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▼2021年03月17日

PRaT soundさんに行ってきたよ

https://live.staticflickr.com/65535/51011086298_6fb6597a2b.jpg 以前から一度お伺いしたいと思っていた東所沢のPRaT soundさん。ちょうど別件で所沢に行く用事が出来たので、帰りにお伺いして音を聴かせてもらいました。

 店名にもあるPRaTという言葉は、主にイギリス系(でいいのかな?)オーディオで盛り上がった、ある意味オーディオの思想とポリシーを表した造語。意味はPace(Pitchという説も), Rhythm and Timingの頭文字で、説明すると色々と面倒だし、それぞれの方に主義主張ってのも在りますので、簡単に言えばここのサイト名にもなっているFlat Earth Audioって事です(笑)

 説明放棄のオチはともかく、要はアメリカンハイエンドとは違った価値をオーディオに求めるといいますか…解像度よりリズム、空間表現よりタメ…みたいな感じとでも言えばいいのか、Flat Earth Audioについてより深く知りたければTOM TOM AUDIOさんの解説記事をお読み下さい。英語ではありますが、残念ながらこれらのサウンドについて日本語で詳しく解説している文章を見たことがありません。

 話を戻してこのPRaT soundさんですが、試聴室に入って早速音を聴かせてもらったのですが、ちょっと目の前の視覚情報と耳から得られる情報とのギャップが大きくて驚きました。
 だってね…失礼かもしれませんが、往年ダイヤトーンの単箱にツィータ足しただけのシステムですから、そりゃそういう音を何となく期待しちゃうじゃないですか。それが、どこまでもストレス無く広がる音空間。個人的にアポジーなどの平面スピーカー的に、ユニットが背圧や箱を気にせず歌っているという印象。店主とは以前から親交があり、この方のオーディオテクにはいつも感動しまくりなのですが、にしても改めて聴かせてもらうとスゲーなと思いました。
 この音の秘密は、店主のテク以外にも、長崎オーディオラボのサウンドアクセラレータによる効果も大きく、メインスピーカーはその効果を確かめるためにスイッチでアクセラレータオフにも出来るのですが、オフにした音は「あ…これだよね、単発箱のこのちょっと古めかしくも暖かい」みたいに視覚情報と耳との情報がちゃんと揃って安心する感じ。もちろんクオリティーの差は全然違うわけですけど。

 というか、サウンドアクセラレータって、自分も「クリックレスポンス」というUSB型の製品を愛用していて、PCオーディオに使っているMacminiに突っ込んでそれなりの効果を確認しているのですが、本来のスピーカーユニットに付けるサウンドアクセラレータはスゲーな。これはもう「音が良くなった気がする」ってレベルじゃないです。というか、普通はこの箱からこんな音どうやっても出ません。

https://live.staticflickr.com/65535/51011086433_0fdf10f54b_m.jpg で、更に驚いたのがサウンドアクセラレータを装着したAKGのK240で、これはもう頭にかぶった瞬間にビビりましたよ。
 近頃の数十万円とかする超絶ハイエンドヘッドホン迄は知りませんけど、これマジですごいですよ、STAXとかいらねーよ!という程の超絶解像度…というか解像度じゃないんだよね、なんだか左右のユニットが本当にのびのびと音を奏でている感じ。なのでサラサラした高域の空気感や熱いドラム、重低音のベースなどの全てが当たり前のように鳴っている。
 比較用として、ヘッドホンランクで言えばK240時代の同社ハイエンドのK702があったのですが、かぶった瞬間「あ…だめ、話になんない」って出来。というか自分も持ってるK702がこんなに鈍くかったるいヘッドホンだとは思いませんでした。いや…K702も悪くはないのですが、このお店のK240とは比べられません。ヘッドホンサウンドに興味がある人は、是非一度聴きに行ってみて下さい。ビビると思います。

 ヘッドホンのアクセラレータ装着については、分解できて、ユニットの金属フレームにアクセス出来て、更に内部にアクセラレータ突っ込むスペースさえ在れば、他のヘッドホンでも可能みたいですが、なかなかそういうヘッドホンって無いみたいで、装着可能かどうかは店主にご相談を(といっても実物バラさないと分からないだろうけど)

 その他、ルーター用のオリジナル電源(NUROのF660Aに使っていた)の話や、オーディオラボ製のプリメインなど、色々とお話をお伺いしました。おそらく2時間程度滞在したかな?あっという間でしたが、実に有意義な体験でした。

 そして、このお店でもっとも大事なことは、これだけ高品質高解像度なサウンドなのに、ちゃんと身体が踊る。フラットアーサーなサウンドを信条としている私としては、ここが一番素晴らしい点でした。

https://live.staticflickr.com/65535/51011897797_3b43ba8c3b.jpg

 こんな珍盤(レアに見えないけど意外とレアな盤)での試聴も可能。J9シリーズの楽曲は神すなー。

iPhone12 Pro MAX

▼2021年01月31日

【令和最新版】AirPods MAX登場【Bluetooth5.0】

P1310587 思えば、私のこの手のヘッドホン系オーディオ道楽にとどめを刺したのが、初代AirPods。その後AirPods Proを入手して、ますます他のイヤホンやヘッドホンは使わなくなってしまいました。そして今回のAirPods MAX。
 まぁ…道楽続いているのでは?なんて話もありますけど、少なくとも他社のイヤホン、ヘッドホンにはほぼ興味がなくなりました。

 AppleのAirPodsシリーズ、巷の評価では「iOSとの親和性は素晴らしいけど音がイマイチ」という点が多いですが、個人的にはその音質も素晴らしいと思います。
 その辺の評価は過去のエントリを参照してもらうとして、今回入手したのは最新シリーズAirPods MAX。このエントリを書いている現在だと、オンラインストアで注文してもおよそ1ヶ月待ちのようですが、ちょくちょくみていると、たまにAppleStoreでの在庫が出現したりします。で、たまたま昨日の朝にオンラインストアをみていたら、本日AppleStoreでの受け取り在庫があると出まして、だったら都内行くついでに買うかなと…そんな衝動的なノリで入手してしまいました。まぁ…そのうち買おうかとは思っていたんですけど。

 決済はオンラインで…そしてAppleStoreの青山に行って受け取ってきました。その後近くにあったスタバで開封し早速使用開始。ペアリングもお馴染み、手持ちのiPhoneに近づけるだけの簡単セッティング。そしてさっそく音楽を聴いてみます。

 実は以前、このAirPods MAXの音は聴いたことはあって、その時も非常に高品質な普通の音といった感想だったのですが、自分で買って聴いた印象もまさにその通り。特定の帯域に偏った高音質さとか、解像感を強調した…あるいは低音をバカスカ言わせるといった見せかけの音を感じません。とにかく普通の音。ただそれがまたいいんですよね。AppleはこれらAirPodsシリーズの音決めに、相当なリソースをつぎ込んで熟成しているなと感じます。
 一聴すると地味な音に聞こえなくもないのですが、下から上まで自然に音が伸びていて、ちゃんと聴くと極めて高解像度で音を出している。まぁ…高音質とはいえBluetoothのAACなので、ハイエンド有線ヘッドホンにはもちろん敵いませんし、そもそも比較するのも無駄ではあるのですが、無線Bluetoothヘッドホンの中では、AAC以外のコーディックを含めても相当高品質だと思います。

 ちなみに写真に出ている2種類の無線ヘッドホン。
 AH-GC20-MDKWH-1000XM3とAirPods MAXですが、AAC接続においてAH-GC20は音質もノイズキャンセリング性能も確実に敗退、あ…ガイダンスの音の可愛さなら勝ちかなw。
 WH-1000XM3については音質については好みの差かなと思いつつ、自分の評価ではやはり不自然なSONYサウンドで敗退、ノイズキャンセリング性能は、単純な性能比較だとWH-1000XM3も相当なレベルなんですが、これね、ノイキャンかけると耳に結構な圧を感じるのね。Appleのノイズキャンセリングはよくわからない謎性能のおかげで、耳に対する圧迫感が殆どない。それでノイキャン性能もかなり高いので、この点でもWH-1000XM3は敗退かな。
 最近では後継機のWH-1000XM4が発売されていますので、ガチ比較だとそちらと比べないとアンフェアかもしれませんけど、そんなにヘッドホンばかり買い漁ってる訳にもいかんしね。ちなみにApple製以外のイヤホン・ヘッドホンで最後に買ったのがこのWH-1000XM3だったと思います。

 このAirPods MAXですが、製品のコンセプトが何となくParrotのZikに似ている気がします。
 Zikはまさにコンセプト先行型で、実際使い始めると何となくイマイチだった訳ですが、そのコンセプトを熟成させ完成させたのがこのAirPods MAXなのかもしれません。

 その他、空間オーディオ機能に驚愕したところとか色々書きたいことはあるのですが、まずはここまでで。


20210201追記

 AirPods MAXの音質でひとつ追加。自分のメインオーディオ再生用Macminiは、色々理由があってまだOSがEl Capitanなのですが、こちらにBluetooth接続して音を出すと、びっくりするくらい音が悪くなります。確かに対応OSの要件を外しているとはいえ、iPhone(iOS 14.4)で同じフォーマット、同じ曲を再生しても、全然音質が違います。
 まぁ…最新のiOS、もしくはMac、またはApple製品のどれかを所持していない人がこの製品を買い求める状況はあまり想像できませんが、上記の音質を実現しているのは、同じAppleのモダンOSで接続したとき限定と言えるかもしれません。新しいiPhone、iPad、もしくは新しいMac OSとの連携を考慮していない、更にはApple製品以外での汎用Bluetoothヘッドホンとして本製品を使うつもりの人は、よくよく考えた上でお買い求め下さい。
 それと、初期設定ではデジタルクラウンの操作方向が、一般的なオーディオアンプのボリウムと逆方向なので、iPhoneから設定を反転させた方がよいかもしれません。

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▼2020年09月26日

NAIM AUDIO NAC62+NAP140

https://live.staticflickr.com/65535/50385189777_063554f501_m.jpg 元はといえば、NaimAudioのMMフォノボード、NA322が欲しかったんですよね。ただ、ebayとかで相場を見ると日本円でおよそ2万円前後します。一方、そのMMボードを搭載しているNAC42やNAC62は、大体日本円で3〜4万円で取引されています。だったらプリアンプごと買ってしまった方がトクじゃね?と思ったのが今回のNAC62入手のきっかけでした。

 実のところ、ネイムの偶数番プリには興味があったのです。NAC22…はヴィンテージ過ぎるとしても、42、そして42.5、更に62。
 42は仲間内の誰かが持っていたような気がしましたし、手持ちで余っているパワーアンプのNAP140の時代的には、NAC62の方がふさわしいかなと、パイロットランプも同じグリーンだし。
 ただ、62になると「ニュールック」と呼ばれる深緑ボディが一般的で、このオールドタイプのボディはそんなに流通していません。更に都合よくMMフォノボード付きとなるとねぇ…。

 なぁ〜んて思っていましたら、イギリスから即決価格でこのNAC62+MMフォノボード付きが出まして、お値段は日本円で3.5万円位。フォノボードに1.5万円で62がついてくるなら安いだろ!とよくわからない勢いで落札してしまいました。それが確か日本時間で9月19日だったかな。で、ちょうど一週間後の今日、イギリスから手元に届いた訳です。状況としては9月21日にトランジットに入り、しばらくトラッキングステイタスが動いていなかったのですが、今朝トランジット中であることを確認したのに、外出して夕方帰宅したら色々すっ飛ばしてもう届いてました(笑)、ビックリです。

 早速手持ちのNAP140と組み合わせて音出し。NAP140は久しぶりの通電で接触不良トラブルがあったのですが、まぁ何とか音が出ました。プリ用外部電源のSNAPSは通さず、まずはパワーアンプのNAP140から直接駆動しています。

 ちなみに、Naim Audioのセパレートアンプ群…特にプリアンプには一定の法則があり、2桁ある最初の数字、奇数番がドーターボード形式のHi-Fiモデル。偶数番がシングルボード形式の普及版…とは言えないのですが、お値段控えめのモデルとなっています。もっともこのNAC62については、日本での販売価格が13万円、イギリス現地価格もそんなに安いモデルではなかったので、どちらかというと奇数番と偶数番は設計思想の違いと言えるのかもしれません。
 で、ネイムと言えば皆さん大好きなインテグレーテッドアンプ、Nait2ですが、どちらかというと偶数番プリはそちらの音色に近い。つまりNait2の音色がそのままグレードアップしたシリーズとも言えます。

 で、NAC62+NAP140+PIEGAで音出ししているのですが、いいですねぇ…。なんというか皆さんが想像するNAIMの音って、どちらかというとこっちかなーと思います。敢えて言えば、とても分かりやすくフラットアースなサウンドです。

 NAC62もNAC140もまだ通電したばかりなので(特にNAP140は数年間ほぼ通電されてなかったので)、おそらく明日辺りから本領発揮してくると思いますが、私が普段使っている奇数番NAC12+NAP250よりも相対的に音の重心が低い。その分少し荒さはあるのですが、まぁ…そういうの気にしなければ気にならない楽しさ。クラシックなどのソースには向かないかもしれませんが、ロックやポップスは本当に楽しいです。

 ちなみに偶数番プリは、ボリウムがNait2と同じようなグレードのパーツだったりするので、お馴染みのギャングエラーに悩まされがちなのですが(奇数番プリはギャングエラー皆無といっていいかも)、今回入手したNAC62は個体差なのかギャングエラーがほぼ実感できません。これNait2も個体によってギャングエラーの割合が全然違ったりしてましたので、まさに個体差、運でしかないです。で、今回私の場合は運がよかったみたい。

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 まぁ…どうしても必要なプリという訳でもなかったのですが、やはり名機!NAP140が遊んでいるのはもったいない。この組み合わせで鹿嶋持っていけば、Acoustic Researchと含めて鹿嶋オーディオは鉄板かなと。

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▼2020年09月13日

PIEGA TMicro Sub

P9133985 PC用…というか、iMac27インチの脇には、数年前からPIEGAのTMicro3を配置しています。これは音楽用途ではあまり不満がないのですが、動画視聴…特に映画などではやはり重低音という点でちょっと迫力不足かなぁ〜と。なので、このTMicro Subはそこはかとなく探していたのです。

 新品で買うとおよそ15万円位。既に製造終了ではありますが(後継機はTMicro Sub 2、健全なインフレが順調に進行している本国スイスでは、今輸入するともっと高価だと思います。
 そんな中、日本ではPIEGAの中古って不当に安く、このサブウーファーだと相場は3〜5万円。ただ流通数もあまりないので中古市場にはなかなか出てきません。出てきませんが、このたび無事入手することができました。

 早速セッティング。
 まず、iMacからはUSB出力で小型プリメインのNuforce Iconへ。そこからのスピーカー出力を一度TMicro Subに入れて、ローカットフィルターを通してからTMicro3へ出力しています。何というか、ちょっと前のフューレンコーディネート推奨AV環境みたいな感じですけど。

 実は私、サブウーファーって入手するの初なんですよね。もうちょっとセッティングに苦労するかな?と思いましたけど、そこは同じPIEGA製…というか、同じTMicroのシリーズなせいか、割と簡単にセッティングが完了して違和感なく音出しができています。

 ちょっと細かく語ると、ウーファーのメインボリウムは12時半辺り、位相は机の下という近距離に押し込んでいるので同相のまま。クロスオーバーは計測しながら調整して、聴感で大体400Hz辺りを目処にカット、TMicro3への出力ローカットフィルターは120Hzの設定。一応テストトーンを使ってF特をフラットに近づけた上に聴感での調整を行った結果がこの辺り。もっとも低音って、聴感と計測値が全く一致しなかったりしますので、クロスオーバーの400Hzはちょっと大げさかもしれません。きちんと計測するともっと低域でフィルター効いて減衰してる可能性は大いにあります。
 もちろんセッティング状況によって調整値は全く違いますし、リスニングポイントとサブウーファーの間にある程度距離がある場合、サブウーファーは逆相にするのが基本セオリーとされています。まぁ…本気でやるとサブウーファーのセッティング調整は割とハマりますので、部屋と聴く人によって調整値は千差万別でしょう。

 簡単なコツを書くと、サブウーファーのレベル調整は、一度最大にして低音をドスドス言わせながら徐々にボリウムを絞っていくと、急に高音がクリアになるポイントがあります。そこがポイントという訳ではないですが、その付近が最適値です。あとは、音楽に合わせて調整するか、動画(特に映画)に合わせるかによってややレベルは変わってきます。動画メインの場合は、少しボリウム開け気味の方が楽しいです。

 うまくセッティングされたサブウーファーは、低音の迫力というより、高音域のクリアさを実感できます…ってこれは昔聞いたオーディオショップ店員さんの受け売りなんですけどね。

 TMicro3だけのシステムでも、音楽を聴くだけなら充分楽しめました。ただ、そこにTMicro Subというサブウーファーが加わって、動画視聴が本当に楽しくなりました。
 それと、単純に音が素晴らしい。というか、今までサブウーファーを導入しているシステムについてあまり肯定的な印象を持っていなかったのですが、このTMicoro Subは、本当に音がいいと感じます。

 それと、PIEGAって本当に素晴らしいなぁ〜と。両者ともアルミエンクロージャですけど、音にそういう固い、冷たい印象が全然なくて、なんというか程よい緩さと躍動感があります。
 エンクロージャは、音出ししてもTMicro3と同様、Tmicro Subも触ってみてほとんど振動を感じませんが、一般的に金属でガチガチに固められたエンクロージャを持つスピーカーの、ちょっと堅苦しい雰囲気がありません。これは、写真背景に映っているメインシステムのMaster Jubileeにも通じるキャラクターで、PIEGAの素晴らしい部分だと思います。

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 敢えてピンをぼかし気味にしてますけど、こんな距離感でTMicro3とTmicro Subを使ってます。
 インシュレータとかは特にナシで、おそらく純正(?)で付属していたであろう、直径3cm程度の透明クッションが底面4隅に貼ってあります。本ウーファーは密閉型でユニットは完全に下(床)方向へ向いていますが、今のところインシュレータとかボードとかの脚周り強化は必要ない感じです。

OLYMPUS E-M1 + M.Zuiko Digital ED 12-40mm F2.8 Pro

▼2020年09月08日

マイオーディオライフ2020

https://live.staticflickr.com/65535/50319043527_f89b87b933_m.jpg 二年前に「マイオーディオライフ2018」というエントリを建てました。
 この本のシリーズは毎回出る度に入手しているのですが、今回その続編が出まして、早速入手。読んでいます。

 以前も書きましたけど、とにかく人のオーディオ部屋というのは見ていて楽しい。特にこの本のシリーズに登場される方は、オーディオ一辺倒というより、オーディオを含めた生活みたいなモノがにじみ出てくるのが素晴らしい。これはクリニック的なユーザー訪問記からはなかなか得られない視点です。

 かくいう私も、Facebook内ではいくつかオーディオコミュニティなどに参加して、たまに発言したりしています。そんなとき、ご自身のオーディオ部屋をアップされている方も沢山いて、以前ほど自分以外の人のオーディオ部屋を見ることは難しくなくなっています。それでも、このような雑誌の記事でじっくりと自分以外の人のオーディオルームを拝見するのはとても楽しいこと。なかなか人のオーディオ部屋って訪問できないですからね。

 以前も似たような事を書いた気がしますが、日本のオーディオジャーナリズムはどうしても機器紹介、機器の性能比較などの記事に偏っていて、オーディオのある生活といった視点が欠けていたと思います。そのため、何となくですが日本のオーディオマニアの方は、よく雑誌で出てくる機材が山程積み上げられた評論家先生のような部屋を理想としていた節があります。それはそれで趣味なので構わないのですが、そうでない人も沢山いるのです。
 例えば私の場合、他の機器はともかくとしても、スピーカーはまごうことなく「家具」の1つだと思うのですが、そういう扱いもあまり快く感じていないマニアも沢山いるようです。

 前巻と同様、今回も様々なスタイルでオーディオを楽しんでいる方が沢山登場します。素敵な部屋だなーと感じる部屋もあれば、これは私にはちょっと…と思う部屋もあります。でも、それらを含め、皆さんオーディオを思い思いのスタイルで楽しんでいるというのは伝わってきて、読んでいて実に楽しいです。

 今回は巻末に「音楽とオーディオをめぐる17の変奏曲」というやや長めの記事が載っていいますが、音楽やオーディオの話がメインではあっても、さまざまなジャンルにも話題が飛んでいて面白い。著者の山本さんとは面識があるので、たまにネットでメッセージのやり取りをするのですが、オーディオの話もあるし、カメラの話も自転車の話もあります。

 この本もオーディオ関連の本ではありますが、それよりも、オーディオがある生活を体験して、それを学ぶことができます。そして、オーディオとは一生かけて楽しむ価値のある趣味であることが、きっと納得できるでしょう。

 この号が売れれば、更に続刊もあるかもとのことなので、みんなで是非買いましょう!恥ずかしながら、私も出てるよ(笑)

iPhone7 Plus

▼2020年05月31日

Acoustic Research AMP

P5312240 ずっと前から好きだったアンプ。ようやく確保できました。

 Acoustic Research AMP、米国アコースティックリサーチ社が1960年代に製造したアンプです。明確な商品名がないのでAR/Ampとしますが、このアンプの音を何時聴いたのか思い出せません。ただ、本当にここ10年20年、ずっと心に残っていたアンプでした。
 そのアンプをようやく手にしたのは今から2年前。某ドフで売られているのを買ってきてすごくいい音で感動したのですが、しばらくするとあれ?ユニットが変なのに気が付きました。電源をオンにするとユニットがボコッと前に飛び出ます。そして音も少し濁ってきて…。んん???と思ってスピーカーを繋いだ状態でスピーカー端子のDC電圧を測ってみると1V超えてまして…こりゃダメだなと。
 ちなみにこのAR/Amp。ソリッドステートなトランジスタなアンプですけど、真空管みたいに出力トランスがあります。なので本来はDC漏れトラブルとか無縁の筈なのですが、まぁ…仕方ないですよね、実際漏れてる訳だから。
 保証付きだったので買ったお店に持ち込みまして、相談の末、修理ではなく返金扱いになりました。ちなみにそのアンプは値下げもされずに「現状販売」とというタグを付けられて今でも売られていますのでご注意を(笑)

 つことで、人間の3大欲望には、食欲、性欲、アンプ欲というのがありまして、一度は折角叶ったこのアンプ欲のイライラを発散させるため、適当に中古アンプを買い漁る日々を行っていたのは、本ブログの読者ならご存じの通り。
 また、当然ながらこのAR/Ampも再度探していたのですが…このような失敗をやらかすと無保証のオクとかで手に入れるのはリスクが高すぎる。ここのサイトで修理記録がありますが、修理に出すと10万円越えだもんねぇ。このアンプの場合はいわゆる“伝説の銘機”という訳でもないので、みんな壊れても金かけて修理しないんだよね。
 この状況だと本体を本当にタダみたいな値段で手に入れない限り、修理費用含めてエラいお金がかかってしまいますし、正直そこまでお金をかけるモノでもないかと思っていたのですが、なんと上記リンクで整備された個体がヲクに出品されていまして、だったら買うかなと。値段も某ドフ価格より安いし。

 ということで、今手元にあるのがこのアンプです。
 完全性備品らしいのですが、確かに調子は良い。ただフォノイコだけは何故か片チャン出力がやや足りていないようで…ひょっとしてはんだ剥がれでも起きてるのかな?構造上このアンプは入力端子がトラブルの元なので、そのうち天板開けて調べよう。それに上記サイトのようにきちんと整備したのなら、コンデンサとか基板上の部品が不具合起こすにはまだ早い気もします。
 SP出力が今風の大型バナナ対応に変更されているのは便利でありがたいですが、電源ケーブルはオリジナルに比べちょっと太すぎるかな?経験上古いアンプにこういう固くて太い電源ケーブル換装すると音変わるんだよね。まぁ…音が変わったのかどうかはわかりませんので仕方がない。自力でオリジナルに近いケーブルへと換装するまでもないし。

 その他不具合はありません。以前のことがあるのでスピーカー繋いだ状態でのDC電圧も計りましたが、誤差みたいなDC出力しかありませんでした。スピーカーのユニットも電源投入時にはボコッといくけど、ちゃんとニュートラルの位置に戻るしね。肝心の音については、以前のAR/Ampよりも若干固い気がしますが、ある程度通電してれば馴染むでしょうし、どっちがこのアンプ本来の音なのかはもはやわかりませんしね。ただ、現状の出音には満足しています。

 しばらくは自宅でPIEGA Master jubileから音を出していました。S/Nはやは悪いですけど素晴らしい音です。私が好きな初期のトランジスタな、明るくくっきりしたサウンドが楽しめます。ただ、このアンプの本領ははやり密閉箱だよねぇ…なんたって当時はAR-3aという異例な低能率スピーカーを叩き起こすために作られたようなアンプなので、その辺は動作確認してから鹿嶋のアトリエ行きだよなとずっと思っていたのでした。

 で、コロナ騒動やらなにやら色々あって、ようやくちょっと前から鹿嶋にてこのアンプを使っているのですが、ホント素晴らしい。
 私はこのアンプの音について、FB等では度々「萌えるアンプ」という今風(?)の表現をしてきたのですが、本当に陳腐な言い方で申し訳ないですが、萌えます!ハッキリ言って。
 なんというか、このアンプで聞くボーカルは、男性も女性もとにかく明るくキュートに元気よく歌い出す。マイケル・ジャクソンの「ハッ」というかけ声にすら萌えますw。この印象はやはり現代のアンプに比べてナローなレンジだからそう感じるんでしょうが、そんな事はどうでもいいのです、気持ちよければ。

 特に古いCelestionで鳴らす音はいいですね。UL-6での音もかなり萌えましたが、Ditton15はもうヤバい。自宅のフルシステムもう売っ払っちまえ〜!なんて勢いになりそうな気持ちの良い音です。SL6siではまだ試していませんけど、きっと良い音でしょう。NS-1cでも試してみたいですが、もはやそんな場合ではない!とにかくこの音が気持ちよくてシステム変更とかやってる時間がもったいないです。

 先日には自宅のアンプも整ったところだし、そろそろ他のアンプ群は手放してもいいかな。そんな気分になってきました。

P5312268

 この組み合わせは鉄板ですな。これでドリームパレードとか聴いちゃうと萌え死するかもよ(笑)

OLYMPUS E-M1 + M.Zuiko Digital ED 12-40mm F2.8 Pro



▼2020年05月24日

Naim Audio SNAPS(Vintage)

P5232213 以前から念願だったNaim Audioのプリアンプ用外部電源、SNAPSのヴィンテージモデル(ボルトダウンタイプともいう)を入手。メイン写真左奥の箱ね。入手場所は当然日本ではなくebayです。

 落札したのが、確か5月5日くらい。それで支払いやらなにやらして、イギリスのセラーの元から旅立ったのは日本時間の5月7日。当初は税関などがあるため、5月19日以降の到着予定だったのですが、コロナ騒動で税関も暇なのか、あっという間に通関して、私の手元に届いたのが5月11日。はっきりいって同時期に駿河屋へ注文してた商品とかまだ届かないぞ(笑)。まぁ、鬼速である必要もないとはいえ、速く届くのは嬉しい。

 ただこのSNAPS、イギリスのセラーから買ったので、当然イギリス仕様の240Vモデル。そのままでは日本で使えませんので、さくっとハンダごてをつかって120V仕様へと変更します。やり方は知っていれば簡単で、要はトランスの配線を直列から並列にするだけです。

 もちろん、何を言っているのかわからない人は絶対に止めて下さい。配線間違えますと当然ながら機器を壊すどころか、下手すりゃ火災の元です。また、やり方がわかったとしても、普段からハンダごてとか触っていない人は充分に注意して下さい。AC電源の入力側をリワイヤしますので、イモはんだとかやらかすとそこから発熱…最悪発火します。もちろん自分のもこの先そうなるかもしれませんが、リスクがある事を充分に理解して下さい。

 とまぁ…お決まりの注釈を入れた後、電源ケーブルのプラグ側も交換。こちらもイギリス仕様なのでプラグが日本と違います。イギリス240Vのプラグは日本仕様のプラグよりもずっと大きく、更にプラグ内にヒューズが内蔵されています。交換したプラグは手元にあったマリンコのホスピタルグレード3ピンプラグを使いました。ただ、オリジナルの電源ケーブルが2m以上ととても長く、そのうち1m程度にカットしようかなと。このケーブルも本体側がやや特殊な端子で、手持ちで適合する電源ケーブルないんですよね。

https://live.staticflickr.com/65535/49894608537_6e3f54de01_n.jpg

 付属品は片方のプラグが壊れたSNAICと呼ばれる4ピンのプリアンプ用接続ケーブル。こちらは事前にセラーから聞いていましたので問題ナシ。早速はんだごてでケーブルの修復、ついでにぶった切って長さを約50cmに縮めました。これネイム的には邪道で、本来各接続ケーブルは最低1mを確保するようにとアドバイスがありますが、隣に置いて使う機器に1mのケーブルはやはり邪魔なので…。
 このヴィンテージタイプのSNAICも今となっては貴重品で、この後に続くグレーSNAICやブラックSNAICと音が違います。三種類全て試しましたが、やはり同じ年代に作られたこの細いSNAICが、私のNAC12には一番合っているようです。
 ちなみに、現在のNaim Audioは高級ブランドにシフトしつつあるようで、ブラックSNAICの更に上のモデルとしてHi-LineSuperLuminaシリーズのケーブルがあります。当然使ったことはありません。

 とまぁ、日本で使うために加工を施した後、早速音出しです。
 ちなみに以前もどこかで書きましたが、120V仕様のNaim Audio機器は100V環境の日本で問題なく動作します…と、ネイムオーディオ本社の誰ちゃんだったっけかな?女性スタッフに教えてもらいました。昇圧トランスとかも必要ないそうです。

 もっとも、同じくヴィンテージタイプのパワーアンプ、NAP250はトランスの配線変えても100V環境の日本では動作しないんだよね。なのでトランスで240Vに昇圧して使っています。これだけ特殊なトランス使っているのか、あるいは以前加工したとき配線間違えたのか?まぁ昇圧トランス入手した今となっては問題ないので良いのですが。

 音を出してみると、これはいいですね。

 今手元には、何故かSNAPSばかり3台あるのですが、どれも音が違います。
 1台は一番初めに自分が手に入れたオールドモデルのSNAPS(というかSNAPSに深緑のニュールックモデルはない)で、こちらは一度イギリスのネイム本社に送ってRecapを受けています。こちらが一番カッチリとした音。
 で、2台目が少し特殊なSNAPSで、SONY WALKMAN Professional WM-D6用の電源として出力が6Vに改造されたモノ。
 こちらはNaimAudio公式のヤミ品とも言えるべきモデルで、なんでもWM-D6が大好きだったNaimの社長、ジュリアン・ベリカーが、WM-D6を自分で使う為にSNAPSの出力電圧を6Vに改造したのが始まりで、公式なカタログモデルとしては存在しませんでしたが、SNAPSを所持しているユーザーが「例のアレに改造してくれ」とこっそり頼むと(話盛ってますw)、黒ずくめの本社スタッフやってきてが「お客さん、その話どこで聞きました?」などとお決まりの質問をしてきて(話盛ってますw)、こそこそ隠れるようにして改造を請け負ってくれたという話。
 自分のはさらにもう一系統の出力を24Vに改造し、ひょっとして世界で1台しかない24Vと6V出力をもったSNAPSになっているのです!って、自慢はともかく、こちらのSNAPSの方が少し音が緩くて、実は普段こっちのSNAPSを愛用していました。

 長くなりましたが、今回のこのヴィンテージSNAPS、なんというか音が一番ゆるいですね。オーディオ的にどうあるべきかはともかく、好き好んでトランジスタアンプ初期の頃の機器を使っている私のようなタイプには一番音が良いと感じます。ピーク音の出方も少し角が丸いというか、まろやかにムーディーな音となり、私としては狙いどおりです。
 これは変に気張ってHi-Capとか狙うよりこちらのヴィンテージタイプを買って正解だったのかもしれません。

P5232210

 ということで、NAP250を含め、私のNaimアンプ群は全て1970年代初頭のヴィンテージモデルとなりました。なんというか、よりネイムらしい濃い音になった気がします。

 とりあえず、自宅のアンプシステムについては、これで上がりでしょう。

OLYMPUS E-M1 + M.ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F2.8 PRO


▼2020年02月25日

ortofon TMC-200

P2251820 手持ちのTechnicsのSL-10ですが、もう少しカートリッジで遊びたいとは思っていたのでした。ただ、このSL-10に付属している310MCというカートリッジはなかなか優秀で、更にT4Pというプラグインコネクタ方式には私が好きなMC型カートリッジがほぼありません。
 ダイナベクターやソニーがMCカートリッジを発売していたようですが、どちらかというと高出力型のMCカートリッジで、MCらしい繊細さを特徴にした製品でもないとのこと。
 もっとも、このT4Pカートリッジ用ターンテーブルで、MCフォノアンプを搭載しているのはおそらくこのSL-10しか無いはずなので、低出力MC型のカートリッジを求めるような世界でもないのはわかっているのですが。

 噂によるとかつてオルトフォンがTMC-200という当時で6万円以上するバケモノみたいなMC型T4Pカートリッジを発売していたらしいのですが、もちろん今では入手不可能ですし、そもそも中古で出てきても高い。10年前くらいは捨て値で手に入ったようなんですけどね…なんていいつつ、今回のエントリはこのTMC-200のお話。
 
 自分も聴いてみたいけど、ちゃんと音が出るTMC-200の入手はもう無理だろうなあ…なんて思っていたのですが、ちょっと前にたまたまebayで即決ありの出品を発見!…というかアラート入れていたのですが、ここ2年くらいでまともなのが出たのも始めてかと。値段も手頃だし動作確認済みの美品とのことで思わず落札。ebayで落札とか10年ぶりくらいだな。送料込みでも日本の相場よりかなり安かったです。

 早速SL-10に装着して聴いてみると、確かに良い音ですねぇ。
 なんというか、オルトフォンらしい中域の厚みというか、色気を感じます。この辺はきわめて真面目な音を出していた310MCとはちょっと違うところかも。

 このTMC-200ですが、同社で発売されていたコンコルドタイプと呼ばれる尖ったカートリッジのシリーズをベースに制作されたようです。型番としてもひょっとしてベースになってるのかな?と思われるMC100とスペックが何となく似ています。
 自分も手持ちの資料を探し回ったのですが、古いステレオサウンドのような雑誌には、この手のT4Pカートリッジに関する記事はなく、なんだかんだでステレオサウンドのような雑誌が記事として取り上げるジャンルの製品として考えられていなかったのでしょう。
 ちなみに本国のオルトフォンサイトでは当時のカタログが公開されています。こういうの嬉しいよね。

 しかし…TMC-200の定価が当時で6万円越えとは、T4P方式のリニアトラッキングターンテーブルとしておそらく一番高価なモデルがSL-15の15万円だった筈なので、ちょっとシステムとしての価格バランスが合っていなかった気もします。ひょっとして各社からもっと高級なT4P方式のターンテーブルがリリースされる予定でもあったのでしょうか?

