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▼2010年07月04日

すてきな切手本「切手帖とピンセット/加藤郁美」

100704-02.jpg 本屋さんで見つけて衝動買いしてしまった本。タイトル通り、様々な切手のデザインが紹介されている本ですが、その中でも本書は「1960年代前後の東欧〜アフリカ諸国」など、ちょっと珍しい世界の切手に焦点を当てているように思えます。新鮮なデザインの切手がカラーで数多く紹介されていて、眺めているだけのつもりでも、ついつい見入ってしまう、とても面白い本です。

 それはさておき、本書の中の文章で気になる部分がありました。それは、この本の中でコメンテーターが戦後デザインについて語っている部分。「戦後デザインのピークは1959年から1964年くらいまで」という説です。何故気になったかというと、私もその主張には大いに賛同できてしまうからです。

 本書では「世界中で戦争に明け暮れていた時代がようやく落ち着いて、10年位のタイムラグがあった後の1960年前後は、デザイナや職人達が希望を持って新しいアイディアを試した時代。そしてその時代、世界は戦争の傷跡から回復し、消費者の財力も付いてきたいいタイミングだった」と語っています。それが1980年代になってしまうと、デザインの意味が変わってきてしまい「本当によいものを届けるためのデザインが、既に持っているものを更に買わせるためのデザインに変質してしまった」ということ。確かにそうかもしれません。

 この文章を読んで、私が学生の頃に受けたマーケティングの講義で、講師が一番始めに語った言葉を思い出しました。それは、

「マーケティングで、良い商品をより多くの販売に結びつけることは可能ですが、どんなに優れたマーケティング手腕を用いても、悪い商品を多く売ることはできません。それがマーケティングの限界であることを覚えておいて下さい。」

 という言葉。今までこのような現場で働いてきて、この言葉は私の中でベーシックなマーケティング・企画の基礎理論としてずっと心に留めてきていました。

 しかし、とはいいつつも、今の時代では決して良い商品でないものを、強引なプロモーションで消費者に押しつけるような手段が増えてきたようにも感じています。それをマーケティングというくくりで語ってしまっていいのかは判りませんが、そんな事を思いながら、本書の「本当によいものを届けるためのデザイン…」という下りを読むと、妙に心に残ってしまいます。

 あまり同業者とのつきあいが多くない私ではあるのですが、それでも以前デザイナと語り合ったとき、もっと早く生まれて1960年代にデザイナとして活躍したかった…と言っていた人は何人かいました。彼等はきっと、あの時代「良いものをより良いデザインでお客様の元へ」という、シンプルで力強い、ストレートなデザインの力を信じられた時代の良さを、本能的に感じ取っていたのかもしれません。

 後半は本書の内容とは関係ない文章になってしまいましたが、今からちょっと古い時代…デザインがデザインとして自由に力を発揮できた時代の記録としても、とても面白い本です。
 購入するときは、下にアマゾンのリンク貼ってしまいましたが、直販で買うとオマケ付きなのでおトクかも。内容が気になる人には中身全184頁のプレビューなんてのもありますね。web副読本アクセス・ワードってのは、自分は本屋さんで買ったのでもらってませんけど、ほしかったなぁ。

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▼2010年06月06日

iPadショック/林 信行

100606-01.jpg せっかくiPad買ってみたので、1冊位はあいぱど本でも…と思って買ってみた本。さすがにiPad発売からすぐに発売された本のせいか、内容についてはちょっと薄いなと思った。

 ただ、まぁ…iPadを買って、この端末が世間でどんな期待を受けていて、また、どの方向を目指しているのかという、現時点での指針を俯瞰するにはいい本だと思う。少なくとも、急に沢山発売された、雑誌大の薄っぺらいHow toにすらなっていないムック本よりはマシだと感じる。

 内容についての感想は特にない。というのも、普段からiPadやiPhoneの情報をネットで漁っている人にとっては「どっかで読んでる」内容がほとんどだから…故に、私みたいな人には「iPad事情のまとめ本」、という位置づけに留まった。

 なんだかいい評価がないな…という感じのエントリになってしまったが、そんな訳ではなくて、読んでいる最中はそれなりに面白かったし、ふむふむと感じた部分もある。かといって「この本で初めて知った!」という内容があった訳でもなかったかなぁ。
 ただ、iPad関係で断片化された情報を頭で整理するには役に立つ。もちろん「iPadってなに?」と思っている人にとっては、ややビジネス寄りの内容ではあるが、なかなか面白い。そんなに濃い話でもないので、サクッと読めると思う。ある種正しいビジネス書の姿…って、結局なんだか否定的な感じで結んでしまったような気もするが(笑)

 繰り返し読むような本でもないので、もしどなたか読みたいという方がいれば、ネットでこんなこと言っていいのかわかりませんが、手持ちの本、差し上げます。条件は「手渡し可能」「読み終わったら周りの興味ありそうな人にあげちゃって」の2点です。ブックオフとか禁止(笑)。応募者多数の場合は、適当に渡しやすい人から放流しちゃいますのであしからず。

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▼2010年05月25日

関東水陸交通史の研究/丹治健蔵

 古本屋さんで見つけたので買ってきた。古本といっても4,000円もしましたけどね。ま、新品の6割引だから得ではあるんだけどさ。
 で、多分通して読み終える事は無い…か、かなり先のことだと思うので、全て読んでもいないのにエントリ立てちゃいます。

 本書の内容としては、タイトルの通り。関東圏における、水陸交通…というか、内陸の物流と言ってしまって差し支えないだろう…についての研究記事をまとめたモノ。まだ本書の内容について全て目を通した訳ではないが、おおよそ利根川水系と江戸川水系、あと、茨城県と千葉県…常陸国近辺の物流史についての研究記事が掲載されている。
 対象とする読者層が、一般の読書人というより、モロ研究者向けなので、記述内容のハードルは高く、正直私も通して全て読むつもりはないのだが、それでも、当時の運送契約、積み荷についての契約書類、そして運送料金についての覚え書きなど、ふと疑問に思ったときに、参照できるベーシックな一次資料からの転載が多いのが特徴。つまり、一般書と違って初めから最後まで通して読む…という用途の本ではないんだなと、そんな感じ。

 数年前までは、江戸側と利根川水域について、あの景色と集落の関係、そして歴史について興味があり、何度もクルマで現地をドライブして、雰囲気を感じ取っていたものだが、最近は江戸川水系についてはともかく、利根川の、特に取手以降の下流域については、あまり訪れていない気がする。
 時間と余裕を見て、クルマだけではなく、自転車でそれらの土地をゆっくり回って、当時の内陸水運の息吹を、もっと濃く感じてみたいものだと思っている。

▼2010年05月24日

江戸東京を支えた舟運の路/難波匡甫

 かつて江戸東京を支えた利根川内陸水運に関する本。このシリーズの続編となる。

 かつて、北国から江戸に運ばれる米や特産物は、海路でそのまま東京湾に入ってくるのではなく、1度千葉県銚子で川船に積み替えられ、そこから利根川をさかのぼり、江戸川を経由して江戸に入る…といったルートが一般的であった。何故なら当時の鹿島灘、九十九里浜沖の海路は難所とされ、遭難事故が多発していたからだ。
 実際、その海域で不意に沖に流され、黒潮の流れに乗ってしまい、沈没は免れても、遙か北まで漂流してそのまま帰らぬ人となった船乗りは多い。遭難した場所こそ違えど、江戸時代、ロシアに渡りエカテリーナ女帝に拝謁した大黒屋光太夫も、黒潮に乗り、カムチャツカまで流されている。

 それはさておき、北国からの荷物の殆どが、利根川と江戸川水系を利用して江戸入りする訳だから、当時の川の賑わいは、想像以上のものであったろう。現存する写真で、明治に入ってから、今の千葉県松戸市近辺で江戸川を撮影した写真があるのだが、大小様々な川船が浮かんでいて、たいそうな賑わいである。そんな時代もあったのだ。

 その利根川水系内陸水運だが、江戸中期に起きた浅間山の噴火以降、火山灰が川に堆積し、大型船の通行が困難になり、徐々に衰退してゆく。他にも、房総沖を航海する安全なルートが開かれたりして、利根川水系内陸水運の地位は徐々に下がっていった。
 それでも、今と違い、中・短距離の輸送手段として、やはり川を使った水運は盛んであり、明治に入ってからも、上流の回航困難な関宿をパスする目的で利根運河が掘られたりして、川はそこを利用する運送業者や旅客船などで賑わい、今の人気のない利根川の姿とは全く違う様相を呈していた。

 本書では、そのかつての内陸水運のコースを、可能な限り川から辿っている。現在の巨大な堤防で隔離された河川上から、かつての川の足跡を感じることは難しいみたいだが、それでも現在のスーパー堤防の外側には、わずかながらも、水運で栄えた町の栄光を見つけることが出来る。

 以前も書いたと思うが、現在の日本は、あまりにも水上交通の利便性を忘れきってしまっていると感じる。もちろん、時間にも正確で天候に左右されにくいトラック運輸が、物流の主力を担う現実は変わらないだろうが、そんな今でも、河川を利用した物流ネットワークというスタイルは、なんかしら利用できる余地があると思える。本書を読んで、そんな事を感じた。

▼2010年05月16日

戦争の世界史/W.マクニール

 戦争について、古代から現代(本書は冷戦が終了していない時点で書かれた)までをまとめた本。ただ、一般の戦記書と違うのは「戦争」という事象を、その当時の社会システムや技術から生み出され、変化してきた…という視点で一貫していて描いていること。

 例えば、古代における社会システムと、青銅器や鉄器などの発明から引き起こされた戦争の姿、また、その後の中国社会、そしてヨーロッパにおける戦争ビジネス、そして新たな科学力が引き起こした戦争の変化、国家総動員制、単一の国家でコントロールできなくなりつつある戦争、そして凶悪な核兵器を持った現代では、地球規模の強力な国家単位が生まれないと、もはやこの状態をコントロールすることは不可能である…という結び。
 ざっと書いてしまうと当然の事の羅列にも思えるが、その中で書かれているエピソードは、どれも戦史マニアをうならせるモノであり、また、個々の時代ごとにおける「戦争」が、1つの流れとして、自身の中で再構築できるような構成になっている。これは読んでいて非常に快感だった。

 後書きにもあるが、何故幕末の日本では最新の洋式大砲に歯が立たなかったのか。そして何故西国の有力藩はこぞって「反射炉」を作ったのか…なども、本書を読むとなるほどと理解できる。

 また、人力や馬で遠征可能な範囲が、かつての国家において軍事的に影響力を及ぼせる範囲であったのが、様々な技術革新により、その影響力をどんどんと広げてゆくことが可能となり、ナポレオン時代以降の西欧は、もはや戦争によって歴史が作られたというより、新しい技術により戦争と歴史が作られたと考えた方がいいような状況だとも…。
 ちなみに、戦争によって「最新技術」が生み出されるようになったのは、十九世紀末の海軍における造艦テクノロジー競争以降だというのは、なにやら意外。それ以前の大砲や銃などのテクノロジーは、全て民間の企業が、開発済みの最新技術を国家に提供していた状態だったそうだ。

 他にも細かいことを書いていればキリがないのだが、とにかく、軍事マニアや戦史マニアにとって、本書はやや高価ではあるが、絶対にお薦めの本だと断言する。
 私もとりあえず1度読み終えたが、まだまだ全然理解が足りない。机の近くにおいて、事があれば、何度も読み返そうと思っている。

▼2010年04月27日

スーパーカー誕生/沢村慎太朗

100427-01.jpg 伝説のスーパーカー研究書、「スーパーカー誕生」が、奇跡の1,000部限定重版

 初版発刊当時は「給料日になったら絶対買おう」と思っていたのだが、あっという間に市場から姿を消してしまい、その後、古本はアマゾンで3万円なんてバカげた値付けがされていたおかげで買うことが出来なかった。
 幸い内容については、隣町の図書館にあったので、借りて一読はしたのだが、それでもこんなに濃い研究書は是非手元に置いておきたい!と思っていた。そんな中、今回の重版は本当に待ちに待ったもの。高価ではあるが、自動車…特にスパーカーについて何らかの興味を持っている人は、絶対読んだ方がいい。

 内容は、デ・トマソ・ヴァレルンガからスタートし、ランボルギーニ・ディアブロまで。おおよそ車種別にテキストは別れているが、従来のスーパーカー本にあるような、単に1車種のスペックとエピソードを羅列するだけではなく、その開発に至る経緯と時代背景が巧みに織り交ぜられている。

 私達は、どうしても「スーパーカー」という商品を、伝説めいた言葉で飾ってしまうことが多い。もちろん、その魅力的なスタイリングや、卓越した性能(性能については最近その“張り子”が暴かれ始めているが)は、私達に夢とロマンを与えてくれるし、その結果商品が伝説めいたエピソードに埋もれてしまうのもやむを得ない事かもしれない。実際メーカー側もそういった側面を肯定している節もある。
 ただ、実際に自動車メーカーが作る自動車は、どんなモノでも、売るべき顧客を設定し、マーケティングを行い、販売台数×販売価格から想定した、開発費用とコスト管理を行って世に出される「商品」である。本書では、それらスーパーカー達とその成り立ちを、現地での取材リソースを元に、極めて冷静に語っている。

 内容については、ある程度自動車に対する知識がないと辛いかも知れないが、それでも頑張って読み進めれば、スーパーカーという極めてエキセントリックな商品と、なぜあの時代はスーパーカーだったのか、が理解できると思う。そして、何故現在の高性能車達は「スーパーカー」と呼ばれないのか、についても何となく理解できる気がする。

 個人的には、簡単な図ではあるが、登場車種達についてのエンジン・クラッチ・デフレンシャル・トランスミッションの搭載見取り図が記されているのが素晴らしいと思った。自動車におけるこれらの搭載位置と、地上からの高さは、スペックを語る上でも、非常に重要な情報だ。

RICOH GR Digital


▼2010年04月11日

カワウソと暮す/G・マクスウェル

100411-01.jpg スコットランドの人気のない入江、そこで著者が、短い間ながらも、カワウソのミジと暮らしたドキュメント。ミジビルとの出会いと、生活、そして唐突な別れを、割と淡々と(というように読める)描いている。

 本書で描かれるカワウソの生態は、人と動物にとって本当に理想的な関係にも思える。それはこの人気のないスコットランド、という土地であることも関係するのだろうが、日本でもカワウソが全国各地に生きていた頃は、このミジビルの様なカワウソが、私達の生活圏の中で一緒に暮らしていたのかも知れない。

 カワウソは、肉食動物の為か、あまり人間を恐れない。恐れないどころか好奇心を持って近寄ってくることも多かったという。本書でも、この自由奔放に人と暮らすカワウソの生態は、まるでファンタジーのよう。

 数は少ないが、口絵で収められている数点の「ミジビル写真」も素晴らしい。カワウソに興味を持っている人以外にも、動物好きな方に広くお勧めできる本だ。ただ、残念ながら、現在では入手がやや困難。

RICOH GR Digital



▼2010年02月22日

Brompton Bicycle

 ようやく届いた謎の洋書「Brompton Bicycle」。注文したというエントリを書いたのがこの頃だったから、約3ヶ月待たされたのか…。

 届いてみると、当然ながら洋書「かに文字」なので、私には何がなにやらさっぱりです(笑)

 内容としては、世界のフォールディングバイクの歴史、ブロンプトンのプロトタイプから誕生まで、そして各モデルの変遷。またブロンプトン以外のフォールディングバイクについても紹介されていて、なかなか面白い。

 文字ばかりではなく、写真も豊富なので、ブロンプトンがお好きな人にとっては、洋書の入門としても良いのでは?かわいいお値段だし。

 今なら即納みたいですよ。

港町のかたち—その形成と変容/岡本哲志

 交通の歴史に興味を持っている。昔の人たちが、何を考え、何を求めて、世界を駆け巡っていたのか。そしてその足跡は今でも残っているのか…そんな事をよく考える。

 本書は、そんな日本の交通史の中で、かつては大量輸送の花形であった、海運で栄えた街の足跡を辿るという本。面白いのは、この手の現地調査ではその現地に入るまでの交通手段にはあまりこだわりがない事が多いが、本書については可能な限り海の側から訪れ、また海の側から街の景観を確認していること。

 かつての水運と言えば、海もそうだが、日本は河川の水運も盛んだった。私がちょうど子供の頃は、近くに流れる川を利用して、海から大量の木材をプライウッドの工場に運び込んでいる姿をよく見た。牽引しているのは、焼き玉エンジンを搭載した「ポンポン船」そして牽引している材木の上には、鳶のようなおじさん達が、器用にくるくる回転する材木の上を歩き回っていたものだ。そんな風景も、私が大人になることには、すっかり消えて、川からは人の流れが消えた。

 同じ事が海にもいえると思う。大規模なコンテナ船やタンカー、フェリーなどは就航していても、もっと身近で小回りのきく交通手段、運送手段として、水辺は漁業を行っている人以外には「利用されない」空間になった。関西での事例は余りよく知らないが、特に関東以北では、人と海の距離感は、だいぶ離れてしまっているように見える。東京湾なんて内海なんだし、本当はもっと細かく旅客船が就航していてもよいような気もするのだが…。

 そのように、かつて交通の要所として栄えた日本の港町は、今では多くが、小規模な漁業港としてのみひっそり生き延びているのがほとんどだ。しかし、そのある種都会の喧噪から隔離され、穏やかにも見える港町は、陸上交通が主流になる前は、物流の拠点として、新しい物や情報であふれていた都会だったのである。

 近代社会が、納期が天候などの要因で左右されやすい、近・中距離海運から撤退しつつあるのも理解できるが、逆に言えば、そのような必要性の薄い用途において、もっと水運を積極的に利用できる社会というのは、創造できるのではないか。本書を読んでそんなことを思った。

