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▼2013年10月31日

本ブログの表示トラブルについておしらせ

 過去に立てたエントリのせいで、一部アーカイブファイルを表示させようとすると、勝手に「josephfusco.org」という、海外のドメイン狩り場サイトにリダイレクトされてしまうトラブルが発生していました。

 原因となるサービス名は「ブログバトラー」というサイトで、このブログでは以下のエントリで紹介していました。

 ・2007年01月06日:ブログバトラー、意外と面白い
 ・2007年01月06日:ブログバトラー始めました

 また、そのエントリを表示する以下のアーカイブページも、同様にリダイレクトされるトラブルが起きていました。

 ・カテゴリ:PCとネット
 ・カテゴリ:ヲタ

 ・日付アーカイブ:2007年01月

 現状は、対象エントリのハイパーリンクを外すことで、勝手にリダイレクトされる現象は解決しています。
 以上、閲覧者の方々には、ご迷惑おかけ致しましたことをお詫び致します。

Mavericksが調子よすぎてつらい

Wave
 先頃バージョンアップした、OSX Mavericksが素晴らしすぎて死にたい…。

 いやいや、そんな事すら思ってしまう程、今回のOSX 10.9へのバージョンアップはいいものでした。

 今、私が日常的に管理しているMacは、合計4台になりまして、どのマシンもMavericksになってから非常に調子が良いです。
 特にMacBookAirの2台で顕著なのですが、バージョンアップ後にストレージ空き容量が増えたこと。両方のマシンとも大体10GB程空きが増えました。それとデータは計測していませんが、両方ともガチでバッテリ駆動時間が延びていますね。こんな魔法のようなバージョンアップがあるのかしら!

 他、マシンの動作速度も、MountainLionの頃に比べ改善されていますよ。
 私の手元で稼働している一番古いiMacだと、SnowLeopardから、Lion、MountainLionと、バージョンアップの度に「ちょっと遅くなったかな?」と思いつつ使ってきたのですが、Mavericksにバージョンアップしてからは、safariのスクロールやAtokの変換など、日々の動作レスポンスが明らかに向上しています。

 ちなみに、現在私が使っているMacのリストとスペックを記してみましょう。

 ・iMac 27inch Late 2009:3.06GHz Intel Core 2 Duo:16GB/2TB HDD
 ・Mac mini mid 2011:2.5GHz DualCore Intel Core i5:16GB/1TB HDD
 ・MacBookAir 11-inch Mid 2011:1.8GHz DualCore Intel Core i7:4GB/256GB SSD
 ・MacBookAir 13-inch Lare 2010:1.86 GHz Intel Core 2 Duo:2GB/256GB SSD

 この中で一番速度的な恩恵を感じているのが、業務用に使っているMacBook Air 13-inchです。去年MountainLionにアップデートしたときは、色々と動きがもっさりしてちょっと後悔したのですが、Mavericksになった途端、Lion時代というかSnowLeopard時代の軽快さに戻った気分。
 更に大きな恩恵は、内蔵メモリ消費量が劇的に減ったことです。MacBook Airは皆さんご存じの通り、メインメモリの増設が不可能。そのため業務用マシンは初期状態の2GBで作業をしているのですが、Mountain Lionの時は、起動してメールとsafariを立ち上げただけで空きメモリが200MB前後だったのが、Mavericksにしたとたん、空きメモリが大体500MB程度まで増えています。メモリ圧縮機能の効果ですかね。本当に助かってます。

 近年、OSのアップデートといえば、機能追加のせいで、どんどんとハードウェアの要求スペックが上がり、動作が重くなり、メモリ消費量も増えるという流れでした。しかしこのMavericksは、むしろ先代のMountain Lionよりも、ストレージ消費量、メモリ消費量、そしてCPUパワーの消費量、更にオマケでバッテリ消費量まで減っています。

 もちろん、全ての環境で上記の恩恵が得られるとは限らないのですが(起動しない、調子悪いアプリもあるようですし)、とりあえず、アップデート可能対象マシンを使っている方は、Mavericksへのアップデート、お勧めですよ。

 そうそう…注意ですけど、OSアップデート後、Mavericksは検索用Spotlightのインデックスを再構築するようです。その間、マシンによるのですが3〜8時間程度?は、OSの反応が鈍くなります。なので、アップデート後にいきなりもっさりでもガッカリせず、しばらく待ってさいね。インデックス再構築が終われば正常な状態に戻ります。

▼2013年10月28日

アニソンばかり売れてJ-Popが売れないこの時代

 アニソンが売れているらしい…というか、アニメ以外の音楽がサッパリ売れていないらしいです。

 アニメソングが席巻、音楽チャート 変わる業界地図:日本経済新聞

 長年アニソンへ積極的に触れてきた私からすると、ヒットチャートにアニソンが出てくるとか、それだけで胸熱なのですが、最近ではそういうのもすっかり珍しくなくなりました。で、最近のアニソン現象について、やはり皆さん気になるようで、ネットでは以前から色々な分析がされています。

 特に多い気がするのが「ヲタは購買力があるから一定の販売数が見込める」とか「J-Popは価値観の多様化の中で埋没している」や「若者が音楽を聴かなくなった」みたいな感じ。AKBとジャニーズ商法で業界が焦土化している…みたいなのもあります。

 上記の理由、どれも当たっていると思うんですよね。音楽を買う層の好みは細分化しましたし、ヲタの方はCDを音楽というよりアイテムとしてゲットする人もいますのでアニメの人気が出れば一定数売れますし、また若者が音楽を聴かなくなった、というより、若者の絶対数が減っているんですから当たり前の気もします。
 AKBとジャニーズはね…なんだかんだでプロダクション主体で作られるアイドルってのは昔から沢山いるのでまた別かな(いい意味でも悪い意味でも)