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 インスタ映え(笑)を狙って、ラブライブのレコードもかけてみました。このレコードは非ヲマニでライバーなヲタ友に声をかけて入手してもらったモノ。ラブライブのなんとか会員の人じゃないと買えなかったレコードみたいで、入手難易度がエラい高いようです。
 というか、このカートリッジの使用中写真を撮るのに、普通の黒いレコードだといい感じで撮影できないんです。なので手持ちでピクチャーレコードとか色つきの盤を色々探してしまいました。

OLYMPUS E-M1 + M.ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F2.8 PRO


▼2020年02月23日

Musical Fidelity A1

P2231785 悪魔的で耽美な音を奏でながらも、そのアンプはまるで「電気ストーブ」とか「天板で目玉焼きが焼ける」等といわれ、マニアから畏怖の念を抱かれていた英国製のアンプがあります。それがこの「MusicalFidelity A1」です。

 発売は1987年、当時の国内価格は138,000円(時期による)で、本国の英国では300GBPで売られていたようです。当時のレートだと現地価格は4〜5万円、まぁ…そのクラスのハッキリいって安物のアンプでした。
 ただ、このA1が他のアンプと違っていたのは、こんな安物のくせに純A級動作のプリメインアンプだったこと。

 アンプのA級動作については以前もこのエントリでチラッと触れましたが、簡単に言うと、理想的な増幅方式ではあるのですがその非効率さから猛烈に発熱します。通常のアンプはボリウムを最大にでもしない限りそんなに熱くはなりませんが、A級のアンプは構造上常に消費電力はボリウム全開状態のため猛烈に発熱します。このA1の場合最大出力は20Wとかなり控えめですが、その代わり通電中は常に内部で20Wのヒーターを使っているような状態です。
 そんなこともあり、A1の天板は効率的な放熱を行うため細かいリブ加工がされたアルミニウム製になっていますが、それでも電源を投入してしばらくすると、天板は本当に火傷するくらい熱くなります。ある意味こんな危険なアンプは国産メーカーだと販売が許されないレベルだと思いますが、まぁ…良くも悪くも海外製品らしい個性ともいえるかな。

 そして、その音はさすがに純A級らしく、滑らかで濃厚であり、Hi-fiともまた違う気もするのですが、クセになると抜け出せない。とにかく音楽を聴くのが止められない…そんな魔力すら感じる不思議な音。
 自分も実際手にしてみて、鳴らし始めは「悪くはないけどたいしたこともないかな」なんて思ってはいましたが、何というか、しばらく聴いていると、このアンプの奏でる音の重力から抜け出せなくなります(ちなみにこちらのサイトでは、A1の出力が8Wを超えた場合、AB級に切替わるのでは?という疑問を呈しています)

 このエントリを書いている時点では、別荘でDitton15と共に鳴らしているのですが、金曜日の夜から今日のこの時間まで、寝ている時以外は本当にずっと音を出しっぱなしです。こういう状態も珍しい…なんだかんだ、別荘で音楽漬けとはいえ、部屋にいる時間の半分程度しか音は出していなかったりするのですが、なんというか辞められないですね〜気持ちよくて。

 具体的に音の傾向を書くと、正直レンジは上にも下にもそんなに伸びていないと思います。安物アンプらしい中域に固まりがある音ではあるのですが、その中域が素晴らしい。どの音も、解像度とかメリハリとか…そういう評価軸とも違います。何というかとても滑らかで心地よい音を奏でる。自然な音…クセのない音ともまた違い、クセはあると思うのですが、聴感上とても自然に聞こえるんですよね。なのでずっと音楽を聴いていられる。

 ただこのA1は、上記のように危なげな構造のためか、とても壊れやすくトラブルが多いアンプとしても知られています。今では中古でまともに動く個体を見つけるのもなかなか難しいみたい。
 そもそも動作時における天板の温度が設計値で65℃、実測値では更に上がるのに、中で使われているコンデンサが耐熱85℃とか狂った設計らしく、そこはアンプ界の鬼才ディム・デ・パラヴィッチーニ(このアンプの設計者です)、この耐熱の部品を敢えて選択した理由があるのでしょう…まぁ、当然コストの都合だと思いますけど。
 こういうアンプなので、既に40年以上前の格安アンプの割に中古相場は高目です。未整備品でおおよそ5万円〜、保証付きで完全性備品だと10万円前後なんてのもあります。すぐにぶっ壊れるけどハマると抜けられない…まるで古い英国車みたいなアンプですね。

 私が今回手に入れたのは、何故か未整備品相場よりかなり安い個体で、サイドパネルにメッシュ加工がされていない初期型です。
 というかそういう値段じゃないと手は出さなかったと思うのですが、家に持ちかえってまずはSP出力からのDC漏れ測定後(測定値は忘れたけど全然問題なかった)、メインシステムに繋いで聞いてみると、どうもRチャンネル側の調子が悪い。どうやらリアパネルのRCA端子が接触不良を起こしているようで、適当にいじると直ったのでそのまま聴いていたのですが、数日後完全にRチャンネルが死にました。だから安かったのかな?

 まぁ…故障箇所は判明しているので、バラして基板を取り外し、該当箇所の裏側からはんだをやり直しました。ついでに放熱グリスも塗り直して、手をベトベトにしながら再度組み立てたのですが、このアンプの組み立てには結構コツが必要で、うまく組み立てないと変なところですき間が空いたり、前面の飾り版も仮組みで確かめながら組まないと、ボリウムやセレクタが動かなくなってしまいます。値段が安い割に製造効率すごく悪そうで、一昔前の海外製品って匂いがプンプンしますね。
 それとバラしてみるとどのパーツも恐ろしく安っぽい。セレクタスイッチなんてこんな構造で大丈夫なのか?なんて気もしますし、ボリウムも秋月で売ってるラジオの組み立てキットかよ?なんて代物。トラブルが起きてたリアのRCA端子も実に安っぽいパーツを直接基板にはんだ付けしていて、構造上また接触不良を起こしそう。それなのになんでこんなんでこんなに音がいいのか?
 ただトランスだけはいいの使ってる気がしました。そもそもこのクラスでトロイダルとか昔の日本製アンプではあり得ませんでしたし。

 修理後はものすごく調子よくなりました。修理前の何となく定位がふらつく症状も、そもそもこのA1とはこういうモノなんだと思っていましたが、単なる接触不良だったのね。まぁ…この発熱ですからはんだ自体も劣化しやすいのでしょう。
 それとバラしてみて嬉しい誤算でしたが、なんとこのA1、リキャップを受けていて、コンデンサが全てピカピカの新品状態でした。これすごくラッキーだったんじゃない?

 とりあえず今はファンで天板を冷却しながら使っていますので、内部もそんなに熱くはなっていません。あまり神経質になる必要もないのかもしれませんが、冷やさないよりは冷やしながら使った方がいいはずなので。

 このA1、入手しても色々面倒そうだしトラブルも多そうだし、今ではあまりお勧めできるモノでもないのですが、それなりに覚悟を決めた方とか、あるいは何があっても後悔しない値段とか(今回の自分だな)、そういうケースがあれば是非入手してみて下さい。
 音はたしかに素晴らしい!当時も言われていましたが、音楽をずっと聴いていたい人にとっては本当によいアンプだと思います。

OLYMPUS E-M1 + M.Zuiko Digital ED 12-40mm F2.8 Pro


▼2019年11月10日

Apple AirPods Pro

PB100971 もう三年前ですかね。チンアナゴと言われた初代AirPodsを発売日に買って結構使ってきました。カナル式ではなく、当然ノイズキャンセリング仕様でもなかったこのイヤホンですが、結果としてはここ3年の中で一番使っているイヤホンになってしまいました。

 もちろん、音質面などちょっとした不満はあるのですが、逆に言えば不満はほんのちょっとした程度に留まる中、その他全ての部分でバランスがいいんですよね。バッテリの保ちも充分でしたし、操作が簡単、更にペアリングも簡単(ここは毎日通勤に使っていると意外にストレスとなる)。音は適度の低音のメリハリが利いた気持ちのよいサウンドですし、装着もイヤチップを耳にねじ込む訳でもないので、実に簡単で長時間装着していても耳穴が痛くならない。
 この製品の他TWE(True Wireless Earphone)は、B&O Beoplay E8SONYのWF-1000XMとか買いましたけど、結局の所普段使うのはこのAirPodsだったりした訳です。

 ただ、このAirPodsも三年近く使っていると、微妙に内蔵バッテリがへたってきて、連続使用時間が大体2時間程度にまで低下しました。それでも3年間つかってこれだけ保つのですから優秀とも言えますが、ちょっとね。かといって修理に出すのもナンだし、そろそろ新型が出るとの噂もあったので、そのまま使い続けていたのです。

 で、今年の10/30日、突如として発表+発売になったこのAirPods Proですが、ちょうど私が仕事で出張中だったこともあり、今回は初回注文祭には参加できませんでした。そしておよそ1週間たった一昨日の土曜日、ちょうど都内に出かける用事があったので、AppleStoreの東京に寄り店員さんに「AirPods Proってありますか?」と聞いたら「今だと3〜4週間待ちですね」とのご返答。まーそんなもんだろうと、その日は家に帰り、翌日の朝にオンラインのAppleStoreで予約しておこうかと製品を選択してカートに入れ、何気に店舗受け取りオプションを選ぶと「本日受け取り可」になっている。発送だと昨日の返答と同じ3〜4週間待ちなんですけどね。
 本当かな?と思ってオンラインでチェックアウトして、しばらく待っていたら「銀座店にてお渡しの準備ができました」とのメールが来ました。つことでAppleStoreの銀座店で受け取ってきたわけです。

 お店を出て、休日なので目の前のホコ天に設置されていたパラソルテーブルに腰を下ろし、早速開封。
 初期設定を…といっても、初代AirPods同様ケースのふたを開ければ、目の前にあるiPhoneとワンタップで接続します。早速装着して音楽を…と思ったら、ちょっとびっくりしました。このノイズキャンセリング性能は…こんなのイヤホンで体験した事がないレベルの静寂。つかこれ危険だよな…ってレベルです。
 さらにすごいなと思ったのが、外音取り込みの機能で、ステムを長押しでつまむようにすると切り替わるのですが、この音がまたものすごく自然。というか、ここの部分は今までのどのイヤホン、ヘッドホンでも、取り込み音の不自然さがあった訳ですが、これにもまたびっくり。というか、この手の性能は今まで誰も求めていなかったと思いますけど、確かにAirPodsの場合は、単に音楽を聴く用途だけではなく、iPhoneとペアで通話用マイクとして使ったり、音楽鑑賞時以外でも耳に装着しているという使い道もあるのです。なるほど…イヤホンを音楽を聴く用途としか認識していなければ、こういう部分での性能は追求しなかったでしょう。すごいなApple。

 音質はAirPodsとほぼ同じ。もちろん高音質にはなっていますが、基本は旧機種と同様のサウンドです。なんというか如何にも「高音質でしょ」って感じじゃないのがいいんですよね。なので長時間聴いていても疲れない。また前記の通りノイズキャンセリング性能が圧倒的なので、その分音質が底上げされたように聞こえます。

 装着感ですが、従来のAirPodsが「耳に引っかける」といったイメージだとしたら、今回のAirPods Proは「耳穴に引っかける」というイメージでしょうか。使ってみればこの感覚はお分かり頂けると思うのですが、他社製品でよくある「イヤチップを耳にねじ込む」といった装着方法ではありません。つか正直大丈夫なのかな?なんてくらいに軽く耳穴にチップを入れるだけですが、私の場合は全く落ちる気配がありません。まぁ…これは個人差によって色々評価は分かれると思いますが、AirPodsが大丈夫だった人は大丈夫なんじゃないかな?また付属のイヤチップもペナペナの薄いシリコンで、こんなのでちゃんと遮音性能あるのかと疑うレベルです。

 また、ここがとても大事ですが、従来のノイズキャンセリング製品は、スイッチをオンにするとどうしても耳に軽い圧迫感を感じたモノですが、不思議とこのAirPods Proではその違和感を感じません。更にイヤチップによる耳穴への圧迫感もゆるいくらいにないので、長時間装着したままでも耳が痛くならないです。ここは本当に重要。というか一般的には高音質を謳うカナル型イヤホンほど、圧迫感のあるイヤチップでしっかりと本体を固定する構造になっているものですが、あれって耳が痛くなってくるんですよね。それでもよい音を聴くには…なんて自分も思っていましたが、AirPods Proを手にしてからは、そんな我慢は不要になりました。すばらしい!まるで魔法のようです。

 欠点としては、少々横長になった充電ケースから本体が出しにくくなったこと。これはケースに入った状態でそのままつまむのではなく、ふたのヒンジ側から手前にイヤホン本体を軽く押すようにすると取り出しやすいですが、それでも初代AirPodsのケースよりは本体を取り出しにくい。
 それと、自分としてはどうでもいい欠点ですが、やはり基本的にiOS搭載機専用イヤホンだと思った方がいいです。なのでAndroidユーザーは買わない方がいいと思います。逆に言えばiOSユーザーでTWE(True Wireless Earphone)を探している人は、おとなしくこのAirPods Proを買っとけば絶対に後悔しないと思います。

 あ…そうそう、このイヤホン用のAppleCare+for Headphonesも同時購入しましたよ。壊すと修理費用高そうだしね。

OLYMPUS E-M1 + M.ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F2.8 PRO


▼2019年09月21日

名門セレッションよ!もう一度:UL-6編

P9210818 つい先日、ジャンク扱いで格安のCelestion UL-6を見つけました。
 何故ジャンク扱いなのかと聞くと、なんでもエンクロージャのあちこちにキズがあるから出そうで、1975年の製品なら多少の傷は仕方がない。サランネットも問題ないし、音もちゃんと出るそうで、念のため動作確認させてもらうと、全く問題ないどころか、バックヤードで簡易的に鳴らすだけでも実に良い音。見た目ユニットのエッジも劣化してないし、ドームツィーターもへこみなどが見られない。これなら問題ないとのことで確保。早速自宅に持ち込みます。

 まずはエンクロージャを清掃。それとウーハーユニットがややべたついていたので、我らがウタマロクリーナーを少量付けて軽く清掃。この辺はやり過ぎるとコーン紙のダンプ材を溶かしますので、表面のホコリを軽く払う程度でほどほどにしましたが、変なベタつきもある程度取れました。

 で、自宅で軽く音出しを。音出しとは言っても動作確認みたいなもので、どうせ自宅用ではなく別荘行きになりそうなので、Mster Jubileの上に乗っけるという神をも恐れぬセッティング(?)で音出ししています。

 で、こんなアホみたいなセッティングなのですが、このUL-6、音はすごくいいんですよね。今でもファンが多いスピーカーというのも納得できます。

 軽く実機の解説をしますと、こちらはイギリスCelestion社(この頃は社名からローラは取れている)が1975年に発売したULシリーズの一番小さな2Wayモデル。サイズは41.2×29.2×22.2cmという小型ながら、ドロンコーンと呼ばれるパッシブラジエータを装備し、サイズから不足しがちな低域を伸ばしています。
 インピーダンスは8Ωで、能率は96db/mと発表されていますが、聴感上の能率はもっと低い。ただ、高能率であることは間違いないので、アンプを選ばない割と鳴らしやすいスピーカーシステムの筈です。ちなみにこの後継機であるSL-6は能率84db/mまでいきなり下がりますけどね(笑)

 当時のステレオサウンドを引っ張り出して調べてみると、概ね音はなめらかで美しく、サイズからは想像できない低域の量があるとの評価で、確かにこれは自室で鳴らしてみてもそんな印象です。
 また当時のステサンは今と違って真面目(笑)で出力音圧レベルの実測値が出ていますが、これによると能率は大体84db/W/mで、ここまで低能率とは思えませんが、カタログスペックの96db/mという印象ほど高能率ではないという直感は正しいと思いました。もっともメーカー発表の音圧レベル測定なんて、何V入れた測定かわからんしね(後に調べるとこれは15.4Vピンクノイズ測定のデータだそうです。JIS規格だと1W/2.82Vピンクノイズでの計測なので条件が全く違います。ステサンの計測データ84db/W/mは低能率過ぎる気がしますが、そちらの方が近い数値かと思います)

 で、動作確認モードなので写真のようにアホなセッティングではありますが、音は実に美しいというか、とにかく気持ちいいですね。一説によるとロックよりもクラシックが合うとの評判ですけど、ロックやジャズ、そしてアニソン(笑)など鳴らしましたがどれも気持ちよい。あと、特定の音域にピークがあるのか、時折Master Jubileではあまり意識しない音がハッキリ聴こえたりしました。

https://live.staticflickr.com/65535/48767224622_18310f434b.jpg

 こちらの写真は、エンクロージャへのユニット取り付けねじを加速度増し締め(嘘)している図。
 古い、特に木製エンクロージャのスピーカーシステムは、ほぼ間違いなくユニット取り付けねじが緩んでいます。このUL-6も一部のねじがガバガバだったのですが、加速度…はともかくとして、ねじを増し締めすると、緩かった音がシュンとしはります。まぁ…シュンとするといっても全体的には緩い音ではあるんですけどね。でもそれがUL-6の魅力です。
 1975年当時の価格は59,800円/1本、その後徐々に値上がりして、1980年には88,000円/1本になったようです。

 しかし…これで手持ちのCelestionはこのUL-6を含め5セットか。なんだかすっかりコレクターになってきましたね。

OLYMPUS E-M1 + M.Zuiko Digital ED 12-40mm F2.8 Pro


▼2019年04月07日

LINN KARIKが壊れました

https://live.staticflickr.com/7888/47547895181_ca49a0cc36_m.jpg 久しぶりにCDでも聴いてみようかと、棚にあるLINNのKARIKを取り出してメインシステムに接続。CDを入れようとOPENボタンを押したらトレイが出てきません。…こわれましたね(笑)

 もっとも、この手のトラブルって古いCDPでは割とオーソドックスなトラブル。つまりトレイを開閉させるゴムベルトが劣化して伸びちゃってるんです。ちなみに手持ちのサンスイCD-α607iは、久しぶりに聴こうかと引っ張り出す度にドライブベルトのゴム交換から始めてますからね。ま、可動部がある機械ってのはこういうもんでしょ。

 気を取り直して早速バラすことにします。

 KARIKのドライブメカはLINNオリジナルだそうで、整備性がとても良いです。ドライブ部は底面4本のワッシャー付きネジを外して、基板上にある4本のコネクタを外すだけで、写真のように完全に分離できます。
 写真奥側がトレイを作動させるプーリーが取り付けられている基板です。この基板には左側のモーターからコネクタが伸びていますので忘れずに外します。そして、基板をキズ付けないように写真のように引っ張り出しますが、その際ドライブベルトの他にある細いワイヤを取り外さないようにして下さい。このワイヤがあるので基板を引っ張り出すのはここくらいまでにしておきます。ドライブベルトを交換するだけならこれ以上バラす必要はありません。

 ベルトは適合するサイズが手元になかったので(修理屋でもなければそんな豊富にゴムベルトなんて持ってないよね)、隣町にある大きなホームセンターで買ってこようかと思ったのですが、そういえば以前カセットウォークマンのメンテナンス用に各サイズのゴムベルト一式を注文したこと思い出しまして、工具箱から似たようなサイズのゴムベルトを引っ張り出してきて交換しちゃいました。
 こちらは元のドライブベルトより細いのですが、まぁ…大丈夫でしょう。切れたらまた直せばいいし。

 つことでコネクタを仮接続して電源を投入したら、無事トレイが開閉できましたのでこれにて修理完了。あとは元通りに戻すだけですが、ひとつくみ上げ時のコツとして、ドライブメカを締めるねじはまず仮締めしてから前面パネルの位置とトレイがきちっと合うように調整しましょう。
 この辺適当に本締めするとトレイが前面パネルに当たって開かなくなります。

 早速メインシステムにつないで音出してますけど、久しぶりに聴くKARIKの音はやはりいいなー。

https://live.staticflickr.com/7863/32609423797_d0f8b0d7d5_m.jpg
↑こんな感じで修理完了!

iPhone7 Plus


▼2019年04月06日

アイカツ!シリーズオーケストラコンサート・オケカツ!が届きました。

https://live.staticflickr.com/7896/40581727833_78bded5167_m.jpg 申し訳ございません、まだアイカツ!見たことないです(笑)

 つことで、カレンダーガールのLPが届いてしばらくしたら「今度はアイカツ!史上初のオーケストラCDが出るぞ!」なんて販売元からメールが届きまして、なんも考えず注文してしまいました。やはり芸能人はカードが命ですからね。で、本日届きました。

 なんでもこのCD、販売元によると一般販売は行わないようで、そこもまたマニアの収集欲をくすぐりますが、自分は別にアイカツ!ファンという訳でもないんだよな、まだ見たことないし(笑)

 このCD、2枚組で一応HQCD規格だそうですが、どうせリッピングしてMajik DSで聴くので、HQCDとしてのクオリティで聴けているかは分かりませんが、確かに音は良いのではないでしょうか。
 アイカツ!はともかくとして、この手のアニメーション音楽が、オーケストラやJAZZとしてどんどん演奏されるのは、日本の音楽文化にとって、とてもよい流れだと思いますので、こういったCDがこの先どんどん増えてくるといいですね。というか、アニメーション以外でも流行歌とかどんどんオーケストラやジャズアレンジで発表すればいいのに。

 そして、いつまでも「枯葉」とか演奏して通ぶってるジャズプレイヤー達は、もうセンスのかけらも感じませんのでいい加減引退すべきではないかとも思いますが、こっちの話はまためんどくさい話になるので別の機会に。

 ちなみに、完全受注生産といいながらも、本エントリを書いている今、販売元のサイトではまだ注文できるようです。というか、出し惜しみせず一般販売すればいいのにね。
 なので、世のアイカツおじさん達でまだこのアルバムを知らない人は、早目に注文した方がいいと思いますよ。

https://live.staticflickr.com/7905/46824128044_6ae7b4d6ec_m.jpg
↑収録曲はこんな感じでフフッヒ!

iPhone7 Plus


▼2019年03月09日

EPレコードの収納にアイリスオーヤマのスペースバスケットがぴったりな件

https://farm8.staticflickr.com/7868/33450900598_ebb6d31707_m.jpg タイトルで全てを語り尽くした気がするのですが、つまりEPレコードの収納にアイリスオーヤマのスペースバスケット・SPA-210がピッタリで嬉しかったという話。

 ディスクユニオンとかその他で売られているEP収納箱に比べると、収納枚数も少ないですし、お値段は1,200円前後しますが、見た目は結構高級感があり、また作りもしっかりしていますので、お部屋にそのまま置いても違和感がありません。収納枚数については、リビングで聴くEPレコードの一時保管場所として活用すればいいかな。大量にEPレコード持っている人は、また別な収納箱持っているでしょうし。

 アマゾンで「EPレコード 箱」で検索すると、色々製品は出てきますけど、足下見られているのか、1,000円前後で買える品はありません。プレーヤーの手元で聴くレコードを一時的にしまっておく場所として、このアイリスオーヤマ・SPA-210の方が安くておトクです。

 また、同じ製品のバリエーションであるSPA-360は、LPレコードを一時保管しておくのに便利なサイズです。こちらは目算ですけどLPレコードが5〜60枚は収納できます。もちろんジャケット上半分は露出しますので、本格的な収納場所というより、オーディオ機器の近くにおいて、LPレコードのテンポラリスペース的に使うと良いかと。

 単なる段ボールの割に、足下見られているのか、レコード収納箱は少量調達では割高な製品が多いですが、これらアイリスオーヤマの製品は、箱としての頑丈さと、インテリアとして最低限のデザイン性、入手の容易さを備えた、レコードファンにとってはありがたい製品だと思います。

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▼2019年02月24日

ピクチャーレコード「カレンダーガール」

P2021649 ♫なんてことーないまいにちが〜

 ということで、この歳になってもかけがえのない毎日を過ごしておらず、故に大人になってもイマイチピンとこない私ですが、カレンダーガールという歌は知っています。アイカツ知らないけど(笑)

 ということで、去年に予約限定で受注していた、アイカツ!史上初のアナログ盤、ピクチャーレコード「カレンダーガール」を注文してしまいました、で、今月の初めに無事到着。早速聴いていますが、カレンダーガールはいいね、なんだか元気が出てきます。

 曲は、アイカツ!のエンディングとオープニングを集めた全8曲。表題のカレンダーガールはエンディング曲なのですが、ENDING Side/A面に収録、裏はOPENING Side/B面となっています。
 歌はおなじみ(?)「わか・ふうり・すなお・りすこ」ということで、アイカツ!を知らない私にとって、ジャケットのイラストの誰がわかでふうりですなおなでりすこなのかが全く分からず、あれ?主人公って「いちごちゃん」っていうんじゃないの?という位の知識です。マジ見たことないので。
 そもそもこのアニメの正式名称は「データーカードダス・アイカツ!」というらしいのですが、カードダスってなんだよ、赤塚不二夫のデカパンかよ!っていう位知りません、いやマジで。

 実は、これを機会に自分も「アイカツ!」を見てみようかと思ったのですが、ゾンアマにもdアニメにもないのね。アイカツスターとかなんだとか続編は公開されているようですが、オリジナルのアイカツ!はお金払わないと見られないようです。なのでまだ未見のまま。

 このアイカツ!の歌は色々なところで話題になっているようで、世のアイカツおじさんたちを夢中にさせているよう。自分もTSUTAYAでアイカツの歌CDを借りてリッピングして聴いています。確かによい。これがアナログレコードになるんだから買わなきゃ!というノリだけで注文しました。

 届いてみると、盤面のピクチャー部分がド派手で笑います。これ、アニソンというくくりなので話題にならないですけど、アートとして考えると、全盛期のプログレッシブロックでもここまでサイケな盤面って存在しなかったのでは? 
 ウリでもある「ピクチャーレーベル仕様&レコードプレーヤー風ケース入り」ってのがちょっと使いにくく、さらにレコード本体が少し厚手ではありますが透明なビニールに入れられていて、レコードのジャケットはイラストを見せるため、その部分が大きくくりぬかれています。見た目はいいのですが、別なジャケットに入れ替えないとキズ付けてしまいそう。

 音はね…この手のピクチャーレコードっぽく、正直音質はイマイチです。盤面のノイズも大きいですし、これは自分のレコードだけかもしれませんが、A面2曲目で製造上のキズなのかノイズが入ります。
 まーでも、そんな細かいことはどうでもいいでしょう、この製品はレコードであるって事に意義がある訳ですから。

 ちなみにEDの映像はレコードが回っているアニメーションになっていて、このカレンダーガールのレコード化は、きっとファンにとっては感無量なんでしょうね。

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 こちらは、SL-10にこのレコードを載せた状態。別にピクチャーレコードを集める趣味はないのですが、こうやってダストカバーから綺麗なイラストが見えると楽しくなります。

 こういうレコードなので、IKEDA9とか気張ったシステムで聴くより、SL-10やSL-6などのフルオートで手軽に聴いた方がなんだか雰囲気あるような気がします。実際、IKEDA9での再生より、SL-10での再生より、元ジャンク品のSL-6で聴いた時間が一番長かったような…まぁ、楽しみ方人それぞれかな。

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 上の画像はネットでの拾いモノ。アイカツ!を知らないので、こういうアニメだといわれれば信じちゃいます、フフッヒ。

OLYMPUS E-M1 + M.Zuiko Digital ED 12-40mm F2.8 Pro

Signalize!/カレンダーガール Single, Maxi/わか,ふうり.すなお,りすこ

▼2019年02月23日

Technics SL-6

P2231807 SL-10を入手してから、こころはリニアトラッキングな私ですが、去年の年末に、Technicsリニアトラッキングプレーヤーの廉価版とも言える、SL-6を入手してしまいました。なんちゅー場所に置いてるんだ!って写真ではありますけど。

 お値段はジャンク品で税込み1,260円とかそんな値段。不動品だそうです。しかし、ジャンク品の割にはアームのドライブベルトが付属している。なんでも「ドライブベルトを交換したのですが直りませんでした」という話らしく、交換した元のドライブベルトまで付属していました。ジャンクにしてはサービスが良い。

 まぁ…個人的にはプレーヤーの方はどうでも良かったんですよね。私がこのジャンク品を買った理由は、TechnicsのPマウント(T4P)カートリッジ、EPC-P24が付属していたから。今では新品で入手できないカートリッジがオマケについて1,260円ならね。これなら交換針もまだヨドバシで入手可能だし、それでいいかなと。

 とはいいつつも、家に持って帰ってみると、やはり直して使ってみたい。ということで修理してみることにしました。

 ちなみにこのSL-6、私の予想ですが、以前同じ店で2万円くらいでSL-6の中古が売られていました。それが年末に訪れたときは、その中古がなくて、同じ型番のジャンク品が売られていたという事で、実はその中古品が壊れちゃってて、テクニクスリニアのトラブルでおなじみのベルト交換しても直らなかったので、そのままジャンクに流されたのではないかと…。あくまでも想像ですけど。

 早速動作チェック。
 ターンテーブルは…回りません。うーむ、やっぱりダメなのかなと、何度かキャビネットのふたを開けたり閉めたり、スイッチをオンオフしたりしていると、たまにターンテーブルが回る。これはなにかあるなと思って、フタの側にあるアームのドライブベルトや駆動部分をチェック。問題はなさそうだけどやはりターンテーブルが回ったり回らなかったり…。しつこく書いても仕方ないのでネタをばらしますと、ターンテーブルのフタの開閉状態を検知するセンサ回路の異常だと分かりました。

https://farm5.staticflickr.com/4867/46004298512_0ca6556a18_m.jpg 早速裏蓋を開腹してセンサ基板をチェック。導電確認して怪しい部分を修復して、更に一部プラ部品が物理的に壊れていたので完全修復は不可能だったのですが、応急的というかできる範囲で修復しました。

 その後は、アームの感度調整と、ターンテーブルの回転速度がズレていたので、コアドライバで調整(普通のドライバでやると基板上でショートしますので注意)。色々やって問題ないレベルまで修復できました。買値が1,260円なので、修理も含めて充分遊べたなと。

 カートリッジは色々試しています。付属していたEPS-P24は針のダンパーが劣化していたので、交換針を入手して聴いてみましたが、実に優等生的な音。
 何故か持っていたテクニカのAT102Pは、テクニカらしい芯のある音。
 値上がりする寸前で確保したSHUREのM92Eは…なるほど、シュアでジャズを聴くとこういう世界なんだなと納得。
 で、今はortofonのTM14を装着していて、これはなかなか良い。オルトフォンらしく甘い高音と雰囲気のある低音でお上品な音がします。

 ターンテーブルとしての性能としては…SL-10との比較になりますが、ほどよい音のゆるさがありますね。
 もちろん、SL-10の方が全然音は良いのですが、SL-6はいい意味で安物レコードプレーヤーの音がします。こういう気楽な音って、オーディオ的にはどうなのかと思ったりもしますが、何かしながら音楽を楽しむには、むしろこのくらいでもいいのかな?って気もしました。

 それにテクニクスのリニアなら、ターンテーブルにレコード載せてスイッチ1回で演奏が始まり、演奏が終われば自動的にアームも上がって終了します。リピートモードにしておけば、1日中お気に入りのレコードを演奏しっぱなしも可能。

 スピーカーの間で眉毛つり上げて音楽聴く他にも、こういうお気楽なレコードの楽しみ方はもっと再評価されるべきなのかもね。

OLYMPUS E-M1 + M.Zuiko Digital ED 12-40mm F2.8 Pro

▼2018年11月18日

Technics SL-10

PB180862 テクニクスのリニアトラッキングプレーヤーシリーズは、欲しいという程でもないのですが、ずっと心に引っかかっていまして、特にこのSL-10は、音は知りませんが、オーディオコンポーネントの1つとして実に美しいなと思っていたのです。

 それが、ちょっと前にとある中古屋さんで試聴させてもらえる機会がありまして…音を聴くと想像していたよりも良い、というか、積極的に音が良いと感動してしまいました。ただまぁ…その場では買わずに、申し訳ないのですが、後日、別なお店でかなり格安の出物を見つけて購入。
 なんたってオリジナルの310MCというカートリッジがきちんと生きている状態で付属していたこともあり、昨今の中古相場を考えるとカートリッジに本体がオマケでついてきたような価格でした。しかも保証付き。

 このSL-10という機種は、ある意味テクニクスDD(ダイレクトドライブ)の終着点的なコンセプトを持ったプレーヤーでもあります。つまり誰にでも簡単に手軽にレコード演奏ができる、それも高音質で…という、夢のようなプレーヤーでした。

 この機種が発売された当時の日本におけるオーディオ業界は、重量信仰主義がはびこっていた時代であり、キャビネットにせよアームにせよ、オーディオはとにかく重い方が音が良いと言われていました。
 そんな中で発売されたこのSL-10は、当時のマニアから「便利なのはわかるけど、こんな軽量でふらふらするリニアトラッキングプレーヤーの音がいいはずがない」とか「大体アームがプラ製でまともな音が出るはずがない」とか「こんなのはミニコン好きでオーディオに関心がない人達が買うものだ」とか、そんな評価も多かったようです。おそらく今でもそう思っている人は多いはず。

 でも、改めてこの歳になって本機の音を聴いてみると、ちょっとビックリするくらい音が良いんですよね。
 自分が普段LINNとか使っているからなのかもしれませんが、この当時の重量級アナログプレーヤーにある音のしつこさや重さがなく、軽々とさわやかに音楽を奏でます。例えば普段LINNとかロクサンとか、その手のプレーヤー使っている人には心に響くのではないかと思います。
 なんていうかな、敢えて例えれば、以前アナログファンの間で話題になった、AIWAの1万円プレーヤーをそのまま高音質にした方向で、この音離れの良さや、リズム感って、例えばYAMAHA GT2000系の重量級アナログプレーヤー使ってる人には物足りなくて心に響かないかもしれません。また、当時の日本のオーディオは、そのGT2000系の方が正統とされていましたので、本機の音質は、マニアにとって正しく評価されていなかった節もあります。
 あと、あの頃のオーディオマニアって、単純に操作が簡単だったり、デザイン性が高い機械とか見下していましたからね。ちょっと見た目がいいアンプとかあると「外見などに余計なコストをかけず、よい音にコストをかけるのがメーカーとして正しいありかた」なんて鬱陶しい投稿がよくFMファンやレコパルの投稿欄に載っていたりしたものです。ああいう人達、今はどんな機器でオーディオ楽しんでいるのかな?

