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▼2013年11月07日

人口18万の街がなぜ美食世界一になれたのか/高城 剛

PB070296.JPG HONZのこの記事読んで興味を持ち、思わず購入。書評通り、とても面白かったです。

 本書に登場するのは、フランスとの国境に近い、スペインバスク地方にある「サン・セバスティアン」という街。バスク地方と言えば、自転車好きにとっては、あのインドゥラインの故郷ということで耳にしたことあるかも。

 スペインの人口4,500万人に対しての18万人都市なので、本書を読んでから想像するほど小さい街でもないかもしれません。日本の人口比率で考えると、大体40万人都市でしょうか。ザッと上げてみると、福島市・郡山市・水戸市・高崎市・前橋市・長岡市・長野市・松本市・沼津市・などなど…。ま、そんな規模の都市をイメージすると判りやすいのかも。

 で、サン・セバスティアンが何故すごいのかというと、こちらの街、この規模の街の中に、英「restaurant」誌が選出する、世界でTOP-10に入るレストランが二軒もあるそうなのです。美食に縁が無い私には、これがすごいのかすごくないのか、本を読んでいるときにはよく判らなかったのですが、「群馬の高崎市内に世界のTOP-10に入るレストランが二軒もある!」と考えれば、確かにすごいかもしれません。

 その他、詳しい話はこの本を読んで頂ければ判ると思うのですが、この「サン・セバスティアン」が、上記のような大成功を収めた理由は、食のオープンソース化にあるそうです。
 つまり、フランス式、あるいは日本もおおよそ同じだと思うのですが、厳格な師弟制度を否定し、食を科学として捉え、その情報をオープンにして、更なるアイディア、改良をフラットに求めるというものでした。こちらはコンピュータ業界ではお馴染みですよね、UNIXとかLINUXとか、そういう世界に似ているのかな。
 結果、サン・セバスティアンの街は、美食で溢れ、海外からの観光客も増え、街にも活気が戻ってきたとのことです。

 またこの事例は、日本が観光立国として進むにあたってのヒントにもなると著者は書いています。そして、アホみたいにゆるキャラばかりつくる、日本の観光政策についても批判しています。たしかに…そんな頭のねじが緩んだ観光振興策じゃ、パッと話題にはなっても、10年後とかどうしようもないよね。

 製造業が衰退する中、日本だけでなく、この先世界の主要産業は「観光になる」という主張は、ちょっとどうかな?と思いますが、確かに、何かと協会や組合を作って外部への情報発信と情報収集を遮断しがちな日本社会には、このサン・セバスティアンの成功例は耳が痛い事例ではないでしょうか。多分今の日本人にはマネ出来ないんでしょうけど。
 そうそう…最近読んでいる別の本ですが、この閉鎖的な産業構造は「商店街は何故滅びるのか」の考察にも結構重なる部分があるなと思いました。

 もちろん、オープンソース化が全てを解決する訳ではありません。特にその供給元にとっては、時に厳しい決断となる場合も理解します。
 しかし、そのまま伝統や知識・知恵などが、先細りで消え去ってしまうよりは、ずっと前向きな取組み出あることは間違いないと思いました。

 最後にちょっとだけ不満を。自称「ハイパーメディアクリエイター」なら、自著は電子書籍でも販売してほしいものデース。

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