 もちろん脳は劣化するのです。
 音楽を買うメインの層が歳を取り、少子化で若年層が減れば、相対的に業界は新しい音楽スタイルを模索することもチャレンジすることも少なくなり、かつて流行った懐メロみたいな曲ばかり求められるようになります。現に、ここ数年のCDチャートは、かつての大御所アーティストによるベスト盤が目白押しです。
 しかし、例えばヴィレッジヴァンガードでよくプッシュされているCDは、10〜20年前のJ-Popのカバー集が多かったりします。そしてまた、そういう商品を若い人達が買っていますので(ヴィレッジヴァンガードは20代独身層をターゲットにしています)、今のJ-Pop離れを、単に若年層の人口減少だけに求めることも違う気がするのです。

 また、上記のような外部の環境からの考察は多いのですが、肝心のJ-Popの質はどうなのでしょう。
 申し訳ないけど今のJ-Popとか一般歌謡曲とか、相当レベルが下がってるのではないでしょうか?ハッキリいって、聴きたいなぁ〜という音楽の品質に達してないモノが多すぎます。これは自分の好みとかを可能な限り除外して考えてみても、アニソンに比べ、多様性が非常に少ないと感じます。

 J-popの均一性について、真っ先に思いつくのが「ラブソング以外の不在」です。というか、今メジャー所でリリースされるJ-Popは、100%と言っていい程ラブソングしかないんじゃないかな。
 対するアニソンですが、もちろんラブソングも多いですが、そうじゃない歌も結構あったりします。というか、男女とも「草食系」が叫ばれている現在、未だにラブソングしかリリース出来ないJ-Popは、客観的に見て、市場分析がまるでできていないように見えるのですが、如何でしょうか。

 そういった好み的な分析の他、アニソンとJ-Popでは、新たに生産される商品数の差も大きなモノがあります。インディーズ的なモノは除外して、ヒットチャートのベースとなるメジャー所の商品リリース数を考えてみましょう。

 例えば、近年リリースされるメジャーを狙ったJ-Popは、ぼぼテレビドラマ等のタイアップが行われています。その数をネットでサッと調べてみると、2013秋の場合、地上波で毎週35本前後放送されているようです。その中には仮面ライダーなどの子供向け番組も含まれますので、実際J-Popのタイアップターゲットになるドラマは20〜25本前後でしょうか?テレビドラマの場合多くは、アニメのOP/EDで2曲とは違い、メインテーマ1曲という形式が多いので、全てタイアップにしても、1期で20〜25曲となります。

 対するアニメですが、今期放送されているアニメ数って何本なんでしょう?ちょっと調べが付かなかったのですが、数年前の最盛期で週刊80本と言われていたので、その半分で40前後とカウントしましょうか。アニメの場合は例外もありますが殆どがOP/EDで作品に対して2つの歌があります。単純計算で1期80曲です。

 上記はきちんと資料に当たって弾いた数字ではありませんが、印象も含め、このように、アニソンとJ-Pop、今では市場へ投入される商品数にも圧倒的な物量差がついているように感じます。そして、ファンの質や購買層の違いを無視して考えても、アニソンは単純に商品数が多いだけ、ターゲットを絞った個性的で多様な商品をリリースする環境が整っているといえるでしょう。
 逆にJ-Popの場合は、リリース数が少ないため、アニソンに比べるとターゲットを絞り込みにくく、広く浅い顧客に向けた商品をリリースする必要がでてくるのは仕方ないのかもしれません。
 もちろん、上記で上げた数は概算で出した数字なので、実際のリリース数はまた違うのでしょうが、感覚的にAKBやジャニーズを除くと、アニソンはJ-Popよりも、毎月倍以上の新曲がリリースされている気がします。

 更にアニメの場合、最近顕著になってきたのですが、同じ制作会社・レーベルの別なアニメの歌を、番組内のCMで宣伝することがとても増えたのです。これはとても重要な事で、対するJ-Popは、テレビから音楽番組が殆ど消え、ラジオもトークが主流になった今、新しい商品がリリースされても、耳にできる場所が殆どないのです。

 なので、アニメファンが特に意識せずとも、好きなアニメを見ていれば、現在リリースされている曲を横断的に耳にすることができるのに比べ、J-Popファンは新曲情報、何処で得ているんだろう?不思議です。
 もちろん、音楽はテレビドラマとのタイアップだけではないので、それ以外でも沢山のJ-Popがリリースされているのだと思います。でも、その情報はみんな何処で得るのでしょう。今の世の中、J-Popファンでいるためには、アニメファンよりもマニアックに行動しなければならないのかもしれません。時代も変わったものです。

 という風に、単純にアニソンとJ-Popというイメージが、かつての状況と大きく違っているような気がします。
 J-Pop黄金期は、私的には1990年代前半だと認識しているのですが、考えてみると、あの時代に行われていた販売戦略が、そのまま今のアニソンに活かされ、また、今のJ-Popの多くが、新たな販促手段を手にしないまま(あるいは既存の販促手段を失う中)、知らない間にマイナである環境にすり替わってしまったのではないでしょうか。

 新曲の販売数、それを耳にできる場所、そして曲の多様性…冷静に考えてみれば、今の時代アニソンがJ-Popより勢いがあるのは当然なのかもしれません。

 そして、個人的なジャンルとしての好みはあまり語りたくないのですが、いつまでも90年代然としたラブソングばかりをリリースし続けるメジャー所のJ-Popは、私から思うに、作る人も聴く人も、一定の殻の中に閉じ篭もってしまった印象があり、あまり魅力のあるジャンルとは思えません。単純にそんな風に思っている人も結構いるんじゃないかなぁ。