 話をSL-10へ戻しますが、著名オーディオ評論家でもこちらのプレイヤーをセカンドで愛用していた人は多いようで、有名どころだと五味康祐が最後に使ったプレイヤーはこのSL-10だったようですし(入院中という制約はあるにせよ音は褒めていたみたい)、同じくオーディオ評論家の岡俊雄もステレオサウンドで度々本機の記事を書いています。コンパクトで音が良いので、レコードを聞きながら本を読んでいたそうです。

 もっとも「音が良い」といっても「じゃあフルセットのLINN LP-12より音がいいのか!」とか「総額数百万円のハイエンドプレイヤーと比較して言っているのか!」など、イきり立たれても困るのですが、まぁ…常識の範囲でとても音が良いという意味です。

 さて…買ってきたら一応中古品という事で、各所をチェック。

 まず、SL-10でトラブルが多いドライブベルト確認ですが、ここは扉の内側カバーを分解しないといけないのでパス。内側カバーはネジで外せるのですが、スタビライザーを外すのにコツがいるらしく、保証期間中にわざわざ壊す危険を冒す必要もありません。現状でちゃんと動いてるんだから大丈夫でしょう。

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 もう一つトラブルが多いのは、インシュレータゴムの劣化。こちらは本体を裏返してネジを外すだけなので気楽にチェックできます。点検したところヒビ割れもなく弾性も保っていましたので、念のためオープンカー乗りの必需品であるラバープロテクタントでコーティングしておきます。

 アームの感度はやや下がり気味(アームへの追従性が遅い)だったので、内側アームベースにある調整ねじを時計回りに少し回して調整。本来は基板上2カ所の電圧を測って中点を割り出す必要があるのですが、ここは見た目の感覚で合わせて問題ないみたい。
 アームの角度については、シングルレコードによっては着地点からはみ出してしまうことがあるので、少し内向きに調整。ここの角度は演奏中だと関係ないので安全策をとります。
 近年発売されているシングルレコードは、レコード端のツバの部分が少ないのか適当なのか、最近のシングルレコードだと着地点外すことが多いです。レコードのスタートポジションを内側に調整をすればいいのかもしれませんが、どちらかというと、スタートポジションは合ってるのですが、レコードに針が着地した瞬間にカートリッジが遠心力で外側に振り落とされてる感じ。古いドーナツ盤だとそんな事ないんですけどね。
 この問題、本来はスタートポジション調整でなんとかすべきなのですが、ここは先に書いたスタビライザーを外して内側カバーと基盤もバラさないと調整できないので、ちょっと躊躇しています。そもそもレコード盤の問題っぽいので、調整しても直るかわからないし。

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 針圧も確認します。一応ダイナミックバランス型のアームなので、指定の目盛りに合わせて調整すればいいのですが、もう古いですからね、スプリングも弱っているかもと思って念のため針圧計で測定したら、目盛りはぴったりでした。このT4Pというカートリッジの指定針圧は規格で決まっていて1.25gです。私は指示通りの重さより心持ち重めで調整しました。

 設置場所は出窓の上。なんというかこういう場所に設置してこそのSL-10って気がしますね。専用オーディオラックよりも、普通の家具の上など、インテリアに溶け込む場所に設置するのが似合います。本機はハウリング耐性もそれなりにあるので、よほど不安定な場所に置かなければ問題ないかと。
 設置場所の水平出しは必要なし!本機はダイナミックバランス型なので、なんと垂直に立てた状態でも問題なく動作します。というか、メーカーのTechnicsから純正で斜め置き用のスタンドが別売りで用意されていたくらい。まぁ…厳密に言えばモーターのスピンドルは水平状態にしておいた方が偏摩耗少なくて済みそうな気もしますが、常識的に水平ならあまり気にせずとも大丈夫かと思います。

 私の部屋の場合は、ここからだとアンプまで専用ケーブルが届かないので(専用ケーブルは本体側でL/R/アースが一体型のコネクタ式、自作できない訳でもなさそうですが…)、間にフォノイコかませて長目のケーブルでアンプまで接続しています。

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 下はLINN LINTOフォノイコライザーですね。この時代の黒箱LINNはちょうどLPレコード30cm正方形なので、SL-10と専有面積が全くいっしょ。仮にSL-10にブラックモデルがあれば、まさにLINN純正アナログプレイヤーみたいな趣です。本体黒く塗ってLINNのマークとか入れたくなっちゃいます。

 この出窓は自分が聴いている場所から少し離れているのですが、SL-10だと全てがフルオートなので、レコードを聴くのにストレスが全然ありません。オーナーマニュアルには、1ふたを開けて、2レコードをセット、3ふたを閉めてスタートボタン、の3ステップで音楽が聴けるとありますが、フルマニュアルのアナログプレーヤーを長く使ってきた私からすると、感動的な簡単さです。
 更にうれしいのは、レコードの演奏が終わっても機器の操作が必要ないということ。放っておけば、自動的に演奏が止まってアームも開始位置まで戻ります。その上リピート演奏なんて夢のようですね、シングルレコードをリピートモードにして演奏していると、なんだかCDプレーヤーで音楽聴いているのかと錯覚してしまうようです。それで音はきちんとレコードの音ですからね、実に素晴らしい。

 この操作性が素晴らしくて、ここのところは部屋でレコードばっかり聴いています。休みの日なんて一日中部屋にこもって、古いレコードを取っ替えひっかえ…実に楽しいアナログライフです。買ってよかった。

 ここでバイヤーズガイド的なネタを少し。
 このSL-10ですが、比較的長く売られていたことと、案外故障しないので、中古市場にはそれなりに数が出回っています。特に近年この手のアナログプレイヤーがブームなこともあり、近頃では相場が上昇中。きちんとした整備品の場合は、10万円前後で売られていることが多いようです。
 一般的な中古価格で5万円前後、保証ナシやジャンク品で3万円あたり?たまにドフやそれ系のリサイクルショップで売られているのを目にしますが、状態や価格の相場感はかなり広く、修理不能ジャンク扱いなのに7〜8万円だったり、まれに保証付きで1.5万円なんてとんでもプライスで売られていることもあります。ちなみに自分は去年の正月に非ドフ系リサイクル屋で保証3ヶ月付き動作品14,800円ってのを見つけたことがあります、買っておけばよかった。

 修理は…調整レベルなら可能でも、壊れたSL-10は結局パーツ取りの筐体から壊れていない部品を移植しての修理となりますので、整備状態よりも保証の有無を気にした方がいいかも。整備品だろうと故障するときは故障しますし、特にモーター系(回転不調)は、調整では直りません…というかクオーツ制御で調整箇所がありません。
 一番壊れるであろうドライブベルトですが、上記のスタビライザーを外すコツさえつかめれば、適当なゴムバンドを使って簡単に修復できます。そんなんで平気なの?と思われる方もいるかもしれませんが、このドライブベルトはカートリッジを上げたときの横移動と演奏中の大きな動きを制御しているだけなので、動けば問題ないのです。演奏中にアームを細かく動かすのは基盤下の糸となるのですが、ここを壊すとそれなりに面倒くさそうですが、直せないほどでもなさそう。
 なにげに厄介なのが、トップカバーアクリル部分の脱着で、ここを外すためには一部不可逆パーツを外す(外すために破壊しなければならない)必要があり、当然そのパーツはもう流通していませんので注意が必要です。ここの部分はアクリル板で自作している方もいらっしゃるようで、いつか自分も試してみようかな?

 地味に困るのはカートリッジの方かと。
 このプレイヤーで使える形式のカートリッジは、T4Pという規格で、以前は様々なメーカーからカートリッジがリリースされていたのですが、現在だとMCは全滅、MMでシュアとグラド、その他ナガオカに在庫品が残っているくらい?シュアはご存じの通りカートリッジ自体の製造を止めてしまいますし、グラドも実質在庫品が終われば終了でしょう。
 T4Pカートリッジの中古相場は高騰していて、このプレイヤー純正であるTechnicsの310MCなど、中古単体で買うより、中古で本体ごと買ってしまう方が安上がりなレベルです。
 まぁ…正しく使えばカートリッジなんて意外と保つモノですし、注意すべきポイントは針先よりもゴム製のダンパーの劣化だったりしますので、夏はあまり暑くなる場所で保管しないとか、そういう点に注意した方が良いのかもしれません。

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 ちょっと前にどこかのお店のWebサイト?で、このTechnics 50AとSL-10を並べて使っている写真を見たのですが、再検索しても見当たりません。どこで見たんだろう?
 にしてもこの組み合わせ、見た目的にいいよね〜。ということで、オールドTechnicsに敬意を払い、ここのところはこの50Aで音を出しています。
 SL-10に内蔵されているMC用プリはなかなか優秀で、設置場所の制約さえなければ、そのまま50Aに接続しても充分に良い音が出ます。

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▼2018年10月26日

LO-D HS-50

PA251300 ♪日立のお店をのぞいてみませんか〜💛

 なんてCMが昔ありましたが、その日立も昔はLo-Dというオーディオブランドを持って、なかなか通好みの製品をリリースしていました。例えばHMA-9500など、有名オーディオ評論家が愛用していたパワーアンプとして今でもマニアには人気があったりします。

 今回は、そのLo-Dブランドのコンサイスコンポ、HS-50というスピーカー。このシリーズは「本棚コンポ・ジュエル」なんて名前で売られていたシリーズの製品で、音は知りませんけど、キャビネットは総アルミ製、HCC50というプリアンプ(チューナー内蔵なのでレシーバー)と、なんとモノラルパワーアンプであるHMA50を2台使うという本格コンポ。
 こういうスペックのステレオが入門向けとして売られていたのですから、1970年台のオーディオブームはすごかったんだなーと思います。

 で、今回はブロンプトンでサイクリング中に寄ったドフで見つけたもの。どうでもいいけど小型とはいえスピーカーを衝動買いして持って帰れるブロンプトンってすてき!

 サイズは写真の通り、超小型スピーカーの部類に入るのですが、この製品、重さは片側で2.6kgもあり、手持ちのPIEGA TMicro3よりも重い。キャビネットは総アルミ製で、フロントに至っては厚さ4mmのアルミ板バッフルをねじ止めする形で作られています。この製品の音を聴いた経験はなかったのですが、こんな構造のスピーカー音が悪いはずがない!と思って連れて帰ってきました。

 さて、家に持ち帰り、状態はそんなに悪くはなかったのですが、まずは洗浄。全面のキャビネットを外してぬるま湯と、何故かインスタ映えする洗剤としてソッチの人達に人気のウタマロクリーナーでガシガシと洗います。ユニットはウーハーもツィーターもへこみがなくきれいな状態でしたが、ホコリがたまっていたので、ブロアーで飛ばします。全面以外のキャビネットも分解して洗おうかと考えましたが、めんどくさいしそんなに汚れてもいないので、ウタマロクリーナーと雑巾で拭き掃除しました。
 困ったのが底についていた非純正と思われる滑り止めのスポンジ(非純正と認定したのは大きさがバラバラだったから)の除去で、なまじ加水分解中だったのでボロボロと剥がれるし、その粘着部分もムラになっていて、ステッカー剥離剤を使わないと全てをキレイに除去できませんでした。アルミキャビネットだから強力な溶剤使えましたけど、一般的な木や化粧シートで覆われたスピーカーだと無視するしかなかったな。

 クリーニング後、ピエガでも使われているという3M製の半透明滑り止め(笑)を底に装着し、御影石の台にセットして鳴らしてみます。アンプは…しょっちゅう変わって申し訳ないですが、今回はLINNのINTEK。鳴らしてみるとはじめの印象は「あぁ…これはよい音ね〜」って程でもなく(笑)、割と良い音かも…という体温低目の感想でした。もっとも比較元が普段使っているピエガのTMicro3だから仕方がないのかな。

 ただ、とりあえず慣らし運転のつもりでしばらく使っているのですが、だんだんとユニットも目覚めてきたようで、当初の印象よりもだいぶ音がいいなと思ってきました。はじめの頃はウーハーとツィーターのつながりがイマイチだった気もしていたのですが、エージングが進んだのか、私の耳が慣れてきたのか、その辺は気にならなくなってきています。

 そうはいっても、音についてはなかなか本格的なもので、普通このサイズのスピーカーで、ここまでスケールが大きな音を出すスピーカーも中々ないのでは?
 音は昔の国産オーディオっぽく、全体のまとまりよりも、ソリッドに楽器それぞれの音を出してくるタイプだと思いますが、それでも音源が小さくまとまっているので、ステレオイメージも結構感じられます。
 こんなサイズながらも、出てくる音に弱々しさやブーストで無理をしている印象が全くなくて、ユニットがきちんと正統に仕事をこなしている感じ。こういった卓上用スピーカーとして比較するなら、今でもかなり音がよいスピーカーに分類される気がします。

 HS-50の定価は、1970年台当時で2本セット47,000円もしたので、決して安物ではありません。現代の価格としてもこの値段はそれなりですし、あの当時の感覚だと、今だと10万円以上のスピーカーというイメージだったのかもしれません。そう考えると、このシリーズは、いわゆるコンサイスコンポとはいえ、決して安物のミニコン・シスコンとは全く違ったジャンルの製品だったんでしょうね。

 ということで、私はここ一ヶ月くらい、なんだかんだでずっとこのHS-50を使い続けています。ということは、以外と気に入っているのかも?

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▼2018年08月27日

Victor AX-Z921

P8250408 Victorといえば、何となく手堅いオーディオメーカーのイメージがありますが、バブルの頃は、世界でもこの会社だけという個性的なアンプを作っていました。それがAX-Z911と、今回紹介するAX-Z921です。
 AX-Z911については以前ここでも紹介しましたが、今回のAX-Z921はその後継機種となります。

 このアンプ最大の特徴は、K2テクノロジーと呼ばれる回路を始めて搭載したアンプであることです(ちなみに市販の機器初搭載は同じくVictorのXL-Z711というCDP)。K2テクノロジーについて詳しくは上記リンク先を読んでほしいのですが、簡単に言うと、受け取ったデジタル信号の歪みを補正して、よりオリジナルの音源に近づけようという技術。
 この技術は今でもデジタル録音の現場では使われていて、近頃は配信の音源でも、この技術を使ってビット拡張したデータが売られたりしていますが、これがニセレゾなのかどうかの問題は今回のエントリと関係ないので触れません。

 そのK2テクノロジーの恩恵なのか、AX-Z921の内蔵DACは、今となっては荒っぽさが魅力でもあったAX-Z911の内蔵DACと比べて、少し優しい音を出します。よく言えばアナログライクな…悪くいえば個性がなくなったといえなくもないですが、販売当時の世相を考えれば、AX-Z921の音は、正統な進化を遂げたといえるでしょう。

 その他、重量もAX-Z911の19kgという重さからちょっとだけダイエットしていて、AX-Z921の重さは18kg。まぁ…それでも充分重いアンプだとは思うのですが、その1kg分は例の3mm厚の天板がAX-Z921ではなくなっていることが要因のひとつなのかも。その他内部のレイアウトもAX-Z911の理想主義的な配置よりはやや現実的になっている気がします。

 AX-Z921が進化しているのはK2テクノロジーだけではなく、例のデジタル信号を解析したA級動作も進化しています。なんでもダブルピュアAタイプII回路と呼ばれる技術で、AX-Z911が受け取ったデジタル信号を解析して最大パワー20Wが超える時点で増幅回路をAB級に切り替えるといった処理をしていたのに対し、AX-Z921のダブルぴゅあぴゅあ〜な回路は、受け取ったデジタル信号のパワーを解析し、A級の増幅回路に流すアイドル電流を動的に制御しているようです。
 そのため、A級動作時には天板がチリチリに熱くなるAX-Z911に対して、AX-Z921の場合、ご家庭で常識的な音量で聴いている限りは、A級動作時でも確かに天板熱くはなりますが、割と常識的な熱さに留まります。少なくとも天板全体が熱くて触れないなんて状態にはならないです。確かにこれでもA級動作には違いないのですが、なんだかズッこ〜!といいたくなる気もしますね。
 お互いのA級動作状態の音を比較してみても、AX-Z911は再生音に熱いシンパシーを感じますが、AX-Z921は確かに高音質なんだけど音楽に熱さが足りない…ってのは全くの気のせい(笑)。音楽の熱さはともかくとして、AX-Z921のA級増幅は、AX-Z911に比べてもうすこし洗練された音になった気がします。

 これは完全に私の想像ですが、AX-Z911のあの熱さは色々な部分でご家庭用オーディオ機器としてはマズかったんだろうなぁ…。おそらく故障も多かったでしょうし、当時主流だったガラスのトビラ付みたいなAVラックに収まっている状態で使い続けていると、確実に熱で保護回路が働いたと思います。コンデンサなど内部パーツの寿命も大幅に短くなったでしょう。また、アンプの上に何か別な機器を重ねて使っている人(当時だとこういうセッティングは割と当たり前だった)は、アンプもはもちろんのこと、上に積んだ機器も熱でトラブルが発生したかもしれません。
 このように一般家庭用のアンプで完全なA級動作ってのは、何かとハードルが高いんだろうなと、AX-Z911のチリチリに熱くなる天板を横目に音楽を聴いていると、そんなこと思ったりもします。
 それに比べるとAX-Z921の方は、熱くなるといっても割と常識的な熱さなので、上に別の機器を重ねて使いでもしない限りは、そんなにトラブルも発生しないのではないかと。
 まぁ…純粋なA級動作としては、アイドル電流をこうやって上げ下げするより、定格電流を流しっぱなしの方が回路が安定するので音は良いはずなのですが、ご家庭用のオーディオ機器である以上、こういうのも仕方がないのかもしれませんね。

 そうそう…例の裏技のDAC2からのアナログ入力のA級動作ですが、AX-Z921では…わかりません。というのも、天板外しても例のパイロットランプもなさそうですし、となると本格的な回路解析でもしない限りはアンプが発する熱から判断するしかないのですが、試してみた結果は、それなりに熱くなっているので、多分A級動作しているんじゃないかな?としかいえません。この辺はA級動作してると信じている方がスッキリして良いので、私はそう信じとくことにします(笑)

 その他、アナログ系統の音質もデジタルA級の音と同様、AX-Z911のパワーを押し出す荒削りな音に比べて、AX-Z921の音質は全体に洗練された印象を持ちます。比較してどっちが高音質か?と評価すれば、AX-Z921の方が音は上なのですが、こういう古いアンプの個性を楽しむのであれば、AX-Z911の方がわかりやすく個性的で面白いかもしれません。

 外見をチェックしてみると、AX-Z921のフロントパネルは、AX-Z911と同じくプリズムみたいな奥行きのある美しい表示部。ただA級動作中を示す「OPERATE」というインジケータはなくなりました。
 入力の切換は、AX-Z911のトグルスイッチからそれぞれ入力別のプッシュボタンに変更され、便利にはなりましたけど見た目はちょっとカッコ悪くなったかも。
 その他大きな違いは、AX-Z921はスピーカー出力が二系統になったことで、私の場合、スイッチひとつでメインスピーカーと、PC脇のサブスピーカーへの出力に切り替えられるようになって、便利になりました。

 そうそう、どちらも重量級プリメインの割には、リモコンで音量と入力切り替えが可能です。リモコンモータ付のボリウムについてAX-Z911はまだ手慣れていないのか、ヌルッとしたあまり触り心地が上質な感じがしないボリウムだったのですが、AX-Z921はその辺もうすこし節度感のあるボリウムになりました。
 他、スピーカーの左右バランスや、低音のトーンコントロールは、AX-Z921になってちゃんとハッキリと効くようになっています。トーンコントロールはともかくとして、AX-Z911の左右バランスは、なんだか微妙な効き具合でちょっと不思議な感じもしましたしね。

 ということで、アンプとしての性能でいえば、AX-Z921はAX-Z911からの正統進化版で、音質や使い勝手など全ての面で進化しているのですが、どちらが魅力的なアンプかといえば、AX-Z911の尖った感じも悪くないなと思ったのでした。

 あ、そうそう…フォノ入力については、AX-Z921の方が確実によかった気がしますが、この辺古いアンプって個体差もあるので、実のところ音質評価については何ともいえないんですよね。

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↑例の表示部は、緑と黄緑に統一されています。

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▼2018年07月23日

LINN ASAK

P7221447 伊藤さんが作ったからITTOK、のアームに、朝倉さんが作ったからASAK、のカートリッジを組み合わせてみました。
 このコンビ、ある意味LINN Classicとも言える組み合わせで、LINNにとって初めての製品であるLP-12の発売が1972年、そしてその次の製品がこのASAKというカートリッジで1978年にリリース。その一年後の1979年にITTOK LVIIというアームが発売されて、ようやくLINNのアナログオーディオラインナップが完成します。
 ちなみに、ITTOKの後に付くLVIIという文字は以前だと単なる型番かと勘違いしていて、ひょっとしてLVIなんて製品が存在したのか?なんて思っていましたが、こちらのページによると、「Las Vegas」で出会った「Itoh & Ivor」とのことで、本来のLVIIとは「エルブイ、ツー」ではなく「エルブイ・アイアイ」ということみたい。ちょっと面白いですね。

 さてこのASAKですが、とあるオーディオ評論家の方が使っていたもので、色々あって私の所にやってきました。そのため状態は完全で、今でもいい音を奏でてくれます。
 もっとも発売は40年前、一番新しい状態だとしても30年前に製造されたカートリッジなので、初期性能を維持しているのかはわかりません。早速家にあるLINN BASIKというターンテーブルで聴いてみました。

 まず感じたのは、普段使っているIKEDA 9cに比べて優しい音だなと。
 優しいというのは語弊があるかな?なんというか、IKEDAのカートリッジにある危なげな印象…刹那な感じがなく、極めて普通のカートリッジの音。この辺ちょっと説明しにくいんですが、IKEDAの音って音はいいんですが、なんだか聴いてて緊張感あるんですよね。そういう印象がありません。
 音のレンジは、中低域重視かな。ベースやドラムに独特の張りがあります。もちろん高い音も綺麗に出ますが、上も下もレンジを欲張る音ではありませんが、必要な音はしっかりと出ていて更に中域付近に独特の濃さがある。言葉にすると「ナローな音なの?」と誤解されそうですが、全然そんな事はありません。この音の表現は、まさにClassic LINNのイメージそのものですね。とにかく、レコードをとっかえひっかえ演奏するのが楽しくなります。
 カートリッジのトレース性もよく、レコード盤面の状態はあまりシビアにならなくても、ちゃんと音溝に沿ってレコードを演奏してくれます。この辺IKEDAは盤面の状態にシビアですからね。それだけでもなんだか優しい気持ちでレコード演奏できそう(笑)

 モノが古いので、いつまでこの調子を保ってくれるかわかりませんけど、それまではちょくちょくと引っ張り出してレコードを演奏させ、余生を全うさせようと思っています。ちなみにLINNのオールドカートリッジだと、KlydeK5も持ってるんですよね。

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↑表面?のLINN ASAKという文字が可愛いんだけど、アームに付けると見えません。

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▼2018年06月20日

PIEGA Master Jubileの更なる謎

 昨日に引き続きPIEGA Master jubileについてネットを調べていたら、STEREOというドイツのオーディオ誌が、PIEGA Master Jubileの発売当時にレビュー記事を掲載していたのを見つけました。
 この雑誌の良いところは、ネットから記事が切り売りで買えるという点。早速Master Jubileの紹介記事3P分を1€で購入してみました。そこでMaster Jubileに関する新たな事実(大げさ)が判明します!

 まず、ここで紹介されているMaster Jubileですが、これはドイツ向け販売に割り当てられた7セットのうちの1つ。しかも既にユーザー購入済みだそうで、それを借りてテストしているみたい。
 ちなみに記事が書かれていた時点で既に完売だそうです。この記事が掲載されている号が2011年11月なので、Master Jubileは少なくとも2011年の10月頃には既に完売していたようです。

 そして、Master Jubileのエンクロージャ側面から背面にかけて貼られている木目ですが、こちらはマッカサルベニヤの天然木。それも複雑な製造プロセスでエンクロージャに貼り付けられていると、記事には書かれています。
 私はここの木目って、適当にそれっぽい柄のビニルシートでも貼ってあるだけかと侮っていましたが、思ったよりも複雑で手間がかかる工程で製造されていたようですね。考えてみれば販売当時で€8,000(というのもこの記事で知りました)という高級スピーカーなので、そんないい加減には作られてないか。

 ちなみに別なサイトでMaster JubileはPremium 50.2に比べて「全ての面で優れている」と書かれていました。似ていますからね。オーナーとしてはちょっと嬉しい気もしますが、2012年初頭に発売されたPremium 50.2は€3.249(初期ロット)なので、価格も倍以上の差があります。そう考えるとMaster Jubileのオーナーとしては優れてくれてないと困るかも…。
 しかし、これらのモデル、試作品(みたいなもん)と量産品の差はあっても、この価格差と重量差はよくわかりません。フロントのエンクロージャなんて、まんまPuremium50.2から1つウーハーの穴を塞いだだけなのがMaster Jubileにしか見えませんけど…謎が深まりますね。
 (2018.8.29追記)この重量差について、改めて独:STEREO誌の記事を読み返すと、Master Jubileのキャビネットはアルミ鋳造と書いてありました。その後のCoaxPremiumシリーズはアルミ押出成形なので、Master Jubileは本当にこれらのモデルの量産用試作キャビネットという位置づけだったのでしょう。これなら同じ形のキャビネットなのに重量が全然違うのも納得できます。見た目はほぼ一緒ですがCoaxやPremiumとは全く別物、当然エンクロージャの厚みも違うはずで、まさに量産試作品のガンダムみたい。

 他、STEREOの記事では低音について褒めています。周波数測定データも驚異的(どこまで本気なんだか?)と評されていますよ。テスト結果ではサウンドレベル(?)は88%、5点満点で4、エクセレント!という評価でした。グーテンモルゲン!


