、ここからだとアンプまで専用ケーブルが届かないので(専用ケーブルは本体側でL/R/アースが一体型のコネクタ式、自作できない訳でもなさそうですが…)、間にフォノイコかませて長目のケーブルでアンプまで接続しています。

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 下はLINN LINTOフォノイコライザーですね。この時代の黒箱LINNはちょうどLPレコード30cm正方形なので、SL-10と専有面積が全くいっしょ。仮にSL-10にブラックモデルがあれば、まさにLINN純正アナログプレイヤーみたいな趣です。本体黒く塗ってLINNのマークとか入れたくなっちゃいます。

 この出窓は自分が聴いている場所から少し離れているのですが、SL-10だと全てがフルオートなので、レコードを聴くのにストレスが全然ありません。オーナーマニュアルには、1ふたを開けて、2レコードをセット、3ふたを閉めてスタートボタン、の3ステップで音楽が聴けるとありますが、フルマニュアルのアナログプレーヤーを長く使ってきた私からすると、感動的な簡単さです。
 更にうれしいのは、レコードの演奏が終わっても機器の操作が必要ないということ。放っておけば、自動的に演奏が止まってアームも開始位置まで戻ります。その上リピート演奏なんて夢のようですね、シングルレコードをリピートモードにして演奏していると、なんだかCDプレーヤーで音楽聴いているのかと錯覚してしまうようです。それで音はきちんとレコードの音ですからね、実に素晴らしい。

 この操作性が素晴らしくて、ここのところは部屋でレコードばっかり聴いています。休みの日なんて一日中部屋にこもって、古いレコードを取っ替えひっかえ…実に楽しいアナログライフです。買ってよかった。

 ここでバイヤーズガイド的なネタを少し。
 このSL-10ですが、比較的長く売られていたことと、案外故障しないので、中古市場にはそれなりに数が出回っています。特に近年この手のアナログプレイヤーがブームなこともあり、近頃では相場が上昇中。きちんとした整備品の場合は、10万円前後で売られていることが多いようです。
 一般的な中古価格で5万円前後、保証ナシやジャンク品で3万円あたり?たまにドフやそれ系のリサイクルショップで売られているのを目にしますが、状態や価格の相場感はかなり広く、修理不能ジャンク扱いなのに7〜8万円だったり、まれに保証付きで1.5万円なんてとんでもプライスで売られていることもあります。ちなみに自分は去年の正月に非ドフ系リサイクル屋で保証3ヶ月付き動作品14,800円ってのを見つけたことがあります、買っておけばよかった。

 修理は…調整レベルなら可能でも、壊れたSL-10は結局パーツ取りの筐体から壊れていない部品を移植しての修理となりますので、整備状態よりも保証の有無を気にした方がいいかも。整備品だろうと故障するときは故障しますし、特にモーター系(回転不調)は、調整では直りません…というかクオーツ制御で調整箇所がありません。
 一番壊れるであろうドライブベルトですが、上記のスタビライザーを外すコツさえつかめれば、適当なゴムバンドを使って簡単に修復できます。そんなんで平気なの?と思われる方もいるかもしれませんが、このドライブベルトはカートリッジを上げたときの横移動と演奏中の大きな動きを制御しているだけなので、動けば問題ないのです。演奏中にアームを細かく動かすのは基盤下の糸となるのですが、ここを壊すとそれなりに面倒くさそうですが、直せないほどでもなさそう。
 なにげに厄介なのが、トップカバーアクリル部分の脱着で、ここを外すためには一部不可逆パーツを外す(外すために破壊しなければならない)必要があり、当然そのパーツはもう流通していませんので注意が必要です。ここの部分はアクリル板で自作している方もいらっしゃるようで、いつか自分も試してみようかな?