バイバイ、ブラックバード/伊坂幸太郎

PA050265.JPG ちょっと前の話なんだけど、文庫化されたようなので買ってみました。

 なんでも、二股ならず五股をかけていた主人公が、ひたすら女と別れるだけの簡単なお仕事…(笑)をテーマにした小説だということ。
 年がら年中、人から捨てられるばかりで、こちらから別れ話なんて高尚なことは一生経験が無いであろう私ではありますが、ひょっとしたら何かの時の参考になるかと思って読んでみます。

 このお話は、繭美という女性がキーになっています。これがまたすごい大女でブスで粗雑でガサツ、オマケに性格が悪いという最低最悪な女なのですが、読み進めるにつれて何か憎めない感じになってきます。
 逆に主人公の星野と付きあっていたという女達の方が、なんとなく不気味な気がしました。私には経験が無いので知りませんけど、男女の付き合いってあんな簡単なコトからホイホイ始まるものなんでしょうか?

 つことで、五人との女の別れがオムニバスアルバムのように展開していき、とても気軽にサクッと読めてしまった小説でした。文体も軽快で、また、悲しいシーンにもちょっとしたユーモアの雰囲気があって、とても面白かったです。

 ラストのオチについて、アマゾンのレビューを読むと納得いかない人が結構いるようですが、ああいうサッパリとした終わり方も良かったですね。
 また、彼の他の小説も読んでみたくなりましたよ。

RICOH GR


▼2013年10月27日

宮本常一公演選集1・民衆と文化史

PA270272.JPG みんな大好き!みやもっちゃんの公演選集です。農文教から発刊されておりまして、以降は2ヶ月に1冊程度のペースで発刊される模様。

 私が彼の著書に魅力を感じる訳は、彼の学問には、過去を向いた研究室の学問ではなく、常に未来を見据える提言が含まれているからです。

 本書の中でも彼は「社会問題というのは1日で出来るものではなく、背景には歴史があり、その歴史を調べると人々が何を目指して生きてきたのがわかる、それを体系化したい」みたいな事が述べられています。

 民俗学者というと、よくわからんお寺や祭りを調べるだけの印象がありますが、彼の民俗学は、日本民衆の生き様をリアルに伝えると共に、彼自身、日本の農村を豊かにするため、農作物の栽培方法や文化を様々な土地に伝えたりしています。戦後の日本、宮本常一のおかげで新な土地で栽培を始めた農作物は結構多いのです。

 私自身「歴史学者や民俗学者は現代の社会問題や犯罪に対して積極的に発言すべき!」と思っていますが、彼のように集めた知識を正しく日本の未来に向けて活用しようとする歴史学者や民俗学者が少ないのは残念なことだなぁ…と思います。

 もう、一冊丸々引用しまくりたい程珠玉の言葉で溢れているのですが、その中でちょっと面白い部分を引用。

日本人ほど時なしにものを食べる民族はなかったのではないかと思います。定期的に三食を守って、それ以外にはものを食べないという欧米流の生活ではなくて、やたら食べ、そして日常の三回の食事の時にはあまりおかずは食べません。これが、いつ行っても喫茶店が賑わっているという文化を生み出してきたのではないでしょうか(中略)そのおかげで東京の飲食店は繁盛し…

 これだけを読むと「え?日本人ってそんなに間食多いかな」と思ったりもするのですが、それは私達が戦後、学校生活や会社勤めで時間に縛られた生活を送っているためであり、ここにたどり着くまでの圧倒的な彼の経験に基づく話を読むと、確かに日本の飲食店数はとても多く、時間に支配されない休日などは、あまり時間に関係なくお客入っているよなぁ…と考えたりするのです。

 そういえば、ミシュラン東京の編集に際し審査員の方達が、日本の飲食店数は、他の大都市に比べ桁違いに多いと発言していました(東京約16万、パリ約1.5万、NY約3万、らしい)。日本にいると意識しませんが、外国から見ると日本は飲食店が多く繁盛しているのは事実なのでしょう。これは、宮本常一が言うように、過去の日本の間食という風習が、現代の日本にも通じている例なのかもしれません。

OLYMPYS XZ-1


▼2013年10月26日

「城取り」の軍事学/西股総生

R0312235.JPG 前のエントリで書いた、初Kindle購入本。早速読んでみました。

 私は普段から「お城」について、特別な興味を持っていた訳ではないのですが、やはり、日本史、合戦史、ならびに交通史への興味から、お城についてもそれなりに気にはしていたというレベルです。
 しかし…日本の城研究がこっちの方向に行ってしまっていたんだなぁ…というのは、この著者の主張と同様、嘆かわしいと思いました。

 「城」とは何か?と問われれば,もちろん「戦う」為の施設であります。江戸城や名古屋城、大阪城など、領土本拠地としての天守をもった城ならともかく、多くの城は戦うためだけに作られている訳で、全ての城に城主などいる訳がありません。また、大規模な城ならともかく、山城程度が全て領主勅命により建設される訳もなく、現場の司令官が現地制圧のため、あるいは敵を迎え撃つために急造したモノも多いはずです。近代戦における塹壕陣地とかトーチカみたいなノリで。
 そう考えると、確かに日本の城跡のほとんどに、城主や誰によって作られたかの詳細なデータが有る訳も無く、確かに著者の言うとおり「城跡の説明板は読むな!」という主張も、極論とは言え、確かにそうかなぁと思ったりします。