▼2018年06月19日

PIEGA Master jubileの謎

P3210799 PIEGAのMaster jubileと暮らし始めてはや3年、改めてこのスピーカーと向き合ってみます。
 ここのところはCyrus TwoとPSXで鳴らしているのですが、少しづつこのスピーカーが見えてきたような気がします。

 もっとも私はPIEGAというブランドをそんなに聴いてきた訳でもないんですよね。唯一購入を前提として聴いたのがTP5で、その他PremiumやCoaxのシリーズは、聴いたことはありますが、そんなに真剣に聴いていません。なのでPIEGAファンの方にとっては、ちょっと私と印象違うと思われるかもしれません。

 まず、このMaster jubileというモデルについて。こちらはPIEGA創立25周年を記念して25ペアのみ製造されたスピーカーと言われています…が、何故かPIEGAの正史からは省かれており、ネットを探しても、販売当時に最も流れたと思われるロシア語での紹介記事がいくつかあるだけです。
 正史からは省かれているモデルということで、このMaster jubileは記念モデルといいつつも、おそらくPIEGAがTCシリーズからPremiumシリーズに移行するにあたっての実験的なモデルだったのではないかと。そしてPIEGAの正史にない理由は、Master jubileがPIEGAとしては完全に実験モデルとしての位置づけで、結果として失敗作だったからなのか?真相はわかりません。

 同じようなサイズであるTC50Premium 50.2で比較してみましょう。まずMaster jubileのエンクロージャは、上から見るとTC50の台形っぽい形状からPremiumシリーズのラウンドエンクロージャに変わっています。
 その他では、Master jubileのウーハーのみが1発という点、これはTC50もPremium 50.2も2発なので明らかに設計から違います。Master jubileは所詮25ペアしか作られなかった製品ですから、わざわざコストカットを図ったとも思えません。ただ、Master jubileが後のPremiumシリーズ開発にあたり、ウーハーが1発でも問題ないか?という実験をしていたというなら話は別です。

 そしてMaster jubileより後に発売されたPremium50.2との違いを見ると、まずは見た目の違い(色は除いて)だとウーハーの数程度しか違いがないように見えます。バスレフの穴の位置も同じです。エンクロージャ表面はPremium 50.2がアルミ地そのままのシルバーに対して、Master jubileのエンクロージャは、表面に天然マッサカル・ウッドが貼り付けられワックス処理されています(ここ、ビニルシートかと思っていましたが天然木らしいです)
 ただ、見た目ではわからないところだと、両モデルは重量が全く違います。Premium 50.2の重量がカタログ値37kgなのに対して、Master jubileはカタログ値で重量60kg、Master jubileの方がおよそ40%も重いのです。
 私が過去に書いたエントリでは、PIEGA一般のアルミエンクロージャが押し出し材なのに対して、Master jubileは同社C40などと同様にアルミの鋳物製なのではないか?と推測していますが(Master jubile)、サイズとエンクロージャの形状がほぼ一緒のモデルで、これだけの重量差はちょっとおかしい。Master jubileとPremium 50.2、見た目は似たように見えても、実はエンクロージャの設計が根本的に違うのかもしれません。

 それらを前提に音を聴いてみますと、まずPremium 50.2は、ネットでいくつか試聴記を読んだ限りでは中域がやや前に出る(出過ぎる?)といった傾向のようで、これは自分のMaster jubileとはちょっと違うかなと。
 今までいくつかアンプを取り替えて、このMaster jubileを聴いた印象としては、中域の張り出しは全くありません。逆にボーカル域は少し控えめでもあります。そして感じるのが低音の量ですかね。これはレンジの問題ではなく(もちろん充分な帯域は出ています)、スピーカーの特徴として何らかの低域をチューニングしているような気もします。この辺りは私ネットで読んだ限りでのTC50やPremium50.2の試聴記では触れられていない点なので、Master jubileが他の市販モデルと最も違う点はここではないかと。

 それと、空間表現も私が今まで使ってきたスピーカーとはちょっと傾向が違います。なんというかフォーカスがバッチリと決まった高解像度型の音場ではなく、もう少し広い空間に包み込まれるような音場です。なので、ボーカルがスピーカー中央にはっきりと浮かび上がるといったタイプではありません。もちろん定位はきちんとしていますが、中央で歌手が歌っている空間そのものをまとめて表現しようとしているのか?そんな印象です。

 Master jubileは、近年のスピーカーにしては89dbとなかなか能率が良いのですが、Premium 50.2は更に高能率な92dbです。そんな所にも両者の設計思想の違いが見えてくる気がします。そしてMaster jubileが仮に実験モデルだとするなら、今のPIEGAはMaster jubileとは違った方向でスピーカーを作ることに決めた!という事になります。

 あまりTC50やPremiumシリーズの音を聴いていない中で、これらの特徴を推測するのは迂闊かもしれませんが、Master jubileがピエガの正史で全く語られていないことについては、きっと何らかの理由があるのだと思われます。

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▼2018年05月31日

マイオーディオライフ2018

 オーディオ趣味で一番楽しいのは、他人の部屋をみること?だったりします。

 ただまぁ…実際にはいきなりオーディオファイルの方の家へ押しかけて「音聴かせて下さい!」なんて言える訳もありませんし、となると普通では、お友達でオーディオに凝っている方の家を見つけて、そこへたまに遊びに行くという経験しかできないのです。
 それと、ちょっとアレですけど、あまり親しくない他人のオーディオ部屋に行くと、どうしても「褒める」以外の反応ができなくなるってのもありますし。

 そんな方にピッタリな本が、この「マイオーディオライフ2018」です。

 オーディオのプロ(例えばライターなど)の方にとっても、オーディオ部屋の取材というのは結構大変なようで、古くは五味康祐氏による「オーディオ巡礼(季刊ステレオサウンド)」や、菅野沖彦氏によるレコード演奏家訪問(季刊ステレオサウンド)、長岡鉄男氏の「オーディオクリニック(FMファンとか色々)、その他オーディオユーザーへのお宅訪問記なんてのはいくつかありましたが、記事や特集の数としてもあまり多くはありません。
 それと、ハイエンダーな前記2つは別としても、ほとんどは「クリニック」や「アドバイス」目的の訪問記だったりして、となるとどうしても現状の音に不満を持っている人がメインになってしまい、その人が何を思ってこんなオーディオ(失礼)にハマってしまったのかがやや見えにくいのが残念でした。

 ちなみに、長岡鉄男氏のオーディオクリニックは、今でも単行本を自分の教科書にしていて、年に1度くらいは読み返します。改めて彼の記事を読み返してみると、ほとんどの事例で余計なインシュレータやアクセサリを外すということをやっていて、世間にある「長岡派はすぐに鉛のインシュレータとかおもりをアンプに載せたがる」って印象と真逆なのが面白い…って、話がずれました。

 ということで、この山本さん(面識ございますのでさん付けで呼ばせて頂きますが)によるオーディオムック、既にシリーズ3冊目になります。1冊目については「マルチフォーカスチューニング」というクリニック形式をとっていますが、2〜3冊目はよりユーザーの訪問記風になっています。
 ヒガミではないですが、ステレオサウンドの「レコード演奏家〜」までいってしまうと、庶民とはあまり縁のない雲の上の世界の話って気になりますが、このシリーズの本で紹介されている方達は、もっと普通のオーディオ好きな方…といったラインを狙っている印象。
 個人的に、オーディオユーザー訪問記は「専門誌よりも一般紙(BRUTUSなど)で紹介されている記事の方が面白い」と感じていたのですが、このオーディオライフのシリーズはそのラインにも近くて、マニアックすぎない、でもオーディオ好きが伝わってくるという実にバランスが良い訪問記で、読んでいてとても面白い。
 中には「とてもじゃないが真似できない」って人も登場しますが、それでも皆さん、それぞれの生活の中でオーディオを楽しんでいて、そうそう…そういう人達が普段どんな環境で音を聴いているのか“出歯亀”させて頂くのが一番楽しいんだよ〜なーんて思いながらページをめくっています。

 もちろん、オーディオ専門誌におけるマニアックな記事も大切だと思うのですが、それに比べて今も昔もオーディオ雑誌からは、オーディオが好きになった生活というのが中々みえてきません。なので、今オーディオに興味がない人でも、この本で「オーディオが好きになった結果」を体験してみるのは楽しいのではないかと。

 著者の山本さんは、Webでオーディオとの生活を公開されていますが、文章が決してオーディオ一辺倒でないのが、実にリアルなオーディオライフという感じで面白いです。
 そういえば、山本さん自身もステレオサウンドNo.138号で、菅野沖彦氏によってレコード演奏家としての訪問を受けています。あの記事にはまだパーペチュアルのDACがあったりと懐かしい。マイオーディオライフとは立場が逆なので、山本さんのオーディオ観に興味がある方はそちらの記事もお勧めです。

 ちまなみに、私も個人的に今まで色々な方の部屋のオーディオを体験させて頂きましたけど、その度に「いい音だなぁ」とか「これはちょっと…」など感想は色々ですが、それと同時にほぼ100%感じる事は「はやく家に帰って自分のオーディオ聴きたい」だったりします。
 これは音を聴かせてくれた人のオーディオが自分より上か下かという事ではなく、やはりなんだかんだで完全に自分の好みだけで機材を調達しセッティングした音というのは自分にとって一番馴染むということかもしれません。ただ、他人の音を聴いてから少し音の軌道修正をしてみようか?なんて思ったりすることはよくあります。それと自分が知らなかった世界…機材や音楽その他セッティング方法などを知ることができるのは、やはり楽しい体験です。

 そんな風に他人のお部屋におじゃましている気分で、自分の家の音を聴きながらパラパラとページをめくるのがこの本の正しい読み方かも。続刊(があれば)も期待しています。

https://farm2.staticflickr.com/1741/27536456457_619bff5650_m.jpg
↑本書は出版社様より贈呈頂きました。
何故かは読んでみてのお楽しみ。

iPhone7 Plus


▼2018年05月17日

シューマン共振発生装置をお借りしました

P5171150 “シューマン共振”という言葉があります。ひとことでいうと、地球の大地と大気の電離層の間を空洞と捉えた場合の固有振動。この数値には解釈によって1次2次3次など色々ありますが、大体は最低周波数である7.8Hzを指すようです。

 この数値、ヲデオ的(自作スピーカーな人的)にいえば、地球の大気が持つfo(エフゼロ)となりますかね。地球を密閉型キャビネットと捉えれば、fo以下の低音は出ない(発生しても地球規模で振動が伝わらない)こととなり、逆にいえば地球の大気の中で万遍なく伝わる最低の音(周波数)が7.8Hzとなります。

 これらの音(電磁波)の主な発生源といえば、地球上で絶えず起きている雷で、それらが発生させる音(電磁波)の中で、7.8Hzの周波数、もしくは倍数を持つ振動だけが、固有振動(共振)数として減衰せず地球の大気を駆け巡ります。他の帯域のエネルギーは、地球の大気環境下では共振しないために減衰、もしくは吸収されてしまい、発生源からの距離に乗じてエネルギーが弱まり、地球全体には到達しません。

 ここまでが科学の話。

 ここから先は科学的には証明されていない話ですが、この7.8Hzという周波数は、絶えず地球の大気を駆け巡っているため、私たち地球の生物に対して大きな影響を与えているとのこと。
 逆にいえば地球の生命は、この7.8Hzという波を絶えずゆりかごの振動のように感じて生きているため、これが不足すると精神が不安定になったり、体調が悪化したりするそうです。
 その7.8Hzのシューマン共振を補完してあげようというのが、この“シューマン共振発生器”となります。

 シューマン共振発生器と言えば、私たちヲマニがまず思い出すのはアコリバのこれ。発売当初はハッキリいって物笑いの種でしかありませんでしたが、意外と効果アリ!みたいな証言も多く、最近ではむしろオーディオアクセサリというより、その手の人達の中で、手軽に買えるシューマン共振発生装置として需要があるようです。確かに定価はともかくとして実売2万円前後ならこの手の機械としては高いモノでもありません。

 ただ、見た目を気にしなければ、この手の製品はもっと手軽に入手可能です。効果としては本当に7.8Hzを発生しているのであればどっちも変わらないと思いますし、逆に綺麗なケースに入ったオシャレ(?)な製品がほしければアコリバって手もあるでしょう。この手の部屋に設置する機器は、インテリア性っても重要なポイントなので。

 私が今回お借りしたのは、上記のモノよりはるかに安く、アメリカのebayで仕入れた送料込みで$30くらいのモノ…らしいです。基板丸出しのスタイルではありますが、大きさも小さいので、設置場所を工夫すれば特に気にならないと思います。

 一応、本機を使うと音質向上…というか、音が変わるという効果があるようで、その他にも熟睡できるとか肩こりが治るとか体調の調整にも役立つらしいです。ただ、こちらを貸してくれた友人によると「オーディオの音は変わるのはわかったけど頭が圧迫されるようで気分が悪い」との事だったので、個人差があるのかもしれません。
 それか、本当にシューマン共振を補完する機械だとするなら、もともとそれらの波を不足なく浴びることができる地域と、鉄筋コンクリートや様々な振動、電磁波で毒されている都会では当然効果も違ってくるでしょう。元から7.8Hzを感じられる場所で同じ周波数の波を発生させると、理屈では共振で周波数が変わってしまいますからね。

 で、自分の部屋で一晩使ってみました。
 まずはオーディオ的な効果があるのかないのか…、ハッキリいってよくわかりませんw。気のせいかちょっと音がスッキリしたようにも思えましたが、この程度だとプラセボかも。
 なら、体調的にはどうか?と言われると、一応装置を布団の上1m程度の場所に設置して寝てみましたが、確かにスッキリ眠れた気もしないでもない。でも、これも一晩の検証ではわかりませんね。
 それに、この手の装置のレポートでよくある「電源を入れると明らかに辺りの空気が変わった!」とか「よくわかりませんが何か出てるのが実感できた」みたいな事は全くありませんでしたので、自分の身体はどうも鈍感にできているのか(笑)
 まぁ…この手の方向に敏感過ぎる身体をもっていてもロクな事はないので、それはそれでいいのですけど、もう少し使ってみて何か変化がありましたら、またエントリ立てます。

 このシューマン共振発生器についてのエントリ書いていて思いだしたのは、星野之宣/サーベルタイガーという本に収録された「ユニコーンの星」という短編SF。この話は人間が惑星エデンという未知の星に調査のため上陸した際、乗員は絶えずその惑星が発生させる不気味な低音に晒され、だんだん精神が崩壊してゆくという話です。
 地球の生命体は元々地球が発生させている低音がある環境で暮らしているため、その音が気にならないそうですが、エデンではその音(周波数)が違うために地球の生命は精神に異常をきたすとのこと。それこそが地球でいう“シューマン共振”の音なのでしょう。
 人類が将来惑星探査に出かける際は、アコリバの低周波発生装置が必需品になるのかな?

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▼2018年05月14日

Cyrus PSXの謎

P5141130 謎という訳ではないのですが、ふとPSXがないCyrus Twoの音は記憶しとくべきかなと、まずはPSXを取り外した状態でさらっと音楽を聴いてみて、その後、PSXを接続した状態に戻してみました。

 昨日のエントリでは書き忘れましたが、Cyrus TwoにPSXを接続するためには、Cyrus Twoの中身も弄らなければなりません(だから単体に戻すのが面倒と書いています)
 弄るって程でもないのですが、PSXを接続する際はCyrus Twoの基板上にあるFS1とFS2のヒューズを外す必要があります。場所は写真中央ちょい左側に見えるヒューズソケットがそれです。規格は250V/F4A。FはFast、つまり速断タイプのヒューズです。
 それとは別に、Cyrus Twoのメインヒューズは100V/120環境下では250V/T2.5A、PSXのメインヒューズも同じ環境下で250V/T4Aが指定されており、こちらのTはTime-lagという意味で、溶断まで時間差があるスローブロータイプのヒューズとなります。

 ちなみにFS1とFS2のヒューズを外さずにPSXを接続すると、アンプか電源…どちらかの基板上にあるヒューズが飛ぶ…もしくは基板上のパーツに深刻なダメージを与えるそうで、このPSXが入手時、基板上にあるヒューズが2本とも切れていたのは、誤った接続のせいだったのかもしれません。一説によるとCyrus Two側のインレットに電源ケーブルを接続してメインスイッチをONにしなければ大丈夫という話もありますが、わざわざ試す必要はないと思います。

 この変更は本来ユーザー自身での作業が許されている部分ではなく、マニュアルには販売店を通してサービスに依頼せよとの指示があります。
 もっとも今時Cyrus TwoとPSXを日本国内で入手した人は、既にサービスに依頼できる状況ではないと思いますので、該当部分のサービスマニュアル、テキスト起こしを掲載してみましょう。スペルミスがあったらゆるして。

Cyrus Two - PSX Modification

1. Disconnect the Cyrus Two amplifier from the mains and leaved discnnected overnight.

2. Remove all interconnect and loudspeaker cables.

3. Carefully remove the ground nut situated close to the phono inputs at the rear of the amplifier.

4. Carefully remove the two case securing screws/bolts located on the back of the unit. Then remove the two or four which are located on the sides of the amplifier close to the front panel.

5. With the amplifier in front of you gentfy lift the back of the case to an angle of approximately 45 degrees then gently pull the, case towards you.

6. You will now be able to see the circuit board. There are two glass fuses located near the mains transformer (See Diagram) these need to be removed. Using the Allen key -- hook the short end under one end of the fuse and lift, once. the fuse has been lifted remove it from the fuse holder, Remove the other fuse in the same way.

7. At the rear of the amplifier you will see the PSX socket, this is normally blanked off using either a plastic disc or a rubber bung in either case remove the item so that the socket is clear and ready to accept the PSX lead.

8. Replace the case by inserting the front under the front panel and then lower the case to its normal position.

9. Replace all the case screws/bolts. Do not force any of the screws/bolts as this may cause damage to both the case and chassis, in this event remove and refit the case ensuring all holes are aligned.

10. Replace ground nut.

11. Connect lead from the PSX to the Cyrus two PSX socket.

12. Connect interconnects and loudspeaker cables, double check all connections.

13. Connect mains leads .

14. Ensure "Cyrus Two volume control" is set to minimum and that the listen selector is set to mute.

15. Turn on both the "Cyrus Two" and PSX.

16. Select a source and listen.

 必要な方は上記の手順をしっかり守って作業して下さい。もちろん自己責任だし、私は情報を開示しているだけで作業を推奨している訳ではありません。責任は全く取れませんが、特に事故を防ぐために「1」は重要です。

 で、話を戻しますと、Cyrus Twoを単体のプリメインに戻すためには、再びカバーを開けて基板上のヒューズを再装着する必要があります。

 この状態で音を聴いてみると…あれ?以外といいのでは??思ったよりも音が劣化しないというかPSX駆動の状態と差がない気がします。
 う〜む…と思って、しばらくしてから再びCyrus Twoのカバーを開けてヒューズを引っこ抜いて、PSXから電源を供給してみたら、これはすごい!やっぱり全然違う!!音のレンジも広がるし特に驚くのがステレオ空間がグンと前後に広がること。やっぱり比較してしまうと当たり前だけど全然違いました。
 Cyrus Two単体に戻したときは、その前にPSX駆動の状態を聴いていなかったから「あれ?以外とイけるのでは?」と思ったのかも…いや確かにCyrus Twoの音は単体でもイけているので、この感想も間違いではないのですが。

 ということで、Cyrus Two単体の音を聴いたことある人は案外いると思いますが、PSX駆動を比較した文章ってあまり見たことない気がしましたので、ちょっと書いてみました。

 くれぐれもアンプ側の基板上にあるヒューズ引っこ抜く前にPSXつながないでね(とくにアンプ側の電源がONの状態で電源ケーブルをインレットへ差し込まないで)!どちらかがぶっ壊れますよ。

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▼2018年05月13日

Cyrus TwoとPSX

P5131124 もう10年20年前でしょうか…都内の某高級オーディオ店で、状態があまりにもアレなので処分する寸前というCyrus Twoを何かを買ったオマケということもありタダ同然の値段で仕入れてきました。
 その状態といえば、見た目がボロボロ(というかこの時代のネクステル塗装の機械はみんなそう)ということと、電源ボタンが死んでいること。電源ボタンについては単にスイッチを動かすプラ製のパーツが折れていただけだったので、基板上でスイッチを直接ONにして電源ケーブルをつないだら音が出ました。

 その音は、LINNやNaim等のプリメインと違い、ちょっと乾いた感じの音だったのですが、他の英国製小型アンプ同様、スピーカー駆動力と空間表現は実に素晴らしく、メインシステムとしては使っていませんでしたが、時折取り出しては音を出して、そのブリティッシュサウンドを堪能していました。

 このCyrusのアンプには、強化電源のPSXというモデルがあります。
 「強化電源」という考え方は、あまり日本のオーディオメーカーだと聞かない商品なのですが、海外製品の場合は割とオーソドックスなアップグレード手段として認知されています。
 同じイギリスのメジャー所だと、LINNの場合はアナログプレーヤー用のLINGOという強化電源、Naim Audioの場合だとSNAPSやHi-Capといった強化電源など。もちろん音質向上効果はその価格以上の価値があるのですが、いうなればただの電源、どうもこのジャンルの製品は日本のオーディオメーカーでは定着しなかったようです。

 Cyrus Two用の強化電源PSXは、ボディの中身半分を占めるのでは?という巨大なトランスから、DC+36Vと-36V(だったかな?)とグランドを供給して、Crysu Twoを駆動します。
 PSXからの電源でCyrus Twoを駆動している場合、Cyrus Two側の電源ケーブルは必要ありません。インレットから電源ケーブルを抜いてしまってもCyrus Twoは動作します。ただ、内蔵フォノイコだけはCyrus Two側の電源から供給されますので、アナログレコードを聴く場合は電源ケーブルを接続する必要があります。逆にいえばPSXから電源を供給されている状態のCyrus Twoは、その内部電源の全てを内蔵フォノイコライザーのみに使う事になりますので、アナログレコード再生において劇的な音質向上効果が得られるようです。一説によると「レコードは腰を抜かすほど音が良くなる」とか。

 このPSXは、ジャンク品を数千円で入手したモノ。私が所持しているCyrus Twoとちょうど釣りあうかのごとく、筐体はボロイ感じでむしろ私的には好ましい(笑)
 ジャンク品とのことで当初はCyrus Twoに接続しても音が出なかったのですが、調べると基板上のヒューズが2本切れていました。なのでそちらを交換して再び電源を入れたら、今度はメインヒューズが瞬断。いわゆるヒューズ内の導線が破裂するように切れたという状態で割と重症。どこかで回路がショートしてるのかな?と、テスターでいろいろ追っていくと、トランスからの出力線で一箇所ショートしていまして、それを再接続して電源を投入してしばらくしたら、今度は筐体の一部が千切れて落下し、それが基板上でショートしてまたメインヒューズを飛ばすなんてミスをしてしまいました。なのでそういった事故を防ぐため、筐体上部、穴が開いた部分を内側からアルミ製パンチングメタルで塞いで使っています。
 
 音質はどうなんでしょうね。
 最近Cyrus Twoの音を単体で聴いていなかったので、実はあまり良く分からないのですが、以前よりも音がハキハキしてパワーが出ているような気がしますので、おそらく音も向上しているのでしょう。少なくとも現状では、比較のためにCyrus単体で聴いてみるのがが面倒くさいくらいいい音が出ていますので、PXSの効果は出ているんだろうと思います。見た目はかなりボロボロですが、音は実に気持ちが良い。

 日本におけるCyrusは、同じくコンパクトな英国製プリメインアンプでも、LINNやNaimに比べてマイナーではありますが、その音の魅力は引けを取るものではありません。他の英国アンプの音が割と湿り気を持ったイメージの中で、Cyrusのこのカラッと乾いたキャラクターを持った音もハマると他に代えがたい音であり、日本でCyrusのファンが少ないことは、ちょっと残念な気がします。

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▼2018年05月01日

TRIO KA-800

P4300231 毎度無駄遣いをしています。最近ではとにかくアンプが楽しくて、色々と聴いてみたい欲求がうずうずしているので仕方がない。

 今回のお題はTRIO KA-800。毎度お馴染み鹿嶋に行く途中の千葉県内のドフで、ジャンク棚に並んでいるのを発見。メモで「音出しOK」と書いてあったし、値段も「壊れててもいっか」と思えるほど安かったので、一応レジで通電させてもらい、SP端子にテスター当ててみるとDC電圧は100mvをちょっと越える程度だったので、なんとかなるかな?と思って購入。トリオのこのシリーズのアンプは、例えジャンクでなくても前面パネルがないとかふたがちゃんと閉まらないとか色々あったりしますが、この個体は奇跡(?)的に前面パネルも問題ないし、全体がとてもキレイでした。

 トリオのこの時代のアンプといえば、バシュタールの惨劇でお馴染みのシズマドライブ…じゃなかった、シグマドライブです。技術的な点については私の怪しげな知識で説明するよりググって頂いた方が確実ですが、簡単に説明しますと「アンプのNFB(ネガティブフィードバック)回路をスピーカーユニットにまで拡大した」という技術です。
 アンプからスピーカーに送り出される信号は、スピーカーが駆動することによって逆に発生する信号により歪められます。そのためスピーカーから逆起歪をコントロールするための配線をもう一組引いて、そのフィードバックから得られた歪みを補正して正しいスピーカーに送り出す…なにやら禅問答みたいな解説になりましたが、通常はアンプの中身で行っているNFB回路をスピーカーユニットも含めた1つの回路として補正するという技術。
 当時のトリオ、名前が変わったケンウッド初期のアンプにはこのシグマドライブを搭載した機種が多く、アンプの後ろを見ると通常のSP±接続端子の他に、端子の回りが斜線で囲まれたシグマ用の接続端子があったものでした。

 メーカーではこのシグマドライブ搭載アンプにはシグマ専用スピーカーケーブルを同梱していたりしたものですが、専用ケーブルでなくても、普通のSPケーブルを2組用意すれば問題なく使えます。
 スピーカー側には二組のケーブルをパラレルで接続してアンプ側は通常のSP端子とシグマ用端子に分けて接続、シグマ側のケーブルについてはメインのSPケーブルとは違う簡易的なケーブルでも問題ないそうです。私も実物を見たことがないのですが、メーカー純正のシグマドライブ用ケーブルも、シグマ側はやや細かったようなので、敢えてメインのスピーカーケーブルより少し細目のケーブルを選ぶのもチューニングなのかもしれません。

P4300229 鹿嶋に持ち込んで早速動作チェック。まずはふたを開けて軽くエアダスターでホコリを飛ばしますが、内部にはほとんどホコリの付着がありませんでした。
 とりあえずしばらく通電してからアイドル電流を調整します。規定値は51mVだそうですが、調整しても30mV弱にしかならなかったので、とりあえずその辺りで左右電圧を揃えます。その後はスピーカー端子のオフセット電圧調整。
 調整はどうやらシグマを含んだSP端子Aではなく、シグマがないB端子で行うようで、オフセット調整後に計測すると左右80mV程度あった電圧を、保護回路をカチカチ言わせながらもなんとか20mV程度にまで下げました。その後ふたを閉めてしばらく音出ししていると、右側だけ50mV程度に上がりましたが、そこで止まったので由としましょう。パーツ交換を含めたメンテナンスでも行わない限りこの手の調整はなかなか規定通りにならないものですし、SP端子のDC電圧もおよそ100mV以下でしたら特に問題はありません。ただ、マイナス側に振れると良くないようですね。
 ちなみにアンプのオフセット調整のつまみはかなりシビアな上に、この手の中古品では大体は右に回そうが左に回そうがあまり法則性もなくガツンと電圧が上がったり下がったりします(この状態でスピーカーつないでたら壊すので注意)。電源オフの状態で適当につまみをぐりぐり回してガリを取ってから一度元の位置に戻して、通電後はドライバーでちょいと触るくらいの感覚でやるのがコツ。それでも電圧はコロコロ上下しますので、ある程度下がったら様子を見て安定したところで妥協するしかありません。メンテもされていない古いアンプのDC電圧なんてどうせそんなに下がりません。
 繰り返しになりますが、規定値ピッタリ(0Vなど)にしたければパーツ交換を含めたメンテを行わない限り無理。私のような素人ではここまでが精一杯ですね。それと感電には注意してね。緊張して基盤に汗とか垂らさないように。

 ちょっと話が横道に逸れましたが、調整後にテスト用スピーカーをつないでしばらく通電+音出し。問題なさそうなのでYAMAHA NS-1cにまずは普通に接続、音色に問題なさそうなことを確認してからシグマ接続してみました。

 音の印象としては、調整しながらぐぐって見つけた瀬川冬樹氏によるテスト記事の印象そのもの。普通の接続では普通の音(悪くはなかった)でしたが、シグマ接続だととても面白い音になりました。記事にもある“打音の衝撃的な切れこみ、パワー感”はとても個性を感じて気持ちが良いです。アコースティックな楽器、ピアノなどではやや硬質な印象ですが、こういうモノかな?って気もします。

 このKA-800、筐体はプラ製で薄く、軽く、とても安っぽい見た目なのですが、これでも定価は64,800円もした訳で、当時から重量級であったサンスイのAU-607と同じ価格帯で売られていました。もちろんKA-800の安っぽい筐体には理由があり、ボディに磁性体の採用を極力排除したそうです。そのため天板こそ金属ですが、その他は底面も含めてプラ製です。まるでミニコンポのパーツみたい。

 シグマドライブの効能ですが、ちょっとしたトラブルというかミスからその効果を確認することができました。というのも、スピーカーに接続した際右側のシグマ側だけきちんとSP端子に固定されていなかったようで、音を聴いているとたまにバランスというかF特が変化します。初めはラウドネススイッチや、バス・トレブルのつまみが接触不良でも起こしているのかと思ってぐりぐりつまみを動かしたりしましたが、右側だけやはり音が不安定なので、念のためスピーカー裏のSPケーブルを確認してみると、右側のシグマ側のケーブルが端子にうまくはまっていなくて、配線が浮いたように不安定になっていたという始末。あらま?と思って再接続、すると安定した音になりましたので、やはりちゃんとネガティブフィードバックして信号を変えてるんだなとちょっと感心。

 改めて確認すると、全ての端子でガリも何もなく、スライダ式のプリセットボリウムと、メインのボリウムボタンもちゃんと生きています。ボリウムボタンの電球だけは切れていましたが、ここは交換するか…あるいはちゃんと動いているので放置でもいいかな?あの大きなボタンが常時発光していると、ちょっと視覚的にうるさそうです。

 ちなみに「メインのボリウムボタン」という言い方をしましたが、このアンプのボリウムはちょっと変わっていて、スライダー式のレバーで音量を調整できるのですが、その横のボリウムボタンを押すとすぐにミュート状態になります。その後またボリウムボタン押したり、または1度電源を切っても電源投入後にこのボリウムボタンを押すと、あらかじめセットしてあった位置まで自動的にボリウムが上がるという仕組みです。スライダーの位置は動きません。このレバーは本体に「プリセットレベル」と英文で表記されています。
 このスライダーですが、内部では紐とプーリーでメインボリウムの位置を動かしているようで、頻繁に動かしているとそのうち切れそうな気がします。そうなるとプーリー外して紐を掛け替えてと…意外と直すの面倒くさそう。なるべく音量は固定のまま使った方がいいのかもしれません。

 私は長い間海外製のアンプを使い続けていたせいで、どうしても国産のアンプは「無個性・目方でモノ売ってる」みたいな意識をずっと持っていたのですが、最近ではこうやって古いB級アンプを適当に使ってみると、昔の国産オーディオも色々がんばっていて個性があったんだな〜と思い直しています。

 それと、スピーカーやソース機器をとっかえひっかえすると訳がわからなくなってきますが、それらを固定して、こうやって色々なアンプで遊んでいると、本当に色々な音があって楽しい。今まで聴いた曲もまた違った視点を発見できたりしてとても面白いです。

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▼2018年04月04日

PIEGA TMicro3

P4041263 以前テクニクスのSB-F1を入手したと書きましたが、そちらは長い間探しているという友達がいたのであげちゃいまして、でもあのデスクトップ上のマイクロスピーカーリスニングは、想像してたよりも楽しかったなと目覚めた結果、だったら自分も何か探して買ってみようかなと。そもそも平日の夜はMaster jubileを派手に鳴らす訳にもいかないですしね。

 で、色々探してみたのですが、そういえば以前オーディオショップで聴かせてもらったPIEGAのTMicro3という超小型スピーカーがかなり良かったよなぁ…と。それと現状のデスクトップに設置するにはあのサイズくらいが限界だったりしますし…と思って調べてみたら生産終了

 まぁ…生産終了じゃなくても定価で10万円越えるスピーカーなのでとてもじゃないけど買えません。せいぜい予算は2万円程度までかなぁとヤフオクを探してみると、ちょうどPIEGAのTMicro3が出品されていまして、予算は少し越えるのですが、ちょうど終了日ですし、ついでにその頃キャンペーンでやっていたヤフオク毎日くじを引いてみると落札額の50%をTポイントで還元!(最大1.5万円相当まで)なんて大物が当たってしまいまして、これは使わにゃ損だということで、だったら逝くかと。なのでこのスピーカーは送料入れても実質1.5万円ちょっとで手に入れたことになります。
 まぁ…現金払いという点では予算を超えているのですが、ちょっとしたTポイント長者になったし仕方ないかなと。欲しかったモデルがおトクで手に入ったんだし。

 で、今は上の写真のような状態で聴いています。
 この音はなんというか、ピエガですな〜。すごく繊細な音を出すのですが、中域に不思議な暖かさがある。そして解像度と空間表現もすばらしい!デカいスピーカーで色々セッティングに悩むよりも、こういうサイズでサッと音出してみたほうが楽しいのかも…なんて自らのオーディオ人生否定したくなっちゃうくらい、音についてはある意味驚きでした。

 セッティングについては、まずは机に直置き。机に直じゃなぁ…と思っていたのですが、想像以上によかった。ちなみにこの机はフランス製で板も分厚くとにかく重い。1人では到底持ち上げられない程の重量があるのですが、それが幸いしてるのか、もうこれでいいかな?なんて思いました。

 ただ、折角なので色々やってみないと面白くない。机に直置きだと耳の位置に対してスピーカーが下過ぎるので、またまたヤフオクに頼りまして、小さなサイズの御影石を調達します。サイズはH40×W150×D250mmの黒御影石で送料含め5,000円程度でした。TMicro3のサイズがH190×W120×D130mmなので奥行きはもう少し短くても良かったのですが、この大きさでこの厚みでこの重さ(1枚で約5Kg)がある御影石ってないんですよね。特注だともっと値段上がるし小さなサイズは加工しにくいので割高なのです。

P4041250 御影石が届いてから、まずはそのままインシュレータもなにもナシで置いて聴いてみましたが、悪くはないけど少し余計な響きがつくかな?それにTMicro3本体が御影石の上で滑りやすいので、何かの拍子で机の下に落としそう。これはいかんと近所の島忠で大きさの違う3M製粘着シール付のゴム足を大きさ2種類買ってきました。
 それで大きいの小さいの、3点支持などいくつか試してみたのですが、ベストがこの写真。前に大き目のゴム足で後が小さ目のゴム足というハイブリッド。これだとスピーカーにやや俯角がつくので、耳の方向的にはちょうど良い。

 音は、机・御影石直に置くよりも、音が締まってさらに低音も伸びるようになりました。低音が伸びたのはちょっと意外かな?足が3個と4個では4つの方が断然良い。というか、ゴム足については結構色々やりまして、1週間位かけて3個から6個まで大小色々やりましたが、結局写真のようなオーソドックスな配置がよろしいみたい。

 セッティングも決まったので現時点での音質評価ですが、本当にこの大きさのスピーカー2つが鳴っているの?というくらいの音の力強さと定位感。特にSB-F1でも味わえなかったポイントとして、音の力強さがあるなぁ…と思います。
 なんというか、出てくる音にエネルギーを感じるんですよね。これはこのサイズのスピーカ、というかもう少し大きなサイズでもなかなかキッチリ出ないものですよ。こういう音は聴いていて気持ちいいんですよね、安心できて。
 本機は密閉型ですが、こんな小さなエンクロージャーなのに、デスクトップの距離で聴く限りは低域の不足は感じられませんし、音もストレスなくよく伸びます。ただ、一般的なラウドスピーカー用途としてそれなりに距離を取り始めるとまた別なのかもしれません。

 先に紹介したSB-F1と同様、キャビネットはオールアルミ製で、音楽再生中に天板などに触れても振動があまり感じられない設計。SB-F1もそうでしたが、この定位の良さと独特の空間表現はこういった構造共通なのでしょうか?