▼2010年02月21日

創るセンス・工作の思考/森博嗣

 ミステリ作家、森博嗣のエッセイ。本屋さんで立ち読みしてみて、面白そうなので買ってみた。

 早速読んでみたのだが、この本のような考え方は、工作する人だけではなく、クリエータやプログラマにも身につけてもらいたいなと思う。

 私も子供の頃は、工作少年だった。家の周りは、丁度新興住宅地、工業開発地に囲まれていて、建設中で放置されている材木やトタン板など(放置していたのではないかも知れないが)、様々な素材を拾って、色々なモノを作った。
 子供だから設計図とか考えずに、思いつきで、のこぎりで切ったり釘打ったりという、工作と言っていいものか判らないレベルだったが、それでも楽しかった。また、家の中では、厚紙やノリ、セロテープなどを使って色々おもちゃも創った。本書の中にある「厚紙と輪ゴムで創った、自動販売機のおもちゃ」も、すぐに作れと言われても無理だが「あ…こんな方法かな…」とは何となくはイメージできる。というか、動作の仕組みを考えるのもそうだが、厚紙のあの素材感や強度など…そういう部分でのイメージが出来るのは、やはりそのような工作の経験があったからだろう。

 話はちょっと変わるが、真面目な人生を送っていないような私でも、たまに人から相談を受ける事がある。「デザイナになりたい」「Webディレクタになりたい」そういうときの私の答えはまず「なればいいじゃん」である。

 デザイナになりたいと思うのなら、その瞬間から、色々な作品を作ればいいし、Webディレクターになりたければ、自分でサイトを立ち上げて、そのサイトをセルフディレクションすればいい。幸い、今ではPCもデジカメもブロードバンド回線も無料のサイト開設に使えるストレージも、とても低いコストで手に入る。私がWebサイトを作り始めた前世紀とは大違いだ。

 こんなに恵まれた環境で、自らの意志で創造活動をスタートできないというのなら、陳腐な言い方をしてしまうと「あなたには向いていない」ということなのだろう(もっとも、その質問で「デザイナとして食べていきたい」「Webディレクタとして収入を得たい」というなら、また解答は別になる。私だってまだ判らない)

 最近はプログラマについても同じような事を感じる事が多い。私自身はコードを全く書けないし、そもそもプログラムなんて書こうと思った事もないのだが、それでも「こんな機能をもつプログラムを作りたい」という要望に対して難しいというプログラマに「このデータのこの部分を取り出して、それをキーにしてこの形でまとめ直して、その後必要なデータを抽出して…」みたいに実現可能な概念を提示するという事が多い。その概念を教わると「なるほど」と納得して、彼等はコードを書き始めるという感じ。

 このような事が出来るから自分は偉い、とか言うつもりはないけど、それでも彼等に対して感じてしまうのは、最初の一歩…つまり「創り始める」という思考のプロセスが訓練されていないんだな…ということ。以前もツイッターでつぶやいたのだが、こういった仕事をやりたいという人は、それこそ自分のセンスやアイディアを自ら出力したくて仕方ない人達かと思っていたのだが、最近はそうでもないようだ。

 私はビジネス書をほとんど読まないが、世の中の評判や、本屋さんでのタイトルを見る限りでは、「与えられた課題を如何に効率的にこなすか」という情報に偏りすぎている気がする。
 そうではなく、やはり仕事の基本は、自ら何かを創り出して、それで報酬を得る事ではないのかと、こういう仕事を続けてきた私はそう思っている。

 本書は、物作り系エンジニア向けに書かれたと思える文体だが、その考え方は、全ての仕事をしている人にとって役立つものだと思う。どんな状況でも、どんな年齢になっても、想像力は常に鍛えよう。

▼2010年02月11日

新・井沢式日本史集中講座「鎌倉・新仏教」編/井沢元彦

 井沢元彦による、日本史の本。彼の著作は別に好きという訳ではないのだが、この「日本史集中講座」のシリーズのみは読み続けている。
 それは、読み進めるのが非常に簡単な上、他の本では難解で理解しにくい「日本人の宗教」について、分かりやすく解説してあるからだ。

 私達は日本人を「無宗教である」と教えられてきたし、また、今でも私達日本人は「無宗教である」と思い込んでいる。でも、井沢氏によれば、それは間違いで、私達日本人のベースには、古代から延々と「言霊信仰」と「和」があり、その上に外国から入ってきた仏教やキリスト教などをアレンジして用いている…という考え。

 確かに、日本人による「言霊」の扱いは、論理性を欠いているなと感じる。葬式や結婚式で言ってはいけない言葉から、会社組織の会議でも「潰れるとしたら…」という言葉は「不吉で不穏当」として言葉で発したがらない。また「話し合えば判る」というのも、「話し合う」事を真っ向から否定する人は日本人ではほぼいない。実際は話し合う必然性があるから話し合う訳で…「話し合う」という意味をすっ飛ばして「話し合いは大事」などと言っている。冷静になって考えてみれば、これらの理不尽な行動は、ある種の宗教観に支配されている行動だとしか思えない。

 そんな事を、このシリーズでは延々と書いてあります。文章は非常に読みやすいので、今までこのような本を読んでいなかった人でも、楽しく読み進められる筈です。

FREE/クリス・アンダーソン

 サブタイトルは「無料からお金を生み出す新戦略」となっている。

 世の中のサービス…特にデジタル系の、複製のためのコストが限りなくゼロに近いものは、何らかの手段で遅かれ早かれ、重力に惹かれるかのごとく、無料化の流れには逆らえない、との事。それならいっそのこと無料に…なんて話も書いてある。
 個人的には、こういった「無料化」の流れというスタイルについて、最近色々考えていた事もあり、なかなか興味深い記述が多かった。

 読後、デジタルで提供されるコンテンツが無料化の流れに向かっているのもそうだけど、、同時に、デジタルの世界は、仕事の「ワークシュア」を先鋭的に実現しつつある世の中なのかな…なんて気もしました。

 ちなみに本書には日本語の公式サイトもあるのですが、微妙にこの著者が言いたかった事と、趣旨がズレているような気もします。

▼2010年02月07日

黒船前夜/渡辺京二

 副題は「ロシア・アイヌ・日本の三国志」。著者は「逝きし世の面影」で有名な渡辺京二。後書きには「逝きし世の…」の続編となる「日本近代素描」シリーズの2巻目にしようとしたが、思いとどまった…とある。

 本書で語られる時代は、ベニョフスキーの書簡事件から、ゴロウニン事件まで。その間に起きる、日本とアイヌ、そしてロシア三国の動きや思惑を明らかにしてゆく。

 旧世代の幕末史でよく語られる「黒船のショック」と、始めて見る異人に慌てふためく日本人…というステレオタイプのイメージは、最近になりだんだんと否定されつつあるが、本書においても、見知らぬ外国人に対して冷静な判断で対応する徳川時代の日本人が活き活きと描かれており、また、同じく旧世代のアイヌ史でよく語られてきた、内地(本州に住む日本人)の人間に一方的に搾取されるアイヌ人という、またステレオタイプなイメージについても警鐘を与えているように見える。少なくとも、徳川時代のアイヌ人は、幕府から一方的に支配されるだけの存在ではなかったという事のようだ。

 このゴロウニン事件の後、日本とロシアの通商交渉は一旦休止し、もう少し時代が下った時に、アメリカからはペリー、ロシアからはプチャーチンが、ほぼ同時に日本を目指し、タッチの差でペリーの恫喝外交が実を結ぶという結果になった。その時どさくさ紛れに通商条約を結んだ列強の中で、たった一つ、いわゆる「不平等条約」を押しつけなかったのがロシアであったらしい。

 本書に登場する日本人とロシア人達の姿を見ると、もし江戸幕府の開国がロシアからスタートしていたら、その後の幕末史と昭和史は、もっと穏やかな時代だったかも知れない…などという幻想を抱きたくなってしまう。
 本書を始め、当時の時代について書かれた書物を何冊か読むに当たり、日本人とロシア人は、いつの日かイデオロギー的対立を乗り越え、心の底から笑い会える仲になる日が来るのではないかと思っちゃうね。

黒船前夜/渡辺京二
日本俘虜実記(上)/ゴロウニン

ベッドサイトの読書灯、ヤマギワ・STEM RAY・SS393N|Conran HIGH-LIGHT

100207-01.jpg ずっと、ふとんの中で読書する事が夢だったのです。

 でも、私の部屋でふとんが敷いてあるエリアは、あまり室内照明も明るくなくて、なおかつ、寝る時に照明を消すには、布団から出て、奥の院脇にあるスイッチ(奥の院とは私の部屋の更に奥にある秘密の部屋を消しに行かなければならない…。となると、せっかくいい感じで眠くなったのに、また目が覚めてしまう…ので、寝る前の読書が、あまり思うように出来なかったのでした。

 いっそのこと、部屋の照明をリモコン化しようかな…なんて思っていたのですが、そんな中、色々とインテリア照明を探していたら、私の琴線にビビッとキタのがこのランプ。ヤマギワから発売されている「STEM RAY」というシリーズ、「Conran HIGH-LIGHT」ともいうようです。その新型モデルでは、サンヨーのエネループ単三を2本入れる充電式となっており、ますます物欲が…。ということで、シリーズの中で「集光レンズ付き」という、オリジナルよりも若干照射範囲が広がっているSS393Nをゲットしてきました。

 早速寝る前に使っているのですが、なかなかいいですね!ふとんの中での読書っていうのは…。
 今まではホテルに泊まったとき位しか「おふとん読書」ってした事なかったのですが、これからは、ちょっと眠れない夜でも、気軽にその時間を読書にあてる事が出来ます。

 更にこのライト、充電式の為、電源のないところにでもサクッと移動させる事が出来て、とても便利です。ライトのアーム部分は、フレキシブルに曲がりますので、自分のお好みの場所を明るくする事が出来ます。ダイキャスト製のテトラ風台座は、適度な重量感があり、安定性も抜群!見た目もカッコいいしね。

 ちょっと無理して難点を上げてみると、内蔵エネループ電池を取り外すとき、ドライバで台座裏側にある+ネジを3本外さないと電池蓋が開きません。急に電池が切れた時など、気軽に電池交換が出来ないのが残念。もっとも、電源アダプタつないで充電していればいいのですが、マニュアルによると、本体でフル充電するには約6時間かかるとの事なので、急に電池が切れて、なおかつ電源がないところで使いたいときは、ちょっと面倒かもね。それと、この製品にはエコポイントとか付かないんですかね。総務省さん。

OLYMPUS E-410 + Zuiko Digital 50mm F2.0 Macro

▼2010年02月06日

海と非農業民

 数年前に亡くなられた、網野喜彦についての評論集。網野喜彦に関わった人達が色々な文章を寄せている…という構成だが、逆にそのような論文をまとめたモノの故に、網野学の入門としてもとても判りやすくなっている。

 網野氏が、どんなプロセスで「常民」という定義を始めて、それを「百姓は農民ではない」という有名な思想に昇華してゆくのか…。本書を読んだだけでは、当然まだまだ情報量が不足しているが、網野氏のどんな著作から読み始めてゆけばいいのか…という指標にはなると思う。

 最後の章「日本の歴史をよみなおす」の英訳版を作るに当たり、百姓を「peasant」と訳すのを禁止した…というのも面白い。代わりに使われた言葉は村民・町民を表す「villager」という言葉だそうだ。

 本書には「第1回常民文化研究講座」の際に行われた網野氏の講演を収録したCDが付属している。そっちはまだ聞いてないです(笑)

海と非農業民―網野善彦の学問的軌跡をたどる/神奈川大学日本常民文化研究所

湿原のアラブ人/ウィルフレッド・セシジャー

 アラブ人と湿原…というキーワードは、あまり結びつかないように感じるのではないだろうか…。私も書店でこの本のタイトルを読んだ時「あれ?」と思ったものだ。

 かつて、人類文明誕生の地と言われた、チグリス・ユーフラテス川に挟まれた下流は、広大な大湿原地帯だった。本書は、そのその大湿原地帯を訪れ、一緒に現地人と生活を共にしたイギリス人による、1960年代に書かれた記録。
 そのイラク地方にある広大な湿原地帯の旅行記を読んでいると、なにやらこの旅行記が、地球以外の架空の世界の話に思えてしまう。

 その貧しくも豊かで、時に生きる事に真剣であったその「アマダン」と呼ばれる部族と、彼等が住んでいた湿地帯は、現在この地球上に存在しない。何故なら、フセイン政権時代のゲリラ掃討プロジェクトで、川の水を人工的にせき止めてしまい、広大な湿地帯を全てを干上がらせてしまうという暴挙に出たからだ。

 旅行記としても大変面白いし、また、世界にはこういう場所も存在したんだ…という記録としても、貴重な資料だと思う。

湿原のアラブ人/Wilfred Thesiger

▼2010年02月05日

コンテナ物語/マルク・レビンソン

 現在世界中で当たり前のように行われているコンテナ輸送。そのアイディアはとあるトラック運転手出身のマルコム・マクリーンが企画し成功させたシステム。そのコンテナ輸送前夜のアメリカ海運業界と、コンテナ輸送によって、世界の海運…流通が変わってゆく様を追った本。

 考えてみれば、日々の暮らしを支えている重要な「コンテナ」というシステムについての歴史をまとめてある本は少なかったと思う。

 私たちの荷物が盗難にも遭わず、無事に世界中を駆け巡ることができるのは、この「コンテナ」というシステムのおかげなんだよね。流通の効率化についてもそうだが、荷物が途中で盗難に遭わない…というのも、コンテナ輸送の優れたポイント。

 タイトルを見ると、やや堅い内容にも思えるが、読み物としても、ドラマチックにポイントがまとめられているので、とても読みやすい。
 そして、こういう普段は地味な縁の下の力持ち系の情報をまとめた本って、理由はよくわからないけど、読むとなんだかワクワクしてくる。お勧め。

▼2010年01月18日

軍事とロジスティクス/江畑謙介

 軍事に関する「ロジスティクス」を「後方」と訳してしまうのが、そもそもの誤り…。そんな書き出しから始められる、主にアメリカ軍の最新ロジスティクスの実態を、詳細に調べ上げた本。元は経済誌に連載されていたそうだが、実際、軍事知識の本というより、物流システムに興味がある人の方がおもしろく読めるかもしれない。

 自分のエントリを参照するのもおこがましいけど、


 という現実にフォーカスを当てているのが興味深い。アメリカ軍が世界最強であるのは、何もステルス爆撃機やイージス艦を持っているだけではないという理由が見えてくると思う。むしろ本書は、非軍ヲタの方にこそ、物流システムの最前線事例として、お勧め。

▼2009年12月15日

ハンナ・アーレント「責任と判断」

 これからプレゼンなんだけど…ま、その前に本屋さんに寄ってちょっと買ってしまった本。

 ハンナ・アーレントとは、ドイツ出身のアメリカ人思想家。公と個についての独特な解釈が面白いのだが、正直理解するのに難解だと評判。私も若い頃、何かの本に手を出した記憶があるが、正直内容なんて全く覚えていない。

 で、なんで急に彼女の思想に注目しだしたのかというと、ミーハーな理由だが、週末に寄ったカフェ・プロントで配っているフリーペーパーで、ガンダムの富野由悠季監督へのインタビューが出ていて「最近ハンナ・アーレントを読み始めたのだが、難解で全く読み進められない。もっと若いうちに読んでおけば良かった」みたいなことを言っていたから。確かに彼女の思想の一部は、ガンダムで富野監督が言いたくてもうまく表現できなかったあのもどかしさに通じるモノがあるかも…と思って、昨日概略を記した新書を読み、今日本屋に寄ったら、この「責任と判断」というテキストがとても面白そうに思えたので、買ってみたという訳。

 もちろん、まだ全ては読み終えていないが、確かにガンダムファンは読んでみると面白いかもしれない。彼女の思想を読んでみると、ファースト後半からVガンダムに至る、富野監督の苦悩がなんとなく重なってくるような気すらする。

 「戦争犯罪はその特異性から再犯率が非常に低い上に、彼等はその個の意志を持って犯罪に荷担した訳ではない、社会に彼等を裁く権利は…」みたいな考え方。あるいは「どんな独裁政府でも、全ては“合意”なしでは成り立たず、また“合意”できるのは成人であり、そこに“服従”してしまうのは子供である」みたいな(かなり意訳…間違ってるかも)等の彼女の思想は、若い身空で、ガンダムとかイデオンとかダグラムとか…そういうめんどくさい人間模様のアニメに付き合ってきた、私たちの世代の方が、より分かりやすく心に染みるのかも…なんて思ったりもした。

▼2009年10月11日

“超”格差社会韓国

 とあるブログでこの本の書評を読み、ちょっと面白そうだなと思って、私も買ってみてざっくり読んでみた。

 読後の感想つぃては、韓国に生まれなくてよかったなという…。

 私たち日本人も、いわゆる「高度経済成長時代」に、様々な犠牲を払ってきたし、また、いろいろなモノを失ってきた。
 それを前提と考えても、今の韓国社会が、人を幸せにするシステム…というか、思想で運営されているのではないんだなと思った。私たち日本人も、よく認識しておいた方がいいかも…。

 しかし…このブログでも何度か書いていますけど、国家は何を目的に運営されるのか、じっくり考えた方がいいかも。国家は経済成長のために存在するシステムじゃないんだと、みんなでもっと気がつかないとね。

▼2009年08月13日

新訳・蘭学事始/杉田玄白:著・長尾 剛・新訳

 以前岩波文庫だったと思うが、蘭学事始は読んだことがある。これは、杉田玄白が、当時オランダ語の辞書も何もない状態から翻訳を開始した「解体新書(ターヘル・アナトミア)」にまつわる翻訳現場や出版にまつわる思い出話をまとめた本。実際、この本は当時出版された訳ではなく、私家本として若干流通したに過ぎず、またその私家本を元に少量の肉筆本が伝わっていただけだという。
 そしてこの本を、明治時代初期になって、偶然、福沢諭吉が神田の古本屋で発見し、歓喜しながらそれを印刷して出版するのだが、それまでは既に江戸時代末期の時点で、読みたくても読めない「幻の本」扱いになっていたらしい。今の私たちは、福沢諭吉が偶然古本屋でこの本を発見してくれたおかげで、当時の面影を知ることが出来るのである。

 で、今回の「新訳」版だが、これは私たちが普段目にする日本語に近い状態で全体を書き直してある本。なので非常に読みやすく、内容も理解しやすい。岩波文庫版も現代訳には変わりないのだが、やはり使われている日本語が厳つくて、理解しやすいとは言えない。研究目的でもなければ、本書を読んだ方が内容は理解しやすいと思う。

 本文を読んだ後、訳者の解説で「玄白の世渡り上手さ」を指摘している部分があるが。そこにでている「江戸時代当時の人達による自然な徳川幕府への信頼感」という下りはとても共感できるモノであった。今の歴史書の中には、江戸時代当時の庶民意識をどうしても「被支配者階級」であること前提に書かれている書物も多いが、おそらく江戸時代におけるお上への意識は、私たちがいまの自民党政権に感じている思いと、そう大差はないと思う。

▼2009年08月12日

コーチャンフォーに行ってきました

090812-01.jpg 北海道に行った時は、いつか行ってみたいと思っていた郊外型の書籍を中心とした複合チェーンコーチャンフォー。一部書籍マニアというか、書店マニアの方達には有名な店舗で、かなりマニアックな品揃えなどが特徴らしい。

 郊外店なので、前回鉄道で北海道に行った際は立ち寄ることが出来なかったのだが、今回はルート途中にある札幌市内「ミュンヘン大橋店」に寄ることができた。

090812-02.jpg まず店内に入ると、その圧倒的な広さにビビる。もちろん店舗面積では、都内の大型書店の方が大きいのかもしれないが、これだけの床面積が単一フロアになっていると圧巻。実際の品揃えをチェックしても、大量の本が並んでいる。
 で、在庫を見て思うのが、都内の大型書店とちょっと違い、なんだか「返本をきちんとしてない感じ」みたいな良さ(笑)。なんだか判りにくいかもしれないが、ちょっと古めの最近書店の店頭では見なくなった本が、そのまま置かれていたりする。

 本やフロアからCDのフロアに移動してみると、コレもまたびっくりな広さ。特に驚いたのが、ジャズやクラシック、イージーリスニングなど、ポップス系以外の売り場面積が広いという事。在庫の量と種類はともかくとして、クラシックコーナーの広さなんて都内のタワレコ並み。詳しく並んでいる商品はチェックしなかったが、タワレコとは違い、マニアックな輸入盤が多数並んでいるのではなく、国内盤を丁寧に在庫してある感じだった。

 とにかく、道内の人達は、こういった充実した本屋とCDショップが、夜12時まで車で気軽に行ける場所にあるというのが、非常にうらやましい。是非関東方面へも進出してほしいが、そういう無理な業務拡大を行うと、経営に無理が来そうなので、道内限定でもいいから、末永く商売を続けていってほしいなと思う。

 北海道を車で移動する機会がある人は、一度訪れてみては如何?