 また、日本の城研究の多くが、戦闘的視点に欠けていたというのも別な意味で衝撃を受けました。だって…私は山城の跡とか見たら思わず「この城は今私がいるこの道を監視するために作ったんだな」とか「このルートを攻略するにはあの城が邪魔だなぁ」とか、普通に考えていたからです。

 もっとも、この影響はやはり学生時代にシミュレーションゲームにハマっていた影響なのかな…と思ったりもします。緩やかな丘陵地や川沿いの地形を見る度に、ごく自然に「ここに軍団を展開するにはこの位置から見下ろす位置に陣をはって…」みたいな事を、いつも考えたり。そういえば京都に行ったときもそんな事考えたりしてたし…(笑)、これもまた極端かもしれませんけどね。

 そんな私にとって、本書の城と地形に対する考え方は、ホントにすんなりと頭に入ってきて、とてもエキサイティングでした。また、にゃんぱす紀行で寄った青山城についても詳しく解説してたのはよかったです。最近に現地を見たばかりの城なので、とても理解が深まりました。

 例えば、本書に掲載されていた長野盆地の山城群ですが、多くの人は「なんでこんな山の中にいちいちお城築くんだろう…」と思ったりすると思うのですが、現代の地形と戦国時代の地形とは意味が違います。例えば、長野平野の都市部にあたる大部分は、開拓が始まるまでは葦に埋もれた湿地帯であり、現代のように固い大地ではありませんでした。

 これは関東平野にも言えることで、関東の古道である「鎌倉街道」が、どうして山地の方を通っているのかというと、私達が今想像する「関東平野」は、これもまた葦で覆われ、雨の度に地形が変わり、馬車などはもちろん、馬の移動にすら苦労を強いられる湿地帯なので道にならなかったからです。今の関東平野の大部分は、江戸時代…もしくは明治時代以降、河川の整備によって固い大地に生まれ変わったものです(余談ですが稲作ですら日本で始まったのは丘陵地からでした)
 そのため、昔の道は案外山の中を通っていたりすることが多いのです。

 そんな予備知識を持って、本書を読んだり、城跡を訪問したりすると、その意味がとてもよくわかると思うのです。現代の私達が「何好き好んであんな山の中に…」と思う場所も、実は昔の道を見下ろせる場所だったり、あるいは山間の峠を容易に封鎖出来る場所に立っていたりします。

 昔の地形や風景を想像しながら、本書を片手にGoogleマップで位置を確認するとか、歴史好きの方なら結構楽しいのではないかと。というか、私は楽しかったです。

 この西股総生という方は、もう一冊「戦国の軍隊」という本を書いていらっしゃるようですが、こっちも読みたいのですが、まだKindle化してないんだよね〜。なのでしばらく後回しかな。

RICOH GR


▼2013年10月19日

セール中のkindle paperwhite 3Gを買ってみた

EA190352.JPG そろそろ電子書籍な気分?って訳でもないですが、最近ゾンアマさんで本を買おうとすると、意外とKindle対応の本が増えてきたな…と思っていたのです。

 そんな折、ブログ友達のakiratch氏が、どうやら最近Kindle版での漫画購入にはまっているらしく(この辺わかりにくいのですが、彼がKindleというハードウェアを持っているかは不明)イニDとかFとか全巻揃えたみたいな事を顔本の方で書いていたので、だんだん興味を持ってきました。

 去年の販売時前に一度予約しましたが、時期尚早かと思い予約を一旦取り消した経緯もありましたが、そろそろいけるのかな?と思って、新型機発売にともない10月20日迄の限定でAmazonでセール中になっているkindle paperwhite 3G(2012年版)を購入。昨晩無事手元に届きました。


● 司令官、Kindleに3G回線があるじゃない!

 私がKindleというハードウェアの中でpaperwhiteを選んだ理由はハッキリしていました。

 上級機であるfireなどのカラーディスプレイ付きKindleは、私が持っているiPadと競合します。というか、それを使うならiPadでKindleアプリを使えば充分なのです。
 fireよりもpaperwhiteが優れている点は、電子インクによる可視性と、2週間保つというバッテリ、そして本体が軽量にできていることにあります。特に本体重量は、一般的な文庫本の平均よりも軽いとされる222gです。つまり、持ち出して「本を読む」事に特化したハードウェアであるのが魅力です。

 次に、何故wi-fiモデルではなく3Gを選んだかというと、値段も安かったというのもありますが、やはり「何処でも本を買える」というソリューションに魅力を感じていたからです。それと、私が今までKindleで本を買うときは、iPhoneアプリで殆ど外出先というシチュエーションが多かったからというのもあります。
 私の場合は普段はPocket Wi-fiを持ち歩いていますので、実はKindleが3Gモデルである必要性はかなり薄いのですが、やはりガジェットの基本はスタンドアローンでネットワークにつながってこそ!
 実際は3Gネットワークで外出時に本を探して買うというより、失礼な話ですが、本屋さんで見つけた面白そうな本のKindle版があるのか?をその場で探して買う事の方が多い気がします。
 あ、ちなみにKindleの3G通信は無料ですが、KindleストアとWikipedia以外の閲覧は制限されてますよ。無料なので仕方ないですね。

 最後に何故セール中とはいえ旧モデルを買ったのかというと…このkindle paperwhiteというハードウェアは、ハードウェアに価値を見いだすビジネスモデルではないからです。
 Kindleというソリューションの価値は、当然ながら端末ではなく、購入したコンテンツにあります。私達はそのコンテンツを、iPhone、iPad、アンドロイド端末、PC/MAC(日本のアマゾンではまだみたいですが)、そしてKindleのハードウェアを使って利用できます。kindle paperwhiteという端末は、その中でひとつの閲覧手段でしかありません。だったら、何も最新機種ではなく、型落ちの安い品を2年程度で使い捨てにしていった方が合理的な気もしますし、今頑張ってニューモデルを買っても、結局1年経てば同じです。
 更に私の場合は、iPhoneもありますし、iPadもあります。kindleで買った本をカラーで大きく綺麗なディスプレイで見たいなら、iPadで見ればいいのです。paperwhiteは、あくまでも外出先で文字を読むための端末であればそれで充分。最新スペックのハードウェアである必要はありません。