 アンプはLINNのMAJIKを使っています。手持ちのアンプ色々試しましたが、このMAJIKが圧倒的に相性いいです。特に小音量時のバランスはさすがマジックだと思いました。スピーカーケーブルはLINNのK10です。

 しかし…これで自宅と別荘でスピーカーの方向性がキッチリ別れましたね。自宅はMasterjubileとカタマリ(写真では見えませんがiMacの裏にあります)とTMicro3、全てがアルミのガッチリ系エンクロージャ。別荘では3本あるスピーカー全て木製キャビネットの鳴きを重視したモデル。意識してこうなった訳ではありませんが、なんだかおもしろい。

P4041251
↑スピーカー端子はWBT製ではないですがケーブル側は余ったWBT端子を装着

OLYMPYS E-M1 + LUMIX G 20mmF1.7


▼2018年03月06日

MADE IN ABYSS Original Soundtrack Vinyl Limited

https://farm5.staticflickr.com/4667/39751528955_538f2097f0_m.jpg 注文したのは去年の秋だったと思いますが、メイド・イン・アビスのオリジナルサウンドトラック、アナログ版が今朝ゆうパックでイギリスから届きました。

 お値段は本体$35で日本までの送料が$10.60。日本円だといくらで決済されたかもう覚えていませんが5,000円はしなかったと思います。最近の国内復刻レコードがもはや5,000円位することを考えると割安ですね。

 当初は500枚限定プレスのクラウドファンディングだったようですが、結局〆切りまでに注文した人分全て、843枚のプレスを行ったようです。

 このレコード、2枚組ではありますが、日本製レコードでよくある中割れ式のジャケットではなく、そのまま普通のジャケットにレコードが2枚入っていました。中にはライナーノーツ、ジャケットイラスト入りのQRATESカードが封入。まだ音は聴けていませんが、盤面は鮮やかなグリーンでカッコイイ!。

 音楽は、ケビン・ペンキンというオーストラリア人。このアニメの他にも日本でゲームとかアニメ関係の音楽をいくつか担当しているらしい。メイド・イン・アビスのサントラについては、ハイレゾ版も買って聴いているのですが、なかなか雰囲気がある音楽です。ゾンアマのレビューでも100%★★★★★の大絶賛ですな。アナログ向きの音楽かといわれると微妙な気もしますが、レコードプレーヤーで聴くのが楽しみです。実際針を落とすのは週末になるかなぁ?

 昨今のアナログブームで、さまざまな音楽がレコードで復刻されるのがちょっとしたブームになっていますが、個人的には往年の名曲をアナログで復刻するのはどうでもいいので、このように中古で存在しない、過去にもアナログレコードでリリースされたことがない音楽にもっと製造リソースを割いてほしいものだと思いました、かしこ。

iPhone7 Plus


▼2018年02月19日

Technics SB-F1

P2180761 今から40年位前、テクニクスより「コンサイスコンポ」という製品が発売されました。ここでいう「コンサイス」とは、コンポーネントの大きさがコンサイス辞典並みにコンパクトなサイズという意味で、実際に辞典並みの大きさなのかは別にして、当時、大型化というか恐竜化する一方だった単品オーディオコンポに一石を投じた製品。宣伝にも力が入っていたようで、当時は小林亜星とすぎやまこういちを起用したテレビCMも放送されていたようです。

 面白いのは、当時単品コンポーネントではハイエンドクラスにならないと存在していなかったアンプのセパレートシステムが、割と各社で実現していたことで、スタートになったテクニクスはもちろん、ダイヤトーンも同じようなサイズでセパレートアンプシステムを販売していました。これらはサイズが一般的コンポサイズではなかったので、ユーザーもセットで入手する場合が多く、そのため各コンポーネントとしての役割をそれぞれ明確に設定しやすかったのでしょう。

 この小型コンポの流れは、そのまま進めばきっと日本のオーディオも違ったモノになったかもしれません。これらの製品はそのままセット売りのミニコンポへと進化(退化?)してゆききますが、そちらはオーディオの流れとして語る製品ではありません。

 そんなコンサイスコンポの中でもキラリと光る製品がこのスピーカーTechnics SB-F1。見た目はミニコンポの付属スピーカーみたいな趣ですが、キャビネットはアルミダイキャスト製でずしりと重く、ユニット配置もテクニクスお得意のリニアフェイズ設計となりとてもHi-Fiな音を出します。ブースト気味にして低域を擬似的に伸ばすミニコンポの付属スピーカーとは全く違う製品でした。

 ということで、とりあえず写真のように机の前に配置して音出しをしてみます。経路としてはMacmini→ ADI-2 Pro→NAPOREX HA-5→NAP250となります。スピーカーの脚はTAOCのメタルインシュレーターにAETのVFE-4005Hを重ねています。

 まず印象的なのが、音の定位感がすごいってこと。こんないい加減な配置で、更にスピーカーから耳の位置も近い(多分4〜50cmkくらい)なのに、本当に正面iMacモニタの奥からボーカルが聞こえます。というか人が立っている感じの妙にリアルな音場感です。サイズ的に低域は少し不足しているのかもしれませんが、低域がブヨブヨした感じにならず、シュッとした切れが良く量感も感じられる低音です。
 そして、音を再生中にキャビネットに触っても、思ったよりも振動していないことがわかります。この制振構造的なキャビネットが、独特の音場感を生み出しているのかもしれません。

 当時の販売価格は、古いオーディオではお馴染みのこのサイトによると、¥18,500(1台、1978年頃)だそうで、左右合わせると37,000円となり、そんなに安い製品でもなかったことがわかります。当時のように卓上三脚などを使ってスピーカーをフローティングさせてみるとまた音も違ってくるのかも。

 しかし…卓上のこういったニア過ぎるニアフィールドリスニングもなかなか楽しいですね。

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↑Technics SL-XP5と一緒に。

OLYMPYS E-M1 + LUMIX G 20mmF1.7 / iPhone 7Plus



▼2018年02月11日

Rola Celestion Ditton15

https://farm5.staticflickr.com/4711/40164883272_0ae9a8ec9d_m.jpg 私はイギリスのオーディオが大好きなのですが、スピーカーもイギリス製が好きなのです。
 その割には何故か自宅ではスイス製のPIEGA Master Jubileなんて使っていますが、以前はCelestion SL6 Siを使っていましたし、Celestion Ditton66も持っています。で今回のDitton15、なんというかCelestionのコレクターみたいですけど、仕方がないよね、好きなんだし。今のところは自宅で置く場所がないので、SL6 Si一緒に鹿嶋で使っています。

 Celestionの魅力ってなんなんでしょうね。全ての人が気に入るスピーカーではないと思うんですが、やはりこの音離れの良さと明るい音は本当にクセになります。え?明るい音??という部分に反応する人がいるかもしれません。どちらかというと英国のスピーカーって、音離れが悪く根暗な印象…なんて言われています、特にSL6についてはそんな印象を持っている人が多いかもしれませんが、ハッキリってそれは誤解。誤解というかアンプのパワーが足りていません。パワーというか駆動力かな…詳しい話はしませんけど、国産のプリメインだとほとんどダメかも。かくいう私もNAP250で鳴らすまでは、SL6がこんなにハキハキと明るく歌うスピーカーだとは思いませんでした。

 ま、低能率でアンプ泣かせのSL6はさておき、Dittonシリーズはそんなに能率も悪くないですし、もう少し鳴らしやすいです。ただ売られていた当時のスピーカーシステムとしては低能率だったかもしれません。確か能率は90dbW/mじゃなかったかな?昔調べたのですがよく覚えてない。一部で96dbと紹介されているサイトもありますが、計測方法が違うようです。

 このスピーカーの特徴と言えば、HF1300という独特な音響レンズをもったツィーターと、ウーハーと同じ口径のドロンコーン。写真を見ると3Wayに見えますが、一番下はドロンコーンと呼ばれるパッシブウーハーなので、電気的に駆動されるユニットは上2つの2Wayとなります。Dittonシリーズと言えばこのドロンコーンですね。上級機の66にも搭載されていますが、独特の音場感はこのユニットのおかげなのかもしれません。

 ツィーターは樹脂を染みこませた円錐形のユニットを、プラ製の音響レンズで塞いだ構造で、これはツィーターから出る音を効果的に拡散させる役割を担っているとか。
 音が出ているときにこのツィーターに触ってみると結構振動を感じることができて、ピンポイントの音像定位が命である現代のスピーカー設計とは、根本的に思想が違うのかなと思ったりします。キャビネットに対するツィーターの取り付け位置ですが、現在のスピーカーと違って対にはなっていません。右も左も正面向かって右側にツィーターは取り付けられています。というか左右の区別がない?なのでステレオでこのスピーカーシステムを聴くと、少し音像が右寄りになりますが、実用上は大した問題ではありません。

https://farm5.staticflickr.com/4739/24396113807_f4a7cb536e_m.jpg 写真はこのスピーカーの右だか左だかのF特を正面1mで測定したグラフ。もちろん左右とも測定してチェックしていますが、グラフは同じような結果でした。iPhoneを使ってAudio Frequency Analyzerで計測したので完全なデータでもありませんが、参考にはなるかと思います。というかスマホ使ってるヲマニな人は便利なのでこのアプリ買った方がいいよ。
 古いので経年劣化が気になりましたが、カタログに出ていたこのスピーカーシステム新品時のF特とあまり違いがないので、とりあえず音圧的にはユニットもネットワークも故障はしていないようです。

 音質ですがとても明るくて雰囲気がある音。なんというか、空間をそのまま包み込むような柔らかさと繊細さを感じる事が出来ます。欠点を上げれば、Celestionのスピーカーシステムにしては、意外とツィーターが存在感ある事と、中域がすこしへこみ気味かな?なんてトコロでしょうか。ボーカルよりもクラシックやジャズなどのインスト曲が似合うシステムなのかも。
 もっとも欠点とは言っても、1970年代に作られたスピーカーとは思えないくらい、豊かな音楽を奏でてくれます。こういう“雰囲気”があるスピーカーシステムって、なかなか見つからないですね。

 仕上げには前期・後期で色々なバージョンがあったようですが、私が所有している前期のモデルでは、MDFの切り口まんまの仕上げと、黒塗りの仕上げのバージョンがあったようです。黒塗りのバージョンは何故か電気通信大学で展示されているみたい。私のモデルではキャビネット前面にデカデカとマジックでシリアルが書いてあったりと、仕上げとしてはちょっとあんまりなので、本来はサランネットを装着した状態で聴くのが前提なのかも。

 このDitton15、今となってはかなり古いスピーカーシステムですが、ネットを検索すると今でも愛用している人はそれなりにいるみたいですね。有名ドコロだと、e-onkyo musicでコラムを連載している片寄明人氏も愛用しているようです。

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↑サランネットを装着した状態

iPhone7 Plus


▼2018年01月19日

NAPOLEX HA-5の謎

https://farm5.staticflickr.com/4676/39747050792_500546792d_m.jpg 謎という訳でもないのですが、いくつかわかったことがあったので、前のエントリに加えて追記を。

 最近色々調べていたのですが、手持ちのステレオ誌の1976年9月号で、HA-5の広告を見つけました。調べるとナポレックスというメーカーは、定期的な広告をステレオ誌にしか出していなかったようです。
 ステレオサウンド誌と違って、ステレオ誌はほぼコレクションされることがない雑誌(とくにバブル期は広告出稿してるメーカーへの編重ぶりが最悪で資料的価値がほぼない)なので、この雑誌にしか出稿していないとすると、なかなか資料漁りにも手間がかかります。

 まず、前のエントリからの訂正ですが、メーカーはこの製品を「ヘッドホンアンプ」と呼称していなかったようです。なので広告にも「プリアンプ」として紹介されています。それと価格も27,000円ですね。発売後値上がりしたのかもしれませんが、にしても19,800円は安すぎる気がします。

 せっかくなので、広告文章のHA-5の部分を引用します。

●ヘッドホン用パワーアンプを内蔵したプリアンプHA-5。
「シンプル・イズ・ベスト」をモットーに、トーンコントロールなど少しでも音質を劣化させる回路をはぶき、増幅素子を最小限にし、その動作点も歪の少ない点に設定。さらに直流をもNFをかける単純な回路を構成。信号回路の単純化により、精密緻密な音質を得ています。また、HA-5は、ダイナミック型ヘッドホン専用のアンプを内蔵。直接プレーヤー及びチューナー、テープデッキに接続して、2台のヘッドフォンを駆動させることができます。ヘッドホン本来の性能を100%引き出し、ソースのディテールまで、あますところなく再生するHA-5-----世界最高峰のプリアンプと比較試聴し、その音質をご確認下さい。/プリアンプHA-5(ヘッドホン用パワーアンプ内臓)標準価格27,000円

 だそうです。

 メーカーは、この製品をヘッドホンアンプではなく「プリアンプ」として売っていたこと。そして、世界最高峰のプリアンプと比較とか、宣伝文章にせよ、本製品の音質には相当の自信を持って世に送り出していたことがわかります。

 世界最高峰かはわかりませんが、自宅のHA-5は通電しているとますます調子が良くなってきました。特にヘッドホン出力の音はいいですね、毎晩ヘッドホンで音を聴くのが楽しみになっています。

iPhone7 Plus


▼2018年01月07日

NAPOLEX HA-5

P1070572 今のオーディオ業界はヘッドホン関係がブームで、むしろ普通のオーディオメーカーの陰が薄くなっているような状況ですが、この現在のヘッドホンブームからおよそ50年前、1970年〜1980年にかけて、ナポレックスという、ヘッドホンをほぼ専業にするという珍しいオーディオメーカーが存在しました。

 メーカーとしては創立が1970年、そして1980年には会社を売却しているとのことなので、会社の存命機関はちょうど10年間。なので資料も少なくて、手持ちだと「絵で見るオーディオがイド」という昭和53年3月発行の本に国内オーディオメーカーのリストとして掲載されているのを見つけました。それによると、本社は東京都の神楽坂に存在していたようです。他、当時のヘッドホン関係資料といえばステレオサウンド別冊の本がある筈なのですが、今は奥の院から出てこないので、のちほど判明した情報があれば随時追加してゆきます。

 当時のオーディオにおけるヘッドホンといえば、完全に本流から外れていて、たまにオーディオ誌で紹介されるときは、ケーブルやインシュレータと同様のアクセサリ扱いになっていました。そんな時代に、ナポレックスがほぼヘッドホンオーディオ専業であったことは、先見の明というか、当時のオーディオ業界を考えると無謀というか…まぁ、個性的なメーカーであったことは間違いありません。ただWebサイトを調べると1機種だけ、スキャンスピーク社と共同開発で普通のスピーカも発売していたようです。

 そしてこのHA-5という製品は、ナポレックスが1976年に発売したヘッドホンアンプ。発売期間は1年程度の短命だったようで、当時の定価は19,800円27,000円でした。

 本製品が面白いのは、ヘッドホンアンプながら、プリアウト端子、そしてMMのフォノイコライザも内蔵していること。更にテープモニタまでありますので、機能としては完全にプリアンプですねこれは。更に凝ったことに、それらの回路はすべて別回路になっています。ちゃんと配線追っていないのですが、ケースを開けると、メインの左右バランス同軸ボリウムも3連〜4連装になっていまして、それぞれ通過するボリウムが違うのかしら?他、面白いのは、メインの基板がケース上部から逆さま(しかも斜め)に装着されていて、コンデンサなどは一部を除いて全て上からつり下げられています。電源部分のみが下のシャーシに設置されており、電源部分と回路の分離を狙った構造なのかもしれませんが、実は単にこのサイズのケースに無理矢理基板を突っ込もうとしただけなのかもw。
 とにかく製品のジャンルも個性的ですが、設計もかなり個性的です。

 ヘッドホンアンプとしては、ちょっと高域にクセがある鳴り方ですが、音はとてもクリアでいい意味で当時の高級ステレオっぽい音が楽しめます。入手当時は低音が不足している気がして、それを補うため低音ジャンキーなウルトラゾーンのPRO900で聴いていたのですが、しばらく使っているうちに大分馴染んできたのか、或いは耳が慣れてきたのか(笑)、AKGのK702くらいがちょうどいい感じになってきました。程よい解像感と立ち下がりがやや伸び気味な音のせいか、密閉型より開放型のヘッドホンの方が、このアンプには似合う気がします。

 本製品はプリアウト出力を持っていますので、もちろんプリアンプとしても使えます。現在はNAP250に繋いで聴いていますが、プリアンプとしての音はさすがに私のメインプリであるNAC12と比較できるクオリティーではありません。質もそうですが、中低域に独特なピークを感じますし、高域はもう少しなめらかさがあればと思いますが、新品の状態を知らないので本機の音質評価はできません。ただ、面白い音ではあるので、ここしばらく(といっても年末年始は自宅にいませんでしたが)は、この組み合わせで音楽を聴いています。
 なにせNAC12にはヘッドホン出力がないので、HA-5だと深夜にヘッドホンリスニングを行う時でもスイッチ1つで配線替えしないで済むのが楽w

 フォノイコは正直オマケレベル。聴けなくはないですが、当然ながら自宅のLINN LINTOとは比較になりません。ついでにいうとMM入力なので、SONYのHA-10を挟んで聴いていますが、それに原因があるのかも。使用カートリッジがIKEDA9cIIIなので、評価にはもう少し増幅率が高いヘッドアンプを用意すべきなのかもしれませんね。
 それと、フロントの切り替えスイッチにガリがあるようで、聴いているとノイズが乗ったりしてきます。ここをクリーニングすれば直るか、或いはトランジスタの寿命か…よく分かりませんが、自分が持っているHA-5についてはフォノイコの調子はイマイチです(追記:このエントリを書いた日に再度レコード再生してみましたら、少なくともガリはありませんでした。レコードの再生音も以前の印象より大分良かったです)

 このような個性的な製品を作っていたナポレックスですが、1980年には会社を売却して、オーディオからは完全に撤退したようです。同じ名前でカー用品のメーカーがありますが、同社の沿革を読む限り、全く関係ない会社みたいですね。

 1970年代といえば、住宅も今より狭かったですし、遮音性も現代の住宅よりもありませんでした。本来は現在よりもヘッドホンリスニングが求められる時代だったような気もしますが、何故かあの頃のマニアの大多数は本気でヘッドホンオーディオに取り組もうとは考えませんでした。そんな時代に当時アクセサリ扱いだったヘッドホンをほぼ専業にするとは、時代が半世紀ほど早すぎたのかもしれません。

 もし、現在もこのメーカーが存続していれば、STAXと並んで日本のヘッドホンオーディオを盛り上げていたのかもしれないと思うと残念です。そして当時の社員だった人達は、今のヘッドホンオーディオの盛り上がりを、どんな思いで見つめているのでしょうか?

OLYMPYS E-M1 + Zuiko Digital 50mm F2.0


▼2018年01月05日

National/Technics SU-50A

https://farm5.staticflickr.com/4725/38612717495_4264d59349_m.jpg どうでもいいけど、乙女のたしなみアンプ道…的なアニメか漫画とかできませんかね?名付けて「ガールズ&アンプリファイヤー!」。萌えっぽい女子高生達が乙女のたしなみを身につけるために、古のアンプを使って闘う…って、何と闘うんだ?w

 それはともかく、ここ数ヶ月私が夢中になっているアンプ、TechnicsのSU-50Aです。発売が1969年でステレオサウンドNo.10に発売の案内が出ていますので、同年の春くらいから店頭に並んだのでしょうか?発売当初は50Aというシンプルな型番でしたが、後にSU-50Aと変更されたようです。

 当時の定価は95,000円。消費税制度の前にはオーディオ機器に物品税というのが15%程かかっていましたので、それを差し引くと本当の価格は82,600円くらい?更に当時の物価を考えると1969年といえば大卒初任給が平均34,100円の時代。ただ当時の経済は高度成長期の健全なインフレ基調にありましたので、今と比較して数字通りの貨幣価値ではないと思います。それでも今の感覚だと20〜30万円クラスのプリメインアンプと言えますかね。発売当初だと、国産では最高額に近い製品で、当時のオーディオ誌を当たってみても、高級オーディオ機器として扱われています。

 このアンプの特徴は、何といっても、ナショナル・テクニクスが始めて発売したソリッドステート、つまり増幅にトランジスタを使った初のプリメインアンプであったということ。その当時のHi-Fiアンプはまだまだ管球式がメインで、ナショナルが同時期に発売していたSU-30/SU40というプリアンプとメインアンプも管球式でした。そんな中での同社初めてのトランジスタ方式によるHi-Fiプリメインアンプということで、本機にかけるナショナルの意気込みもかなりのものだったようです。

https://farm5.staticflickr.com/4683/39478351572_6b5775cd4d_m.jpg こちらは、ステレオサウンドNo.14に掲載されていた折込広告。大きく天板を空けた内部を見せ、その横には「アンプとして魅力があり、音色として親しみがある50A!」というキャッチが掲載されています。
 この「音色として親しみがある」というのがポイントで、当時の雑誌記事を当たると、トランジスタ方式ながら音色には暖かみがあり、まるで管球式のアンプのようだ…といった評価が出ていたりします。
 これは想像ですが、当時のナショナルは、初のトランジスタアンプとして、音色の違いを管球式と比較されてしまうのを恐れたのかもしれません。そのため本機の音色はTechnicsブランドのアンプとしても異質で、実質の後継機であるSU-3600はもちろんのこと、それ以前に発売されていたSU-30/40という管球式プリアンプ・メインアンプよりも暖かみを感じる音色だったそうです。確かに私達が想像するTechnicsの音って、正確無比で硬質、ウォームよりもクールという印象がありますもんね。

 その他、本機の特徴としては、OCL、アウトプットコンデンサレスであるということ。そのため鮮度の高い、特に低域の再現性に優れるそうです。あともうひとつは、特別な回路を使ったトーンコントロール類。これらのつまみはセンター位置から15度以内の範囲で信号がバイパスされる構造になっています。更にトーンコントロールは低域:250Hz/500Hz・高域:2.5kHz/5kHzでそれぞれターンオーバー周波数が切り替えられたり、サブソニックフィルタは-8dbでそれぞれ30Hz/8kHzを選択できるスイッチがあったりと、あの時代のレコード再生を意識した音質コントロール機能も豊富です。ちなみにフォノ回路はMMのみ、ただしこのイコライザ回路も優秀で、名前は忘れましたが、某オーディオ評論家がフォノイコとして本アンプを長年使い続けていたという話をどこかで読みました。

 こちらのアンプは、某所で5万円、更にメンテナンス済みという至れり尽くせりの状態で売られていたモノ。メンテログによると、各種レジスタ類が調整・交換されていてそれなりに手は入っているようですが、リキャップはされていないようですね。正弦波と短形派の測定画像も添付されています。スピーカー端子からDC電圧を測定してもほぼ0mvという優秀な状態だったので、しばらくは使い続けられると思います。

https://farm5.staticflickr.com/4555/24225339347_d4929bd44a_m.jpg 早速音を聴いてみると、本当に素晴らしい…素晴らしいというかね、私の好みとしてこの時代の石のアンプが本当に好きなんだなと思いました。
 なんだかんだで家のメインシステムもこの時代の石のセパレートアンプですし、この時代のソリッドステートなアンプの音には本当に心惹かれて困ります。ただ、今のところ管球式のアンプに行こうかという気分にもあまりなれないんですよね。なんででしょうか?w

 私が思うに、この時代のトランジスタアンプって、音に独特な明るさと歯切れの良さがあるような気がするんですよね。この印象はひょっとしたら、完全に元の音を増幅し切れていないから、あるいは音の情報量が足りないからなのかもしれません。でも、それを言ってしまえば世の中のヴィンテージオーディオ機器なんてみんなそんなもん。音、そして音楽にとって何が重要かは人それぞれで、逆に言えばその人にとって必要ない部分をそぎ取ってしまったからこそ、より音楽が美しく聴こえる…。だからこそ特定の時代のヴィンテージオーディオにハマる人が大勢いるのかもしれません。

 ただ、スピーカーの駆動力については現代のアンプに比べ今一歩かなぁ。
 ダメというレベルではないのですが、CelestionのSL-6みたいな低能率のスピーカーを鳴らすには、今一歩パワーが欲しい気もします。もっとも、この時代のスピーカーはまだまだ高能率でしたからね、まさか発売後半世紀過ぎて84dbW/mなんて低能率スピーカー駆動させられるとは思ってもみなかったでしょう。ただ、手持ちだとYAMAHA NS-1cについてはそれなりに鳴ります。
 なので、私の場合だと、背面のプリアウト出力(本機は背面のプリとパワー端子をショートさせてプリメインとして使う方式、なのでショートピンを外せばプリにもメインにもなります)から、AudioLab8000Pに信号出してスピーカーを駆動しています。その方がこのアンプのおいしいところを味わえますので。

 どことなくマッキン風な見た目は、古のオーディオ評論家、瀬川冬樹氏のアドバイスを受けているという話です。発売当初はMacintoshのアンプを真似しているなどと言われたらしいですが、そもそも一番外見が似ていると思われるMcintosh C23もほぼ同時期の発売なので、真似と結論づけるのも難しい感じ。
 ただSU-50Aの透過パネルについては、実は広告の写真から想像するよりも高級感がなくて、黒いパネルの中から文字だけが浮かび上がるのではなく、パネルの中身全体がうすらぼんやりと光るという、何とも微妙な代物で、ここはもう少し頑張ってほしかったなと思うところ。

 でも、正面にあるナショナルマークとテクニクスマークはカッコイイですね。評論家の菅野沖彦氏は当時のインプレ記事で、このマークがもう少し小さくなればいいのにと語っていますが、今となってはこの英文ナショナルマークもむしろ貴重でカッコよく見えます。

su-50a
↑暗闇だと結構派手な印象w

iPhone6 Plus



 

Victor AX-Z911

https://farm5.staticflickr.com/4679/39491610801_3faf8b1fa8_m.jpg まぁ…色々ありましてねw。某アンプを返品してきたついでにヤケで買ってきたビクターのDAC内蔵アンプ。ヤケというのは嘘で、こっちのアンプもかなり気になってはいたんだけどね。お値段も某アンプの1/5程度だったし。

 VictorのAX-Z911、発売は1987年で当時の定価は89,800円。このアンプ、実は昔にヲデヲやってたときから気にはなっていたんだけど、結局あの頃の自分は輸入製品の方に進んだので、長い間縁はありませんでした。ただ…ずっと心のどこかで気になってはいたんですよね。それが、近年の某所でのアンプ道楽遊びの中で、手持ちの中古アンプを増やすことに抵抗感が無くなったということもあり、非ドフ系のリサイクル店から回収。見た目はミント状態で、一応店頭で動作チェックとDC漏れなど確認してきたのですが、スピーカー端子のDC電圧は7mv程度だったので大丈夫かなと。某所に持ち込んで早速音出しをしてみます。

 AX-Z911の特徴といえば、何と言ってもDAC内蔵アンプだということ。更に面白いのが、デジタル入力があった場合、それをそのままD/Aコンバータに送るのではなく、1度内蔵メモリにバッファしてから再生するという点。バッファメモリの容量は果たしてどのくらいあるんでしょうかね?
 で、なんでこんなめんどくさい事をするのかというと、ズバリ!アンプのA級動作を実現するためとなります。

 アンプにおける増幅方式、A級、AB級、B級…についての解説はここでしませんので、興味がある方は適宜ググってほしいのですが、簡単に言うと、A級アンプというのは、アイドル時こそが消費電力最大状態という、頭のネジが外れてるんじゃね?なんていう超非効率な増幅方式。しかし増幅時の信号のクロスオーバー歪みに関する影響を受けないため、音のピュアな増幅が可能となり、一部で熱狂的なファンがいる形式のアンプとなります。
 ただし、当然ながらA級アンプはアイドル状態で回路へと全力で電気を送り込む方式ため、電気代はともかくとして、アンプの回路には猛烈な負担をかけます。そりゃそうです、ある意味常に全力疾走で最大出力な状態ですから(むしろ音を出している時の方が電気をスピーカーに食われるため回路への電流は減ります)。なのでそれと引き替えにA級アンプの最大出力は小さいです。このAX-Z911の場合でいうと、A級で最大出力20W、但しもうひとつ内蔵されているAB級回路に切り替えれば最大出力120Wとなります。そして理不尽wなことに、AB級動作ならなんともないアンプの天板が、低出力なA級動作に切り替わるとたんチリチリに熱くなります。つまりはファンが壊れた20W(出力なので実際はその倍以上)の電熱ヒーター回してるようなもんですからね。夏は使えんぞこれ(笑)

 で、話を戻しますが、このアンプが何故デジタル出力を1度バッファするのかというと、なんと!バッファに貯めたデジタル信号をアナログ変換する前に解析して、出力が20W以下で済むと思われる場合はアンプの増幅回路をA級へ、それを越えると予想される場合は、アンプのクリップを防ぐために瞬時にAB級(ここでは解説しませんがつまり効率的に大出力が出せる増幅方式、普通のアンプはこっち)へと回路を切り替えるのです。ハッキリいってアホかいなと思う手の込みようです。というか、こんな方式を採用したオーディオアンプなんて、全世界でもこのAX-Z911(と後継機のAX-Z921)のみだと思います。もっとも、一般家庭で音楽を再生する限りは、アンプの出力20Wなんて越える訳ないと思いますけどね。
 ちなみにどうしてこんな面倒な安全弁みたいな仕掛けがあるのかというと、アンプが制限出力を越えると、越えた分の信号の山が平坦…クリップと呼ばれる状態になり、そのときスピーカーには直流電力が流れるのと同じ状態になるからです。何故これがマズいのか…は、ググって下さいw。

 故にこのアンプの場合、デジタル入力とアナログ入力では全く音が変わります。そりゃそうです、入力信号によってA級動作とAB級動作に変わる訳ですからね。アンプとしては全く別物な訳で、当然同じ音の筈がありません。
 で、このデジタル入力時のA級動作状態の音がすごくいいんですよ〜いやマジで。当然ながらA級動作を行う為には、内蔵のDACを通さなければいけないので、ADI-2 Proからデジタル48kHzを送り込んで聴く訳ですが、この古くさいDACの味もなかなか。
 現代のDACと違い、音の滑らかさとか解像感はあまりないのですが、情報が適度に欠損しているせいなのか音に力強さがあり、例えていえばちょっとやれてきたレコードの針で音楽聴いてるような印象。音の正確さとかぴゅあぴゅあな音楽再生みたいな観点だとやや邪道なのかもしれませんが、ヲデオは楽しければよいのです。更にダイレクトモードをONにすれば、余計な回路をすっ飛ばし、アンプ内部配線の長さが0.5mでスピーカー出力端子まで直結されるそうで、一層音の鮮度がアップします。

 ADI-2 Proからアップサンプリングしてアナログ出力での再生も試してみたのですが、こちらの方が音は滑らかでちゃんとしてるんだろうな〜と思いつつ、逆にA級アンプのなんとも言えないシルキーな雰囲気が失われます。DACは荒いけど増幅部は滑らかなA級動作か、DACの情報量は多いけど増幅がやや荒いAB級動作か〜悩むところではありますが、やはりこのアンプの個性は貴重なA級動作にあると思われますので、おとなしく内蔵DACで音楽を聴くのが筋かと。

https://farm5.staticflickr.com/4685/25577913218_a2d759b2df_m.jpg 裏技として、外部からデジタル信号を入力した状態で、DAT-2からのアナログ信号を入力し、DATの録音モニター状態で再生するとアナログ入力からのA級動作が可能みたいです。
 みたいです…というのも、アンプの表示は確かにA級増幅になってるし、天板もチリチリに熱くなるのですが、なんかデジタルを突っ込んだときのA級動作と音の感じが微妙に違う気がするんだよね。これは私の気のせいかもしれませんので何ともいえません。アンプがこの状態の場合、内部の基板ではランプが点灯してA級増幅中であることを示すそうですが、それがこの写真。ちなみにこのランプは天板戻してしまうと外からは見えません。
 デジタル側はリンクさえすれば音楽を再生する必要がありませんので、古いCDPの電源を投入してデジタル接続しとくだけで構いません。ADI-2 Proから同時にデジタル出力するって手もあるのですが、その場合サンプリング周波数の受けは最大48kHzを上限にしないとリンクしませんので、アップサンプリングでの再生はできない事になります。

 そういえば本機の天板ですが、呆れることに通常の天板の上に厚さ3mm程度の鉄板が敷かれています。天板空けようとイヤにネジ多いなと思いつつ本機上部のネジを全て外したら、そのまま文字通り天板だけが取れて驚きましたが、まぁ…この時代のアンプは重量こそ正義といわれていた時代なので、さもありなん。
 天板を空けたときに気が付いたのですが、本機は多分天板空けられたことない状態。こういうのって自分でバラすと何となく雰囲気でわかるんだよね。ネジ山に全くキズが無いとか、ネジを全て外して天板を持ち上げるときの抵抗とか…もちろん間違っている場合もありますが、新品の家電製品を分解したことがある人なら、何となくその雰囲気わかってもらえるはず。この個体は、外見もミント状態でしたが、中も30年前のアンプにしては非常に綺麗な状態でした。