RICOH GR Digital

▼2009年07月31日

ちょっと感心した書評

 確かに人間にはそんな面があるのかもね。

 人間性の心理学」:誰が得するんだよこの書評

 このエントリの書評記事には感心したけど、元の本は読もうと思わないな(笑)

▼2009年06月22日

無趣味のすすめ/村上龍

 割と当たり前のことを淡々と書いている本。だからこそ意味もあるし「力業」なのかどうかはともかく、その文章に力を感じるのだろう。

 そう…。失敗なんて何の価値もない。失敗しない人生を送れれば、それに越したことはない筈。不可能だとは思うが、当たり前の事実である。

▼2009年06月12日

現代帝国論/山下範久

 買ってみた。まだ読み切っていないんだけど。

 「帝国」という言葉の意味が、昨今変えられつつあるような気がしますね、昔ながらの「エンパイア」ではなく、もっと経済的なつながりを主とした、君主が存在しない帝国…というべきなのか。
 いずれにせよ、本書を半分位読んだ所で、事前にアントニオ・ネグリ&マイケル・ハートの「帝国」を読んでおいた方が良かったかな、と思い始めました。

 今の時代を、例えば100年後、1,000年後に振り返ると、どういう時代になるんだろう。

 今の私たちが内側から考えると、アメリカによる経済帝国時代と考えがちだけど、実はもっと俯瞰してみると、世界は君主や元首を必要としない、別な秩序の元で動き始めた混沌の時代なのかもしれない。いや…それが混沌かどうかは、未来からの視点だとどう見えるか判りませんが。

現代帝国論―人類史の中のグローバリゼーション/山下範久
<帝国>/アントニオ・ネグリ&マイケル・ハート

▼2009年06月11日

東日製作所・トルクハンドブックVol.7

090611-01.jpg 昨日届いた「トルクハンドブックVol.7」。堂々の全433P。なんでもネットから申し込むと無料で送ってくれるとの事だったので、丁度トルクについて調べていた私も申し込んでみた。果たして個人相手に送ってくれるのかな?なんて思っていましたが、大体一週間位で送られてきましたね。感謝です。

 内容は、前半がトルクについての基礎知識…というか、私にとっては専門知識だな。ここまでだと、単に概論を調べたいと思っていた私みたいな「ニワカ」には手が余る程詳しい内容。
 後半は、各種トルクレンチ類のカタログ的なものになっていますが、単なる商品リストではなく、製品毎にスペックや使用方法など詳細に紹介されています。

 これだけの本をタダで贈ってもらえるとは…なんだか申し訳ないような気がします。機械いじりが好きな人にはお勧めですが、かといって冷やかしで請求するのは辞めましょう。

 ちなみに、本書の内容ではないですが、いわゆる「アマチュア」が行うトルク管理法である、「締め付けトルク」で計測できるトルクは、ネジ山部分の抵抗ではなく、大体8割から9割にかけて、ねじと座面の摩擦抵抗になってしまうそうですね。つまり、油のついた手でネジを持ったり、また、ねじとの座面にグリスなどが付着してしまった場合は、殆ど正確な値にはならないとの事。

 特に自転車イジりの時など、トルクレンチを使うのはいいけど、過信はしないように、ちょっと頭の隅に覚えておくといいかもしれません。

 そうそう、もう一つ豆知識だけど「ねじ」は、純粋な日本語なので、本来「ネジ」という風に、カタカナ表記はしないとの事ですよ。

OLYMPUS E-1 + Zuiko Digital 14-54mm F2.8-3.5

▼2009年06月10日

しょっぱいドライブ/大道珠貴

 タイトルに惹かれて何となく購入。

 表題の「しょっぱいドライブ」と「富士額」を読んでみる。しょっぱいドライブの方は芥川賞受賞作らしい。

 淡々としたお話しで、面白いとかつまらないとか特に何も思わなかったけど、人とのつながりってのは不思議なものだな…と思った。私には、こういったゆるく心地よい人付き合いって、憧れるけど無理だろう。

▼2009年06月09日

女は3語であやつれない

 対になる本が「男は3語であやつれる」。両方とも売れているらしい。

 仮に「女は3語であやつれる」、「男は3語であやつれない」だったら、売れないどころか、ひょっとしたら女性団体と称するプロ市民が騒いでいたかも。

 本屋で立ち読みしましたが、感想は典型的なマーケティング主導だけで作った本。ま、流行り物が好きな人にはどうぞ…という感じ。

 ちなみにこの手の「異性にモテたい系」の本で感心したのが、ちょっとジャンルが違うけど「モテる技術」という本。これは思わず買ってしまったけど、具体例が非常に多くて、自分で応用できるかどうかは別にして、心理学の本としても説得力があった。こういう系統の本に興味がない人も、一度本屋さんで手に取ってみるといいと思う。もっとも、本書の内容にしたって「※ただしイケメンに限る」というのはお約束。

女は3語であやつれない/伊東 明
男は3語であやつれる/伊東 明
モテる技術/David Copeland Ron Louis 大沢章子

▼2009年06月05日

ツレがうつになりまして

 テレビドラマになるんだね。主演は藤原紀香だってさ。今晩放送らしい。見るつもりはないけど。

 「藤原紀香×原田泰造!「ツレがうつになりまして。」:NHKトピックス

 ちなみに本の方は読みました。なかなかいい本かとは思いましたが、鬱病で治療中の人には、あまり役に立たない本じゃないかな?なんて思ったりもしました。

 あと、本書にある「誰もが恵まれていることに気づけない」って部分にはちょっとカチンと来たかな。
 正直今の社会では、年頃の男性が仕事をせず、数年間治療に専念できるなんて、この著者のツレは、男性鬱患者にとって、こんなに恵まれてる状況というのは、ちょっと考えつかない位恵まれまくってると思います。
 現実として、既婚女性なら、そういう数年間の休業もアリでしょうが、既婚男性がそんな事したら、かなりの確率で離婚問題になると思います。大体、鬱って見た目は病気に見えず、単に怠けているようにしか見えないし。で、家族も失って財産も失って…という、鬱スパイラルに陥るのが現実でしょう。
 そういう意味で、この著者の太っ腹ぶりは素晴らしいとも思いましたが、逆に世間の現実とはちょっとかけ離れていると感じました。

 まぁ、「恵まれていることに気づけない」のではなく、「恵まれていると考えるようにしましょう」という趣旨なら、正しい事だと思いますが。

 文句は書きましたけど、本の方は面白いと思いますので、お勧めッスよ。

▼2009年05月29日

Macすいすい通信術

090529-01.jpg 本の山から発掘。今となっては100%何の役にも立たない本なのだが、何となく読み返してしまった(笑)

 これはMacでNIFTY Sarveやる人向けに書かれた本。ComNiftyとか茄子とかナツカシス。

 繰り返しますが、今となっては本書の内容は、既に100%役に立たないものです。でも、まだアマゾンで古本売ってるよ(笑)

CONTAX TVS Digital


▼2009年05月25日

極悪伝/みなもと太郎

090525-04.jpg みなもと太郎というと「風雲児たち」で有名な、歴史漫画家という評価が出来上がりつつあるが、裏ではこういう壮絶な漫画も描いていた。

 読後の感想は一言「く…くだらねぇ」。

 いや、本当にそれしかない。とにかく全編にわたり、くだらねぇギャグ満載…というかそれしかない。ギャグマンガにありがちな世間に対する風刺やアンチテーゼ…なんてものもまるでない。とにかく「親分ちゃん」と「子分ちゃん」が、ひたすらくだらねぇシモネタを延々と続ける…という漫画だ。

 で、買って良かったのかというと、それはもう良かったし笑わせて頂きました。というか、ここまで一貫して内容がない下品ギャグを延々と連載し続けられるってのも、ある意味プロってのはすごいと思わされるな(笑)

OLYMPUS E-410 + Zuiko Digital 50mm F2.0 Macro

▼2009年05月23日

ペリー艦隊・日本遠征記/オフィス宮崎:訳

 日本遠征記という、近代日本の幕開けに関する証言書ともいえるこの本だが、日本語訳の本というと、かつての岩波文庫版全4冊(版元品切れ)と、3巻セットの15万円という豪華版位しかまともに出版されていなかった。
 以前、浦賀に行った時図書館に寄って、その15万円の「日本遠征記」を少し読んだのだが、当然その場で読み切れるものでもないし、貸し出し可能な書籍でもないし、大体私は浦賀市民じゃないし…ということで、内容についてはそれ以降読んでいなかった。岩波文庫版については、以前古本屋で見つけてちょっと立ち読んでみたのだが、翻訳のせいなのか、あまり読み続けようと思わなかった記憶がある。

 で、今日神田の三省堂に行ってみたら、何やら新しい訳の「日本遠征記」が並んでいる。上下巻で一冊3,150円とちょっと高価だが、とりあえず上巻を買ってみることに。
 今回発刊された「日本遠征記」は、オリジナルの3巻セットの1巻目を上下巻に分けて発売されたもの。内容的には、前記15万円の一巻目を新たに訳したものとなる。

 ここまで引っ張ったんだけど、まだ序文しか読んでいません(笑)。ただ、序文の解説記事もなかなか秀逸で、日本の開国は、一般的に言われている「アメリカの強硬外交」にただ屈した訳ではなく、林大学を初めとする日本側のスタッフは、なかなかいい仕事をしていたらしい。
 特に、当時の日本は鎖国といいながら、欧米各国の情報にはかなり通じており、ペリーが比較的高圧的な態度で臨んでいたことについても、幕府は、自国からの援助が不十分である事と、蒸気戦艦の補給線が伸びきっていることを知っていて交渉に臨んだ節がある…と結ばれている。
 私も知らなかったが、第一回目の友好条約時には、日本側が、日本語以外で書かれている条約批准書に、署名を拒否していた、なんて事も書かれていて、一般に言われるようにアメリカ側から一方的に開国を押しつけられた…という訳でもないらしい。ま、その辺、アメリカ側の苦悩については、これから本書を読み進めることで、少しずつ明らかになって行くであろう。

 ザッと内容全体を見渡してみた限りでは、訳文も判りやすそうだし、すらすらと理解しやすく読み進められそうだ。

ペリー艦隊日本遠征記 上/加藤祐三・伊藤久子・オフィス宮崎
ペリー艦隊日本遠征記 下/加藤祐三・伊藤久子・オフィス宮崎
ペリー艦隊日本遠征記(全3巻)/オフィス宮崎

▼2009年05月22日

日本風俗図誌/ティチング:沼田次郎 訳

090522-01.jpg 今日は1日することが何もないので、隣町のカフェに出かけて、以前ここで触れたっきり、未読だった日本風俗図誌を読むことにした。もう途中までの内容忘れちゃったので、初めから最後まで通して読みました。勿論それなりに時間もかかっているので、スタバのスタッフにイヤな目で見られています。どうでもいいけど。

 で、内容についでですが、これがどんな本かを知りたい方は、過去のエントリーをどうぞ。正直よくここまで日本の風習を調べたな、と思いました。ただ、その後半の内容の多くが、江戸時代においての結婚・葬式などの冠婚葬祭に当ててある部分が多く、確かに当時のオランダ人にとっては興味を惹く風習だったのはわかりますが、私たち日本人にとってはちょっと退屈かな。

 面白かったのは前半部分、戦国時代後期から、江戸の時代歴史概略。
 これは歴史というより、歴代の将軍時代に起きた、今でいう新聞の3面記事みたいな、庶民の事件を中心にまとめてあります。勿論、歴代の将軍についても軽く触れられているけど、あまり詳しくは触れられていませんね。面白いエピソードもあり、正直全く興味のわかないエピソードもあったりと、色々です。

 以前のエントリーでも書きましたが、本書は今、版元品切れなので、今は古本で探すしかないのですが、なんというか、しばらくは増刷されることないでしょうね。読んでみましたけど、報告書としては面白くても、読み物としては、目録みたいな章があったり、延々箇条書きみたいな部分もあったりで、あまり読みやすい書籍ではないと思います。

CONTAX SL300RT*


日本風俗図誌(新異国叢書7)/ティチング・沼田次郎:訳

砂の文明・石の文明・泥の文明/松本健一

 で、予告通り、こちらの本も読みました。砂の文明・石の文明・泥の文明です。順番としては、この本を一番始めに読むべきだったかなとも思う。内容的には、本書が一番簡素にまとまっており、またわかりやすい。

 石の文明がその風土の為に外へ攻撃的な面、また泥の文明が、その風土が為に、内なる技術革新を常にしているというのは、ちょっと強引な感じもするが、こんな考え方もあると思って、世界の文明を考えてみるのもまた面白い。

 新書なので安いしお勧め…と言いたい所だが、丁度版元のPHPでは増刷のタイミングから外れているみたいで、都内の書店をいくつか回った限りでは、在庫を発見することが出来なかった。なので、イーブックオフに注文しちゃったよ。

▼2009年05月21日

歴史とはなにか/岡田英弘

 この本で知ったこと。「民族」という言葉は日本独自のものであり、外国語で「民族」を表す言葉はないということ。つまり、日本以外の歴史の現場や、その他色々な場所で使われる「民族主義」や、「○○民族の歴史」などと言う言葉は、そこに「民族」という日本独自の分類法を含んだ言い方であることを考えた方がいいのかも。

 今の(特に私たち日本人では)人達にとって、歴史とは知識であったり、教養であったりする訳だが、世界の二カ所…司馬遷の史記と、ヘロドトスとのヒストリア…は、武器として書かれたもの、という事らしい。確かに昔の歴史は、その君主や国家が、如何に正当なものとして存在するかが書かれているものがほとんどだし、今の歴史だってそういう意味ではその通りかもしれない。

 あと、国家は一定の方向に進化している訳ではない、また「中世」という言葉の曖昧さについての指摘は、普段私が思っていることにとても近く、なんだか読んでいて嬉しかった。この著者の他の書籍も読んでみるかな。

▼2009年05月17日

泥の文明/松本健一

 ちょっと前に読んだ「海岸線の歴史」に引き続き読んでみた。

 読後の感想としては、「泥の文明」としての論点より。日本人が「一所懸命」という精神で土地という存在に価値を示す…という事の特異性の方が印象に残った。
 また、主にアメリカが進めるグローバリゼーションが各国から否定的に取られがちなのは、アメリカ人という存在が、本質的に土地や歴史に対する理解にかけている面がある為なのかもしれないというのも、改めて感じた。

 タイトルから受ける「泥の文明」という言葉の印象より、泥の文明全体の文明論として視点がぶれている気がしたが、これは本書が「砂の文明・石の文明・泥の文明」という本の続刊的意味合いがあるからなのかもしれない。

 次はそちらの本を読んでみようと思う。

▼2009年05月12日

海岸線の歴史/松本健一

 帯にあった「日本のアイデンティティは「海岸線」にあり」という文句に惹かれ購入。なかなか面白い本だった。

 考えてみれば、私たち日本人は、国土に世界で有数の長さを誇る海岸線と豊かな漁場を持ちながら、その海に対する意識は、年々遠ざかっているのでは無かろうか。大体、海岸沿いにある街でも、子供達が海辺に行き、水に入って遊んでいるなんて風景はほとんど目にしない。そういう場所のほとんどは、決められたシーズン以外は遊泳禁止となっており、遊泳どころか海岸線に近づくのさえ学校によって禁止されていたりする。
 確かに水辺の事故のことを考えると、教育機関としてはその手の場所に出入りすることは禁止したくなる気持ちもわかるが、この勢いで行くと、そのうち外出そのものも規制されていってしまうのでは?クルマ通りが多い道路だって危ないしね。

 で、この本だが、海岸線について何かテーマを掘り下げるという形式よりも、むしろ日本の海岸線にまつわる色々なエピソードを色々と取り上げているという内容。そのため読みやすいと思う。
 著者によると「日本の海岸線について取り上げられている本は無かったので自分で書いた」とあるが、考えてみると…無いかどうかはともかく、珍しいテーマであるとは思う。これだけ日本には海岸線が溢れているのにね。

 私などは関東の人間なので、特に強く感じるのだが、関西に比べ関東はもっと海に対する距離感が遠いような気がする。確かに東京湾からすぐ北の鹿島灘付近は、海の難所として知られ、あまり船舶の航行に適した海域でないというのもあるが、もう少し海というか水辺について積極的に利用してもいいような気がする。
 海辺だけでなく、河川についても、例えば隅田川の遊覧船などは完全な観光目的だが、もう少し航路などを工夫すれば、普通に通勤航路としても利用可能ではないか…なんて思う。
 外洋航路については、気象用件にも左右されることが多いが、もっと日本人の意識が海に向いていれば、色々と利用できそうな航路は多いのでは?大体、カーフェーリーに人だけで乗船できると知っている人も案外少ないのではないか。

 ま、この本を通じて日本の海岸線について深く考察したい…という目的だとちょっと物足りなさも感じるが、海岸線についての概要に興味がある…という人には、なかなか面白い本だと思う。

 あと、この本のテーマとはちょっとずれるが、文明を「石の文明」と「泥の文明」に分けている考え方はちょっと面白いと思った。この著者の「泥の文明」という本も読んでみるかな。

▼2009年05月09日

パート怪人・悪キューレ

 途中までは単行本が出ていると聞いたが、まさかこの時期に単行本1・2巻同時発売の上に、書き下ろし36P(オイオイ)で、完結!するとは思わなかった。もう、何も考えずにレジ持ってったわ!