 私がすぐに旧モデルになるpaperwhite 3G 2012を選択した理由は、以上です。


● じゃーん!Kindleの使い勝手を紹介するわ

 ということで、私にとって初の電子インク端末ですが、これは想像以上に本を読むのに適していると思いました。
 記念すべき、kindle paperwhite内からの初購入書籍は「城取りの軍事学」という本。本屋さんで買おうか迷っていたのですが、Kindle版があるのを見つけたので。

 早速読み始めてみると、Kindleの書籍は、一般的な本のように、手や指でページを押さえながら読む必要もないし、暗いところでもディスプレイ自体が発光していますので、とても読みやすい。私はまだ老眼のケはありませんが、文字サイズを自由に変えられるというのは、お年を召した方にとってもすごく便利だと思います。

 また、私の読書スタイルとして、複数の本を並列で読むことが多いので、常にカバンの中には2〜3冊の本を入れて歩いているのですが、これらの本が全てKindleで買えるならば、この端末一台を持ち歩けばそれで済むこととなります。そうなると毎日の荷物が劇的に軽くなってこれまたとても便利です。

 逆に欠点というか、少し気になるところは、液晶の反応速度が遅いこと。
 これが気になるのは読書中ではなく、スリープ解除時にパスワードを入力するときや、内蔵ブラウザでアマゾンの本を検索する時など。もう少しキビキビと反応してくれるといいなと思いますが、本を読んでいるときにはあまり気にならないので、別に問題ないかな?

 あと、これはKindleではなく電子書籍全般の欠点だと思いますが、ページのあちこちを行ったり来たりするような読み方がめんどくさいかも。例えば今読んでいる第五章の登場人物について、ちょっと生い立ちを忘れたので第一章に戻って…みたいにパラパラーとページをめくるやり方が印刷本よりもやりにくい。栞やブックマーク機能を使いこなすって方法もありますが、そういう事でもないんだよね。


● 堅苦しい活字本より、やっぱコミックよね!

 つことで、活字本が読みやすいのはわかったとして、コミックはどうなんでしょう?と思い、前のエントリで紹介しました「のんのんびより」の原作コミックKindle版を買ってみましたよ、にゃんぱす〜。

EA190346.JPG コミック本の場合、活字本に比べデータ量が多いので、3G通信でのデータダウンロードが制限されています。購入手続きはできるのですが、Wi-fi環境がなければ端末に購入した本を持ってこられないのです。ま、仕方ないですね、無料の3G通信させてもらってる訳ですから、あまりトラフィックを占有する訳にもいきません。

 さすがに絵のデータはちょっとは違和感あるのかな?と思いながらもページを開いてみますが、思ったよりもちゃんと読めるというか、読みやすいですね。カラーページもキレイにグレースケール化されています。むしろ、最近のマンガは余白をタチまで使ったり、ノド(本の中間で閉じてある方)元まで絵を描き込む作家が増えていますので、一般の本と違って1P全体がクッキリ真っ直ぐ表示されているのは、生原稿を見ているようで何か新鮮な感じがしました。

 カラーページについては、私の場合は別にiPadがありますので、こちらも問題ないですね。ただ、paperwhiteオンリーで漫画を買って見る環境だと、当然カラーページはカラーで見られませんので、印刷版よりも少し割安とは言え、Kindle版だけだとちょっと欲求不満になるかもしれません。


● kindleの魅力はどう?へ?気付かなかったの?ひっどーい!

 ということでまとめですが、これが約1万円の価値があるハードウェアなのか?と言われると、ハードウェアとしては1万円の価値ないと思います。というか、kindle paperwhiteはそのような製品とサービスではありません。

 ではこのkindle paperwhiteの何処に価値があるのか?というと、本を沢山買って沢山読んで、アマゾンに魂を売ってもいい人にとっては、素晴らしい読書ソリューションです。
 なんたって、買った本を何千冊も(公式では2,000冊だっけ?)持って歩き、自由にいつでも閲覧出来るんです。しかも物理的に本を収納するスペースは必要ありません。特に旅行に出かけるときなどは便利でしょうね。本って意外とかさばりますし、長期の旅行だと暇つぶし用の1冊じゃ足りません。

 同様のサービスでは、楽天のkoboがありますが、Raboo切り捨ての顛末を見る限り、あちらに魂を売るつもりにはなれません。
 もちろん、アマゾンが未来永劫のサービスだとは私も思っていませんが、国内のkoboサービスなんて気まぐれな楽天のこと、来年にサービス終了のアナウンスが出ても、別に不思議じゃないですからね。

 どちらかというと、この手の電子書籍端末には否定的な方で合ったワタシですが、スマートフォンで読む電子書籍と、専用Kindle端末で読む電子書籍では、コンテンツの評価すら左右しかねない程、メディアとしての差が実感出来ました。

 電子書籍という形態にあまり抵抗がなく、普段からそれなりに読書を楽しんでいるなら、これらの電子インク端末は、知的エンタテイメントのより良いパートナーとなってくれると思います。