 地味に困るのはカートリッジの方かと。
 このプレイヤーで使える形式のカートリッジは、T4Pという規格で、以前は様々なメーカーからカートリッジがリリースされていたのですが、現在だとMCは全滅、MMでシュアとグラド、その他ナガオカに在庫品が残っているくらい?シュアはご存じの通りカートリッジ自体の製造を止めてしまいますし、グラドも実質在庫品が終われば終了でしょう。
 T4Pカートリッジの中古相場は高騰していて、このプレイヤー純正であるTechnicsの310MCなど、中古単体で買うより、中古で本体ごと買ってしまう方が安上がりなレベルです。
 まぁ…正しく使えばカートリッジなんて意外と保つモノですし、注意すべきポイントは針先よりもゴム製のダンパーの劣化だったりしますので、夏はあまり暑くなる場所で保管しないとか、そういう点に注意した方が良いのかもしれません。

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 ちょっと前にどこかのお店のWebサイト?で、このTechnics 50AとSL-10を並べて使っている写真を見たのですが、再検索しても見当たりません。どこで見たんだろう?
 にしてもこの組み合わせ、見た目的にいいよね〜。ということで、オールドTechnicsに敬意を払い、ここのところはこの50Aで音を出しています。
 SL-10に内蔵されているMC用プリはなかなか優秀で、設置場所の制約さえなければ、そのまま50Aに接続しても充分に良い音が出ます。

OLYMPUS E-M1 + M.Zuiko Digital ED 12-40mm F2.8 Pro

▼2018年11月13日

犯罪はやり過ぎるから発覚する

 昨晩、寝る前にネットでニュースを見て思わず吹き出してしまいました。

 イオン270万回来店装う ポイントだまし取った男逮捕:NHKニュース

 なんというか、270万回という数字がすごくて、そっか…実際270万回イオンに行くにはどうすればいいのか考えてしまいました。仮に10年間かけたとしても、1日800回程度は来店しなければならず、それなら100年かければ1日80回程度で済むので、頑張って毎日欠かさずイオンに出たり入ったりすればなんとか270万回来店することは可能かも(それを来店というかは別にして)とかね。いずれにせよ270万回来店ってかなりハードルが高いというか、不正やってるときに気づけよw!こんなん絶対不可能でバレるに決まってるやん。
 で、誰かが頑張って270万回イオンに来店しようとする様子を布団の中で想像していみら、また可笑しくなってしまって、もう一度吹きました。

 全然別なニュースですが、五反田の地面師も捕まりましたね。

 積水ハウスから63億円をだまし取った「地面師」の恐るべき手口:現代ビジネス

 「地面師」なんて言葉があるくらい、この犯罪もそれだけオーソドックスなんでしょうけど、色々なところで書かれていると思いますが、この犯罪者が捕まった理由は、63億円という被害額もそうですが、相手が積水ハウスという上場企業ってのもまずかった。こういう詐欺事件は犯人捕まえて立件しても、被害額が取り返せる見込みがほとんどないものですが、上場企業にとっては63億円の被害額より株主達の突き上げの方が怖い。

 上記2つの犯罪に共通するポイントは「やりすぎ」たってこと。

 例えば、お店の来店ポイントをちょろまかすにしても、せいぜい1,000円くらい(実際の案配はわかりません、適当に言ってます)を小分けにちょろまかす程度なら、イオン側もあまり不振に思わないでしょうし、長期にわたって不正行為が可能だったのかもしれません。というか実際GPS偽装でなんとかなる程度のガバガバさなら、今でもやってる人いるんじゃないかな?

 地面師の犯罪も、一発大勝負なんかに手を出さずに、地道に個人や零細企業向けに数千万円づつ適宜騙していけば、捕まらなかったのかもしれません。そもそも被害者にとっては犯人捕まえてもどうせ金は戻ってこないことがほとんどですし、警察だって人が死んでいる訳でもないのに、特定の地域で何度も同じ手口を繰り返さなければ、そんなに真剣に捜査してくれるとは思いません。

 そういえば、万引きもそうだっていいますよね、初犯の場合はあまり捕まらない。それが調子に乗って定期的に同じ場所へと万引きに来るとか、そうやってやりすぎるから、マークされて捕まる。

 逆に言えば、節度を持ってほどほどの頻度で、手広く色々とこの手の犯罪をやっていけば、こういう窃盗犯的な犯罪は発覚しにくいものなんでしょうね。もっとも、そこまできちんと計画を練って高度できるだけの頭があれば、今の日本ではちゃんとまじめに働いた方が効率的だというのも理解できるでしょうから、そんな人はあまりいないかな?

 とまぁ…イオンの件は、氷山の一角というにはあまりにも氷山がでかすぎる気もしないでもないですが、きっとこの手でポイントをちょろまかしている人は沢山いるんだろうなぁ〜なんて思いました。

万引き依存症/斉藤章佳

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