 この悪キューレとは、例のあの無料のマンガ誌、コミック・ガンボに連載されていた4コマ漫画。版元倒産に伴い、こんな漫画永遠に完結しないだろうと思っていたのだが、とりあえず完結してよかった。というか、どこかで続き連載をキボンヌ(笑)

 ガンボって、商業的には成功しなかったけど、他にも単行本でまとめて読みたい作品が結構あったんだよね。旅のサルーボなんかも読み続けたかった漫画だけど、こちらはWebマンガとして続いているみたい。早く書籍にならないかな。

▼2009年05月08日

本を読まない

 気がつけば、今は人生で一番本を読んでいない時期なのではないか…なんて気がする。コレはいかんということで、とりあえず部屋にある未読本の山から、「岡田英弘/歴史とは何か」を読み始めた所。ただ、序盤の中国史と西洋史の考察を読んだ所でギブアップ。なんだか全てにおいて持久力が落ちている感じ。まぁ、本は読まなくてもネットがあるし。

 私がネットを始めた頃…いわゆる前世紀の頃は、ネットというのはある意味エリートな情報源だった。回線スピード2800bpsと1分数十円という接続料金が、エリート…というか、いわゆる「ネット」という情報源に、そこまでの対価を支払えるという価値観を持っている人しかネット上には存在し得ない状況だった。ある意味全体主義的な雰囲気が少し気持ち悪くはあったが、少なくとも「荒らし」と称する低脳はいなかったかな。大体それなりのお金を払ってまでも身も知らぬ人に嫌がらせをする趣味を持つ人…なんてのはあまりいないからね。

 で、今のネットだけど、ネット接続のコストが下がるにつれ、ネット上から知性が消えた…というのは間違いで、接続コストが下がってしまったネットは、もはやテレビやラジオと同じメディアになってしまった…という事だろう。何も考えず一日中テレビを見ていて頭がよくならないのと同様、強固な目的意識を持たずにネットに接続しまくっていても、頭はよくならない。というか…徐々にバカになっていく気もする。

 近頃薄々考えてはいたけど、私もそろそろ、きちんとしたスケジュールで、ネット断ちを考えるべきなのかな…なんて気もしている。

 とりあえず、本を読むようにしよう…とは思うけど、既に人生半分投げている私にとって、読書なんてのも単にめんどくさい事でしかないんだよね。今更情報や見識を身につけたって、別に何かの役に立つ訳でもないしな。

 …って考えると、残りの人生、ネットに入り浸ってバカになり続けるという生き方も、それはそれでアリなのか?

▼2009年03月24日

聖おにいさん/中村光

090324-01.jpg ホテルの夜は聖お兄さんの三巻で過ごしました(笑)

RICOH GR Digital

▼2009年03月02日

MARGARET HOWELLのMook本

 こんなモノが出るとは世も末というか何というか…。

 マーガレット・ハウエルの魅力がたっぷり詰まった『ブランドe-MOOK』が発売!」:MARGARET HOWELL

 宝島社から発売というから、ズッカとか何だとか、あの辺のムック本シリーズになるんじゃろか。MHL.のロゴ入りトートバッグ付きというから、何となくお得な気もします。私はまぁ…買いますよ。

 アマゾンのアフリエイト貼ろうと思ったけど、まだアマゾンには並んでないですね。発売されたらリンク貼っておきます。

▼2009年01月21日

龍宮/川上弘美

 異形のもの達のお話。
 好き嫌いは分かれそうだが、私はもう夢中で読んだ。

 「ケーン」と鳴く老人の正太が良かったな。
 それと、イタチについての描写が、なんだか不思議でよかった。

▼2009年01月18日

東北からの思考/入澤美時・森繁哉

 日本人は農村風景を精神的よりどころとする。つまり、地方の里山や田園風景を見る度に、そのような環境で暮らした事もないのに「ふるさと」と感じてしまうのだ。

 本書は、山形県最上地方の今を歩きながら、日本の地方はどのような価値観を持ち再生していくのか…対談形式で語っている本。
 日本の今を語っているという意味において、極めて「民俗学」的な本である。というか、そろそろ過ぎ去った時代の伝承とか祭りとかを追い求めているだけの学問は、民俗学と切り離すべきでは?なんて思ったりもするが。
 本書の中にも「コンビニとかショッピングセンターとか、カラオケやスナックを論じる事が、現在の民俗学なんでしょうね」という記述があり、大いに賛成。
 そういう意味で、本書の内容は、リアルでエキサイティングだと思う。

 ただ、読後に思った事は、そこまでして「じっちゃん・ばっちゃん農業」を守っていく必要があるのかな?という点。というか、あえて言わせてもらうと、これから先の日本が、今までのように地方の集落を維持して守っていく必然性が希薄。この本に限らないが、これらの話の多くの議論の立脚点が「農村風景を精神的よりどころとする」という前提にたって、その意味を問うてこなかったからであろう。

 有史以来、日本人の生活が一番変わった時期は、戦後の高度経済成長時代である事は変わりない。日本人の習慣は「応仁の乱」と「江戸中期」にガラッと変わったと言われるが、それは中央の話であり、地方は日本という国が成立して以降、田畑を耕し、米を作り、それを現金に換えるという生活を繰り返してきた。その生活に都会の風が入り込んだという事態は、もう革命にも近い。今では日本の何処でもユニクロの服が買えるし、少年ジャンプが買える。朝日新聞も産経新聞も買える。その結果、その地方にしかなかったメディアは全滅した。その地方のメディアがなくなった以上、価値観は全て都会的な価値に左右される。これはある意味「パンドラの箱」みたいなもので、そういった生活を知った地方の人は、もう雪の中に半年閉じ込められるような生活は退屈だと感じてしまうだろう。もう昔には戻れない。少なくとも、今まで地方再生を考える上での前提条件とされてきた「農村風景を精神的よりどころとする」議論が成立しなくなってくるのだ。

 既に日本の事態は「地域再生を必要とするのか」というポジションにあると思う。

 そうそう…本書の本論と外れるが、安易な移民受け入れと、外国人に地方参政権を認めるのは絶対反対。入澤氏は、在韓日本人の参政権が否決されている現実を知っているのであろうか。

東北からの思考/入澤美時・森繁哉

▼2009年01月12日

CM化するニッポン/谷村智康

 こういう業界に片足突っ込んでる私から言わせると、あまり意外性のあるエピソードはないんだけど、書籍というまとまった形で通して読んでみると、色々と思う所もある。

 色々買い散らかしている私が言っても全く説得力無いけど(笑)、要はテレビは1日2時間まで、ネットも同様。余った時間で本を読んで音楽聴いて、残りは自分の人生自分で考えろ…って事かな。
 この本ではテレビと新聞についての警鐘がが主だけど、今時を考えるとネットも同じようなものだと思う。

 あと、サラ金とパチンコのCMを流す事がどれだけ犯罪的なことか、もう少しみんな考えろ…ということかな。それでもサラ金はともかくとして、パチンコは犯罪行為以外の何者でもない。日本では法律で公的機関以外の賭博行為は禁止されている。
 何でそんな犯罪業界がテレビCMなんて流せるのか、それを疑問にも思わない程日本人は白痴化して、マスコミに洗脳完了されてしまった…という事なのだろうか。

真鶴/川上弘美

 「ものを食べると、手足の先から熱がうばわれる」

 本当にそうだよね。しみじみそう思った。

 この小説、ダメな人はとことんダメだと思う。冒頭10分読んで「入っていけない」と思ったら、素直に読むのを辞めた方がいい。人生、自分に合わない小説をいやいや読み続ける程、みんな時間は余っていないはずだ。
 でも、冒頭10分でスッと入っていけた人は、きっと、現実と幻想が繰り返し区別無く訪れるこの文体の虜になり、読後はしばらくふわふわとした気分になれるかもしれない。

 かといって、エピソード自体はふわふわとした心地よいものではない。

 改めて思ったのは、私自身の存在は、ちょっとでもいいから、誰かの記憶に残っている存在であるのか?という点。
 誰の記憶にも残る価値のない私自身を考えると、この「礼」という男の存在が、とてもうらやましく感じた。

 ここの写真系ブログで、タイムリーに「真鶴」のスナップ写真を何度かに渡り公開していて、現地のイメージをつかむ事ができたのもよかった。

真鶴/川上 弘美

結婚しなくていいですか。/益田ミリ

 とある、高名なオーディオマニアの方の自宅で見つけたのである。ちょっと手に取ってみると「あ、よっちさん、その本に反応しましたね」とかいわれて、ちょっと照れくさかったのだが、確かに反応はした。実際このエントリーでこの著者の本について書いてるし。

 で、今日本屋さんに行ったら売っていたので、思わず買ってみた。で、泣きはしませんでしたが、想像以上にひどい本でびっくりしました。…いや、ひどいというのは誉め言葉。だって、本のタイトルや絵柄から、今流行の「ほっこり(用法違い)OL生活」の本だと思っちゃうじゃん。
 知り合いに男を紹介されると聞いて、真っ先にセックスを考えてしまうさわ子さんがリアルすぎるというか…。悲しくはないけど「もったいない」という感覚は、私もリアルに判る。もう一途に人を好きになる事なんてないけど、セックスしないのはもったいないとは思う…。といっても、男の場合は最悪風俗があるから、あんまり女ほど切実に考えていないのかもしれない。

 他に子供が出来て「別なあたしになる」ってまい子さんの話もぐっときた。そして「別なあたしになる前に仲の良かった友達と会っておきたい」という心境も、嫌になるくらいわかるなぁ…。
 女の子って、結婚してもあんまり変わらないけど、子供を産んだ後は全く別人になってしまう。本当にそう思う。知り合いのそういう姿を見ると、なんだか、人間じゃなくて、生き物としての野生な生命力を感じて、ちょっと怖くなる。不思議だな。

 お勧め…はしません。読みたい人は覚悟してどうぞ。ミーちゃんの下りには泣きそうになりました。

▼2009年01月09日

井沢式「日本史入門」講座5・朝幕併存と天皇教の巻

 井沢元彦の文章は、正直私にとっては微妙な所なのだが、このシリーズに関してはなかなか面白かった。一応この5巻で完結らしい。

 日本は言霊の国、「日本教」に支配されている、という指摘は、このシリーズ当初から一貫して主張されてきた事だが、確かにその通りだなと思う。
 今、国際的に見ると論理が破綻している憲法第9条に固執している連中も、あれは別に戦後左翼崩れが最後のよりどころとして叫んでいるのではなく、軍事力を忌み嫌う思想は、過去いくともなく、日本の歴史で繰り返されてきた事。考えてみれば、鎌倉幕府以前の皇室は、自前の軍隊(国軍)持ってなかったんだからなぁ。そんな国、日本以外にあり得ない。

 見た目よりも読みやすくて、実際すぐに読み終わるので、このシリーズは気楽に読み始められると思う。

新ナニワ金融道/青木雄二プロダクション

 何と書き下ろしらしい。出版社もグリーンアロー社と、ちょっと意外な感じ。現在1~3巻まで発売されていて、エピソードとしては、灰原と肉欲棒太郎の争い再び…という話。

 物語としては、3巻で綺麗に決着が付いているが、なんだか結末が綺麗すぎる感じ。というか、登場人物全てが、青木雄二が書いていたナニワ金融道時代に比べ、ややマヌケになっているというか、詰めが甘いというか、みんないい人になっちゃったね。

 それでも、まぁ…なかなか面白いのではないかな。続刊に期待。

新ナニワ金融道1復活銭闘開始!!編/青木雄二プロダクション

▼2009年01月07日

エッセイが好き

 昔から小説はあまり好きじゃないけど、エッセイは好きで、特に作家さんの小説はあまり好きじゃないけど、エッセイは割と好きだったりする。
 大体、村上龍とか、今でもエッセイ以外の作品読んだ事無いしね。

 小説は…特に今本屋さんで売られている小説のほとんどは、恋愛話ばかりで、読むのに体力がいる。
 この手の恋愛がらみの小説を、それなりに「ふふん…」という気持ちで読めるようになったのは、割と最近の事だ。それまでは、悲しくて嫌になったり、怒って本を投げ出したり、とにかく感情の起伏がうまく押さえつけられなくて、読むのに苦労した。これも私に老人力がついてきたという事か。

 もっとも、今でも小説よりもエッセイの方が好きで、たまに本屋さんで聞いた事がある作家のエッセイなどを見つけると、つい買ってしまう事がある。
 本業である小説を読んだ事もないのに、「この作家の文体は、なんだか力強くて味わいがあるね」なんて勝手に評価したりして。

▼2009年01月06日

風花/川上弘美

 本当は「真鶴」という小説を読もうと思っていたのだ。何故なら、正月に暗い真鶴半島の根元を通り過ぎた時にそう思ったから。
 でも、本屋さんには「真鶴」が置いてなくて、また他の日に他の本屋さんで買おうと思ったけど、棚にあったこの本を見て、主人公の「のゆり」という響きが何か気に入って買ってしまった。

 「でも、悪口をいう女って、ほんとうは、色っぽいんじゃないかな。」

 私もそうかもしれないと思った。
 多分、男もそうなんじゃないかな、とも思う。

真鶴/川上弘美
風花/川上弘美

飯田橋のブックオフ

 なんだか、年中割り引きセールやってばかりな気がする。

 昨日も、500円以上の単行本全て500円均一ってセールやってた。このようなセールを毎月2回位やってるような気もするが、よっぽど在庫が余っているのか?

 更に、ここのブックオフって、売っている単行本が妙に綺麗なのが多いんだよね。更に前に見つけた本には、出版社から著者への挨拶文(おいおい)が挟まっている本も見た。著者への贈呈本のつもりだったのか?

 辺りに印刷所や製本所、並びに出版社も多いからなぁ…。そういう場所から在庫品が流れてるのだろうか。もっとも私たちユーザーにとっては、別に心配することでも何でもないのでいいんだけど。

昭和の未来科学模型 ロボット編

090106-01.jpg 昔のおもちゃ…特にプラモデルが大好きなのである。
 かといって実物を集めようとは思わないけど、こういった資料を見るのは好き。

 この本は、タクシー会社を経営する著者が、自らのコレクションをまとめた書籍。発行元が「挙母タクシー」となっている。装丁が豪華だが、ある意味同人誌といってもいい。
 ページを開くと、もう心ワクワク血湧き肉躍るという感じ。正直私の世代では、こういったロボットプラモデルは既に市場から姿を消していたんだけど、それでもたまに人通りの少ない駄菓子屋の棚でほこりを被っている姿を見たような気もする。
 確かな記憶はないけど、何となく懐かしくもあるこれらロボット達。ちょっと高価な本だけど、ここでしか見られない貴重な写真や資料がたくさん掲載されているので、お好きな方は是非。ちなみに1,500部限定で、リアル書店では池袋のジュンク堂でしか販売していないそうです。

RICOH GR Digital


▼2008年12月27日

着倒れ方丈記

 まずお礼。この本は皆さんのご協力で細々と続けているアマゾンのアフリエイトで購入させて頂きました。本当にありがとうございました。

 つことで、以前本屋さんで立ち読みして衝撃を受けた都築響一の写真集「着倒れ方丈記」をゲット!なんでも7年間にわたり流行通信に連載されていた人気コーナーを単行本にしたそうである。
 帯にある「そんなに買って、着れるのか!」というコピーが秀逸すぎて、それだけでもう中身を見る必要がないくらい、この本の内容を的確に表している。

 この本は、ファッションデザイナーとかモデルとか、そんな何処にいるのかわからないようなセレブ達の話ではなく、ごく普通に生きている人が、ごく普通(?)にブランドにハマってしまった姿を写真に収めた本。初めて見ると、極庶民的な部屋の中に、ブランドの夢がいっぱいに詰まった商品の数々が並んでいる特殊な意味で濃い写真集だという印象を持つが、考えてみれば、この写真集の写真達って、いわゆる普通の人達が服を買っていたらこうなった…というごく普通な日常の姿なのではないか。

 世の中には、部屋中を本で埋めている人や、部屋中をCDやレコードで埋めている人もいる。そういう人達がたまにメディアで取り上げられると、私たちはつい「ばかじゃん?」と思ったりするものだが、おそらくその「ばかじゃん?」という気持ちは全てが真実ではなく、それだけのコレクションを集めた尊敬の念も、きっと全体のうち10%位は締めているんじゃないかと思う。
 それに比べると、ファッションブランドにハマってしまった人達は不幸である。自分が好きで同じブランドを毎週末ごとに何度も何度も買い漁る行為は、本やCDにはまってしまった人達が受けるであろう「ばかじゃん?」の中にある10%の尊敬もない。おそらく99%は本気で「ばかじゃん?」と思われているだろう。ひょっとして1%位は尊敬の念も…というか、そのファッションブランドに興味がある人以外はそんなのもないと思われる。確かにイメージとして、服にはまり狂っている姿は、本やCDと違い、教養が磨かれているとは思われにくいもんなぁ。