OLYMPUS E-3 + Zuiko Digital 11-22mm F2.8-3.5

▼2013年10月14日

【にゃんぱす】埼玉県小川町へ行ってきました【速報】

 今期秋アニメも始まりましたね。
 そんな中、のんのんびよりというアニメがありまして、どうやらそれが「埼玉県小川町」を舞台(実際は市内の学校をモデルにしているのみ)…と、某Facebookで話題になりまして、だったら見てこようかなぁ…と。

 で、実は何故小川町とうキーワードに反応したかというと、別な理由もあったのですが、それはあとで。

 さて、雲ひとつない日曜日の朝8:00前、ブロンプトンを折り畳み東武伊勢崎線の(スカイツリーラインなんて呼ぶもんか)草加駅から羽生駅まで行き、秩父鉄道に乗り換えて埼玉県の寄居町までいきます。そこからブロンプトンに乗って小川町へ走る予定。
 羽生駅の秩父鉄道ホームでは丁度急行電車が停車中でしたので、運賃の他200円払って急行に乗車。寄居駅には11:00過ぎに到着しました。さーて、観光の始まりです。当日は本当に色々とたっぷり楽しみましたよ。


● SL見たのん!

 寄居に行く途中、石原駅で見てしまったのです!対向列車待ちの駅停車中に、SLのC58と客車編成をデキ100が牽引回送してすれちがってゆく姿を!そうか…今日はSL運転日なんだね。つことで、ネットで時刻表を調べたら、SL列車は寄居駅を11:00に出発する予定。よし、SL見ちゃいましょう。

 つことで、SLタイムまで寄居市街を一回り散歩します。寄居町は秩父盆地につながる荒川沿い、秩父山地と上武山地が丁度平野部に達する辺りに開けています。今も昔も交通の要所となっており、特に昔は秩父盆地への入り口として栄えました。街並みを見ると、その面影が至る所に散見出来ます。
 ただ、駅前のLIFEは閉店したままになっており、交通の主役が水運から鉄道、そして自動車と移り変わる中で、市街の風景は徐々に変化しているようです。

 そんな寄居町ですが、実は歴史マニアにとってもよいところ。こんな交通の要所ですから、当然ながら城跡も沢山残っていたりします。現市街の外れにある鉢形城跡を筆頭に、市内から見える山のピークは残らず城跡ともいえる状態になっており、花園城猪俣城、金山要害山城、虎ヶ岡城、仲山城、天神山城などなど…無傷では秩父へ抜けられない程の城っぷりです。
 特に寄居から秩父へ抜ける街道の入り口にある花園城は、比高(麓からの高さという意味)80m前後で寄居市内を見下ろしています。

 てな具合に市街地と回りの山々を見て歩いているうちに時間となりました。早速寄居駅手前にある踏切付近で待機。すると「ボォーーーーッ!」という汽笛と共に、来ましたよ来ましたよ貴婦人ことC58様が!SLって相変わらず迫力がありますのん!

R0312015.JPG↑C58-363!その美しい姿から「貴婦人」の通り名もあるyo!

 特にC58は、タンク式ではなくテンダー式(後ろに水と石炭車を牽引している形式)の本格SL!格式ありますねぇ。
 関東では真岡鐵道C11C12は両方ともタンク式なので、テンダー式SLはなかなか見ることができません。真岡鐵道所有の9600形は、確か営業運転してなかったと思うし。

 あと、電車と違って客車ってのは、乗車してみるとわかるけど、静かでいいんだよね。床下にモーターなどの動力部分が全くないので、特に列車の後ろの方だと、駆動振動が全くない。これは是非一度体験してみた方がいいと思います。


● 坂道登ったのん!

 つことで、SLと寄居市街と景観を堪能した後は、いよいよ小川町方面に出発!普通に行くと、国道254号線を経由するのですが、折角自転車なのに、国道走ってもつまんない。あまり標高が高くない山を登ったり下ったりと、なるべく小さな道を通って小川町へ向かいます。
 で、その途中、私は見てしまったのです。雷電山などという、現在育成中の第六駆逐隊に所属する、雷ちゃん電ちゃんのダブルネームという大変な山を!さすがに登山しようとは思いませんでしたが、山の周りは一周してみるかなと。

 まずは県道273号線に入り、雷電山の西側にある峠に向かいます。反対側からロードレーサーが数台下ってきていますので、自転車乗りには有名な道なのかもしれません。
 私もブロンプトンで坂道を登りますが、ブロンプトンの登りって実は大変なのん!あるところまでの傾斜なら、ブロンプトンでもちゃんとクランクの回転を標高に変換出来るのですが、なんせ下のギアが少ないブロンプトン、傾斜が一定を超えると、思いっきりペダルを踏みつけるしかなくなります。コレが辛い…本当に。
 つことで、ひいひいイイながら峠を登り、そろそろ登り切ったかな?と思ったところでまた見てしまったのです!林道への分岐を。更にその林道の先には「雲河原」などというなんだか魅力的な地名まで。…いやいや、ここまで登るので既に大汗かいてます。これ以上はもうミリ!…って、あれぇ?何故か私の手足は思考を無視し、分岐路を左に入り林道雲河原線方面へ、ひぃ。

 で、ひぃひぃいいながらブロンプトンで登ってきましたよ。フレーム割るかチェーン千切れるかみたいな勢いでペダル踏みつけてましたからね。死にそう。
 峠の頂上には四幡神社という神社がありました。そこを少し下っていくと雲河原地区です。

R0312107.JPG↑雲河原地区、ピアノの音が聞こえるのどかな集落

 ちょっと驚いたのは、こんな山の上に結構な集落が会った事。雲河原とか、何かの広場のことを指す地名かと思っていたら、ちゃんと人が住んでいました。失礼ながら、何でこんな山の上に?って感じ。
 近くの家で誰かがピアノのレッスンをしていたみたいで、ピアノの生音が集落内に響き渡っています。いい感じだなぁ…。それと、集落内には雷電山登山口もありましたが、さすがにそこはスルー。ちょっとした秘境を見て充分満足したし、時間も13:00時を過ぎていますので、山を下りることにしました。

 下りはこれまた結構な距離があり、正直こんなに登ってきたかなぁ…と思う位長かったです。カーブの要所要所には「自転車でのスピード出しすぎに注意」みたいな看板もアリ、サイクリストの方も良く訪れる道なんでしょう。私が走っているときには誰ともすれ違いませんでしたが。

 下ってから、先程の県道273号線へ合流し、小川町市街へと向かいます。さて…ここからが本番!