 それと、リモコンが付いてるのがありがたい。ホントか知りませんけど、この手のピュアなオーディオアンプの中で、始めてリモコンを搭載したのが本機だという話。

 スピーカーは当初Ditton15で鳴らしていたのですが、イマイチパッとしない印象でした。しかしYAMAHA NS-1cに切り替えたら実にいい塩梅で鳴り、この時代の国産ステレオが目指していた音はこういう方向だったんだなぁ…というのが実感できて、なかなか気持ちよいです。

https://farm5.staticflickr.com/4644/39447912671_3846f0cbc0_m.jpg
↑これが天板、厚さ3mm位あって重い!

iPhone6 Plus


▼2017年12月25日

Celestion SL-6siとYAMAHA NS-1 classics

https://farm5.staticflickr.com/4582/38118642312_3bc006e4ab_m.jpg 現在別荘では二組のスピーカーが稼働しています。1つがCelestion SL6si、もうひとつがYAMAHA NS-1 classicsで、それぞれ個性的なスピーカーで満足しています。

 SL6siの方は、雄大な音場と実像感のある音で、小型ながらも大型スピーカーが鳴っているかのような、ストレスがないとても気持ちの良い音が出るのですが、能率が84dbW/mと低く、アンプにもそれなりのパワーというか、駆動力が求められるため、全ての組み合わせで良好という訳にもいきません。一応別荘には、Audiolab 8000Pと、NAD 2200というパワーアンプがあるのですが、8000Pじゃないとイマイチな感じとなります。プリメイン単体だと少しモアパワーな印象です。

 対するNS-1 classicsですが、こちらはもう少しアンプのパワーには寛容。能率で言うと86dbW/mとなり、単純にアンプへの負担はおよそ30%程減っていますが、それ以上に鳴らしやすい雰囲気があります。ただ音色はSL-6siと大分違い、雄大な音場や実像感よりも、適度な空間で綺麗な音を響かせる…といった趣で、特に小編成の生楽器などの曲はかなり惹かれるものがあります。

 ということで、今ではちょうど半々くらいでしょうか?これらのスピーカーを切り替える割合は。午前中にNS-1 classicsを聴いて、午後からはSL-6siなんて事もよくあります。
 もちろん、スピーカーの切り替えは、正面にスピーカーを二組並べるなんてヤボなことはせず、ちゃんと台の上からスピーカーを片付けて、背面端子をショートさせた上で隣の部屋に押し込んでます。同じ部屋に置いておくと明らかに音が濁るというか、使ってないスピーカーの方から変な響きが聞こえてくる気がしますので。

 もっとも、簡単に出したりしまったりできるのも、このサイズのスピーカーだからできる楽しみかもしれません。

iPhone7 Plus


▼2017年11月05日

AETのEVO-0402SHRFがなかなかよい件

https://farm5.staticflickr.com/4457/37294196174_c9737becdc_m.jpg 自分が使っているオーディオ機器は、普通のRCA→RACケーブルケーブルが案外少ないので、それなりに自作でケーブルを作らなければならないのですが、ちょっと前までは売るほどあったLINN BLACKケーブルの手持ちも近頃ではさすがに減ってきて、何か別な線材で手頃で手に入りやすいケーブルはないかな?と物色していたのでした。
 LINN BLACKは切り売りだと1m/1,500円で、得られるパフォーマンスを考えれば値段には文句ないんだけど、なにせ売ってる場所が限られるので、調達に手間がかかる。

 つことで、トモカ電気とかアキヨドとか色々眺めていたんだけど、その中で目についたのが、AETのEVO-0402SHRFというケーブル。ヨドバシの店頭だと切売りで税込みで1m/940円という安さだし、なんたって線材が細いのがよい。というかこの手のオーディオケーブルでやたらと太い線材はもう信用しないことにしている。個人的な印象だけど、図太いケーブルで音が良いと思ったケーブルなんてほとんどないし、自分の好みとしては多分細目でしなやかな線材の方が基本的に合っているようだ。それと青の見た目もなかなかカッコイイ。ケーブルだって見た目が悪いよりは良い方がずっと嬉しい。

 さっそく、この線材をつかって1mのRCA→TSケーブルを仕立ててみる。TSプラグはノイトリックのこれRCA側はこれ。結構お高いプラグだけど、10年以上前にこのプラグを手に入れたときはもっと安かった気が…。たしか何かの海外通販やったとき一緒に注文したんだよな。

 ノイトリックのプラグは、プラグとしての信頼性も高いけど、なんたってハンダの食いつきが良いのが嬉しい。毎日のようにハンダごて握ってる人にはどうでも良い利点かもしれないけど、たまにハンダごて使うだけの私のような素人には、こういう点もメリットなのだ。

 で、せっかくなので前に作ったLINN BLACKのRCA→TSケーブルと比較してみたのだが、AETのケーブル、なかなかよいんでないかい?これは機材の相性もあるのかもしれないけど(もっとも自分の場合は実質ADI-2 Pro専用用途なのでいいのだが)、LINN BLACKが地味だけどきちんとした端正な音を出すのに対して、AETの方は、同じようにきちんとした音だけど、LINN BLACKより少し華やかさがある印象で、変なクセを感じないのが実に良い。この控えめな華やかさは、禁欲的なRMEの機材にはむしろ良い方向に働いているようで、少なくとも自分の環境では、AETの方がADI-2 Proのメインケーブルになってしまった。

 線材が細目なのも取り回しが良くて気に入っているし、私の場合はなんたって会社帰りにアキヨド寄って線材の調達ができるので、昼間に仕事をしているときにふと…「お、今日はなんだかケーブル気分」なんて事になっても即日でケーブルが自作できてしまうのが嬉しい。

 好みもあるとは思いますが、手頃な値段でちゃんとしたケーブルをお探しの方には、このEVO-0402SHRFをお勧めしておきます。私の場合は自作前提だけど、普通の人はRCAの完成品ケーブルとしてもこの値段と音なら、安いと感じるのではないでしょうか。

iPhone7 Plus


▼2017年07月11日

SANSUI AU-α607L Extra

P7090238 自分はサンスイの音が好き…というのは、私の基礎嗜好としてずっと昔から実感していたのです。何故から、自分が一番始めに買ったCDPがサンスイのCD-α607iだったから。多分、私がマトモにオーディオ機器の音質比較をして購入した最初で最後の機器です。その後はね…衝動買いしかしてない訳だし(笑)

 ということで、SONYの TA-F333ESX IIをちょいちょい聴くようになってから、一度サンスイ同時代のアンプ、607系の音は興味を持っていて…というか、この手の国産アンプの中でもサンスイの表面がテカったモデルは一度聴いてみたいものだなと漠然と思っていた訳です。

 で…家から近くないドフでAU-α607L Extraが2万円で出ているのを見つけてしまって、安くはないなと思ったのですが、ジャンク扱いじゃないし持ち帰ってみるかな?と思って購入。ボリウムに多少ガリがあるそうですが実用上は問題ありません。むしろボリウムが少しぐらつく方が気になりますが、一応バラして確認してみると、パーツとしてはガッチリと内蔵ボリウムに固定されているようで問題ないかなと。本製品のボリウムノブはネジ止めじゃなくて圧入みたいで、前のオーナーはそれを知らずに無理矢理フロントパネルをこじ開けようと色々したんじゃないかな?今のところは正常に動いていますので、気にしないことにします。

 その他、ダイレクトスイッチやパワーアンプ切り替えスイッチでもガリが出ているようで、たまにLチャンネル出力が不安定になるのですが、スイッチを何度も回していると大体直ってきたので、これも問題ないといいうことにします。バラして清掃とかすると余計に壊しそうだし。

 SP端子からのDCチェックは、左が4mV程度、右が0.2mV程度でこれも全く問題なし。問題なさそうなので、しばらくウォーミングアップした後にメインのピエガに接続してADI-2 Proより音出しします。

 あー確かにこれはイイですね。同じ時代のアンプではありますが、SONYとは大分違う音が出ます。ソニーに比べもう少しなめらかで解像感を強調しない感じ。音場やらは相変わらずこの時代の国産アンプ同様、お団子空間ではあるのですが、そうそう…これが自分が好きなサンスイの音なんだなぁと、しみじみと聴き惚れます。
 これにCD α607iを引っ張り出して、往年のCDオーディオと洒落込みたいのですが、そちらはまだ倉庫から出せていません。週末にでもやるかな。

 まー、当然ながらNAP250には全く及びませんし、このアンプをこの先常用するつもりもないのですが、完全な興味本位としての機器購入として、こういうのも楽しくていいんじゃないかと。一応、こちらは鹿嶋行き機材のひとつとして、333ESX IIと同様に持ち込む予定です。彼の地がだんだんアンプ天国になってくるな(笑)

OLYMPYS E-M1 + Zuiko Digiral 14-54mm F2.8-3.5


▼2017年06月04日

死ぬまでに手に入れたいオーディオ

 ちょっと前だけど、ふとそんな話題になり困ってしまいました。
 昔なら色々沢山あったんですよね。でも…今はなんだろ、と思ったのでちょっと考えてみます。まずはソース機材から。

 一番先に思いつくのはLINNのLP12かなぁ。これはアナログプレーヤーのLINN AXISが壊れなければ絶対ほしいとも思っていなかったのですが、壊れちゃったのでwやっぱりほしいです。困った事に一番安いセットで43万円する上に、さらに45回転が必要な場合LINGOという20万円する外部電源が必要になるので、おいそれと買えません。まぁ…リーマンやってるうちに買っておきたいですね。1度買えばきっと死ぬまで保つだろうし。

 他、以前は同じLINNのネットワークプレーヤー、Klimax DSとかほしかったのですが、まーさすがに300万円は普通のサラリーマンやってる限りは無理です買えません(笑)。それとネットワークプレーヤーというジャンルは、最近PCオーディオ界隈に勢いを持ってかれてる気もしまして、昔ほど高価な機器がほしい気持ちもなくなったかなぁ。

 そうそうPCオーディオもADI-2 PRO買ってから上がりな気分になっちゃいまして、他にほしい機材もあまりなくなりました。こちらは日進月歩の業界なので、数年したら別な機材ほしくなる可能性高いですが、今のところは満足中。

 ではアンプはどうかというと、これも特にないなぁ。例えばクレルの初期パワーアンプを1度聴いてみたいとか、そういう欲望はありますが、ずっと使い続けるアンプとして考えると、今のNAC12/SNAPS/NAP250の組み合わせを変更したいとは思わない。あ…HiCapだけはほしいかな。ま、その程度。

 スピーカーについても同じようなもので、今のところPIEGAのMaster jubileeに不満はありません。他、別な場所でCelestionのSL6si、YAMAHA NS-1 Classic使ってますが、他にほしいスピーカーってのもなかなか難しい。じっくり聴いてみたいのはアポジーのフルリボンとかね…昔は聴いてみて買う寸前までいきましたが、さすがに前後で同じ音が出るリボン型は自宅で使うには色々厳しい。

 ただ、ちょっと音を聴いてみたいな…みたいなモデルはそれなりにあるんですよね、なのでハードオフとかで出物を見つけるとつい買ってしまう。そのため中古価格数万円程度の機材はけっこう無駄遣いして余計なの買い揃えてます。ただ…それもある意味興味本位で揃えてるだけで、今のところ将来に渡りメインでずっと使い続けたい訳でもない。

 つことで手持ちの機材を用途別にちょっと整理してみます。

 1:ソース機器
   自宅:アナログ:LINN BASIK ターンテーブル→LP-12に買い換えたい
   自宅:ネットワークプレーヤー:LINN MAJIK DS→これでいいかな
   自宅・鹿嶋:USB/DAC:ADI-2 Pro→これでいい

 2:アンプ
   自宅:NAC12/SNAPS/NAP250→ほしいのはHiCapくらいか
   鹿嶋:AUDIOLAB 8000A/8000P→これもこのままでいい
   予備:LINN MAJIK→将来機材を処分する必要があってもこのアンプだけは残す

 3:スピーカー
   自宅:PIEGA Master jubilee→不満なし
   鹿嶋:Celestion SL6si→不満どころか現状のベスト!
   予備:YAMAHA NS-1 Classic→小型SPなのでSL6と交互に使用、これも不満なし
 
 あれ?ほしい機材ないわ。
 もちろんこれは現状の話であり、どこかですごい機材を聴いて仰天して、それがほしくてほしくて仕方がなくなる場合もあるかもしれません。ただ、これだけの時間オーディオ機材を色々買ったり売ったりすると、もう全く新しいジャンルのオーディオ機器は多分そんなに欲しがらないんじゃないかな。そんな気もします。もちろん金に糸目を付けないのならいくらでも買いたい機材はありますけど、幸い自分の人生は金に糸目だらけなので、現実的に考えると自分の中でまだ買っていない機器はLP-12くらいですかね。

 そういう意味では、あまりオーディオ道の果てなき泥沼にハマっているとは言えないところで上がりに近い気分になってるので、安上がりな人生とも言えるかな(笑)
 それはともかく、ボチボチと死ぬまでに買っておこうと思う買い物は、心の中で棚卸ししておいた方がいい歳になってきたのかもしれません。

▼2017年05月28日

AliExpressからジャーマンプラグを買ってみた

E5270475 ちょっと前にここで書きましたが、NAP250用に240Vの昇圧トランスを買ったのですが、出力側のコンセントが、ジャーマンとかユーロとかSEとか呼ばれるプラグでした。
 このプラグ、主に欧州(ドイツ・東欧)などで使われていて、一般的には240Vコンセントで使われることが多いようです。

 で、その時一緒に買ってきた500円位のジャーマンプラグですが、音に不満が有る訳ではないし、そもそも他と比較してないので不満が出るはずもないのですが、ふとAliExpressというアリババ系ECサイトを見ていたら、ホスピタルな外観をしたプラグを発見!値段も安いし早速注文してみよう!
 いくつか種類があり、カッパー(銅)+金メッキ製にするか、同じくカッパー+ロジウムメッキにするか悩んだのですが、ここはもう完全に見た目でViborg製カッパー+ロジウムメッキプラグを注文してしまいました。ま…音の差なんてどうせわからんしな(笑)。本当はメッキなしが欲しかったのですが、ザッと見た限りでは見当たりませんでした。

 お値段は同デザインのICEプラグとセットで13ドル。更に驚きの送料込み!
 海外からこんなプラグが1,500円しない値段で日本へ送料無料で届いちゃうんだからね。みんなヤマト運輸に同情してる場合ではないだろwという感じですが、果たして原価はいくらなのか気になるところ。

 さて、到着までは2〜3週間かかるとのことでしたが、注文してからおよそ1週間でブツは届きました。きちんと箱詰めにされて届いたプラグは、見た目だけならアキヨドとかでロジウムメッキプラグ5,000円以上とかで売っててもおかしくない出来。早速組み立てます。

 組み立ててみて思ったのですが、この手のホスピタルな電源プラグは色々手を出しましたけど、今回買ったこのViborgプラグ、とても良くできてると思いました。
 というか構造的に日本やアメリカで使われている板状のコネクタより強固なんじゃないですかね。ケーブルコネクト部も無垢のプラグ棒の中にいもネジ2箇所で締め付ける構造だし、そのプラグ棒も透明な樹脂製の本体にから小さなハンマー使わないと引っこ抜けないくらい強固に圧入してある。
 さらにプラグボディを固定するねじ数も合計6本+ケーブル固定用で2本という、普段この手のモノを作り慣れている自分でも「あれ?あれ?」ってなりました。今まで見た中では、日本のオーディオで使われる3ピンプラグより、はるかに頑丈です。

E5270468 これは規格の構造的な問題もあるので=ジャーマンプラグが優れているという意味ではありませんが、実は日本でもオーディオ用プラグは全てこの手のジャーマンプラグに取り替えてしまった方が、少なくともプラグ接合部はガッチリ固定できるのかもしれません。電線病な方は、こういったジャーマンプラグのタップを買ってきて、壁コン以外の接合部はすべてジャーマンプラグにしてしまったほうがいいかも。

 工作も終わったので早速トランスに差し込みます。
 ジャーマンプラグのいいところは、2本のパワーピンに対して、上下からアース(グランド)の端子が挟み込むようにして固定されること。間に合わせで買った500円位のジャーマンプラグも、結構強固に固定されるもんだなと感心していたのですが、今回のViborg製は、もっとキツくガッチリ固定されます。少なくとも自然に垂れ下がって緩むことはないでしょう。

 肝心の音質ですが、よくわかりません(笑)。NAP250用のパワーケーブルはこれ1本しかないし、プラグ交換してしまうと元の状態から比較できる訳でもないですが、まぁ…良くなってるんじゃないでしょうか。交換後に「悪くなった」とは思いませんので、少なくとも元と同じか、あるいは向上しているものと思われます。

 ということで、音も満足、価格も満足、そして見た目も満足という、三方よしの近江商人みたいなViborg製ジャーマンプラグだったのでした。

E5270466
↑インレット側は3ピンXLR仕様、本来電源には推奨されません。

OLYMPYS E-3 + Zuiko Digital ED50mm F2.0 Macro


▼2017年05月24日

アナログまつり2017も終盤にさしかかって参りました

IMG_9341.JPG 私の部屋では、だいたい年に1度くらいのペースで「アナログまつり」が開催されます。

 まつりといっても参加者自分1人の淋しくも切ないおまつりなのですがw、大体1〜3週くらい続いて、その前半はアナログレコードを集中的に10〜20枚程度買い漁り、後半はそれらを演奏して楽しむというおまつりです。
 スタートのきっかけは色々。何となくの場合もあるし、SNSで友達が楽しそうにアナログレコードのこと書いてるのに触発されるときもあります。

 で、今年はやや小規模になりそうですが、恒例「アナログまつり」のシーズンがやってきました。

 思えば今の会社の帰り道って、この手のモノ買い漁るのに不便しないんですよね。なんたって帰宅経路にレコード取り扱ってるユニオンが主だった店で4件、神保町周辺にあるレコード屋も含めると、1日1件寄っても2週間程度は楽しめるのではないかと。

 つことで先週買ったレコードを左上から時計回りで。

・グールド:ゴルトベルグ変奏曲
・ヘンデル:水上の音楽
・ヨハン・ショーベルト:ソナタと交響曲
・中村はるか:カーテンコール
・グールド:ゴルトベルグ変奏曲
 
・おまけ:ステサン別冊マイ・レコードスタイル

 表紙の上坂すみれに惹かれた訳ではなく、おそらく日本のメディアでは最初で最後であろう、Regaの特集記事があったから。

 ショーベルトは比較的新しく、中村はるかは新譜ですが、その他3枚は意識して古い盤を買っています。特にオリジナル盤とかではないんでしょうが、下段中央のグールドLPには「LPレコードは素晴らしい!ロングプレイ、そして高音質!これからの音楽ファンはLPレコードを買いましょう」みたいなあおり文句が英文で印刷された中袋が入っています。盤も固いのでそれなりに古いレコードみたいです。初期のグールドはモノラルがオリジナルですが、このゴルトベルグはどうなんだろ?今回購入したのはステレオ盤でした。価格はカーテンコールが新譜で2,800円くらい、他は中古で 1,000円前後です。

 真剣に音質比較してしまうと、やはりLINN DSやハイレゾ音源には敵わないのかもしれませんが、それでも自宅ではCDより確実に音がいいと思います。アナログレコードが「暖かみのある音」なんていってる人はもう古い!(笑)。現代のアナログ、特にCD登場以降のアナログ機器は、情報量、解像度も申し分なく、安物でも最近のプレーヤーに買い換えるとすごく進歩してるのが実感できると思います。むしろ今となってはCDの方がナローで「暖かみのある音」になってしまったような。
 それと、音の実像感みたいな部分は、デジタルなソースより、何故かアナログレコードの方がはるかに感じられるんですよね。だからレコードは聴いていて気持ちいいのかも。

 ということで、アナログレコードは聴いてて楽しいねというお話しでした。今回のアナログまつりはボチボチ終了かな?
 もちろん、まつり開催期間外でも、それなりにレコードは嗜んでますけどね。

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▼2017年05月22日

ノイトリック側のケーブルをホットボンドで固定したら音変わった

IMG_9335.JPG つい先日、手持ちの LINN BLACKケーブルの片側を、ノイトリックのTSプラグに付け替えました。これはADI-2PROへ直接接続出来るようにするための改造。

 まぁ…それはいいんですけど、ケーブルを制作して数日後、ふと思い立って、ノイトリック側のハンダ付けした部分を安全(ショートの危険とか)のため、ホットボンドで固定してしまうかと。
 で、プラグのハンダ付け部分にホットボンドを流し込み固めてしまったのですが、その後音出ししてみるとどうも音が変わりまして…ベタな変化で申し訳ないのですが、音の余韻とかそういうのが明らかに消えたんですよね。
 よく言えばよりソリッドに、悪くいえばちょっとツマラン音に変化しまして、なるほど…これはホットボンドではんだ部分を固定してしまったからなのかな?と。

 で、同じノイトリックのTSプラグ(ステレオなのでTRSプラグ)を採用している、ULTRAZONEのPRO900付属ケーブルを見てみると、わざとなのかなんなのか分かりませけど、中身は見た目よりもかなり華奢な印象。というか普通にはんだ付けされているだけで、余計な保護チューブや固定などはされていませんでした。

 考えてみれば自分が使ってるNaim Audioのプリアンプ内ドーターボードは、コネクタ部分がゆるゆるで、どうやらここをガッチリ固定してしまうと音が悪くなるなんてイギリスのフォーラムで議論されていたモノでした。実際ワザとじゃなければ、コネクタ部分をこんな構造にする訳ないって感じの緩さですしね。

 そういう部分で音って結構変わるんだなと、しみじみ実感できた今日この頃。もちろん一度装填したホットボンドを取り除く訳にもいかないので、この状態でいくしかない訳だけどね。

 写真は上から自作ケーブルLチャンネル、自作ケーブルRチャンネル、一番下がPRO900純正ケーブルの順。

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SINGLE SPEAKER DEMONSTRATION

SingleSpeaker オーディオと人生に大切なことは、ODEXのチラシから教わった…なんちて。

 それはそうと、ヲデオに迷うことがあったらこのODEXのLINN製品チラシを見返すことにしています。こちらの情報はある意味日本におけるLINNの原点みたいなモノですからね。

 特にここにある「ワン・ポイント・アドバイス」は、今オーディオやってる人にも、とても参考になる事が書いてあります。
 本エントリでネタにしているチラシは、このエントリ下にあるリンクをクリックして頂くと、スキャンしたPDF(LINN/Rodgersのカタログ)が参照できます。

 例えば(1)の極性チェックのところ。実際に「オーディオ機器の極性を合わせるように」と書いてあるオーディオ指南書は数ありますが、具体的なやり方にはあまり触れていない場合が多いです。
 テスターなどで計るには問題ないのですが、聴感で合わせる場合「入力側から出力側に向かって」と具体的に書いてあります。これは長岡鉄男のオーディオクリニックにも同じ事が書いてありましたね。逆にそれ以外の本では、システムとしての極性合わせについて、実際に何をどうすればいいのか私は読んだことがありません。

 他(3)の「軽い板テーブル」は、一般的なオーディオの常識とは少し違いますね。やむなく重いラックを使う場合は、カセットケースや発泡スチロールなどを下に挟むとありますが、こちらは長岡信者が読んだら発狂しそう(笑)
 自分はターゲットオーディオ製のラックを使っていますので、ターンテーブルは軽い板の上に乗っており、それはスパイクでフローティングされていますのでこのチラシのセオリー通りです。

 軽い台の上に置く理由は、軽いと振動はしますが、その振動がすぐに収まりますし、特定周波数での共振も起きにくい上にすぐ止まるから。逆に重い台は振動しにくいですが、一度揺れると止まりにくい上に、共振し始めると台そのものが大きなエネルギーを持ち、他の部分の振動を誘発します。

 もっとも、これはLINNのターンテーブルを使う前提の話なので、YAMAHAのGT2000みたいな剛体で出来たターンテーブルを使う場合にはまた違うんでしょう。どうでもいいんですが、日本家屋で使うターンテーブルは、絶対にLINNみたいなフローティング構造の方が優れている気がするんですよね。GTシリーズみたいに振動をマスで跳ね返す構造は、床も剛体じゃないと効果が薄いような気がしますけど。

 そして(4〜5)にも重要な事が書いてありますが、そこは省略。
 私が思うにオーディオマニアになるほど守れてなかったりする人が多い部分が(6)です。つまり「部屋にはひと組のスピーカーしか置かない」これは本当に大事です。
 チラシには「ヘッドホン、マイク、アラーム時計、電話など…」みたいに書いてありますが、流石にそこまでは極端というか無理でも、一般的なラウンドスピーカーが複数ある部屋は、それだけで想像以上に音が悪くなっています。どうしてもスピーカーを部屋の外に出せない…という理由があるなら、せめて使っていないスピーカーは、端子をショート(+とーを短いケーブルでつないでしまう)するべきで、それでも音質劣化はかなり起きていると思った方がいいです。

 最近のスピーカーシステムでは「ドロンコーン」という方式はほぼ使われなくなりました。ドロンコーンの「ドロン」は、ナマケモノの意味で、これは自らボイスコイルを持たず、他のユニットが出す音圧を受けて音を出す方式。
 そして同じ部屋にある未使用のスピーカーはドロンコーンとして機能します。これはスピーカーから出る音圧をユニットが受けとめて、それにより自身もドロンコーン同様に震動して音を出すからです。端子をショートさせれば、ボイスコイルが電気的にショートして固定されますので、ボイスコイルの動きは止まるのですが、それでもコーン自体薄く振動しやすい素材でできているので、完全に音を止めることは不可能です。
 そして、その音は設計・計算された音ではありませんので、単純にメインスピーカーから出る音を汚すだけの雑音となります。

 よく、オーディオ好きの方の紹介記事で、目の前にスピーカーを数組並べた状態で、ソースによってメインとサブを切り替えてるなんて状態を目にしますが、ハッキリいって大丈夫なんでしょうか?その状態でケーブルによる音の違いとか、インシュレーターを変えたら音が良くなったとか分かるのかな?その手の写真を見る度に、高価な機器を使っているのにもったいないなとか、使ってないシステムはしまえば音も良くなるのにとか、モヤモヤした気分になります。
 ついでにいうと、そういう状態のシステムは、スピーカー以外にも使っていないオーディオ機器が沢山ぶら下がっていたりして、中には「ここ数年間電源も入れていない」なんて紹介文章を読んだりすると、使っていないなら外して倉庫にでもしまえばいいのに…とも思います。
 もちろん使ってない機器をアンプに接続しているだけで音質は劣化します。ひとつふたつなら変わらないでしょうが、セレクタを介して何台もオーディオ機器をアンプに接続している人は、必用以外の機器の接続をすべて外してしまえば、それだけで音が良くなる場合が多いようです。

 まぁ…大きなお世話なのかもしれませんが、実際に複数のスピーカーを部屋に置いた状態での音質劣化を体験してしまうと、目の前に沢山スピーカーシステムを積み上げている人が書く音質評価って、ちょっと眉唾な感じ。そういった状態でも何かやれば音は変わるんでしょうけどね。

 ということで、使っていないスピーカーが部屋に置いたままになっている人は、まずは使っていないスピーカーを部屋から出す。それが出来ない人は使っていないスピーカーの入力端子の+とーを電線でつないでショートさせ、ユニットを壁に向けて部屋の隅に押しやってしまう。
 それだけで音は大分改善されるはず。正面に複数のスピーカーシステムを配置したままなんて言語道断で、そういう状態で正しいステレオイメージを再現できるシステムはナシと断言してもいいかも。

 「SINGLE SPEAKER DEMONSTRATION」は、本当に大事なことなのです。

LINN-1 Rogers-1
↑それぞれクリックでスキャンPDFが!

▼2017年05月17日

音の良いハブ第二弾!BSL-WS-G2108Mを導入

E5170458 ハブですよ、ハブ。シャーーッ!!

 ネットワークオーディオには「音のいいハブ」というジャンルがありまして、私も初めは半信半疑だったのですが、以前PLANEXのSW-0008F2というハブを導入して以来、確かに音の良いハブ…というかむしろ音の悪いハブがある、というのを実感していたのでした。

 で、このSW-0008F2ですが、音質的には満足というか、変な音出さないのでそれなりに信頼していたのですが、この光の速さで情報がやり取りされる時代、流石に10/100Mではちょっと速度的に辛いモノがありまして…。まぁ、ネットワークオーディオ的にはむしろギガビットとかない方が音質はいいなんてメンドクサイ事言う人達もいるのですが、とりあえずギガビットな速度は欲しいなぁ…と。

 となると俄然気になるのが、メルコことバッファローがリリースしたネットワークオーディオ用ハブ、BSL-WS-G2108M/A。なんでもバッファローの総力を挙げてオーディオ用ネットワークバブに求められる音質を追求した!という訳ではなく、自社で売られているハブを色々テストした結果、このモデルの音質が良好だったということで、オーディオ用に販売したモデル。
 このモデル発売当時は、アンチヲマニはもちろんのこと、所謂ヲマニの人達からも嘲笑のネタになっていたのですが、実際に使ってみた人達の証言が増えるにつけ、実はネットワークオーディオにおけるハブの役割は重要なのではないか?なんて疑問を市場に投げかけたエポックメイキングなモデルでもあります。

 ちなみに「8ポートのハブに28,000円とかボッタクリもいいところ!」と、当時は無知なアンチが己の馬鹿ぶりを晒していましたが、これ…ベースとなったモデルは法人向けレイヤー2のギガビットスイッチングハブだからね。そもそも元の定価が24,000円するモデルに、特製のネットワークケーブルとLANポートキャップ、専用マニュアルを同梱してお値段 28,000円は、あくまでも定価ベースで考えれば、むしろベースモデル買うよりお得な価格設定だったのですが、残念ながらベースとなったハブは、多くのPC周辺機器と同様かなりの値引きで売られていたので、定価販売が基本だったBSL-WS-G2108M/Aは確かに割高感が否めませんでした。素のBSL-WS-G2108Mは2万円切る値段で売られていたしね。

 つことで私はといえば、10/100Mのハブの速度に音質以外の点で限界を感じていて、金属筐体で電源3ピンであるLSW2-GT-5NSRというギガビットハブを、どこぞのハードオフから500円で買ってきて使っていたのですが、ネットワーク速度は上がりましたが不思議と音が悪いんですよ。いやいや…これをジャンク箱から発掘したときは、いくら何でもハブでそんなに音なんて変わる訳ないと、SW-0008F2に8,000円以上出して買った自分ですらそう思っていたのですが、残念ながらハブによる音質差は想像以上にあったのです。つか、こんなこと気がつかない方が幸せだったかもしれませんがw。

 あ、「音が悪い」というのは語弊があるかな。どちらかというと世間には「音がいいハブがある」という認識の方が合っているかと思います。巷にあるプラ製の1,000円とか2,000円で買えるネットワークハブを面白がって音質テストしても、プラセボ以外で音質差とかほとんどないと思いますしね。

 前置きが長くなりましたが、オーディオグレードとして売られていたBSL-WS-G2108M/Aには主に価格的な理由であまり興味がなかったのですが、同様の一般ネットワーク向けモデルであるBSL-WS-G2108Mには興味を持っていたのです。ただ…こちらもなんだかんだで1.5万円位する上に、去年ディスコンになりまして、後継となるBS-GS2016/Aは流石にでかすぎるなと…値段も上がってるし、いくらなんでも買えないよな、と思ってました。

 ただ、最近になってこのBSL-WS-G2108Mが、新品で1万円ちょっとで投げ売りされているのを見つけまして、だったら買っとくかなと、そんなノリで入手となった訳です。

 で、今晩届きましたので早速セッティング。30分位通電してから音出ししましたが、これはびっくり!確かにいい音です。なんというか…今までのハブを通した音よりも、スッキリくっきりS/N比が向上。音のダイナミックレンジが拡大したとかそういう印象はありませんでしたが、なんというか、もやっとしたノイズ感が消えて、よりオーディオな音になった印象です。
 これはね…この文章読んでるだけだと信用できないって人が多いと思いますが、実際うち来て聴き比べてみれば、誰でも分かるレベルで音が変わってます。それこそインタコケーブルや電源ケーブル交換したときの微妙な音質差とは違います。私的には良い方向に音が変わったと確信していますし、そう思わない人でもとりあえず音は違ってると認識はできる差です。

 これはもうなんでしょうね。理屈で言えば音なんて変わる訳ないんですが、こうやって実際試してみると、PCオーディオはUSBケーブルからNASの種類によって、大きく音が変わってしまいます。これは昔のアナログやCDPの時代にケーブル交換で実感していた音質差よりももっとブレ幅が大きいです。なんででしょうね。

 同じくバッファローから発売されているDELAシリーズとか、所謂NASでしかないのに、アレだけわかりやすく音が良かったりするのですからN1A/2は少し前に二週間程度お借りして自宅で聞いてましたが、NASとしての再生もプレーヤーとしての再生も素晴らしかった)、PCオーディオ系の音質向上ノウハウはまだ知見が蓄積されておらず、私達が思いもよらないところで音を大きく左右するパーツがあるのかもしれません。