 なんてヲタである私はそんな事を思っていたのだが、ただ、自分でそれなりの服を良く買うようになって、やっぱりファッションというか着ている服というのは、それなりに自分の生き方を無意識に表現しているんだなぁ…と思うようになってきた。以前にしだやさんも言ってたけど、私がハウエル買ってるのはやっぱりヲタだからなんだよ、きっと(笑)。

 という風な視点で、人の着ている服を観察できるようになってみると、この本に登場する人達の「着倒れ」ぶりは、とても面白くて素直に「すごい!」と感心できるようになる。というか、学生の分際でこんなに服を集められるってどういう金ずるもってるの?と思ってしまいがちだが、それは壁一面にエロゲ並べている大学生だって同じだわな(笑)。人間、本当に好きになったものに対しては、とりあえずそれが自分の部屋の視界を埋め尽くす位までのお金はなんとかするものである…っつーことなんだろう。

 構成は見開きで一項目。右ページは全面写真で、左は長すぎず短すぎず…なキャプションが(日/英)文でついている。更に被写体(?)の主である人の1日のスケジュールまでついている。これらを読んで写真をよくみると…色々な事が想像できて楽しい。すごく読むのに時間がかかって楽しい写真集だ。

 念のため…この本の中でハウエルさんにはまっている人はいませんでした(笑)。いたとしても、かなり地味だろうから被写体になりにくいかな。

47都道府県女ひとりで行ってみよう/益田ミリ

 本屋さんで目に入り、ちょっと立ち読んでみたら面白そうなので買ってみた。

 内容はタイトルの通り、著者が1人で毎月47都道府県に出かけてみるという内容。だからといって、各県別のおいしいもの情報やお勧めスポットが出ている訳でもない。ただ出かけて、現地で何かして帰ってきたという記録。

 私は世間でいう男の子(おいおい)だけど、この著者の女一人旅の心境はとても良くわかる。確かに私も、ひとりで出かけて「面白いとか、美味しいとか、きれいとか、そういうことを、誰ともわかちあえないのは淋しいものだな…」と思う時もあるけど、基本的にはこの著者と同様、そういうのもいいかなぁ…と思う。大体そういうのをいちいち口に出すのも面倒だし。

 まぁ…今ではどこかに出かける時はほとんどひとりだけど、考えてみれば、もっと若い頃友人達とよくつるんでいた年代でも、ひとりで出かけることが多かったし、彼女がいる頃でも、ふらっとひとりで見知らぬ街に出かけることは多かった。
 で、出かけた先で何をするかというと、適当に景色を見たりするだけで、別に旅先で現地の人と触れあったりすることもしないし、名物の料理もほとんど食べない。
 あとで「○○にでかけて○○を食べてこなかったの?もったいない」と言われたりすることもあるけど、私から言わせてもらえば、旅先でわざわざ普段食べ慣れないものを食べておなかの調子を壊したりする方がもったいないと思う(そういうひと良くいるよね)

 この著者は公共交通機関で出かけているが、私の場合は主にクルマ。そのせいか、地方の変な場所の裏道を知っていたり、不思議な場所を知っていたりすることもある。たまに「何でこんな道知ってるの?」とか言われたり。

 ここ4~5年位は、そういう外出をほとんどしなくなったけど、この本を読んで、なんだか、またこんな風に気軽に出かけてみるのも悪くないなと思い始めた。
 旅先のスーパーマーケットで晩ご飯のおかずを買って、ビジネスホテルの部屋に戻って、ひとりで地方のテレビ番組を見ながらのんびり食事をするのって、至福の時間だよね。それに変な話、ホテルの部屋で冷暖房をガンガンにかけても、電気代の心配ないし(笑)

 「人の旅の話は、あんまり楽しくない。」 確かにその通りだと思う。私も心に刻んでおこうと…というか、私から他人に自分の旅の話をすることなんて殆どないから、心配する必要ないけど…。たまにここで旅の報告を書くくらいでおなかいっぱいかも。

▼2008年12月21日

 「泣く」「泣く」と言われ、別に泣きはしないのでは…と思って読んだら、確かに泣きはしなかったけど、心で泣いた。

 まだちょっとしか読んでいないので、作品の感想は語りませんが、関連話として、夜の筑波山には私も行った事があります。

 登り始めたのが夜の20時頃。確か何かの流星雨を見に行こうとか、そんな話だったと思います。旧ユースホステル側から登りました。懐中電灯持っていったので、別に夜道で困った事はなかったのですが、山頂に着いて一緒に行った友達達とその辺を徘徊していたら、山頂事務所に常駐している職員が警察に通報したらしく、山を下りたら下に警察官が何人かいました。
 ただ、私たちが事情聴取されたという訳ではなく、丁度その駐車場に暴走族か不良達かよく判らないけど、変な若者達が集まって大騒ぎしていたので、私たちの存在には気がつかなかったみたいです。ちなみにその登山口には、クルマを止めるスペースがあるだけで、当然人なんて誰もいません。

 ま、どって事無い話なんですけど、第一巻の後書きマンガを見て、そんな事を思い出した次第。
 ちなみに、照明がない夜の山は、多分山に入った事がない人達では想像が付かない漆黒の空間です。なんたって、今足下に落とした水筒が、見えないし拾えないんですから…。

▼2008年11月13日

ジュンク堂は送料にかかわらず配送料無料

 ジュンク会員」:ジュンク堂

 /: :| ヽ
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  マ  r::/: /: : | : : : : : : : : ::\ /
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  ジ  {/ 7|`\/i: /|:|/|´: : : : :|ヽ
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  で / r:oヽ`    /.:oヽヽ: :|: | :|
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-tヽ/´|`::::::::::;/   `、 ::::::::::: /: i }  >‎
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   ヽ: |::|\     ̄/ /|  |: : :|: |

 アマゾンみたいに1,500円以上にしなくてもいいのか…。なんだか小口の発送ばかりが増えてとても不経済な気がするけど、とりあえず手に入りにくい漫画を一冊注文するとか、そういう用途にはいいかも。

 早速登録してみるかな。

▼2008年10月25日

ビバ・イル・チクリッシモ!

081025-01.jpg 買ってしまいました「ビバ・イル・チクリッシモ!」初回限定版。

 もう初版は売り切れかと思ったら、池袋のジュンク堂地下にありましたね。初版にはテラダのイラスト入りサコッシュが付いてくるよ!完全限定版とあるから、刷るのは初版だけかと思っていたら、そうでもないみたいだね。ただ、サコッシュは初版のみ。

 しかし、大友とテラダの絵のうまさは常軌を逸しているな。自転車好きな人はもちろん、そうでない人も是非。高いけど高いだけのことはあるイラストとその内容の濃さ(笑)

 ゆっくり読みふけることにします。

CONTAX TVS Digital


 

▼2008年08月27日

聖☆おにいさん/中村 光

 いずれ読もうかと思っていたのだが、この度2巻まで発売されたので買ってみた。予想通りというか、各所からの評判通り面白いですはい。変な話、男同士でディズニーランド行くのも楽しそうだな…なんて思いました。

 しかし、ブッダとイエス。そのほかにもう1人、あのお方がいらっしゃらないのは、やっぱり色々と差し障りがあるんでしょうね。

▼2008年08月01日

洋版の破産

 7月末(もう過ぎたが)で破産だそうである。ちなみにサイトは既にアクセスできませんね。

 洋書は洋販 - 日本で最大の洋書取扱い会社」:www.yohan.co.jp

 ネット上では今現在、どこにもニュースとして流れていないのが不気味だが、日本で洋書を読んでいる人は、しばらく苦労しそうだ。それでも単行本などは今でもアマゾンで買えるが、雑誌は一時的に壊滅状態になるのでは?つうか、雑誌は定期購読誌以外は、やはり本屋で内容を確認して買いたいしね。

 まあ…私自身は洋書を買っている訳じゃないので、直接の影響はないとおもうが、立ち読みはよくするので、寂しいなと思う。

 ちなみに洋版傘下のABC(青山ブックセンター)は、BookOFFが支援することになったらしい。何がなにやら…というか、そろそろ流通面と、私たちの意識面までも含んだ、出版業界の大きな動きがありそうな雰囲気だ。

▼2008年06月23日

伊豆の踊子がジョジョ立ちを!

 ななな…なんだこれ。

 荒木飛呂彦先生、川端康成「伊豆の踊子」の表紙を手掛ける!」:痛ニュー

 ゴゴゴゴゴ。

▼2008年06月06日

イメクラ―Image Club/都築響一

 ウワサによると、各地の風俗街には「イメクラ」なるモノがあるらしい。なんでも、その場では、例えば学級委員長にいやらしいいじめられ方をされてしまうプレイとか、電車の中で隣に座った女の子にエッチないたずらをしてしまうプレイとかができたりするそうな…。

 いや…不勉強ながら私はこの手の風俗って行ったことなくて(これからも行かないと思うけど)、で、本屋さんでこの本が置いてあったので興味本位で眺めてみたら、ぐいぐいと引き込まれてしまった。申し訳ありませんが、買ってはいないんですけどね(笑)

 で、この本を見て思ったんだけど、イメクラのセットってかなりしっかりしてるんだね、びっくりしましたよ。私はてっきり、怪しげなパイプイスと模造紙で書いた黒板の絵とかさ…そういうレベルのセットなのかと思ったけど、あんなにきちんと作ってあるセットで遊べるなら、確かにクセになるのは判る気がする。というか、電車のシートとかそういうのってどこから調達してくるんだろう。

 身も知らぬイメクラ嬢とプレイ!ってのはイヤだけど、こういう場所を時間貸ししてくれれば、カップルなんかに人気が出そうな気がするね。私も学校の教室のセットなんかで、自分の彼女に「ちょっとよっち君!また遅刻なの!?何度目だと思ってるの!いい加減にしなさいよ!!」とか侮蔑の言葉を投げかけられてみたい。「げ!委員長」なんて返事をして、そんで言葉に詰まった私は「うるせえブス!」とかいいながら仕返しにスカートめくっちゃったりとか!う~ん、楽しそう(笑)

▼2008年06月03日

本はいいな

 本はいいなとつくづく思う。

 でも、最近はあまり本を読む気になれない。何でだろう。

▼2008年05月20日

Panzer Graph 12号

080520-01.jpg そう、僕らはタミヤのMMシリーズで大人になった…。

 ということで、モデルアート社から発売されているパンツァーグラフ12号、私の行動範囲にある本屋さんには売ってなくて、仕方なく模型屋さんで買いましたよ。今回の12号、もう、かつてプラモデルを作った事のある男の子は全員買わないとダメでしょ、というか、これを見て涙しない男性はもうオトコじゃない。少年時代にタミヤのミリタリーミニチュアシリーズ(以降MMシリーズ)に手を出さなかった人は、人生かなりの部分を損していると断言するね。

 で、本書の特集内容は、今まで発売されたタミヤのMMシリーズの全てが紹介されています。また、かつてのタミヤニュースやタミヤカタログを飾ったジオラマの制作秘話など盛りだくさん。各キットの解説を見ながら「ああ…私もこれ作ったな」とか懐かしむのもまた一興、あるいは「絶版で知らなかったけどこんなモノもあったんだ」と驚くのも一興です。

 私は世代的にガンプラブームストライクだったし、ガンダムは本放送時から欠かさず見ていたというある意味珍しい(学校でガンダムと言っても誰も理解してくれなかった)男の子だったのですが、何故かガンプラにはあまりハマらず(何個か嗜む程度には作りましたが)、戦車とか飛行機とか戦艦とか、そういう実写系のプラモデルばかり作ってましたね。もう一時期は寝ても覚めてもプラモばかりで、戦車のプラモデル作ったり飛行機のプラモデル作ったり、MMシリーズのフィギュア買ってきてお馴染みの改造をしたり、色々やってました。楽しかった思い出です…というか、今でも自宅には組み立てていないままのプラモデルが数にして2~300個程度は残ってますので、また作り始めればいいんだけどさ。

 プラモデルを作る事は、それに関連する書籍何冊分かの情報になる…と思ったのもその頃だったな。本を色々調べてもなかなかわからなかった事が、プラモデルひとつを買って作る、あるいは作らなくてもパーツを眺めるだけで理解できた事がよくありました。そういう経験を何度もしていた私からすると、確かにガンプラも面白いと思うし否定はしないけど、戦車や飛行機のスケールモデルも面白いよと思います。また、何かの乗り物などについて調べたい時、もしその乗り物にプラモデルが存在するなら、組み立てなくても買ってみるといいですよ。図鑑を見るだけよりももっといろいろな事が理解できます。

 ということで、私はMMシリーズで大人になったと言えるかもしれないなぁ…。今回のパンツァーグラフ、雑誌にしてはちょっとお高目だけど、お勧めですよ。

RICOH GR Digital

▼2008年05月16日

弱層テスト

 雪山では「弱層テスト」。忘れないようにしましょう。

 雪崩で死なないための10の法則

▼2008年05月13日

性犯罪被害にあうということ/小林 美佳

 以前何かのニュースで「レイプの被害にあった女性が実名で事件を語っている」というのを見た気がしていたのだが、昨日本屋さんに寄ったら置いてあったので「ああ…この事かな」と思ってつい手にとったら、夢中になってその場で読んでしまった。

 私はこの本を「苦しみを告発できない女性のために」とか「被害にあった女性の本当の気持ちを」などといった切り口で語るのはちょっと違うかなと思う。というのも、読み進めると、著者の文章からは、社会にむけてメッセージを訴えるというより、むしろ、もっと淡々と事件における自分の心境を語る事が目的に思えたからだ。だから立ち読み(申し訳ない)でもすらっと読めてしまったんだと思う。あまり深読みせず、淡々と著者の心境を辿るように読むことが、おそらく今の著者の心境に一番近い読み進め方なのかな?なんて思った。

 ちなみに、このブログを読んでいる人達の中では、私はこの手の事件に理解を示さない傾向…と誤解している方もいらっしゃるようだが(笑)、そんな事はなくて、この種の事件を目の前にすると「かわいそうだ」「一生消えない傷を負った」「他人には理解できない」などという何の解決にもならない言葉ばかりを白々しく発言する人達が信用ならないというだけである。

 この本にあるが、無神経に「感じたりするの?」などと聞いてきた男性ボクサーの友達が、実は事件に対して深い理解を示そうとするが為の言葉であった…という著者の記述が印象的だった。やはりこの種の事件については、語りたい人でも「語れない」という雰囲気を作ってしまっていることが一番の問題なのかも知れない。

 以前もここでは何度か語っているけど、さすがにレイプはないが、若い頃痴漢にあったことが度々ある。ホモっぽい男性から、一見綺麗なマダム風の方まで。そういうときの感覚って、本当にリアリティがない。「え?なんで?」とか「いやいや、この人は何かと勘違いしてこんな変な指使いを」とか、本当に冷静でなくなる。それに男である私がストレートに「怖い」と思って声も上げられなくなるんだから、こういう状態の女性の恐怖は、察するに余りある。

 本書の巻末にもちらっと触れてあるが、女性だけではなく、男性の性被害者、性に限らず、理不尽な暴力を受けて精神的障害を持った人達の組織的な救済策…なども考えるべきなのでは?と思った。考えてみれば男性の場合は、この種の被害にあっても、世間はもちろん、警察にすらまともなカウンセラーが存在しないというのもおかしい。
 誤解されるかも知れないが(誤解されても結構だが)、私は女性におけるレイプの被害と、男性における集団リンチの被害は、犯罪の性質において非常に近いモノではないかと思っている。

▼2008年04月28日

下流は太る!/三浦展

 ここでいう「下流」とは、人の上下を指す言葉ではなく、人としての向上心や可能性を…などというまやかしではなく、ストレートに年収が低く向上心もない人間達の事を指している。

 ちょっと差別的な話になるが、確かに貧乏人は太る…というのは、私自身も何となく思っていて、デブの私がいうのも何だが、つまりデブは貧乏になる…なのではなく、貧乏人にはデブが多い、という話には納得できる。実際に私の家の近くには、いわゆる「日雇い労働者」が結構いるのだが、みんな不自然に肥えた人ばかり。もっともある程度肥えていないと肉体労働はつらいのだが。

 で、貧乏人が何故デブになるのか…というのも、別にこの本を読むまでもなく、安い食品はハイカロリーのモノが多い、からであり、実際一人暮らしの人間がコンビニで適当に食べ物を買ってきて食べていたら、一食の平均取得カロリーは1,000カロリーを超えるだろう。それを日に三食、更に間食と夜食を含めると、優に4,000キロカロリーを超えるのではないか。太るはずである。

 ならば、下流以外の人は何故太らないのか。まず上流の人は金でいくらでも解決できる。そして中流の人は、仕事とプライベートを含め、毎日の生活を適度な向上心と計画性に基づいて生きているからだという。確かに下流の私からしても、中流の人達ってそうかもしれないなと思う。私なんて向上心も何もないし、人生計画なんてせいぜい次の週末くらいまでの事しか頭にないからね。

 割といい加減な記述もあって、この本を参考に何か自分を変えよう…という用途には向かないと思うが、今のデブ事情をおもしろおかしく俯瞰するにはいいかもしれない。買わなくても立ち読みで充分な気もしますけど。

▼2008年04月24日

TEAM!チーム男子を語ろう朝まで!

 タイトルを見て「ムムッ!」と思ったのですが、こういった属性に萌える心境はわからんでもない。もちろん私は男子なので、決して納得はいたしませんが。
 しかしまあ…この手の萌え市場というか、属性商売もだんだん複雑化してきたな。

 うんうん…たしかに男子が何人も集まって一生懸命に何かやっている姿って、ほほえましいとかそういうのじゃなくて、やっぱり「萌え」だよね。なんてことを男子(つか爺)たる私が書いていると、「アッー!」とか言われちゃいそうだけど。

TEAM!チーム男子を語ろう朝まで!/チームケイティーズ オノ・ナツメ

TEAM!チーム男子を語ろう朝まで!