● お城を見たのん!

 そうなんです。何故小川町というキーワードにビビッときたか、で、何故アニメ1度見た程度で聖地巡礼しちゃうのか。その理由は、小川町にある青山城が目的だったからです。

 青山城とは、小川町の仙元山近くにあった山城です。
 この山城は、比高160mを誇り、かつて交通の要所であった小川町に入る街道を見下ろす形でそびえています。当然今は城跡なので、麓から城の佇まいは全く見受けられないのですが、城跡そのものは比較的保存状態が良く、メインとなる第1曲輪から、第2、第3曲輪まで、そしてそれらの間にある堀切などがハッキリとわかるそうです。

 今まで「山城」というモノについて現地に出かけたことがなかった私は、一度見物に行ってみたいなぁ…と、前から漠然と思っていたのです。そのタイミングで、アニメのんのんびよりが始まりましたからね、こりゃもう行くっきゃナイト!です。

 雲河原方向から下ってきた私は、青山城西側からアプローチすることにしました。登山道入り口には仙元山登山口と書いてあり、青山城跡まで50分とありました。ブロンプトンを置いて早速登山開始!

 前半は結構急な登山道をはぁはぁ言いながら登ります。その後傾斜が緩やかになり、仙元山尾根に達すると、山頂方面と青山城方面への分岐があります。分岐を右に進めばすぐに青山城跡です。結局てっぺんまで20分程度で登ってきました。50分はかからないんじゃないかなぁ。

R0312141.JPG↑沢山撮ったけどこの写真しか人工物っぽく見えない

 私のコースだと、まずは第3曲輪からとりつくことになります。曲輪手前と奥にある堀切を超えて登ると、青山城の中枢、第1曲輪です。
 第1曲輪は結構な広さがあり、木や雑草を除去すれば、100人程度は余裕を持って野営できそう。そこから北側の小口…こちらは退却路なのではないかと推測。そして南西の第2曲輪。こちらの堀切は結構深く、ロープが張られていました。

 今の青山城跡からは眺望がありませんが、現代の山と違って昔の山は継続的に植林がなされていませんでした。そのため、禿げ山や低層樹木で覆われた山が沢山あったのです(変な話ですが「艦これ」ブームの昨今、旧日本海軍艦艇が内地で停泊してる写真を見たら、背景の山に注目してみて下さい。結構禿げ山が多いです)
 その時代を考えながら周りを見渡すと、こちらの山城は鎌倉街道を攻め上る軍勢に対しての守り…もしくは補給路監視の為に作られたのではないかと想像出来ます。また、近隣にある小川町市街が全く見下ろせないのもポイントで、もし小川町防衛のために築かれた城なら、隣の仙元山へ築城するのに決まっているのです。こういう、明確な戦術目的を持っている城というのは、なかなか見ていて為になります。

 関東で都心近郊にあり、JR八高線、東武東上線で気軽に行ける本格的山城跡なので、興味がある方は是非出かけてみるといいと思います。やはり歴史は現地を見ないとねぇ。

 その後は、ササッと青山城跡をもうひとまわりして、山を下ります。結局往路・復路合わせて1時間程度の滞在でした。満足満足…。そうそう、城跡の写真については、こちらの「旦那さまと私」というブログがとても良くまとまっていますのでご参考に。


● 下里分校跡見たのん!

 で、最後にようやく聖地巡礼っぽいネタを。こちら、アニメの人気次第でこの先アレな人達が大勢訪れる観光スポットになるかもしれない、小川小学校・下里分校の跡地です。

 跡地と言いつつ、校舎も校庭もちゃんと残っています。
 廃校になったのは2003年らしく、その後は教育施設として利用されているそうです。春には桜の名所として有名なのですが、この先、アニメの聖地として有名になれるかな?

R0312171.JPG↑小川小学校下里分校なのん

 ちなみに、アニメ「のんのんびより」に登場する学校は、小川町のこの小川小学校下里分校がモデルになっていますが、舞台は小川町ではないようです。というか、この分校から、ちょっと遠いですが歩いて行ける距離にはコンビニだってありますし、牛が道路を歩いている事もありません。ただ、付近にはヤギがいて、度々イノシシも出現するようです。あと、まむし注意って看板が至る所にあったな。

 ついでに言うと、第1話で出てきた学校の裏山、もし小川町のこの場所が舞台だとしたら、その山は今登ってきた青山城跡になってしまう訳で…それはそれで萌えますけど、やっぱり違うみたいですね。

R0312193.JPG↑下里分校と青山城…ってのはウソ、逆光で撮れなくて青山城はもっと左

 学校跡地には、懐かしのジャングルジム、鉄棒、そして校長先生が上に立っておしゃべりする朝礼台などがあって、大分日も傾いてきた中、のんのんとまったりとした時間を過ごすことができたのでした。

 その後は、一度下里分校跡を西に行き、小川町の農村部の光景を堪能。里山とそれに隣接した畑や田んぼなどが織りなす素晴らしい景観を味わった後、日が暮れてきたので小川町市街へ戻ります。


● いやいや、ウチが住んでるのに、田舎のわけないじゃない?