 つことで、後継機種のBS-GS2016/Aは、価格もサイズもオーディオ好きには推薦しにくい機種ではありますが、BSL-WS-G2108Mについての効果を実感してしまった今となっては、オーディオ用の29,800円モデルを買っても音質向上効果としては価格満足度高いと思います。
 少なくともアナログのインタコや電源ケーブルに数万円つぎ込むよりは、確実に費用対効果が見込めると思いました。

 【追記】オーディオ的なメリットはともかく、このクラスのハブはやはり通信速度も安定していてネットワークエラーも起きにくいです。光接続でインターネット契約してるのに何故か動画が途切れ途切れみたいな人は、使っているネットワークハブや無線ルーターをすこしちゃんとしたモデルに買い換えることをお勧めします。少なくとも家電量販店の入り口に置かれているような格安ルーターや、特価品1,500円ギガビットハブなどは、通信の信頼性もアレだし割とすぐ壊れたり劣化したり、通信エラー出まくりでネットワーク速度が低下…なんて事はよく起きてますよ。

OLYMPUS E-3 + Zuiko Digital ED50mm F2.0 Macro


友達の家でオーディオ会

IMG_9303.JPG 写真を全く撮ってこなかったので、部屋に入る途中の写真を。デザイナーズな感じの建物なのですが、なんだか綾波レイのマンションみたいでちょっと威圧的な部分も感じる雰囲気w。

 この前の週末は、古い付き合いな友達の家にオーディオを聴きに行きました。
 彼ののお宅は現在リニューアル中で今は仮住まいとのことですが、それでも稼働システムはLINNのKLIMAX DSにマークレビンソンのプリ、そしてスピーカーもLINNのAKUBARIKという豪華なモノ。そんな彼に恐れ多くも私はFireFace UCをお預けしています。ついでに私手持ちのApogee Duet2も聴いてみたいとのリクエストがありましたので、当日はそれも持参。

 まぁ…実際はオーディオ会といっても私達の場合は大体おしゃべりがメインで、その背景で音楽が鳴っているという感じなのですが、初めて聴かせてもらったAKUBARIKはさすがな音で、ちょっとLINNっぽい禁欲的な部分があるにせよいい音です。仮住まいなので本気出したセッティングではないとの事でしたが、それでもパワーアンプ内蔵のアクティブスピーカーっぽい鮮度の高い音を出していました。
 ただ、奥様は以前のB&W 801 Nautilusの方が気に入っていたとのことです。確かにあちらのスピーカーの方が、もう少し音に色気があったかな?逆にいえば少し控えめにも感じる音がLINNのスピーカーの美点でもあるので、これは好みの問題ですかね。

 お預けしていたFireFace UCでTIDALやROONでの再生を聴かせてもらったのですが、さすがにKLIMAX程ではありませんが、なかなかいい音を奏でていたのでホッとしました。
 その後Apogee Duet2につなぎ替えたのですが、初めは「ん?」と思ったのですが、時間が経つにつれアポジーらしい柔らかで綺麗な音が出てきましたので一安心。やはり少し通電していないとこの手のオーディオインターフェイスも本気は出ませんね。

 と書くと、みんなで機器や音楽をとっかえひっかえ聴いていたような印象ですが、実はほとんどがおしゃべりとゲームと呑み会…みたいなモノで、所々でちょいちょいと音楽を聴かせてもらうような会。大体私達の友達がやるオーディオ会ってこんなモノなんですが、それでもいい音と仲のいい友達といいお酒と…で、幸せな1日でした。

 さて、次は誰のお宅ですかね。

iPhone7 Plus


▼2017年05月15日

東栄変成器製昇圧トランスTS-10を導入

E5140444 今自分が使っているメインアンプ(パワーアンプ)は、とても古いNaimAudioのNAP250なんですが、このアンプが250V仕様のトランスを積んでいまして、以前日本でそのまま使えないかと120Vにリワイヤしてみたんですが、動作しませんでした。
 まぁ…250Vトランスを並列接続にしても125Vな訳で、だから日本の100V電圧では動作しないということなのかもしれません。

 もっともNaimAudioで使われている通常のトランスは240Vのトロイダルトランスで、こちらも並列接続にすれば120V仕様となり、日本で使うにはまだ電圧が足りない気もするのですが、こちらはちゃんと動作します。
 そしてNaimAudio本社に問い合わせても「北米向け120V仕様は日本の100V電源でも問題なく動作する」との解答を得ています。実際自分でイギリス仕様を買ってリワイヤしちゃってるしね。

 それはそうと、そのため手持ちのNAP250を動作させるには、昇圧トランスが必要となり、今までは友達から借りたトランスをずっと使っていたのですが、困った事にその友人もオーディオ熱が再燃し(笑)、そろそろ手持ちの機器を使うとの話があったので、トランスを返却する前に代替品を探しに秋葉原へ出かけました。

 秋葉原でトランス屋というとノグチトランスとか春日無線とか色々ありますが、今回は元々使っていたのと同じ東栄変成器の昇圧トランスを購入しました。

 選んだモデルは100V→220〜240V/1.0KVAのTS-10というモデル。
 ただ、ここで一つ問題があり、トランスの出力プラグが日本ではほぼ目にしないジャーマンプラグと呼ばれる形式になっていること。この点についてお店の人に聞くと、最近ではPSE法により、日本やアメリカで使われている3PINのコンセントで240V出力の製品は作れないらしく、「ホントは作っても罰則はないんだけど、事故が起きると製造者にも責任が問われるので…」という話でした。

 なので、現在昇圧トランスの240V仕様でアースが落とせる製品はこのプラグを使ったモデルしかありません。今まで使っていた入力も出力も一般的な3PINプラグの240V昇圧トランスは、PSE法が本格施行される前の製品で今では存在しないモデルだそうです。

 まぁ…プラグさえ手に入ればそれで問題はありませんし、そもそも今使っているNAP250は本体側のプラグもXLRに換装してあるので専用ケーブルになってますし、そのためケーブル交換もできないので問題ありません。一緒に黒のジャーマンプラグをひとつ買ってきて、片側のプラグを付け替えることにしました。

IMG_9245.JPG で、このトランスなんですが、重さが8kgありまして結構ヤバい。電車に乗って持って帰ってきたのですが、ちょっと後悔する重さでした。

 家に帰って早速プラグ交換。とはいっても基本電源プラグははんだも使わない圧着式なので、3PIN側の純正ケーブルをちょん切って、そこにジャーマンプラグを付け替えるだけ。一応電圧が電圧なので、被覆にキズがつかないよう慎重に芯線を切り出します。

 古いトランスを「うんしょ、うんしょ…」と出窓から下ろして、新しいトランスを「うんしょ、うんしょ…」と出窓に上げて早速試聴。う〜む、トランス変わると音も大分変わりますね。

 従来のトランスに比べて少し音がハキハキと元気が良い感じなのですが、少し余韻みたいなモノが消えたかも…ま、これもエージングが進めば変わってくるでしょう。どちらの音が良い悪いではないのですが、これだけ音が変わったことには驚きました。
 参考に出力電圧を計ってみると、従来の昇圧トランスが238V出力なのに対し、今回買ってきたTS-10は251V出力があります。一応仕様はどちらも1.0KVA容量なのですが大分出力電圧が違いますね。ちなみに筐体のサイズも今回のTS-10の方が一回り大きく、借りていたトランス(こちらも型番は TS-10なんだけど)は重さが約6kg程です。そうそう…うちは100V電源ですがコンセントの実測値は108〜110V程度あります。

 音出しは大丈夫そうなので、トランスの脚の部分にNaim Audioの純正ゴム脚みたいなのを装着。滑り止めと一応振動防止になるかなと。もっとも、これだけの大きさなのでちょっと心配していたトランスからの唸り音は、直接耳を本体に付ければかすかにブィ〜ンと聞こえるかな?という程度で問題はありませんでした。

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↑新旧トランスの大きさ比較
OLYMPUS E-3 + Zuiko Digital 14-54mm F2.8-3.5 / iPhone7 Plus

▼2017年05月06日

偉大なる中庸、LINN MAJIK

IMG_9276.JPG LINNの1990年代傑作プリメイン、MAJIKを引っ張り出してみます。

 このアンプは、思えば私の「マイ・オーディオライフ・セカンドシーズン」の主力アンプとして長い間君臨していた機種。一般のオーディオ雑誌では、音が渋い、暗い、思ったよりレンジが広くない、プリメインにしては高価(定価25万円+値引き一切無し)…などと、そんなに評判の良い機種ではありませんでした。そもそもこのボリウムノブが一切ないLPジャケットサイズのコンパクトなスタイルは、当時のオーディオマニアの価値観とは正反対のスタイルでしたからね。

 私は当時LINNのAXISというアナログプレーヤーを使っていましたので、代理店が変わった(当時ODEXからLINN JAPANへ)タイミングで案内のハガキが来たとき、LINNのプリメインってどういう音するのかな?なんて興味が出て販売店へと聴きに行ったのですが、その場で撃沈。同じく LINNのMIMIKというCDプレーヤーとセットで50万円、衝動買いしてしまった事がありました。

 自分の話はこのブログでもたくさん書いているのでこの辺にしておいて、その頃から見始めたNiftySarveのFAVというフォーラムでは、世間のオーディオ雑誌では全く相手にされなかったLINN製品の評価が異常に高く、今まで国産で数十キロの大型アンプを買い込んでいたような人が軒並みLINNに買い換えていましたね。そこでの評価は主に、音が良いという評価よりも「音楽聴くのが止まらなくなった」みたいな評価がとても多かったのを覚えています。

 久しぶりに音を出してみると、いわゆる音質評価的な視点だと以外と平凡なんですよね。音のレンジ感も至って普通で、むしろ最近のアンプと比較してしまうとナローに感じる部分もあるかも。それと多分はじめてこのアンプの音を聴く人は「地味」って感じると思うんですよね。何故なら低音が響くとか高音が伸びるとかボーカルが美しく歌うとか、そういう印象がほぼない。
 しかし、このアンプのキャラクターを控えめにした一定の節度、制動感ある音は、音楽を聴いているのが本当に心地よくて、音楽聴いたりCD買い込んだりするのが止まらなくなる。私もこのアンプを買ってから数年は、毎月CDを4〜5万円分は買い込んでいたと思います。

 こういうアンプを称して、オーディオマニアの人達はよく「何も足さない音」とか「原音をそのまま出す」といった言い方をしますが、Majikの音はそういうのとも違って、音の無駄な虚飾を取り去っている印象。

 そして、なによりもこのアンプの素晴らしいところは、音楽の空間表現の巧みさでしょうか。空間はさほど広い訳でもなく、音響に癖のないライブハウス的大きさ、そしてその中で実に精密な演奏空間を構成します。この音像は大規模なオーケストラを聴く人にとっては少しモノ足りないかもしれませんが、JAZZやPOPS、そしてアニソン(笑)が好きな人にはたまらないです。2つのスピーカーの間にボーカルが正しい人の形をして現れる、そしてそれが世間でいう高音質録音のソース以外でもきちんと現れます。こういうところがLINNの巧さだよなぁとしみじみ思いますね。

 派手な録音、地味な音楽、全てMajik流に1度余分な要素を洗い落としてスッキリした形にしてから増幅する。以前2chのLINNスレッドに「LINNスレッド・ふんどし一丁だよもん」という荒らしスレが立ちましたが、だよもんはともかく、ふんどし一丁はこの黒箱時代のLINNを象徴するキーワードとして実にわかりやすいかと。

 オーディオファンにとっては少し物足りないかもしれませんが、今でも音楽ファンにとっては、CDなどのソースを買うのが止まらなくなる、実に悪魔的なプリメインアンプです。

iPhone7 Plus


▼2017年05月03日

2017年のLINN INTEK、そしてSONY TA-F333ESXII

IMG_9257.JPG なにやらこのブログのオーディオネタは、懐かしの機器ネタばかりになってきた気もしますが、今回取り上げるのはLINNのINTEKSONY TA-F333ESXIIという1990年代に売られていたプリメインアンプ。

 このINTEK、以前某S氏からお借りしりしてしばらく使ってみたことがあります。なかなかの実力派アンプでしたが、当時使っていた同じくLINNのMAJIKというアンプと結構音造りが違っていて面白いなーと思いました。当時はLINNの機器というよりNaimのNait2に近いと書いていますが、今でも同じ印象です。
 今使っているINTEKは、近所の非ドフ系リサイクル屋でちょっと信じられない安値で売られていたのを保護したモノ。ジャンク品ではなかったのでちゃんと音も出ます。

 以前自宅で借りて聴いたのが2002年みたいなので、すごいなーもう15年前の話か。
 音の印象はかつての INTEKとほぼ同印象。音のはずむ感じ。解像度はそこそこだけどステレオイメージが綺麗に広がる。そしてスピーカーから前の空間に形成される音像。LINNのアンプというよりNait2に近い。それでいてNait2にあるギャングエラーやピーク時に時折みせるクリップ気味な音などの危なげな印象が皆無なので、ヤフオクでNait高値で落としてる人はINTEKもきっと好きになるよと教えてあげたいです。

 今はAudirvanaADI2 Proで鳴らしてますが、あの時代のステレオアンプの価値はなかなか色褪せないですね。

 TA-F333ESXIIは、お別荘にずっと置いてあるアンプ。バブル時代の国産定価¥79,800円クラスのアンプを制したといわれる傑作アンプで、ソニーらしい物量投入型の最終回答みたいな作り。内部のパーツが大型で高級なのはともかくとして、フロントパネルのノブまでもが全て金属無垢(アルミ?)
 高級・高品質なパーツを突っ込めば高性能化するという考え方は、ある意味昔からのソニーイズムであり、当時のソニー製品は確かに他のメーカーに比べて「ソニートーン」という個性がありました。大ヒットしたアンプなので、今でもハードオフなどでよく見かけますね。

 さてINTEKの印象から。イギリス製のアンプはよく言われる表現として「音がスロー、ソフト&メロウ」なんて言葉がありますが、同じ音源をちょうど手元にあるSONY TA-F333ESXIIと比較して、ついでにiPhoneの簡易スペアナで波形を眺めてみると、INTEKの方がちょっと意外ですがレンジが広く、波形にクセがありません。逆にTA-F333ESXIIは100Hz付近に妙な谷が出る傾向があり、16kkから上(CD音源だとほとんどないんだけど)は明らかに INTEKの方が出ています。もっともこれが音楽的に正しい波形なのかはわかりません。わかりませんが国産機の解像度重視というイメージはちょっと違う結果ですね。それとSONYに比べてINTEKの中域が豊かに聞こえるのは 100Hz付近の谷が影響しているのかもしれません。
 もっともどちらも新品状態ではありませんし、あくまでもiPhoneの簡易スペアナで音楽の波形見た印象なので、あくまでも参考程度ですが。

 ちなみに、当時のイギリス製アンプの価格表を掲載します。

メーカー名:製品名イギリス価格日本国内価格
AUDIOLAB 8000A430GBP138,000円
LINN INTEK419GBP260,000円
NAIT-2419GBP140,000円
MUSICAL FIDELITY A1mk2300GBP138,000円
CYRUS TWO380GBP140,000円前後?
AURA VA50 CHROME250GBP138,000円?
ARCAM ALPHA3200GBP100,000円弱?
※当時の1ポンドは150~160円


 オーディオ機器は価格が全てではありませんけど、今回比較しているSONYのTA-F333ESXIIは、海外だとTA-F700シリーズとして販売されていて、米国では定価$1,200程度だったようです。そう考えるとLINNのINTEKも現地価格は大体似たような価格帯でした。当時TA-F333ESXII(に相当するモデル)がイギリスでいくらで販売されていたのかは知りませんが、日本製のオーディオ機器だって、海外で買えば中には2倍3倍の値段付けられて売られている製品があります。もっともSONYは当時からワールドワイドなメーカーなので、数割増し程度ならともかく、国内価格に比べ売値が極端に違っていたとは思えません。

 この時代のイギリス製アンプと国産のアンプを比較すると、双方目指していた世界がまるで違ったんだなというのがよくわかります。一番違う部分がステレオイメージ。INTEKが自然なステレオ空間を再現するのに対して、TA-F333ESXIIは音が右・左・そして中央にしか定位しません。
 ただ、これは当時の日本のオーディオ空間を考えると仕方ないのかなと思います。なんせ当時の日本におけるオーディオセッティングは、六畳間に30cmウーハーが付いた598スピーカーを持ち込み、合板のオーディオラックをスピーカーで挟み込み、1mの距離で音楽を聴いていたみたいな世界です。もちろん当時から広々とした空間で小型スピーカーを悠々と鳴らしていた人もいたかもしれませんが、私の知っている限り大多数の音の仲間(笑)は、こんな感じです。これでステレオイメージとかね、考えてもしょーがない。

 音色そのものは、クラシックやジャズなどに見られる楽器などTA-F333ESXIIの方が綺麗で存在感のある音を出します。ただ、単純に短音としては綺麗でも、INTEKに比べそれが音楽全体として上手くまとまっていません。端的に言うとTA-F333ESXIIは楽器一つ一つの音色は認識しやすいですが、全体の音楽としてのまとまりを聴かせてくれるのはINTEKの方が上です。
 また、音そのものはTA-F333ESXIIの方が存在感ありますね。出てくる音が派手それぞれ積極的に主張してくる印象。あの当時の国産機器が好きな人は、きっとこういう部分が好きなのかな?と思ったりします。

 モノとしてはTA-F333ESXIIの豪華さは今となってはすごい。これだけ分厚くこれだけ重く、巨大なトランスやキャパシタを持っているアンプが当時¥79,800円で買えたという事実。それに比べるとINTEKの簡素さは見た目だけだとTA-F333ESXIIの半額どころか1/4みたいな印象。
 どちらの商売が正しかったのかはわかりませんけど、少なくともLINNは現在世界のピュアオーディオ界である意味巨人となりました。SONYは、今では TA-A1ESというステレオアンプを販売しているみたいですが、評判はあまり聞きませんね。結果、こういう商売をしていた国産オーディオメーカは、軒並みオーディオから撤退、もしくは倒産してしまいました。
 つまり、日本のオーディオメーカーは企業としての継続的活動を持続できなかったことになりますね。結果として当時の国産オーディオメーカーによる大盤振る舞いの商品企画は、オーディオ業界全体として考えると、あまり正しい活動とはいえなかった…という話になります。ま…どうでもいい話ですが。

 それにしても、色々な好みはありますが、オーディオアンプの価値は色褪せないですね。残念ながらソース機器はその当時に使われるメディアによって大分影響を受けますが、その増幅器であるアンプは、新しい製品が必ず良いかというと、そうでもない場合も結構あるようです。

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↑天板がサビび付いちゃってますが他は綺麗です。

iPhone7 Plus


▼2017年01月21日

AETのUSBケーブルEVO0508を注文

IMG_8717.JPG ADI-2 Proも買ったし、ちょうどアマゾンからアフリエイト入金も数千円分あったので、スケベ心を発揮してつい注文。
 個人的にPCオーディオ系の怪しげなネットワークケーブル騒動や高価なノイズクリーナーなどのたぐいは興味ないのですが、残念ながらUSBケーブルについては「音が変わる」というのを実感しちゃってますので仕方がない。

 初めは自宅で3mを使っているワイヤーワールドUltraviolet 7の短いの注文しようかと思ったのですが、どうせギフト券とか突っ込めば半額くらいで買えるんだしと、巷で評判の良いAETのEVO-0508/0.6mを注文。発送先はもう定番の別荘直でw。金曜日の夜に注文して土曜日の夕方到着しました。

 この手の高級オーディオケーブルにしては非常に簡素なパッケージのAET製品ですが、この会社の製品は、自宅だとスピーカー下のインシュレータ…というか発泡ゴムで使っていました。お値段もこの手の製品にしては結構安い。
 バカな原価厨がこんなの材料費数円レベルだろ…みたいな事いってるのを以前2chで見ましたけど、以前も書いたとおりホームセンターで普通にこの手のゴム片買ってもそんなに金額変わりませんので、ほとんどは流通コストみたいなもん。その流通で働いて仕事してる人だって大勢いますので、そのコストが反映されたこの製品は適正価格と言えるでしょう。これを高いといってる原価厨は、1度ゴムの木から原料採取して混ぜる原油も採取して個体化+発泡化して正確なサイズで断裁してパッケージに入れて全国のお店に1人で配って売ってみればいいのではないかと…なんていいつつ、既に自宅ではこのインシュレータ使ってないんですけどね(笑)

 話が脱線しましたが、早速使ってみます。
 今まで別荘で使っていたUSBケーブルは、エレコムのU2C-BF07BKという製品。高音質とはいいませんけど、変な音出さない上になんたって安いので、半ば使い捨てのつもりでA-BタイプやマイクロタイプのUSBケーブルを数本購入して、自宅や会社など色々な場所に常備しています。
 まずはこちらのケーブルで1曲ほど音楽を聴いてからAETに交換。ボリウムの位置なども正確に合わせて再生してみたのですが、あぁ…やっぱ全然違う、というかさっき聴こえなかった音入ってるよ…ってレベルで全く違います。音の情報量が増した上に、中央の定位がエネルギッシュになり、さらに中央以外の音のステレオイメージがより正確になりました。
 まー元のケーブルがアレなのであまり大げさに考えられるとちょっと困るのですが、PCオーディオで、USBケーブルについては残念ながら音が変わってしまうのです。これは、昼間再生していた音楽をまた聴き直したいって気持ちになりました。

 ケーブルの材質も、この手の高級品によくあるUSBハブが持ち上がってしまうような堅いケーブルではなく、一般のUSBケーブルと比較してもかなりしなやかです。必要な長ささえ確保すれば、ケーブルの取り回しで苦労することはないでしょう。

 USBケーブルとしては高価ではありますが、インタコに何万円もぶっ込んでいた老獪なヲマニ達にとっては、これくらいの金額は安いもんでしょう。信じる信じないは勝手ではありますが、まだUSBケーブルの音質差を実感した事がない人は試しに購入してみては如何?ダメならオクにでも流せばいいんだしね。

 ちなみに私見ですが、FirewireケーブルやLANケーブルについては、変わらないとはいいませんが、正直オーディオグレードのケーブルとして万円かけるほどの性能差はないかと思っています。もっともこの先万円かけるに値する製品が出てくる可能性もありますので、意味がない!とはいいませんけど。

iPhone7 Plus


RME ADI-2 Pro

IMG_8701.JPG 発表されたときからずっとほしくて、発売日を心待ちにしていたのですが、初回出荷分はあっという間に蒸発、年が明けてようやく入手可能になってきました。
 こちらは、高性能オーディオインターフェイスで有名なドイツRME社の新しいオーディオインターフェイス、ADI-2 Proです。

 自分のRME歴は、思い起こせば2013年にヨドバシでFireFaceのUCを入手したときから始まります。今だから言いますけど入手金額は8万円くらい。あの当時では破格に安かったですね。その高性能ぶりに驚いて、2年後の2015年にFireFace 400の中古をツテで安く入手できる機会があったので、別荘用にもう1台買い増ししました。その他趣味で色々と安いオーディオインターフェイスは買いましたけど、この2台が私にとってのリファレンスであり、LINNのDSを別にすれば私のPCオーディオ環境になくてはならない機器としてここ数年間愛用しています。

 そのRMEが新しいオーディオインターフェイスを発売する!そんな発表があったのが去年の春くらい?でしょうか。当初の予定では2016年の夏くらいには発売されるとのことで、音も聴いてないにかかわらず楽しみに待っていたのですが、結局発売されたのは年末になってしまいましたね。そちらの出荷分は買い逃したので、私の手元に来のが2017年になってからとなりました。

 さて、こちらのADI-2 Proですが、実はこの機種の前にADI-2というモデルがありました。FireFaceシリーズの影であまり話題になっていなかったようですが、単にオーディオ用D/Aコンバータとして使う場合には面倒なPCによる設定が必要ないため、一部のヲマニさん達の間で高性能なのに安価なD/Aコンバータとして話題になっていたようです。
 今回発売されたADI-2 Proも、基本的にはPC側での設定が必要ありません…というかできないと言うべきでしょうか。MacでUSB接続の場合はドライバソフトすら必要ありません。USBで接続してOSのメニューからサウンドの出力先を選択するだけで使えます。私なんてついFireFaceのクセでTotalMix起動させちゃいましたけど、当然ながら ADI-2 Proの設定はなにもできません。本体の設定は前面にある3つのノブとスイッチで全て行います。この辺は逆にPC側から制御できた方が楽な気もしますけど、それは私がFireFaceシリーズを使っているからそう感じるのかもしれません。

 本体の設定方法については、分厚いマニュアル2冊とクイックマニュアル的な資料が同梱されています。基本はクイックマニュアルを一読して、シンタックスのこの辺のページを読めば問題はないかと。黒くて分厚いマニュアル2冊は、使い方というより、ADI-2 Proを使いこなすための設計思想やウンチクやらつらつらと書いてありますので、一通り設定が終わった後に音楽聴きながらのんびりと読みましょう。なかなか面白いことが書いてあります。

 肝心の音質ですがやはり素晴らしいですね。以前のFireFaceシリーズは高音質だけどやや分析的な趣もチラホラしていましたが、このADI-2 Proの場合だと音の基礎部分が大きく底上げされた印象で、音は緻密ながらも「分析」などという余計な事を考えさせないだけの説得力がある音です。
 それでも一般的なオーディオ用DACと違って、変換する音のキャラクター性は低く抑えられており、その辺りは純粋なリスニング用のDACと比べると薄口に感じる人もいるかもしれません。高音質ですがアンプやスピーカーを支配してしまう印象がないので、様々な機器と組み合わせて遊ぶのにも適している気がします。

 音源については、最大でPCM:768kHz/32bit、DSD:11.2MHzという、音質よりもむしろPC側のストレージ残容量が心配になってしまう程のスペックです。もはやそんな音を録音するマイクや再生するスピーカーや聴く耳はどうすんだって領域ですが、これは…まぁ、そういう時代なんでしょうね。
 そのアホみたいなハイスペックぶりの恩恵か、以前のFireFaceでハイレゾ音源を再生するよりも、ADI-2 Proで再生した方がよりハイレゾとしての音の差がハッキリします。これはハイスペックな音源に対して、ハードウェアがよりきちんと答えるだけの性能を持ったということでしょうか。

 使いこなしについては、私もまだまだこれからなのですが、電源はFireFaceシリーズの強化電源として有名になった、YAMAHAのPA-6がそのまま使えます。ただ、純正のロック付きコネクタと少し相性が悪いのか、コネクト部分が少し緩いようで、通電中にケーブルを動かしたりするとたまに電源が落ちます。DC側のコネクタを少しキツ目の内径2.1mmピンに変更した方がいいかも(ちなみにPA-6のDC端子は適合:内径2.5-2.1mmというスペックで少し緩めに作られています)
 ボリウムやゲインの設定は使う環境によっても違うと思いますが、私の場合、ボリウムは0デジベル固定で音量の調整はプリアンプから、プリアンプへの出力ゲインは+13dBuに設定しています。シンタックスジャパンによると+4dBuが一般的なオーディオ用CDプレーヤーと同様らしく、この設定を推奨しているようですが、色々試してみていいと思います。
 ちなみに本機は完全なデジタルプリアンプとしても利用可能で、そのままアナログ出力端子をパワーアンプにつなぐこともできます。ボリウムは本体のメインノブで行います。こちらはFireFace本体のマルチファンクションノブと違い、回すだけでそのままボリウムとして機能しますので、使い勝手も悪くないです。

 手持ちのFireFace 400とUC、どちらも性能的にはまだ満足出来るレベルですが、やはりADI-2 Proを聴いてしまうと「音がいいなぁ〜」としみじみ感じます。これはとても大事なことで、FireFace 400に至ってはもう発売されて10年選手のオーディオインターフェイスですが、まだ音は古びていません。そうなると、このADI-2 Proも今後10年位は性能に心配なく使えるという期待がある訳で、日進月歩のデジタル機器の中では極めて長寿命の機材となる可能性があります。
 販売価格はFireFaceのハーフラックサイズに比べて値上がりしましたが、興味がある人はなるべく早めに入手して、なるべく長い時間本機と付きあった方がトクなのではないか?使っていてそんな気持ちになりました。特にRMEの音が好きな人は絶対に気に入ると思います。

 ひとつトラブルですが、1度はじめて本機をアンプに接続したとき、PCから音楽の入力はあったようですが(本体グライコが動くので)、何故かアンプ側には「ブツッ・ブツッ」という断続的なノイズだけが再生されるという現象がありました。1度本機の電源を落として再接続したら直りましたが、ひょっとして純正以外のACアダプタ使っているせいかもしれませんね。
 私を含めこの手のアイテムはつい電源部分に手を入れたくなってしまいますし、一部オーディオ評論家は電源は非純正のアダプタに変えるべき…みたいな事書いたりしてますが、案外ACアダプタとか寿命で壊れるもんですし、それが原因で電気製品が壊れるという例も実は結構ありますので、ホント自己責任だと認識しといた方がいいですよ。
 あと、スイッチング電源はAC側の電圧降下などにも強いですが、トランス式のアダプタはそういうAC側の外部要因をそのままDC側に流しますので、音質についてはともかく、どんな電源環境で使うかわからないプロ用機材がスイッチング電源を採用するのはある意味当然なのです。

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↑電源に使っているドフで買った年代モノYAMAHA PA-6、まだ値札が付いてますw

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▼2017年01月02日

ベルデンの8470を注文

IMG_8612.JPG スピーカーをYAMAHA NS-1 Classicsに変更したので、どうせならスピーカーケーブルも交換してみようかな?となんとなく思っちゃいました。
 ただ、お金はかけたくないので、安いけど一部で究極とも噂されてるベルデンの8470をゾンアマで注文。どちらかというとスピーカーケーブルが欲しかったというより、ちゃんと別荘までゾンアマ届くかな?というテストの気分の方が強かったんですけどね。

 で、都内じゃないのでプライムお急ぎ便で注文してもお届けは中1日の2日かかると出ました。ま…それはいいんですけど、その予定で動いていたらやはり注文翌日に届けにきたみたいで、ヤマト運輸からケータイに連絡があり、昼間は外出していたので夕方に再配達を依頼。ちょっと申し訳ないですが仕方ないよね。ちなみにその日は別な荷物も注文していたので、まとめて翌日に持ってきてくれるのかな?と思っていたのですが。

 それはそうと、今回購入したのはベルデンの8470:5m、マーケットプレイス音光堂扱いですね。送料ナシの1,380円でこの関東のハズレまで届けてくれるんだから実にありがたい。

 どーでもいいけど、一部の人達が「ベルデンの8470はニセモノが多い」みたいな事書いてて、ネットで検索すると8740のニセモノ情報とか、8740は購入後1cm刻みで短くしてベストな音質を見つけるために最低2セット必要とか色々書いてる人がいるようですが、高価な高級ケーブルならいざ知らずカルダスのニセモノ騒ぎとか有名でしたね)常識で考えてこんな普及品のニセモノ作っても誰も得しないと思いますし、そもそもこんな単純な構造のケーブルでホンモノもニセモノも無いとは思いますが、一応音光堂からもニセモノ疑惑についてのコメントが出てます。
 がんばってWebに写真上げて被覆の色が違うとかツヤが違うとか書いてる人もいますが、そりゃこれだけの大量生産品、ロットによってそれくらいの差は当然あると思います。まー世界は広いのでどこかにニセモノも存在するのかもしれませんね(藁)。とりあえず音光堂で売られているのはホンモノみたいですよ。

 さて、以前使っていたスピーカーケーブルですが、JVCケンウッド・ビクター:CN-413Aというケーブルで、これはなんのこだわりもなく、単に近所のヤマダ電機で間に合わせのつもりで買ってきたケーブル。ただこれが思ったより悪くなかったみたいで、以前もPIONEER OFC-STAR QUAD CABLEと比較したらこちらの方が全然良かったと書きました。つことでこの話はこれでおしまいのつもりだったのですが、今回は上記のように色々な要因があって、ベルデンなら安いしいいか…って気持ちになっちゃったのです。

 ちなみにスピーカーケーブルとしてなら同じ線材をつかって被覆付のベルデン8741の方がいいというアドバイスをネットで頂いたのですが、もう注文した後でしたw。いずれにせよ被覆の処理とかまともな工具がない別荘だと面倒だったので、これで良かったかな?