 タイトルを見て「ムムッ!」と思ったのですが、こういった属性に萌える心境はわからんでもない。もちろん私は男子なので、決して納得はいたしませんが。
 しかしまあ…この手の萌え市場というか、属性商売もだんだん複雑化してきたな。

 うんうん…たしかに男子が何人も集まって一生懸命に何かやっている姿って、ほほえましいとかそういうのじゃなくて、やっぱり「萌え」だよね。なんてことを男子(つか爺)たる私が書いていると、「アッー!」とか言われちゃいそうだけど。

TEAM!チーム男子を語ろう朝まで!/チームケイティーズ オノ・ナツメ

▼2008年04月21日

たらたら業務日誌/ひらたさん

 BONteで連載されている「たらたら業務日誌」。実は密かにファンで、このためだけにBONteを毎号立ち読み(笑)していたのだが、まさか単行本になるとは…。
 ということで、ちょっと遅れたけど本日無事、丸善のオアゾ店で購入。意外と街の本屋さんで売ってないのよ、この本。早速帰り道の電車で、ちょっとニヤニヤしながら読みました。

 このペースだと第2巻は何年後になるかわかりませんけど、気長にBONteを立ち読みして待ってますので、続刊も是非お願いします。

たらたら業務日誌/ひらたさん

▼2008年04月19日

オタクはすでに死んでいる/岡田斗司夫

 この本に書いてある事のほとんどは、私も共感できる。確かにヲタクのイメージはメディアに消費され死につつあると思う。いや…消費というか浸食か。
 私が若い頃憧れていたあの世界は、私が大人になるのと同時に消え失せてしまった。残っているのは萌だの何だの言いながら、メディアによって与えられたちょっと風変わりなモノを消費しているだけの、単なる消費者の集まりでしかない。
 私が以前から言い続けてきた「ヲタクにとってアニメは基礎教養」というような世界も笑い話になるだろう。残るのは単なるマニアだけだ。…ま、元の世界に戻るだけだと言えばその通りなのだが。
 特に本書の後半にある「SFは死んだ」という下りには、非常に共感できるものがあったな。

 ヲタクが死んでこの先どうなるか…。本書では注意深く肯定的に書いているように見えるが、私としては、この先の世界はみんなで引きこもりになるしかないんだろうな…という風にも読めた。だって、今引きこもりになっている人達って、そんな人達ばっかりでしょ。あれはヲタクが死んで、ただの消費者に成り下がった連中の姿そのものだよ。「私はヲタクじゃないから関係ないわ」という人もいるかもしれないが、そういう人は元から単なる消費者でしかないので、本当に関係ない。

 もっとも、そういった世界を否定するつもりはないし、消費という行為を否定する訳でもない。ただ、私にとっての憧れの世界は消えてしまった…という思いがあるだけだ。

▼2008年03月16日

秘境の山旅/大内尚樹

 大内尚樹といえば、私にとっては“秘境”の人。その秘境の人がまとめた、日本にまだ残る秘境探訪記を集めた本。大内尚樹だけでなく、様々な人の記録をまとめたものとなっている。

 実は私も秘境は大好きで、実際に出かけたりはしないけど、地図を眺めて「この辺はすごそうだ!」と当たりを付け、グーグルで山行記を検索したりとかよくやっている。
 この本にも、私が「秘境っぽい」と思って当たりを付けていた場所がいくつか出てきて面白い。川内山塊とか本当に秘境なんだね。無雪期にはアブがすごくて本当に近寄れない一帯らしい。こういう場所が日本にもまだ、ほんの少しだけどあるんだね。

 人が自然と格闘している様は、読んでいると迫力があって、自然への敬意というのが自然と沸いてくる。地球に優しいとか環境を守ろうとか、そういう文献を読むよりも、こういった自然と真摯に対峙している記録を読んだ方が、自然保護について理解が深まるのではないだろうか。

秘境の山旅/大内尚樹

▼2008年03月13日

カメラは知的な遊びなのだ。/田中長徳

 昔からカメラ…というか、写真を撮るのが好きで、でもここの所カメラ自体にハマってクラシックカメラを買い漁り、デジカメ時代になってもレンズを買い漁っている私が言うのも何なんだけど、カメラを買ってもそのカメラを使う術をよく知らない人が多いというのは、いかにも現代っぽいなぁ…と思う。
 あ、でも、かつて高価な銀塩一眼レフを無理して買ったお父さん達も、そのカメラで写真を撮りまくっていたという訳でもなさそうだから、一緒か。

 本書には、「レンズは視覚の延長である」みたいな記述があり、だから私たち男はカメラのレンズを欲しがる…といった事も書いてあるが、確かにそうかもしれないなぁ…。新品のレンズをカメラに装着して初めてファインダをのぞいた瞬間というのは、視覚の延長という難しい表現というか、目の前の世界が一瞬涼やかで新鮮な世界に思えたりするモノだ。視覚においてそんな感覚を味わえるのなら、レンズ一本分の値段なんてたいしたことはない…のかもしれない。

 カメラが知的な遊びかどうかはさておき、どうせ遊びなのだから、写真撮影も知的に見えるスタイルと撮影法を心がけるというのは、遊びとして面白いのではないか。たかが遊びなのに、街中で偉そうに三脚立てて構図なんて考えてるんじゃないよ…というのには私も同意する。

▼2008年03月10日

戦争のリアル/押井守・岡部いさく

 タイトルの「リアル」とは失笑を誘っているつもりなんだろうか…。とにかく、全編にわたり押井守が「RPG-7」と「ハリアー」が好きだという事を延々と語る本。もうわかったからいい加減黙れよ。

 軍ヲタという連中が、如何に生産性も思想も何もないのか…ある意味それらの証明の見本。とにかく押井の語っている軍事知識というのは、知識ではなくただの情報にすぎず、なので兵器が好きだとか嫌いだとかは語れても、「戦争」は全く語れないというか理解できていない。それでも「戦争」を語っているつもりなのだろうが、少しは歴史を勉強した方がいいのでは?いや、歴史といっても戦史だけじゃなくてね。

 そして、私は昔から押井守の映像を評価していないのだが、多分この本を面白いと思う人達によってこの監督は支えられているんだろうな…というのもよおく理解できた。だって、こういうの好きな人ってそこいら中にいそうだしね。

 ちなみに「情報」という面では、岡部いさくと同様、私は個人携行兵器には詳しくないので、なるほどなと思うところも結構ありました。ただ、いずれにせよ、こんな語り口でいくら「ディテール」を語っても、それらを包括する戦争という思考にたどり着く事は永遠にないと思います。

 あ、本書では押井守に押されてほとんど語っていませんが、岡部いさくについては、私は結構好き。

戦争のリアル Disputationes PAX JAPONICA/押井守・岡部いさく

▼2008年03月06日

炉辺夜話/宮本常一

 宮本常一の本は、彼自身がまとめた本は面白いんだけど、最近の編集書は一冊通して読みにくいというか、あまりないように抑揚がなくて、どうも途中で止まってしまう事が多い。もっともこれは編集者の仕業ではないかと(笑)。個々のエピソードは実に面白く内容が濃い。

 本書で一番印象に残った部分、熱海は戦後ほとんど人口が増えていない。またこの文章が書かれた時点(昭和40年頃?)で、明治から続いている旅館は1軒しかない。今ではその旅館も存在していないかもしれない。つまり、観光というのはある意味焼き畑みたいなもので、地元の人間の為になっていそうでなっていないという事。

 他、この土地は見込みがある、あそこの土地は人がダメ…など、きっぱりと物事を発言している。地方が価値を持って振興するためには何が必要か、本当によく見えてくる。彼の本を読むと、金の事しか考えていない今の地方役人達はなんて愚かなんだろう…本当にそう思う。
 本書でも「中央からの援助ばかりを当てにしてる地方は見込みがない」と言い切ってます。

炉辺夜話/宮本常一

▼2008年03月04日

井沢式「日本史入門」講座4/井沢元彦

 井沢元彦の本はあまり読まないのだが、このシリーズだけは読み続けている。この本で語られる「井沢史観」というのは明快で、日本は「言霊」の国であるという事。そしてそれらが日本史を古代から現代まで支配し続けているという事だ。

 明治維新の時に行われた天皇の儀式、また原爆によって死んだ人達のイメージが今の日本を縛り付けているという見方はとても面白く納得できるものだ。
 そして私が一番重要だと思う点が、これらの歴史をひとつの流れとして分析して、そして現在に結びつけ、発言するという事。日本の歴史学者や民俗学者に一番欠けている部分はこの点ではないかと思う。

 少なくとも、歴史的大事件が起きた場合に、日本ではニュースのコメンテーターとして歴史学者が呼ばれないのはおかしいと思う。海外だと「歴史学者」はインテリの代表みたいな存在だけどね。

新・ナニワ金融道

 ちょっと昔に比べると毒が少ないというか、ねちっこさが減ったというか…そんな感じ。まぁ、それなりには面白かったけど、今後に期待という事か。

▼2008年02月29日

知られざる日本―山村の語る歴史世界/白水 智

 平地は豊かで山村は貧しい。そのような価値観に異を唱える本。日本各地に見られる山村の歴史を調べる事により、山村が如何にネットワークの広い世界だったのか。また、そんな中で何故山村が平地と比べ貧しい社会と見なされるようになったのかが語られる。大変面白く興味深い本であった。

▼2008年02月28日

舟景の民俗/出口晶子

 昔、蒸気機関車の事を「陸蒸気」と言った。そして今では逆に、河川などを運行する短距離船舶を「水上バス」などと言ったりする。この言葉の部分で、私たちの意識が水辺から陸へと移り変わっている様を感じる事ができる…みたいな事が冒頭で書いてあり、なるほどなと思った。

 本書は、琵琶湖の水辺に焦点を当てて、かつて水辺で生活していた人達の移り変わりを生活の移り変わりという視点からまとめている。
 
 読後改めて思うと、今の琵琶湖で「水上」がほとんど利用されなくなったのは、いくら何でも不自然な気がする。これは琵琶湖だけではなく、例えば関東だと霞ヶ浦などもそうだろう。霞ヶ浦を例にとれば、土浦から潮来や鹿島の辺りまで定期船が運航していたら、今だって結構便利なのではないかと思うが、気がつくとそんな事を考えもしなくなった事に、私たち自身の水辺との意識の剥離を感じる事ができる。私たちはいつから水辺を嫌い始めたのであろうか。本書を読みながらそんな事を感じた。

 ちなみに琵琶湖で使われる「丸子船」という種類の舟だが「日本の内海でこれほど大きな舟を運用していた地域はない」というのは誤りで、例えば関東地方では「高瀬船(高瀬舟…ではない)」という、全長が30m前後ある舟が数多く運行されていた。
 そして琵琶湖同様この利根川水系でも、定期的な大型船の運用は消滅してしまった。

▼2008年02月26日

星の航海師/星川淳

 昔買った本なんだけど、ちょっと前に奥の院から発掘されて、思わず読んでしまった。

 この「星の航海師」とは、ポリネシアの伝統航海術を受け継ぐ「ナイトア・シンプソン」のある意味半生記を記した本。この伝統航海術とは、何一つ近代航海に使用する道具を使わず、星と海と波を感じながら遠洋航海をする技術。この方法で太平洋に住む人々は、大海原を縦横無尽に航海した。
 特にこの本が出版された頃(10年以上前)は、丁度古代の航海術が見直される機運のあった時期でもあり、それ以前に半ば遭難に近い形で南太平洋諸島に散らばっていったと言われていた人々が、実は計画された「航海」に基づいて大海原を渡っていたという説が盛り上がってきた頃である。そして今では、南太平洋に住む人達が組織的、計画的な航海を行っていた事に、あまり疑問を抱く人も少なくなった。
 今でこそ「なるほどなぁ…」と思いながら読める本ではあるが、本書を購入した頃は、それなりにセンセーショナルな内容でもあった事を覚えている。

 あまり専門的な内容でもないし、それでいてこの「星の航海」というエッセンスが綺麗にまとまっているので、広く皆様にお薦めできる本。少なくとも読後は、太平洋という大海原に対する認識がちょっとだけ変わると思う。

GRデジタルワークショップ2/田中長徳

 やっぱりGR Digitalのユーザーとしては買わなければならないよね。

 文体は相変わらず文学的というか芸術的というかプチブル的というか思いこみが激しいというか…なんだけど、面白いよね、やっぱり。実際本人の講演を聞いていても、実に楽しい。カメラ好きな人が何を言ってもらうと喜んで笑ってくれるか、そんなツボをよく知っている人だと思う。

 ということで、ワークショップというタイトルだけど、具体的な「ワーク」についてはあまり見るべきものはない。ただ、氏の言葉や作例、思想などは、いろいろな形になって、自分が撮る写真に染みてくるような気がする。そういう意味では1巻共々なかなかの名著かもしれない。

 ちなみに氏と同様私もRAWは嫌い。というか、昨今のデジタルカメラ雑誌に掲載されている「レタッチテクニック」などを見ていると、ある種の嫌悪感すら覚える。もちろん「嫌悪感」という表現には、全てを否定できないもどかしさも含んでの感情なのだが…。

▼2008年02月24日

オモライくん/永井豪

 さる美人な奥様よりお借りする。…というか、あの奥様がこんなお下品な漫画を読んで笑っていらっしゃる所を想像すると、それはそれで…って、そんなことねーか(笑)

 私も知らなかったこの「オモライくん」。この“オモライ”というのは、いわゆる乞食のこと。全編にわたり不潔ネタとお下劣ネタがマシンガンのごとく炸裂…なのだが、ラストは確かに泣ける。泣ける…といっても、インチキっぽい社会批判やお涙ではない。とってもシンプル故のこのセリフがとても心にしみるのだ。

 お下品で不潔だけど、暗いエピソードは何もなく、またクラスメートも「不潔」という意味でオモライ君を避けているが、皆に嫌われている訳ではない。永井豪の話にしては、ストレートに明るく、そしてラストもその明るさ故に読者自身の心を打つ。傑作だと思う。

 ただ、アマゾンのレビューにもあるけど「読後手を洗いたくなる」というのは確かにそうかも(笑)

オモライくん―完全版/永井豪とダイナミックプロ

▼2008年02月13日

日本の未踏路/イザベラ・バード

 イザベラバードとは、明治初期の日本を旅した英国人女性。彼女はそのたびの様子を「日本奥地紀行」という著書に表しており、それは当時の日本を知る資料として貴重な紀行文となっている。ただ、現在日本で普及している「日本奥地紀行」は、イギリスで発売された普及版を元にしており、かなりの部分が訳から外されている。そのうち西日本の旅を収めた書籍は「バード日本紀行」という本に収められているが、東北とアイヌ地方を訪れた際の普及版から省かれた部分は、長らく日本語に翻訳されていなかった。本書の帯によると、この本で全ての日本語訳が完了したそうである。

 特に感想はない。なぜなら内容は以前読んでいる本の補完であり、個々のエピソードは大変面白かった。また本書では原書の付録として収録されていた、バード自身による日本の神道についての記述が納められている。

 「日本奥地紀行」は、比較的手に入りやすいが、西日本の紀行文をまとめた「バード/日本紀行」は現在入手が困難。これらの原稿をきちんと順番にまとめた本が出版されると読みやすくて助かるのだが。

イザベラ・バード「日本の未踏路」完全補遺/イザベラ・バード・高畑美代子
日本奥地紀行/イザベラ バード
バード日本紀行/イザベラ バード

▼2008年02月11日

日本風俗図誌/ティチング:沼田次郎 訳

080212-01.jpg 都内のカフェで何となくこの本の事を思い出し、何となくネットで検索してみたら、神田の古本屋で安く在庫しているのがわかり、早速回収しに行ってきた。ネット万歳(笑)

 つことで、ティチングとは江戸時代における出島オランダ領事館に派遣されていた役人。折しも彼がオランダに派遣されている期間中、オランダ本国が戦争に巻き込まれ、オランダそのものが消滅してしまっていた事もあり、帰国が遅れに遅れてしまい、仕方なくなのかどうなのか判らないが、その間彼は日本に関する詳細な研究成果を書籍としてまとめていた。本書はそのティチングの原稿をフランスの出版社が出版して、それを日本語に訳したもの。本書の奥付を見ると「昭和45年出版」とあるから、古本としてもけっこうな時代のものです。

 まだ全てを読んでいないのだが、内容は実に面白くて興味深い。
 ちなみに本書が書かれた年代は1770年代であり、当然徳川家の「正史」などは存在しないし、またそれらについての書籍も発行を禁じられていた。そんな中でこれだけ正確な情報が世間(もちろんオランダ領事と接触・情報提要できる日本人はインテリ層であること前提なのだが)に広まっていたとは驚き。ちょっと私たちが知っている歴史と違うかなと思ったのが、5代将軍綱吉が大奥に暗殺された…という事位で、他は不気味なくらい私たちが知る徳川史の知識と一致しているのが不思議。また、8大将軍吉宗が実にナイスガイであったエピソード(いやほんとに)などが、割と細かに語られている。
 他にも由井正雪の事件や、赤穂浪士の件など(当時赤穂浪士についての出版は禁じられていた)、私たちが知っている通りの知識を、江戸時代真っ盛りのオランダ人が知っている…というくらい、江戸時代は情報が発達していたという社会の背景を読み取る事ができて、実に面白い。
 少なくとも私たちが学校の歴史で習う以上に、江戸時代の風俗と情報は自由で正確で日本全国へと配信されていた…と考える事ができるだろう。そういう面で、本書からはこの直接の記述以上に、江戸時代のリアルな社会情勢を想像する事ができる。

 当時の江戸時代を、江戸時代に属していない人が江戸時代を理解させるために書いた報告書。この文章は、私たち現代人にとっても、当時の世相をリアルに味わえる、実に良い本だと思う。惜しむらくは版元品切れという事。よって、現在は古本市場をあたるしかない。

RICOH GR Digital


日本風俗図誌/ティチング・沼田次郎:訳

▼2008年02月10日

流線形シンドローム/原克

 とても面白い本だった。

 本書は、主に第二次世界大戦以前、世界を席巻した「流線形」という言語について、主にアメリカ、ドイツ、日本の状況を比較して当時の世相を語っている。
 その時代に発刊された科学雑誌やファッション誌、プロパガンダ誌などからの引用も豊富で、更に図版も豊富で、眺めているだけでも楽しいし、資料的価値も高いと思う。惜しむらくは、本文中の図ももう少し大きく掲載してくれれば、原稿の文字が直接判別できて、より資料価値も高まったのだが…。