 つことで、小川町中心部は、私が生活している東京都に隣接した埼玉県地区に比べると、首都並みに栄えた街wでした。日も暮れてきたのであまり街並みは堪能できなかったのですが、なかなかいい感じの雰囲気を持った場所ですね。古くは街道と水路が集まる交通の要所として栄えていたそうですが、市街の構造を見てもそんな雰囲気が多分に残っています。
 今は和紙の里としても有名ですが、カタクリやオオムラサキの街としてもアピールしているようです。

 そこから、ブロンプトンを畳んで、東武東上線の快特に乗って家へ帰ります。お疲れさまでした。しかし…色々と遊びまくった一日だったなぁ。とてもよい休日でした。

R0312095.JPG↑当然小川町内のバスは2時間に1本という事はないのでした
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▼2013年10月13日

栗駒山登山未遂

 三連休初日の土曜日!天気は晴れ予報!日本列島は紅葉真っ盛り!!だと聞いていたので、久しぶりに家族で紅葉を見に行こうという話になりました。

 それならば、登山口から1:30程度で山頂まで登れる、宮城県栗駒山とかいいのではないかい?とのことで、宮城県・岩手県・秋田県にまたがる栗駒山まで、イザ出発!

 つことで、バビューンと東北自動車道を突っ走って、登山口のある「いわかがみ平」まで。

 しかし、事前の天気予報とは裏腹に、現地は嵐一歩手前の悪天候。土砂降りの雨が散発的に降っている上に、ものすごく風も強い。ちょっと家族登山という気象条件ではなかったので、登るのはスッパリと諦めました。残念です。ちなみに紅葉はすごく綺麗でしたけどね。

 で、折角こんなに遠くまで来てしまったので、仕方なく近くの平泉にある「中尊寺金色堂」でも見に行くかと。私も行ったことなかったし。

 初めて出かけましたけど、中尊寺っていうひとつのお寺があるんじゃなくて、その一帯に色々小さなお寺やお堂が点在してるんですね。その一つ一つに、おみやげやさんとお賽銭入れがありますので、全てを参拝すればなんか御利益がありそうですが、それだけで一日終わってしまう感じ。

 途中から参拝も飽きた(笑)ので、金色堂を目指します。ちなみに金色堂参拝には別料金がかかります。

 金色堂ですが、堂そのものは鉄筋コンクリート製の建物の中に移築されています。その中で金箔などの復元を行ったそうです。写真を撮ってきたかったのですが、中は撮影禁止なので見るだけ…。確かにすごいモンでした、けど、大きな建物の中に入っているという神秘性もあったのかもしれません。しかし、東北へ旅行したら一度は見ておいた方がいいかもね。

 こちらは、金色堂の建物からちょっと東にある、白山神社能舞台。こちらでは定期的に能や歌舞伎が奉納されているようです。この建物は良かったなぁ。舞台の後ろ斜め方向に廊下が延びているという、ちょっと不思議な形をしていました。

 一度火災で焼失しているようですが、それでもこの建物も1853年に再建されたモノらしいので、なかなか歴史があります。中尊寺に出かけた方は、是非こちらの建物も見学して下さい。

 さて、中尊寺見物に大分時間をかけてしまいましたが、東北にやってきたのなら、一度は津波災害の跡地を見ていこうと思い、一ノ関から石巻方面へ向かうこととします。石巻へは、国道342号線を経由して国道45号線をひたすら南下するのですが、北上川沿いの道は、迫力があって素晴らしい景観でした。

 そして、石巻へ近づくにつれ、路上にはだんだんと大型トラックが増えてきます。石巻市へ入り北上川と別れる辺りになると、道の脇には瓦礫の山、仮設住宅、そして沢山の重機・建機が待機しているヤードなどが見えてきます。
 正直、市街地を走ってみた印象は、思ったよりも復旧が進んでいるな…という印象でした。しかし、石巻駅前を抜け、石ノ森章太郎博物館を超えて、旧北上川沿いを渡った海沿いに出ると、そこには津波で崩壊したままの地がありました。

 正直、もう震災から2年半経ちますからね。津波で流された跡地は空き地になっていても、道路などはキレイに直っているのかな?と思っていました。しかし、実態はそうでもなく、旧北上川を渡った後から、路面は急に荒れ始め、道路脇にあるガードレールやフェンスはぐにゃぐにゃに曲がったまま。そして何より、まだ崩壊したままの建物も結構残っています。

 帰りは日和大橋を通って再び石巻市街の方へ。この橋は昔ヲタ友達と「ひよりん〜☆」とか言いながら通っていた橋ですが、それにつながる道はアスファルトにも段差ができて、すっかり荒れ果てた印象になっています。あの頃はとても綺麗な道路だったのですが…。

 日和大橋を抜けてすぐの交差点を右に入り、石巻市街に戻る途中、津波で流された日和幼稚園の献花台や、頑張ろう石巻の慰霊碑などがあります。
 それらの光景、なんだか、止まってジロジロと眺めながら写真を撮ってくる気分にはなれず、見るだけで通過してきました。

 石巻市街へ再び戻り、その後は松島方面へ抜けて高速道路…、家に帰ってきたのは22:00時過ぎだったかな?当初予定していた登山がなかったため、一日中クルマを運転しているだけみたいな休日でしたが、たまにはこういう自動車移動メインの観光も楽しいものです。

 しかし…栗駒山に登れなかったのは悔しいので、来年にでももう一度チャレンジしてみたいと思います。

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OLYMPUS E-3 + Zuiko Digital 11-22mm F2.8-3.5

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