 「流線形」という表題にイメージが引っ張られるが、実は各国の世相史、あるいは大衆史の実例としても興味深い。短くまとめると、アメリカは徹底的な商業広告によって世相が引っ張られる国。ドイツは国家主義・全体主義が世相を作る。そして日本は大衆からの突き上げで世相が形成される。…いや、現在においてもこれらの国はあまり変わっていないのではないだろうか。21世紀になった現在でも、アメリカは商業広告の国であり、ドイツは国家主義、日本は大衆文化の国だろう。また、アメリカの商業主義にはある種の排他主義と優性思想。ドイツの国家主義はエコロジーというか国家に対する土着的嗜好。日本の大衆文化はおっぺけぺー(笑)。などと、各国の流線形騒動の裏には、そのような性質が見え隠れしているというのも興味深い。そういう意味で、歴史は繰り返すというか、現在も全く変わらないというか…やっぱり歴史を学ぶ事は現在を知る事だよな…などと、いろいろな事を考えてしまった。もちろん「流線形」にも詳しくなれるよ。

 更に一言。本書では流線型「ストリームライン」という言葉を、各国の事例全てで日本語の「流線形」と読み替えているが、多分日本語で想起される「流線形」と、英語の「ストリームライン」(ドイツ読みだと「ストライムライネン」か?)は意味が違う。本書に限って言えば、この「流線形」という言葉は、各国語で表記したほうがより当時の世相に近かったのではないか…とも思う。ちなみに度量衡についてはいい加減ポンド・ヤード法で表記するのは止めてほしい。

 しかし「流線形思考(ストリームライン・ユア・マインド)」なんて本は、明日の本屋さんでビジネス書の棚に並んでいてもおかしくないな。というか内容すら同様でも違和感ないかも(笑)

▼2008年02月09日

ヒッタイト

 今、BSでヒッタイトについての海外ドキュメンタリーを放送しているんだけど、意外に思ったのが「鉄を生み出した王国」というキーワードについて語られていない事。私が子供の頃、ヒッタイトといえば「鉄を生み出して鉄により隆盛を極め製鉄技術の流出と共に滅びた」と教わったが、海外ではそういう位置づけでもないみたいだ。
 特に、ヒッタイトの強さについて、その厳格な軍事統制システムと、軽量で機動力のある「戦車」を使用する事により周辺諸国を圧倒したと語られている。

 有名な本だけど、この本についての語り口と似ているかも。

川上弘美読本

 最近プチはまり中。ただ小説ではなくエッセイのほう。
 で、冒頭「蹠の小説」(「あしうらのしょうせつ」でいいんだよね)より引用。

べつに。お金は渡していないし。職のない時はご飯だけはつくってあげてるけど。それよりわたしの方がものすごくいっぱいいやらしいことしてもらっているから、お得なのよ。

 こういうえっちなセリフがさらりと出てくるのが川上文学の特徴か。前後の文脈からかんがえると、エッチにおぼれてというより、むしろ男と距離をとった女のスタンスが見えてきて、なんだかはかない。

 ただこの「読本」には、当然ながら作品のネタバレになりそうな評論がたくさん出ているので、冒頭の「足跡の小説」を詠むだけにしておいて、とりあえず少しずつ彼女の小説も詠んでみようかな…と思った。ページをめくるのはその後でもいいだろう。

▼2008年02月06日

家康はなぜ江戸を選んだか/岡野友彦

 昔から漠然と思っていた事で、いわゆる「江戸城」は何故あんなに海に近いのか…という点がある。今でこそ晴海の辺りまで埋め立てられた東京湾だが、かつては「日比谷入江」という言葉があるくらい、江戸城は極めて海に近かった。この海への距離感は、京都や大阪、名古屋、あるいは仙台などと比べても明らかに海に近すぎるのではないか。家康が広義での「江戸」を選んだ事については、あまり疑問とも感じていなかった私だが、狭義の上での「江戸」を選んだ事については、何らかの明確な意志があると感じている。

 本書は秀吉によって江戸に左遷されたという一般論に意義を唱え、家康が江戸を選んだ理由について、主に当時の権力闘争、政治面などから考察している。

 ただ、本書を読んで感じた事は、経済面と技術面、地政学的な方向からの考察がやや不足しているような気もした。例えば経済面では、太平洋航路の発達と、東日本からの物流の増加からみた江戸の地勢。本書では利根川水系の水運にも触れているが、多分江戸時代における利根川水系の重要性は、私たちが思った以上に高く重要なものであったはずである。例えば北国からの荷物をわざわざ銚子で川船に乗せ替えて江戸に送る事が多かった理由は、当時の航海技術で房総半島を経由して江戸に至るルートの危険性が非常に高かったという背景もあるし、また、それらの危険性をシステムとして避ける理由が生じてきた訳は、やはり東北地方の産業と流通経済の発展から切り離しては考えられないであろう。
 更に地形的な理由から考えると、江戸時代の中心地で大規模な都市が発展するには、大規模な治水工事と、それに伴う技術が必要となる。現在都市が発達するのに適した条件とされている平野部というのは、治水技術、農作物の品種改良など、様々な要因が進歩しなければ有効に活用できない。
 それらの技術革新をふまえ、あえて狭義での「江戸」の地に、家康が何故城を築いたのか、その辺の考察も含まれていれば、より納得しやすい形になった気がする。

 率直に言うと、本書の内容では広義としての江戸を選んだ理由にはなっていてもあの場所に江戸城を建てた理由における考察が不足している感じる。「家康は何故本郷を選ばなかったのか?」あるいは「家康は何故豊島を選ばなかったのか?」といった疑問への解答になっていない気がする。つまり、わざわざ海に近い日比谷の低地のあの場所に城を築いたという、ある意味明確な“意志”を感じるこのポイントへの疑問がどうも私的にはぬぐえなかった。

 もっとも、そういった新たな疑問を生むきっかけになる書籍と考えると、本書は「江戸時代以前の江戸」を知る手がかりとして、なかなか面白い本だった思う。

海女の島―舳倉島/フォスコ・マライーニ

 舳倉島と書いて“へぐらじま”と読むらしい。今では渡り鳥の中継地としてバードウォッチャーにはすっかり有名な島らしいが、この本が書かれた1950年代後半は、中央から取り残された、まだまだ原日本の風景・習慣が色濃い地方だったみたいだ。

 未来社の書籍にしては、冒頭のグラビアページが多く、またその写真はかつて日本の各地に存在した“海女”の写真が多数掲載されている。本グラビア撮影で中心となった女性は当時18歳だったそうだが、上半身裸で腰には紐のようなふんどしを装着している。
 かつての日本人は、男女ともにコミュニティ内の人間にはお互いの裸を見られる事への羞恥心があまりなかったそうだが、このグラビアにも、演技では到底不可能なはち切れんばかりの笑顔が含まれた海女達の日常が納められている。
 また、イタリア人の著者にとっても、この状況は驚きであったらしく、更にこの海女達の日常に近づくため、同行のイタリア人女性にも上半身裸で歩き回るよう指示したそうである。
 このように、色々な意味で時代を感じさせる、また現在ではどんな事をしても再現不可能な「過ぎ去った日常」を記録したドキュメントとして、本書はとても貴重だと思う。

 ちなみに表題にある“海女”についての文化的考察はほとんどないので、そういった内容を期待している人には不向き。あくまでも異文化とのコミュニケーションにおけるドキュメントと考えた方がいいと思う。そして、現在の私たち日本人にとっても、視点はこの「イタリア人」寄りであり、とても興味深い。

 海女とは関係ないが、文中にある「日本は昼よりも夜の方がより日本を強く感じさせられる」という下りは、私自身確かにその通りだな…と思った。

海女の島―舳倉島/F. マライーニ

▼2008年02月05日

柳田国男のえがいた日本/川田 稔

 柳田国男の文章…というか、柳田民俗学については、どうも理解しにくいところが多分にあり、世間でもそう感じているのかわからないが、批判も礼賛も色々あって(というかそれだけ『柳田学』が成熟しているということでもあるが)、本書についてはどちらかというと肯定的な視線で柳田国男を論じている本。

 本書で記されている柳田国男のキーワードは、とても判りやすく納得できるものだった、つまり柳田民俗学のポイントは、
 1:有形文化
 2:言語芸術
 3:心意現象
 のステップに分類する事ができて、その中で「3」のキーワードが、「2」や「1」の現象を背後から規定するとの事。つまり柳田民俗学の核心は、有形無形の民俗資料を分析して、そこに含まれる私たちの精神とも言うべき「3」の部分を明らかにする事を目指した…大雑把に言うとそんな流れらしい。そして、その「3」の部分を明らかにする課程と目的が、西欧のフォークロアやエスノロジーとはやや異なる部分でもあるみたいだ。この辺は私もよく判らないので、ウィキペディアの該当項目も参照してみてください

 他に、本書ではやや長目の第四章で「柳田国男の社会思想」という政治的視点に触れているが、一見民俗学とはやや離れているようにも思えるこの部分こそが、現在の日本の民俗学にもっとも欠けている部分だと私は感じている。

▼2008年02月03日

越境と抵抗/小川徹太郎

080203-01.jpg 新しくなった霞ヶ関ビル下の「書原」で見つけて、とても面白そうだと思ったのだが、打ち合わせに行く途中なので諦め、後日アマゾンで注文した本。やはり書原は私にとって欠かせない本屋さんだと改めて思う。

 という事で本書。越境と抵抗というタイトルだが、これは「小川徹太郎」という学者におけるキーワードみたいなものらしい。この本の著者は小川徹太郎となっているが、既に亡くなられており、編集は別な人達で進められたもの。サブタイトルに「海のフィールドワーク再考」とあるが、どちらかというと著者の原稿を寄せ集めて作った本のようで、正直まとまりに欠ける内容だと思う。

 ただ、それぞれの原稿についてはとても興味深いものがあり、特に冒頭「シオ」についての考察などは、わくわくしながら読み進められた。確かに日常では見落としてしまいそうな、この方言(というか仲間言葉)みたいな部分を丁寧に考察していく姿勢は、単独では小論として終わってしまいそうでも、ある程度の研究成果をアーカイブできれば、海に生きる人達の貴重な研究になると思う。
 また第二部である「方法の問題」については、現在のフィールドにおける情報採集の方法と、また変わりゆくフィールドに対しての論考など、色々と考えさせられる事も多いのではないだろうか。特に「民俗学」という言葉が持つ、どこか懐古的で時に牧歌的イメージを想起させる部分について、採集者の側からすると、最近ではむしろ弊害となっているような事についても記されている。もっとも、これらの点について「情報提供者」と「採集者」という役割について、いろいろな意味で見直されるべきではないかと、そのような点についても触れられていて、なかなか興味深い。

 全体としては、面白い部分と、正直どうでもいいような部分の山谷が激しく、この著者自身に直接興味を持っている人、もしくは本書の一部分だけでも読めればいいという人以外には、あまりお勧めできないような気がするが、そんな否定的な事を書きつつも、私としては珍しく一気に読み終えてしまった位なので、実は結構面白かったのかもしれない。
 ただ、読後の感想については、なんというか全体像をまとめて書きにくい本でもある。

CONTAX SL300R T*


▼2008年02月01日

日本とは何か/網野善彦

 以前図書館で借りて読んだ…もしくは買ったのかもしれないのだが、読了した記憶がない。
 とのことで、本屋さんのバーゲンフェアで見つけて購入。本書は講談社から発売されている「日本の歴史」シリーズの第0(ゼロ)巻。1巻の前という事で序文といえるべき位置づけなのか。

 本書における著者の主張は明快。「日本人というのは『日本国』の法令下で生きている国籍を持った人」との前提で、従来から語られてきた日本列島の単一民族説を強く批判する。また「日本」という言葉が生まれる以前にこの地に住んでいた人は「日本人ではない」とも主張しており、つまり縄文人や大和朝廷、聖徳太子などは日本人ではないという言い方をしている。よって「古代日本人」などという言い方も改めるべきだと。

 その他「百姓」という地位についての考察や、農業国日本などという歴史観への警鐘など、民衆の歴史にこだわった網野学への入門書としても秀逸。私もかつて網野氏の著作は何冊か読んだ事があるのだが、この本を読む事により、それらで得た断片的な知識が縦横へとつながりを持ち始めた気がする。

 「日本の歴史」シリーズに興味のない人でも、本書は単独の「日本論」として異質であり、また、とても優れた著作だと思う。

▼2008年01月30日

ニホンオオカミは生きている/西田 智

 昔「幻のニホンオオカミ」という本を読んだ記憶があるが、あちらが秩父山中での目撃情報と、日本全国に残るオオカミの伝説について語っているのに対し、本書はもう少し具体的で、2000年に九州の山地でニホンオオカミを撮影した本人による「ニホンオオカミ事件」のドキュメントと、著者自身のオオカミを追うフィールドワークにまつわる話。とてもエキサイティングで、今日買ってきたばかりなのに夢中になって読み終えてしまった。

 本書を読んで知ったのだが、この一件が日本にオオカミを放そうという「丸山直樹」氏のグループから、かなり否定的な扱いを受けていたのが意外だった。こういう研究をしている人だから、日本にオオカミがいる可能性には肯定的なのかと思ったのだが、むしろ氏のプロジェクトにとっては、日本にオオカミが生存していると困るような感じである。
 本書の著者も訴えているとおり、日本の山中にはいわゆる『一般の野犬』とは違った種の動物が生息している可能性は大いにありそうだ。それがオオカミなのか野生化した犬なのかはわからないが、環境庁を初めとした中立的な公的機関が、何故全国規模の集中調査を行わないのか、考えてみれば不思議な気もする。

 オオカミは全滅したという烙印を押され100年もの間検証もされず放置されてきた…という著者の主張には大いに頷けるものがある。もし日本にオオカミを放つのであれば、それら全国規模の調査・検証を念入りに行ってからでも遅くはないであろう。

▼2008年01月25日

本は10冊同時に読め!/成毛 眞

 著者は元マイクロソフト株式会社の社長さんらしい。本のタイトルにひかれて何となく買ってみる。

 確かに10冊同時は言い過ぎか…はたまたそれ以上かわからないが、私もこんな感じで色々と気分次第で本をつまみ読みする。中にははじめの数ページを読んだだけで止めてしまう本もあるし、中断したと思って何年か放っておいた本を急に再開したりもする。一気に読むのもあれば、少しずつ読む本もありで、そう考えてみると10冊以上は同時に読み進めてますね。それじゃ足りないや…。

 内容は、まああまり目新しいものでもないんだけど、割と主張をきっぱりと言い切っているのが気持ちいい。「本嫌いの人と付き合う必要はない」というのは、言葉にしてしまうとどぎつい意見だが、実は無意識にそんな事を思っている読書家は結構多いのではないかと思う。

 かくいう私については、「読書家」とは言えないと思うが、いわゆる平均的サラリーマンに比べれば全然本を読んでいる方だと思う。更に言わせてもらえば、本書で言うところの役に立たないビジネス書などは全然読まない。かなり濃い目の本を、人より大分読んでいるつもりだ。
 また「私は読書が好きです」という人でも、ベストセラーやビジネス書ばかり読んでいる人からは全く教養が感じられないというのは、本書の主著通り、確かにとても納得できる。
 本を読むのも読まないのも勝手だとは言いつつ、本をたくさん読む人ってのは、私も含めてどことなく本を読まない人に対して選民意識を持ってしまうものなんだよね(笑)

 ちなみに同時読みの証明として、昨日カバンに入れて持ち歩いていた本は5冊。その上帰り道でこの本を買った。何を考えているんだろうと、我ながらちょっと思う。

▼2008年01月22日

山の道/宮本常一

 本書の著者は「宮本常一」となっているが、約半分は「田村善次郎」が書いたものである。そして、本書に限って言うと、田村善次郎が書いた章の方が、生き生きとした山の道を歩く人達を紀行文的にまとめてあり、とても面白かったと思う。

 「マイマイズ井戸」「麦飯まがり」など、本書によって知った言葉も多く、つい夢中になって最後まで一気に読み終えてしまった。やはり、歴史の中でもこのような人の往来に焦点を当てた本は、当時の生活がとてもリアルな現実として身近に感じられ、とても興味深くエキサイティングだった。

 普段、山の道をドライブしたり歩いたりしている人は、このような本である程度の基礎知識をつけておくと、いっそう山間の紀行が楽しくなると思う。

山の道/宮本常一

▼2008年01月21日

人類は衰退しました/田中ロミオ

 遠い未来、人類は衰退の時代を迎えていた。人々は明日の希望も持たず、ただ滅びの道を…。

 という世紀末小説ではなく、ビジュアル的には「横浜買い出し紀行」から数世紀後の世界…みたいな感じじゃないかと思う。少なくとも私はそんな風景を思い浮かべながら読んだ。
 そして本書は、衰退する我々人類の代わりに地球の主となった「妖精さん」との変な交流を描く…といったお話。

 衰退した人類にはかつて(今?)のように、熱い情熱や欲望、野望などは存在しない。何気に不思議な妖精さんとのやりとりばかりが印象に残りそうだが、私はその「自然に衰退した人類の日常」を違和感なく書いているところがとても興味深かった。
 いつか迎える人類の終焉は、カタルシス的なものではなく、こんな風にゆったりと終焉していければ幸せだろうな…と思った。

 内容的には、特に感動をもたらす小説ではないが、読んでいる時間がどことなく心地よく、それだけで充分満足。続編も出ているようなので、買って読んでみよう。

▼2008年01月18日

iPodをつくった男/大谷和利

 本日友人と待ち合わせしていた本屋さんで買った本。副題は「スディーブ・ジョブスの現場介入型ビジネス」だそうだ。

 しかし、この大谷さんも懐かしいね…って、別に世間から隠れてた訳じゃないんだろうけど、最近では私がマック系のメディアに目を通さなくなったからなぁ。
 相変わらずのマックを中心に宇宙が…というような世界観で書かれる文体だけど、懐かしさもあるし私自身もマックファンなので、大層楽しく読む事ができた。

 多分、このジョブスの行動を見るときの温度は、日本とアメリカでは違っていて、きっとアメリカ人の経営者は「ああ…こういうやり方もあるな、チャンスがあったら真似てみよう」というレベルなのに対し、日本の経営者では「こんなやり方到底無理、まずは組織改革から…」ってなモノなんだろうなと思う。

 アイディアや技術論ではないのだ。組織のための組織をこねくり回して遊んでいるだけの日本人では、今のアメリカIT社会に太刀打ちできないであろう。
 もっとも、無理に太刀打ちしなくても、それなりの地位を日本的やり方で維持するという考え方もある。そもそも、こういう本を読んで「アメリカ社会はいいな」とか「日本の組織もこれを目指さなければ」などと思う事自体が極めて日本的で硬直化した考え方なのかもしれない。

 いずれにせよ、こういった経営者は今の日本で活躍の場は与えられない人材なんだろうなと思う。

▼2008年01月16日

Web国産力/佐々木俊尚

 多分、日本のウェブ業界に一番欠けているのは、この本の著者も含めてだけど「未来を夢見る力」なんだと思う。

 本書では、アメリカやその他の国にすっかりイニシアチブを握られてしまった、ウェブ関連の新技術について、展望と願望を交えながら概略を紹介している…が、全編に渡り「ユーザーのニーズを最適化し、ユーザーごとに商品をレコメンド…」みたいな代理店的匂いが付きまとい、未来ってのはそんなに楽しそうな世の中でもないな…なんて気にさせられてしまう。

 グーグルを初めて使ったときの衝撃は私も忘れられないよ。それまではヤフーのカテゴリ検索や、NTTの日本国内サーバガイドを頼りに必要な情報(というか日本語ではまだ『必要な情報』といより『ある情報』というレベルだった)を探し当てていたものだ。あと、東大で実験公開されていた全文検索エンジン…名前忘れたけど、も使ってたな。あれに初めて触れたときも結構衝撃だった。
 そんな中、アメリカですごい検索エンジンができた…なんて噂が立ち、使い始めたのはこのサイトを公開する前(ちなみにこのサイトで一番古い情報は1999年9月)
 多分、そのグーグルを作った創設者連中は、そのときは「将来アフリエイトで大儲けしよう」とは思ってなかったと思うよ。

▼2008年01月13日

図書館が教えてくれた発想法/高田高史

 日々図書館を使っている私にとっては、ある意味当たり前の事なのだが、それでも当たり前の事がこうやってアーカイブされていると、改めて為になるなぁ…と思う。

 本書の舞台は一応「図書館」を想定しているが、この方法は図書館というか、書籍以外でも、世の中のほとんどの情報を探したり整理したりする場合でも有効だろう。
 それでいて、物語形式になっていて読みやすく、すんなりと理解できる。図書館に行ってみてはいいけど、どうやって目的の資料を探してみようか…とか思っている人にはお勧め。

 あと、本の中にある挿絵が、ほのぼのとしたカットながらも、コメントを読むと情報量がとても濃かったりするので、こちらの方も余すことなく鑑賞していただきたい。

ゆうき図書館の貸し出しトートがほしい

 これいいよね。…いや、それだけなんだけど、市販されていないのかな。

 …これだけだとあまりにもエントリーが寂しいので、もうちょっと書き続けてみると、昔からトートバッグというのが大好きで、かといってそんなに買っても使い切れないので、あまり買わないんだけど、でも…観光地とか変な物産展(笑)とかで売っている、いかにも端物で作りました…みたいな500円しないようなトートバッグなどは、見つけるとついつい買ってしまう事が多くて、でも使い切れないので、仕方なく周りの人にあげちゃう。
 そのたびに何をやっているんだろうと思うのだが、それでもやめられないんだよね。

 ちなみにちょっとお高目のトートバッグは、主にアウトドア系のものを入れるのに使ったり、旅行に行くときに着替え用バッグとして持っていったりすることが多いかな。ちなみに高目とはいっても、一番高価なトートバッグで5,000円くらいまでのしか持ってないけどね。それ以上の値段になると、トートバッグとしての使い方ができないトートバッグになってしまう。

 ああ…エルメスのエールライントートはもっと高価か(笑)。確かにあれは例外だし、トートバッグとしての使い方もしていない。

▼2008年01月12日

カメラは時の氏神/柳沢保正

 「変なタイトルの本だな」と思ったが、読み終えると納得。とても面白くてちょっと寂しかった。

 本書は新橋にあった「ウツキカメラ」の店主への聞き取りを中心とした、写真とカメラの昭和史。戦中の写真に関するエピソードや、戦後すぐのカメラ屋の繁盛記などは読んでいてとても興味深い。また、数は減ったといえ、銀座に中古カメラやさんが多く残っている理由も記されている。もっとも、後しばらくすると残された店もなくなってしまいそうだが。

 ウツキカメラは、昔会社から歩いていける距離にあった事もあり、私も良く通っていた。カメラも何台か買った覚えがある。そのうち新橋駅前の店を閉めて、銀座の方に引っ越したみたいだが、そちらの方は1~2回しか行った事がない。そのうちまた行こうと思っているうちに、そちらの店もなくなってしまっていた。

エコバッグ・ブック

080110-02.jpg 自慢じゃないが「エコ・バッグ」が大好きだ…って、ホントに自慢にもなりゃしない事なんだけど、最近ではちょっと自慢げに語ってもいいような風潮になってきました。

 ということで、買い漁るという訳じゃないけど、私の部屋には結構な種類のエコバッグがあります。思えば一番始めに買ったエコバッグは、確かダイエーで売り出されていた500円の布バッグじゃなかったろうか。私が免許取り立ての頃に買った覚えがあるから、ほんの2~3年前の事かしらね(笑)

 そういえば一昨年オーストラリアに行ったときも、1人で街をさまよってスーパーとかマーケットとか迷い込んで、オリジナルのエコバッグを何枚か買ってきました。日本とは随分材質と大きさが違うし、何せ値段が安いのにびっくり。オーストラリアって、他の日用品では物価が日本より高目に感じるんだけど、軟膏とエコバッグは例外。そういえばホテルで使う歯ブラシと歯磨きを買おうと思って、色々スーパーマーケットや商店を探し回ったんだけど、日本円で500円くらいするものが最安値だったな。改めて日本の100均ショップの偉大さを…って、だんだん話が変わってきちゃった(笑)

 エコバッグが好きなだけでなく、実はちゃんと毎日エコバッグはカバンに入れて持ち歩いています。めったに使う事はないし、実際買い物してもレジ袋に入れてもらったりしてるので、そんなにエコに気を遣ってる訳じゃないんだけど、でも時折持っていてよかった!と思う事が年に数回はある。私の持ち歩いてるのはちょっと気取った例のオランダ人デザイナーSUSAN BIJLのやつです。エコというより、ちょっとレジ袋そのまま持ち歩くのは気になるな…という時なども便利です。見た目それなりにオシャレっぽいので。

 とまあ、実は私的に「レジ袋」についてさほど否定論者ではありません(あれは今の社会システムでは必要なモノだと思うし)。それでもエコバッグについては好きという、本来硬派にエコバッグを愛する人達からはしかられてしまいそうな軟弱エコバッグファンでしかありません。
 そんな私ですが、この本は面白かったな。本屋さんでめくっているうちに「是非買わねば」という気になってレジに持っていきました。そのときは気にしてなかったんだけど、実はこの本、今本屋さんで買うとオリジナルエコバッグ付き…というか、付録みたいにエコバッグがくくりつけられて売っています。始め何かのパンフレットが挟んであるのかと思っていたら、エコバッグだったので結構嬉しかった。ちなみにそのエコバッグはビニール袋に入れられているので、エコじゃないのでは?などと思ったりもしましたが、ちゃんとお詫びの紙が入っていて、

本書のノベルティとしてお付けするエコバッグは個別包装とさせていただいております。
本来の「エコ」とは趣旨を異にする過剰包装となってしまっておりますが、商品の管理上、やむを得ないこととご理解いただけましたら有り難く存じます。

 と書いてありました。ま、ゆるしてやるか(笑)

 とまあ、本書について軽く感想文を書いてみようかと思ったら、モノがモノだけに一気に本書とはあまり関係ない話でここまで書ききってしまった(笑)。内容については、著者が主にドイツで収集したエコバッグの写真がひたすらたくさん掲載してあります。デザインの事例としても面白いです。

LEICA digilux zoom


エコバッグ・ブック/塚本太朗・赤木真弓

▼2008年01月10日

くわがた専門

 くわがたマガジン最新刊No.38には、なんと「年末恒例!ショップ福袋情報&プレゼント」という記事が掲載されているらしい。

 というか、この雑誌で掲載される福袋の中身って一体どういうものなんだろう…。多分マニア以外の人がもらっても困るものなんだと思うけど、非常に気になる。

▼2008年01月09日

ぺダリスト宣言!/斎藤 純

 この手の自転車本は、大体書いてある事が同じ流れになってしまうのだが、それでも繰り返し読む事には意味があると思う、それだけ、日本の自転車を取り巻く環境と行政はおかしな事だらけだからだ…。

 とまあ、前半は割と軽い感じのエッセイで始まるのだが、読み続けるにつれ段々内容が重くなり、最後は環境問題へ…と、ある意味おきまりのパターンですね。でもつまらないとは思わないな。というか、何度でも何度でもこの手の問題は反復して学ぶべきだと思う。

 自転車が非常に効率の良い乗り物である事。自動車が如何に環境へ負担が大きく、また社会的弱者にとって危険な乗り物であるかということ…。私も自動車は好きだし否定はできないのだが、最近はそんな事を考え始めている。

 暖かくなったらまた懲りずに自転車乗るかなぁ…。

▼2008年01月08日

国井的旅の力/国井律子

 ああ…ハーレーに乗っている姉ちゃんね。というくらいの認識しかなかったのだが、本屋さんで平積みになっていたのを手に取ってみると、何となく先が気になってきたのでつい購入。
 本書の場合は、旅そのものというより、旅にまつわるモノや考え方など…そういう周辺エッセイみたいなモノが多く、逆にバイクの旅そのものにはあまり興味のない私でも比較的楽しく読む事ができた。

 そういえば、私の人生ではバイクに乗るチャンスがありそうでなかったな…というかこの先もないと思う。それとひとつ苦言を言わせてもらうと、バイク乗りってちょっと閉鎖的で人を見下すような印象ってない?ないすか?(笑)

 中型免許を持っている私がバイクに乗らなかった訳は、ひとつはバイクの免許を取ったときに何故か自転車が楽しくて仕方なくて、正直バイクを買う金があったら自転車を買う方がいいと思っていた事。もう一つは当時常連でも何でもない偶然入った世田谷の飲み屋のマスターに「バイクの免許持ってるのにバイク乗ってないの?そんな根性なしじゃだめだ!」などと訳の判らない因縁をつけられた事。
 確かそのときの私は思わず「いや…バイク何かより自転車の方がずっと爽快で自然と一体で楽しいですから」などと反論してしまった覚えがあるのだが、そのとき、身も知らない他人(しかも客)に、バイク乗りというだけで先輩ズラする人間模様を見て無性に腹が立ち「ああ…この先バイク乗りには近づかないようにしよう」と固く決意してしまったんだよね。当時身近な友人が熱心にバイクを勧めてくれていたのだが、そういう事もあってその友人には申し訳なかったけど、私はすっかりバイクに興味が失せてしまっていた。今思うとそんな事でバイクに乗らない事を決心するというのもアホな話なんだけど、当時はかなりムカムカきたな。
 あとまあ…風を感じる…という点からすると、ヘルメットなしで直に風を感じる事ができるオープンカーの方が、私としては「風を感じる事ができる」と考えているのもあるけど。

 そんな過去の恨み事(笑)もあり、何となく今までバイク乗りの書いた文章というのは敬遠していたんだけど、本書に限って言えばそれなりに面白かったかな。
 あまり他の著作を読んでみようとは思っていないけど、女性が書く旅についての話は、男性みたいに変にロマンチックにならないのがいい点かもしれない。

此処彼処/川上弘美

車の、抜け道が、好きだ。 大きな広い道ではなく、みんなが避けるような細い道を、行きたがる。

 この心境よくわかかるわかる!思わず相づちを打ってしまった。女性でこういう嗜好を持っている人は少ないんじゃないだろうか…。

 という事で、前回日記を読んだ後に買ったエッセイは、とある場所を特定したエッセイの数々。作者本人は自身の作品の中で、通常場所を具体的に特定してしまう事を避けているそうだ。曰く「固定されてしまうのが怖い」そうだが、何となく気持ちはわかる。
 例えば私のこの駄文の数々でも、実は本当の事は4/5程度(笑)で、場所、人、時間は意図的にずらす、もしくはわからないようにしてしまう事がある。別に素行がばれるのが怖いとかそういう事じゃなくて(それもあるけど)、何となく明け透けに全てをここで書いてしまうのがちょっと怖いというかもったいないというか…なんというかとしか言いようがないのだが、そういう微妙な心境だからだ。

 つことで、このエッセイも妙なそそられ感(笑)があって面白かった。次の日記も買ってこないと。

此処 彼処/川上弘美

安原製作所回顧録/安原 伸

 一式でお馴染みの安原製作所社長である安原 伸、自らが書いたカメラメーカーとしての安原製作所回顧録。読んでみると?と思うところもままあるが、それでも会社を作って製品を作ってそれを畳むまでの一連のドラマはとても面白かった。

▼2007年12月28日

宮本常一著作集48

 宮本常一の著作集は、まだ読み終えていない巻が何冊もあるので新規購入を控えていたのだが、もうバンバン発行されるので、このままのペースだと死ぬまでに読み終える事ができないかもしれないな…。

 なんて思ってはいても、やっぱりもったいないので買い控えていたんだけど、今日寄った本屋で珍しくこの著作集が店頭に在庫してあり、その48巻「林道と山村社会」の中身を見たら、とても面白そうなのでつい買ってしまった。

 宮本常一は、世間的に「民俗学者」と分類されているみたいだけど、私的にはちょっと違う認識。というか、本来の民俗学者は宮本常一みたいなスタイルであるべきだと思うのだが、残念ながら現在の民俗学者達は、知識のための知識、議論のための議論を繰り返し、結果訳の判らないイデオロギー的概念にどっぷり漬かってしまって抜け出せなくなっているようにしか見えない。そんな中で1人その民俗学の沼地からすくっと立ち上がっているようにも見える宮本学は、民俗学というものを「世間に役立てるための学問」として実際に使用している点で、皮肉にも一般の民俗学者には見えないという結果になってしまっている気がする。もっともこれは私の個人的な印象でしかないけどね。

 実際、本書の内容をざっと確認すると、林道についての企画設計、予算配分、その効果、後の維持、社会的影響など、業務報告書を読んでいるかのような明快さが見て取れる。これからじっくり読むのがとても楽しみだ。

ユーラシアの創世神話

 昔、谷川健一の「白鳥伝説」という本を読んだ事があって、確か白鳥への信仰が日本古代を作りだしそれが近代までの王朝に影響を及ぼして…みたいな話だったと思う。後年星野之宣がそれをアイディアにしたと思われる漫画を発表して、白鳥の伝説は広くユーラシア大陸全般に波及しているというストーリー…というか、宗像教授は確かそれらの研究をライフワークにしていたんじゃなかったっけ?

 本書はそれらユーラシア大陸全般に見受けられる主に「水」にまつわる伝承を追っていったもの。水に関係するので「羽衣伝説」などの水鳥に関する伝承にも触れている。
 考察というより、それら伝説に関するあらすじが多すぎてちょっと読むのに疲れるが、ざっとこれらについての共通事項を俯瞰するにはとても良い本だと思う。西の果てのケルトと東の果ての日本で、割と共通項が多い伝説が息づいているというのは、真偽は定かでないにせよ、なかなか歴史のロマンというものを感じさせられる。

▼2007年12月26日

卵一個ぶんのお祝い。/川上弘美

 川上弘美の魅力は、基本的にほのぼのとした文体の中にちらりとエロチシズム…というか「えっち」といった方がいいかな、そんなエッセンスがうまい具合にチラ見する事かな…なんて思ったりもする。
 この日記もそうなんだけど、ただの日記の割には時折ちょっと色っぽさを感じる所もあったりして、それがまたほのぼのとした文体にちょっとした生っぽさを感じられて妙にそそられてしまう。そうだな、この軽い「そそられ感」が川上文学の魅力なんだろうか…なんて語れる程たくさん彼女の文章を読んでいる訳じゃないんだけど。

 で本書。実は本屋さんで続編の「ほかに踊りを知らない。」の方をはじめに見つけて面白うそうだなと思い、この本が続編だと知りどうせならはじめから読むのが筋だよなと思って、本屋さん3件ハシゴしてようやく見つけた。まだその続編は買ってません。
 買ったのももう一月以上前の話で、毎日チビチビと少しずつ読んで今日ようやく読み終わりました、明日にでも続編を買ってこようかな。

 帯に「カワカミさんの5分の4はホントの、日々のアレコレ。」と書いてあって、実際本書の内容がどこまで本当なのかわからないけど、人は大人になっても意味不明な事や変な事で悩んだりするんだなと…改めて思いました。

 そう考えると、私は普段から自分自身について考えなさすぎ…って気もしたかな。

▼2007年12月18日

セレビッチ創刊!

 痛ニューでみて思わず吹き出した。なんだよこの名前何考えてるんだ(笑)

 ビッチかよビッチ…。まあ、実際購買者層はビッ…いやいや、わかりませんけど。

▼2007年12月11日

コミックガンボ・休刊

 ガーン!!休刊とはいえ、実質廃刊なんだろうけどなぁ。

 ただ、確かに流通についてはもう少し考えてもよかったかもしれないね。毎週読みたくても、タイミング良くその場でもらえなければ実質読めなかった訳だし、R25みたいに定住のラックをもっと増やせば…って、それも金がかかるしな。かといって、正直Webで見る気にはなれないよね。

 週末に友人とこの漫画誌について話していたばかりだったのに…、実に残念だ。連載していた漫画はどうなるのかな。どこかで続きが発表できる場があるといいけど。

▼2007年12月10日

タータンチェックの文化史/奥田実紀

071210-01.jpg この本読んでいたときにふと気がついたんだけど、そのときの格好はこのザマよ…(笑)。自分ってタータンチェックって好きだっ