 早速届いた日の夜に作業開始。まずは5mのケーブルを中間で切断してから端末処理。工具といえば100均の小さなカッターナイフしかなかったので意外と手間だったのですが、8740は内部の芯線が異様に堅かったのでむしろ楽だったかも。片方はバナナプラグ(じゃないとアンプに入らん)を装着するため被覆を完全に剥いて、もう片方スピーカー側は先端の被覆を残す形で剥きました。本当ははんだでまとめちゃえばいいんですけど、当然別荘にそんな工具はないので。

 で音ですが、確かにこれはイイですね。なんというかストレートな感じがしてとても好感がもてます。加工の時の印象か少し音が堅めな気もしましたが、聞いているウチに慣れてきました。余計な響きとかをまるで感じない抑制がピシッと決まった個性がないのが個性みたいな音。
 実は今までベルデンって試したことなかったのですが、こういう素な要素を感じるケーブルは実に好感が持てます。こういう素っ気ない音では物足りないって人も多いとは思いますが、まずはシステムの素性を知るためのリファレンスとして使ってみてもいいかもしれません。なんたってニセモノ(笑)じゃなくても安いしw。

 そういえば、家の奥の院に、何故か使った事はないんだけどベルデンの9497があったはずなんだよな。ネットで検索してみると8470より少しタイトな音らしいです。次回はそっちも別荘に持ち込んでみるかな?…とか、余計な事考えずに、これはこれで満足しちゃってる方がいいのかもしれません。

IMG_8566.JPG
↑こんな感じで処理しました。

iPhone7 Plus


▼2016年12月31日

2016年のYAMAHA NS-1 Classics

IMG_8583.JPG 年末手に入れてしまいました、YAHAMAのNS-1 Classics
 お値段は3万円台中盤。状態は限りなくミント。ドームツィーターのへこみもないですし、ウーハーのヤケもヨゴレもなくとても綺麗。シリアルも左右お揃いの完全セットですね。サランネットも破れもほつれもなくミントな状態。ただ、スタンドはありません。

 YAMAHAのNS-1 Classicsといえば、日本のオーディオメーカーにとってあの悪夢の消耗戦だった598スピーカー競争の中から、ポンとなんの前触れもなく現れた商品。実際は598戦争後半からユーザーが国産スピーカーを見限り始めたのを予感した商品企画だったのでしょうが、その発売タイミングが絶妙でした。
 魯山人うんたら〜ではじまる広告のキャッチも、ツヤ有り楓の美しいキャビネットも、そして鳴らすと意外とソースを選ぶという個性ぶりも、今までの国産スピーカーではあまりなかった商品で、一部でとても好意的に受け止められていたせいか10年近くカタログに残っていたようですが、残念ながら有名な割にそんなに数が出た商品でもなかったようです。

 1988年発売当時の国産スピーカーは、59,800で30cmウーハー3Wayや、重量も片側30kg越えるなんてスピーカーがひしめいていた時代です。そんな中で 16cmウーハー2wayのシンプルな構造で65,000円。しかも専用スタンドが別売りで35,000円もしましたから、使うためには左右130,000円にスタンドで合計165,000円、当時は割高で安い製品ではありませんでした。
 この数年後ですかね、海外製の小型スピーカーがヒットし始めて国産598シリーズのスピーカーが衰退し始めるのは。何度も書きますがこういった音が悪い製品ばかり作っていたせいでこの騒動以降の国産オーディオは衰退し始めます。決してバブル崩壊のせいばかりではありません。

 早速聴いてみます。
 別荘オーディオなので普段と違いますが、ソースはLINN MASIK DS、アンプがAudioLab 8000A+8000Pとなります。横にMisson CyrusIIが写ってますが、単に電源入れチェックしてるだけでシステムには関係ありません。スピーカーの上にあるのはホイホイさんの通常タイプと強化型フィギュアw。ここ夏は虫が多いので虫除けのおまじないっす。

 このスピーカーの前には、CelestionのSL-6Siが置かれていたので、そちらとの比較になりますが、まず感じたのが国産スピーカーらしい緻密な音の表現。それと空間表現もなかなか…ただ、こちらは SL-6よりも明らかに狭い。その他意外でしたがSL-6よりも「あぁ、箱が鳴ってるなぁ〜」という気がします。ツィーターの位置は外側と内側試しましたが、ここでは内側の方がいいみたい。自宅で音出しチェックしたときは明らかに外側の方が良かったので、これは環境によるかと。
 ツィーターのアッテネータですが、自宅のチェック時には3/4の位置(9時か3時か)の位置が良かったですが、鳴らして馴染んできたのか、こちらでは中央の位置に戻しています。

 得意ソースは割と選びます。まずは大編成クラシックはちょっと苦手かなと。それなりに気持ちよく鳴るのですが、空間がこじんまりしてしまいます。弦楽器は絶品、響きも含めてうっとりしてしまう音。ピアノはSL-6に比べると少し堅めですが悪くはない。ボーカル(アニソンw)は、少し顔が小さくお上品になる気もしますが、想像より全然良かった。

 SL-6と比較すると、実に優等生的小型スピーカーという鳴り方ですが、いわゆるあの時代の国産スピーカーの音を思い出してみると、こんなに自由で空間表現が巧みで美意識あふれる音を出すスピーカーは皆無でした。
 あと、なんたって見た目が素晴らしいですよね。明るい色のキャビネットに、いかにもいい音がしそうなグレーのエッジと萌葱色のウーハー、そして金色のソフトドームツィーターなど、この見た目だけで「あ、いい音!」って気がしちゃいますもん。
 発売されてもう30年近く?ネットを検索すると今でも愛用している人が多いみたいで、むしろオーディオファンというか音楽ファン的な人が手放せずに使い続けているという事例が多いようです。

 ということで、NS-1 Classicsのバイヤーズガイド的な話を少々。今では当然新品で手に入れられませんので、中古オーディオショップか、ハードオフなどのリサイクル店、またはヤフオクのような場所から入手になります。中古オーディオショップだと、専用スタンド込みでは 7〜8万、スタンド無しだと6〜5万、リサイクル店だとスタンド無しでおよそ3〜4万。ヤフオクだと3万円前後ですかね。

 状態が心配な人はチェック済みの中古オーディオ店を探した方がいいですが、メンテナンスと称してネットワーク改造したり部品交換したりしている個体もあるのでそこは注意。市販品の修復(同等品パーツ交換)ならまだしも、ショップ(あるいは個人)チューニング品の9割は音良くないので、そういう製品には手を出さないのが吉。
 リサイクル店では、以前もCelestion SL-6のエントリで書きましたけど、ユニットの状態チェック、ドームツィーターは多少凹んでいたりしても音は出ますが、まぁ…そういう扱いをされていたと認識した方がいいかも。ウーハー部分は正面から見てきちんと円を描いているか?エッジ部分に歪みがないか?ヨゴレがないか?タバコなどのヤニが付いている匂いはないか?(ベトついたヤニ成分はもう落とせませんし音も回復しません)を確認すれば良いかと。さすがにちゃんと音出るのかは店頭だとわかりませんので、1週間でも保証が付いている方がいいと思います。余談ですがハードオフの場合は割と保証はきちんと守ってくれますので安心です。この製品だと修理ではなく返金対応になると思いますが。
 オークションでは…売り手を信用して買うしかないですね(笑)

 スタンドについては、別に専用品でなくてもいいと思います。というか、専用スタンドだと裏から本機をネジで固定できて便利ですが、あの木製スタンド、あまり良いモノではなかったような記憶があります。ちなみに底面固定ネジは2箇所で間隔が前後方向に70mmなので汎用スタンドでも固定できる製品はあるかもしれません。

 メーカーでは当然修理不可能…だと思います。メーカーに質問した訳ではないので、ひょっとしたらパーツによってはメンテしてくれるかもしれませんが、期待はしない方がいいかと。

 イザ手に入れたら、どうか大切に使ってあげて下さい。もう新品が存在しないし修理できない製品なので壊したらそれまでです。そして「自分には必要ない」と思ったら、きちんと中古市場に開放してあげて下さい。
 内部のコンデンサやユニットなどがいつまで保つのかは知りませんけど、こういう中古品は寿命で音が出なくなるまで、みんなで大切に使っていきたいモノですよね。

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↑1989年当時の雑誌広告、今風にいうと意識高い広告文章。

iPhone7 Plus


▼2016年12月19日

Apple AirPods【チンアナゴ】着弾

PC190336 先週の月曜日…だったかな?とにかく深夜に突如発売になったチンアナゴ(AirPods)、発売開始から1時間ちょっと経ったタイミングで知って、すかさずオンラインストアで注文。無事初回出荷組に滑り込めました。
 頭が痛くてボーッとしてるなか、本日無事着弾しまして早速聴いています。

 製品の特徴などは、色々なギーグ系のWebサイトで色々紹介されていると思うので、ここは自分が気が付いた印象のみの記述に留めますが、まずは充電器も兼ねる付属のケース、思ったよりちっちゃい。そして毎度お馴染みApple製らしく、表面がつるりとした形状なので落としそうで怖い。ストラップホールくらい付けてほしいよねほんと。背面にはなにやら丸い押込式のスイッチがありますが、これはセットアップボタンみたいです。iOS以外のデバイスで使いたい人(いるのか?)が、bluetooth接続する際に使うみたい。

 早速ケースを開けると…おおっ!近くにあるiPhoneの画面に「AirPodsと接続しますか?」という表示が出ます。ちなみに自分、iPhoneが机の上に2台あるのですが(笑)、両方ほぼ同時に出ました。icloudの設定とか何もしてませんでしたけどすごいですね。一応サポートページには「AirPods を入れたままケースの蓋を開けて、iPhone の横で支えます。」と書いてありますが、そんな事しなくてもちゃんと普通にiPhone机に置いたままで設定アニメーションが表示されました。そしてその下の「接続する」をタップすればそれで接続完了。さすがこの辺のスマートさはApple製品っぽい出来で感動します。

 W1チップというよくわからない新技術内蔵らしく、今までの市販のイヤホンと違い便利な機能が搭載されています。上記に書いた簡単なbluetooth接続もそうですが、例えば使用中に片耳を外すと音楽の再生が一時停止します。また装着すると自動で音楽再生。片耳で音楽を聴きたい場合はそのままiPhoneの再生ボタンを押すと再生が開始されます。一説によるとその場合はモノラルで再生されるという噂を聞きましたが、試してみたところモノラルにはなっていないようです。
 Apple製品で使う場合は、icLoudを通してログインした端末全てで使用出来るようになり、自分の場合もiPhoneで接続したら、iMacのBluetoothメニューにもAirPodsが追加されていました。

 音量変更その他はSiriを通して行います。本体左右どちらでもいいですが、指でダブルタップするとSiriが起動し「お気に入りのプレイリストを再生して」とか「次の曲にスキップして」や「音楽を一時停止して」みたいに声で制御できるのですが、ハッキリいってナイーブで繊細な我々ジャップ原人には、お外で「お気に入りのプレイリストを…」とか話しかけるのはちょっと恥ずかしい。なので、ここは設定画面から「ダブルタップで音楽を再生、または一時停止」にしといた方がいいかな?もちろんお外でSiriたんと話すことに躊躇ない人はそのままでいいと思います。

 早速音楽を聴いてみますが、音質と遮音性はiPhone付属のlightning EarPodsと一緒じゃないですかね。もちろんノイキャンも装備していません。ケーブルがない開放感とBluetoothっぽい低音の出方でやや高音質に聞こえますけど、手持ちのEarPodsで比較した限りは気のせいの範囲かと。ただ、個人的にはこのバランスは嫌いじゃないので特に問題視してません。そうそう…ちなみにlightning EarPodsは普通の3.5mmジャックEarPodsより音良いよ。

 つかそもそもEarPodsって自然なバランスでそれなりに音良いと思うんですけど、いわゆる音質厨に限って音悪いだのなんだのいって昔のミニコンポみたいなキンキン音のイヤホン使うよね〜って、これは昔の若者もちゃんとしたオーディオ製品よりエフェクトバリバリなミニコンポみたいな製品の音を好んでいた傾向と似てるかな?という気がします。時代は繰り返すというか変わらんよね…と、つい余談を。

 無線なので音の遅延が気になるところですが、少なくともYoutubeをみたり、スーパーマリオランをやるくらいでは遅延は感じません。もはやBluetoothイヤホンの遅延チェック用のみでインスコしてある「スクフェス」を一曲やってみても、自分がド下手からかもしれませんが、遅延みたいな挙動は感じませんでした。ただ初回曲「僕らのLIVE君とのLIFE」しかやってません(笑)ので、よりむずい曲での遅延はわかりません。

 装着感についてですが、これは個人差もあるので何ともいえませんけど、少なくとも私の場合では歩いている最中に外れてしまうことはないかと。というか、本体が軽いのでジョギングしたって外れないと思いますが、汗で濡れたりした場合でも大丈夫なのかは知りません。
 Appleの公式サイトでもこの手の製品にしては珍しくワークアウト姿の写真がないため、激しく汗で濡らすのは止めた方がいいかも。

 そうそう…重要な点がもうひとつあって、このイヤホン「寝フォン」に最適だということ。もともとこのジャンル、ケーブルがないのBluetooth製品が有利なのですが、更にAirPodsの場合、本体がコンパクトだしステムも下方向に伸びているので、装着したまま寝返りうっても、イヤホンが耳を圧迫しません。しかも眠くなって音楽止めたいときは片耳外せばそれでOKだし、実に使いやすい。イヤホンの評価ジャンルで「寝フォンアワード」とかあればグランプリ間違いなしだと思います。

 価格が税抜で16,800円と、それなりの値段ではあるのですが、上記の使い勝手を実現していることと、いわゆるトゥルーワイヤレスイヤホンとして考えるとちゃんと価格破壊的に安い製品ではあるので(怪しげな中華ホンならあるけど)、普段iOSを使っていて日々の音楽鑑賞で少し未来を感じたい人にはなかなかお勧めです。EarPodsからの音質グレードアップにはなりませんが、左右完全ワイヤレスは本当に人生観変わっちゃうくらい快適ですよ。

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EarPodsとはステムの太さが違います
OLYMPYS XZ-1

▼2016年10月16日

Westone BluetoothケーブルをFitear対応にしてみたのだわさ

R0331066 時代は無線!時代はBluetooth!有線ケーブルなんてダセーぜ!なんてiPhone7 Plusに機種変してからヤケクソみたいに言ってますけど、実際問題、結構なお金出して買ったカスタムイヤホンがiOSで使えなくなるのはちょっとツラい。
 ツラいので、だったら無線にしてしまえばいい!と、割と衝動的に行動してしまって、気が付いたら最近発売になったWestoneのBluetoothケーブルぶった切ってましたw

 本来この製品、Westoneのイヤホンで採用されているMMXC端子専用のBluetoothレシーバーなのですが、当然同じ端子を持つ別のメーカーのイヤホンでも使えるので、割とイヤホンファンの人達の間では話題になってたみたい。ただね、MMXC端子なので当然俺達のFitearには使えない訳ですよ。なんでもイベント限定やヤフオクとかでMMXC端子→Fitearの変換アダプタとか売ってたようなので、それ使えば使えない事もないのですが、これからの私の人生、MMXC端子のイヤホンを買うこともないだろうし、今だってひとつも持ってない。だったらね、ヤルしかないだろうと。

R0331057 つことで必要な材料は、本製品と、Fitear用のコネクタ部品。こちらは秋葉原のオヤイデで売ってましたが、このマメみたいなパーツがなんと左右セットで2,500円(税抜)もしやがる。このコネクタって無線では結構汎用品じゃなかったっけ?といっても、探し回った限りでは、これより更に高い4,000円(税抜)のコネクタ以外小売りしているお店はないようです。仕方がないので買う。

 後は家に帰って、テスターとカッター、ピンセット、それと小さなキズミを用意。ハンダごては暖めて、ホットボンド用のホットガンは…もう少し後でいいか。一回深呼吸して心を静めてから、バツンとMMXCコネクタを切り離します。

 あとはもう、ケーブルの導体引き出してホットとコールド側の配線を間違えないようにはんだ付けするだけ。作業できたら手持ちの萌音ちゃんのコネクタに接続して音が出てるか確認すれば(一般的なケーブル工作と違い作業後の導通チェックが事実上不可能)、あっという間に無線萌音ちゃんの出来上がり!

 ただね、ちょっと白状しますと、これ多分使ってるとすぐに接触不良起こすような…、というのもはんだ作業が久しぶりで、なおかつ前回の作業以降、なれたはんだごてを処分して新型の温度調節機能付きのこてで作業したせいかどうもカンドコロが掴めず、ワイ将はんだつけ下手すぎワロタwwwwww みたいな結果に。
 ついでにいうとホットボンドも久しぶりのせいか、糸引きまくっちゃってw、中身のはんだもザツな上に見た目もザツなちょっと残念な感じになってしまいました。この手の作業はちょくちょくやってないとダメだねこりゃ。

 肝心の音に関してですが、Westoneのこのレシーバー、ちょっと低域を盛ってる感じですこし高い方の音にキレがない感じ。もっともそれは無線だから仕方がない訳で、bluetooth環境下での音質で言えば今まで経験した中では当然最高レベル。ユニバーサルとはそもそも音の情報量がまるで違う。イヤモニで無線、たまりません!

 この工作、2万円のレシーバーをぶった切る勇気さえあれば誰でも出来ると思いますが、このオヤイデ産(?)のfitearコネクタ、品質は最低レベルで、加工精度はいわゆる100均の中国製品並み。バリはあるしピンの回りも樹脂で埋まっちゃってるし、困ったのはピンの穴まで樹脂で埋まってたことで、こちらはピンバイスでホジホジ掘り出したりした。それとイヤホンケーブルの工作は、一般のオーディオ用ケーブル自作よりも、スケールが1/10の世界で作業してるような世界なので、老眼進行していない人でもルーペは用意した方がいいと思います。

 今回のこの工作、作業としてはコツをつかんだので(先に手を付けたL側は、ケーブル末端処理の迷いやハンダ付け数回のやり直しと導通確認などで作業時間1時間以上かかったけど、右は5分だったし)、次回同様の作業をする際にはもっと効率よくもっとうまく出来ると思うので、接触不良で使い物にならなくなったら、今のところ結構気に入ってるのでもう1個同じ製品買って作り直してもいいかも…なんて考えてます。

RICOH GR


▼2016年10月06日

ERATO Apollo7に新時代の幕開けを見た

IMG_0079.JPG このブログも結構放置しちゃったなぁ…つことで久しぶりに更新。

 今回のネタは、新しいBluetoothイヤホン、apollo7。この製品、元々はクラウドファンディングで開発資金調達していたらしいけど、好評だったのか普通にヨドバシなどで売られるようになりました。ちなみに自分はアキヨドで購入。

 この手の完全左右独立無線イヤホンは、トゥルーワイヤレスステレオイヤホンというらしく、iPhone7のイヤホンジャック廃止に連動して、新たなジャンルを築きつつあるようです。
 かくいう私もiPhone7 Plusに機種変更したばかりですし(こちらのネタはまた別に)、これを機会に新しいbluetoothイヤホンでも買おうかなと思っていました。

 ちなみに、私が今まで使っているbluetoothのイヤホン/ヘッドホンは、ParrotのZik3JayBird X2があります。どちらもそれなりに音がいいので気に入ってはいるのですが…

Zik3:センサー式の電源自動ON/OFF機能がちょっとした湿気ですぐ誤作動を起こし、そのため使おうとすると、バッテリが空になってることが頻発。
JayBird X2:音もなかなか良いし防塵防滴だし気に入っているのだが、タッチノイズがうるさい。

 という問題がありまして、なんか他の製品が欲しいなと。一応いくつかアキヨド店頭で試聴してみたところ、B&0のBEOPLAY H5が、音が綺麗だし見た目もカッコイイし良いなぁ…と思っていたのです。つことで買ってみようかなと思っていたのですが、なんとなくしばらく買わずに様子見していたら、なんとapollo7がヨドバシに入荷したとの情報が!ホントに売るんだ?と半信半疑でアキヨドで試聴させてもらうと、なかなか音も良い。というか、どうせ買うならこっちの製品の方が未来がある!と思って半日悩んだ後、購入してきました。

 早速使っているのですが、まず驚くのが「意外と音が良い」こと。もちろんbluetoothの無線なので、それにしてはという但し書きの上でですが、逆に言うと高音質カナルイヤホンで必ず問題になるケーブルのタッチノイズが皆無な訳で、それも音質の一部として考えれば、音に関してはほぼ不満はないです。

 動作時間ですが、カタログでは音楽再生3時間を謳っていますが、確かにそのくらいはバッテリ保つようです。毎日の通勤に限ってでは、それだけ駆動時間があれば全く問題はありません。長距離の旅行に出かけたときなどは少しつらいですが、もう歳なのか、ぶっ続けで3時間以上イヤホンで音楽聴くこともあまりないので、まぁ、いいかなと。充電器を兼ねた付属のケースでは、内蔵バッテリで本体を2回分完全充電できるとのこと。

 装着については、ケーブルも何もないのでちょっと不安ではありますが、1度耳に入れてしまうと、普通の運動レベルでは外れる事はないと思います。
 iPhoneとのペアリングも、左右片方どちらかをペアリングすれば、自動でもう片方もペアリングできる仕組みですが、左右ともきちんと別にペアリングさせると、それぞれのバッテリ残量がiPhoneから参照できて便利です。左右間のペアリングについて、遅延を発生させないような仕組みがあるようですが、ちょっと詳しくは分かりません。ただ、安物トゥルーワイヤレスステレオイヤホンで発生しがちな左右どちらかの音声遅延は発生せず、綺麗なステレオイメージが頭の中に再現されます。というか、左右の位相についてはかなり正確に一致してるんじゃないですかね。イヤホンでこういう綺麗なステレオイメージが再現できるとは、有線を含めても結構優秀ではないかと。

 装着後の操作は本体左右それぞれに付いている小さなボタンで行います。左右とも1クリックが一時停止(あるいは電話着信)、2クリックが右・ボリウムUp、左・ボリウムdown、長押しが右・次トラック、左・前トラック、となっていて、慣れるとそこそこ便利。
 イヤチップは、シリコン製とコンプライの2種類それぞれS・M・Lが付属。傾向としてコンプライの方が遮音性はいいけど、少し音が甘くなるのは、どんなイヤホンでも共通かな。ステムがかなり太いので、交換用イヤチップの種類が少ないのが残念だけど、まぁ…付属品どちらかで実用上問題はないと思います。一応防塵防滴構造なので多少濡れても大丈夫。ちなみに私は今回防塵防滴になったiPhoneと一緒に風呂場でも使ってました。

 と、概ね満足はしていますが、心配なのは、小さな筐体なのでなくさないか…ということと、初期のバッテリ性能がどこまで継続するかということかな。

 とにかくこの完全無線トゥルーワイヤレスステレオイヤホン、ケーブルがないってこんなにもすごいんだ!と、まさに新時代の幕開けを見た感じ。これで音楽聴くともう意味もなく踊りたくなっちゃう開放感で、今までの有線+左右ケーブルありの無線イヤホンとは、全くジャンルが違う、とても未来を感じる製品でした。

iPhone7 Plus



▼2016年05月22日

Apogee Duet/FW と Fireface 400はどちらが優秀なのか

IMG_7502.JPG どちらも「チョイ古機材」で申し訳ないのですが、両者PCオーディオでは評判がとても良いD/Aコンバータです。
 もっとも、ライバルとするにはFirefaceの方はBabyfaceが価格的にも見た目的にも該当すると思うのですが、持ってないので仕方がない(笑)。早速鹿嶋の地で音質対決です!

 まずはApogee Duetの方から。こちらはマック専用のオーディオインターフェイスとなっています。接続と電源供給にFireWire端子を使う事もあるのですが、仮にFireWire端子があろうとWindowsでは使えないという清さ(笑)。発売は2006年位でしたかね。当時発売されていたオーディオインターフェイス達を全てねじ伏せる程の高音質。さすが業務用デジタル機器を長い間製造してきたApogeeだなと。
 ちなみにPCオーディオなどが始まる以前から、ApogeeのD/Aコンバータ DA1000は欲しかったなぁ。あの本体と電源が別れてるツーピースの製品。以前音を聴いたことありますが仰天するほど音が良かったです。

 このApogee Duetも、ショップで音を聴いた限りでは本当に仰天するくらい音が良かったのですが、値段も8万円位しましたし、私も本格的にPCオーディオを嗜んでいなかったという事もあり当時は入手はしていませんでした。
 また数年前にAppleがFireWire Audioのサポートを正式に辞めるとの通達があり、Apogeeでのサポートもひとつ前のOS、Yosemiteで終わっています。公式ではEl Capitanでも使えるとありますが、サポート外だそうです。

 Fireface 400については特に語る事はありませんね。このブログで何度も話題にしていますし、性能には非常に満足しています。少し音が堅い気もしますが、とても優秀なオーディオインターフェイスです。

 早速試聴開始!
 まずはApogee Duetからスタートです。音出しの印象はとてもなめらかで美しい音。モニタライクというより、音を本当にキレイに演奏してくれる感じで、余韻の美しさとエッジのなめらかさはまさにApogeeサウンドそのものです。たっぷりと小一時間ほどこのアポジーサウンドを堪能した後、Fireface 400につなぎ替えてみます。

 まずは電源をMacbookのFireWire端子からとった状態。今までは不満もなかったのですが、アポジーから切り替えた後だと、より端正なサウンドですが、音のエッジが立ちすぎていて少しヒステリックな印象。
 こりゃアポジーの勝ちか?と思って、次は電源をFireface UC買ったときに付属していたACアダプタに切り替えて聴いてみます。そうすると「アレっ?」と思う程の変化が。ちょっとヒステリックな感じが抜けて、端正な音像表現が際立ちます。これは…質的にはFirefaceの勝利だけど、好みとしてはアポジーも悪くありません。しかし…Firefaceって電源の変化に敏感なのね…と思いながら勝負はFireface 400の辛勝という結果になりました。

 で、この話には更に先があり、夕飯の買い出しで出かけたついでに寄った鹿嶋のドフのジャンク箱で、なんとYAMAHAのPA-6を発見!ジャンク箱なのでお値段300円。店にある動作確認用のACコンセントで問題なく動いているのを確認して購入してきました。写真一番左の黒い箱ですな。

 こうなるともうFirefaceの圧勝で、電源をPA-6に変更した際の変化はUCの場合ですけど以前もこちらで書いてます。今回もこれと同じで、ちょっとびっくりするくらいの音質改善効果がありました。

 つことで、今回の対決は様々な変化球で応酬したFireface 400の圧倒的勝利でおわりましたとさ。

 あ、Apogee Duetの方は自宅でiconの代わりにiMacにつなぐUSB/DACとして使用する予定。使い続けられるその日までカタマリ01をドライブすることになります。

iPhone6 Plus


Audiolab 8000P

IMG_7500.JPG 私が以前からAudiolab 8000Aというプリメインを使用しているのは、ここのブログを読んでいる方ならとっくにご存じだと思いますが、そのAudiolabから発売されていたパワーアンプの8000Pを、ふらっと衝動買いできる価格で入手することができました。
 値札には「概観にキズアリ」とありましたが、既に30年前のアンプにしてはそれなりにキレイですしヤニの変な臭いもしない。更に当時のユーザーマニュアルまで付属していました。これはうれしい。
 しかし…この8000Pを放出したユーザー8000Cは持ってなかったんですかね。私は以前買うまでもないけどちょっと興味をもった時期があって、そのときe-bayなどで探してみても8000CとPのセットばかりでした。

 このアンプは当時ベストセラーになっていた8000Aを元にセパレート化された8000Cというコントロールアンプと対になる形で発売されていたパワーアンプ。Audiolab製品が日本に輸入されていた時の希望小売価格は、

・8000A(プリメイン):13,8000円
・8000C(コントロールアンプ):15万円
・8000P(パワーアンプ):20万円

 となっていました。8000Aの価格と比べ、15万円20万円とざっくりとした値付けなのが、輸入代理店だった成川商会のやる気のなさが伺える感じw。
 まぁ…ペアで35万円になるんですから中途半端に高価だし、また当時の輸入オーディオはマッキンとかレビンソンとか、そういったアメリカンハイエンダーが幅をきかせていて、お値段も最低100万円〜という状況。入門クラスから中級クラスのアンプは無意味な重量競争に走っていた国産製品ばかりの中、聞いたことのない細身(メーカーでは「ストレートライン」と呼んでいました)の英国セパレートアンプなんて売れなかったんだろうなぁ。かくいう私も実機は1度見たことあったっけかな?
 もちろん、当時から8000Aを所有していた私は、同社の上級機にコントロールアンプとセパレートアンプが存在するのは知っていたので、パワーアンプの方はなにかチャンスががあれば入手して聴いてみたいもんだ…程度の意識を持っていました。

 早速Audiolab 8000Aに接続してみます。8000Aには標準でプリアウト端子があるので、そこから8000PのLINE INPUTへ一般的なRCAケーブルで接続。最近私が所有しているオーディオ機器は普通のRCAケーブルではないモノが多いので少し新鮮な感じw。初期型の8000Pではその他パラレルのINPUT LOADという端子もあるので間違えないようにしましょう。

 スピーカーについてはバナナ端子での接続が強く推奨されています。理由についてはユーザーマニュアルに「The clamping action of a terminal/binding post, evan a very large one, is not satisfactory because the soft copper wires "yield" and "flow"」と記載されており、この部分日本語マニュアルでも「やわらかい導線のワイヤから "yield" and "flow"が生じるからです」とあります。翻訳があからさまに変なのですが、要はバナナ端子を使わないと銅のより線がばらけて隣の端子やボディに接触する危険がある…という意味でしょうか。このアンプでは一応被覆を剥いたスピーカーケーブルも直接接続出来るようにはなっていますが、イギリス製のアンプはスピーカーケーブルはバナナ端子以外接続不可能という機器は多いです。日本では何故かあまり評判の良くないバナナですが、正しく接続されたバナナ端子はケーブル末端の酸化も防ぎますし、より線をネジで締め付けるより確実なコネクトが保証されますので音質的には有利な筈なんですけどね。

 音を聴いてみます。電源投入直後は少し音が堅い感じ。長い間使われていなかったせいもあるのでしょうね。蓋を開けて中身を見てみると、ホコリの付着もほとんどなく、とても綺麗な状態でした。
 セッティングは場所がないので8000Aの上に重ねてますw。この状態はマニュアルにも記載されていて、本当は横に並べて配置すべきですが、それができないときはプリアンプの上にパワーアンプを重ねるべしと記されています。これはパワーアンプの発熱から本体を保護するためですが、常識的な音量より少し大き目で鳴らし続けても、触ってみる限りそんなに熱くなるモデルでもないようです。

 電源投入後、一晩くらい過ぎると徐々に実力を発揮してきた感じ。
 変化の方向は、音質が良い、というより音が安定する感じですね。8000Aの音色やキャラクターがそのままで、スピーカーのドライブに余裕が生まれるような、そんな音の変化です。
 これは聴く音楽にも影響が出てきて、8000A単体の時より、より広い音場やダイナミックレンジを持つ曲が聴きたくなってきます。ピアノの音もとても気持ちよく鳴るようになりました。それにチャンネルセパレーションも若干改善された気がします。そのため音場がよりくっきりしてきた印象でしょうか。

 今でもAudiolab 8000Aを持って使っている人は絶対数は少なくともそれなりにいると思いますが、8000Pと組み合わせて聴いている人はかなり少ないと思うんですよね(さらに8000C/Pで聴いている人は日本で何人いるんだろ?)。国内で8000Pを単体で入手できる機会はほぼないと思われますが、8000Aを気に入ってまだ使っている人は、チャンスがあれば入手しても後悔しないパワーアンプだと思います。どうせ値段も安いだろうし。

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↑当時のマニュアルが揃っているのが嬉しいところ

iPhone6 Plus


▼2016年03月29日

KENWOODのU585BT(中古)に交換しました

IMG_7387.JPG 2年前に買ったカーオーディオのヘッド、KENWOODのU383BTですが、半年位前からBluetoothがブチブチ切れるようになり、それを解消するにはiPhone側から1度Bluetoothを切断して再度接続しなければならないという、変な感じになってました。
 それが、1度エンジン切るとやり直しなので、ドライブ中にスタンド寄ったりコンビニ寄ったりエンスト(笑)したりする度にイチイチiPhone側から切断→再接続をせねばならず、結構ストレスが貯まります。
 他、当時ケチって安物買ったのが悪かったのか、ヘッドのディスプレイが日本語対応ではなく、日本語の曲が流れると意味不明な記号がヘッドに表示されるのにも地味にイラッとしていたので、いい加減買い直すかなぁ…と。

 ただ、当時の上級機であるKENWOODのU585は、何故かbluetooth仕様のBTのみがディスコンとなっており、買い直そうにも中古しかない状態。
 更にその中古相場も、みんな同じような事考えているのかそれなりに高く、ちゃんと動く中古品はヤフオクなど見ても1.5万円前後。美品だと当時の定価並みで売られている例もありました。

 しかし、どうしてKENWOODはこんな便利なヘッドを生産中止にしちゃったんですかね。きっと接続ケーブルやアクセサリなどで儲けられなくなるからだと思っていますが(イヤミではなく日本のカーオーディオ業界はとにかく閉鎖的拝金主義そのもの。前面にAUX端子が付いたのもかなり最近です。輸入品はずっと昔から付いていたのにね)、新品がなければ仕方がない、中古でも見つけたら買おうと思っていたのです。

 で、毎度お馴染み鹿嶋に出かけたときに寄ったドフで中古品1.2万円を見つけたのでサクッと購入。ま…安いとも高いとも言えない相場ですが、一応3ヶ月保証付きなのでオクで落とすよりは確実かと。程度はB、それなりに小傷はありますが、装着してしまえば気にならないかな。

 早速駐車場に戻ってその場でインスコ。同じKENWOOからなので接続コネクタ類も一緒のせいか、取り付け自体は5分程度で終了しました。
 起動させてみると、Bluetoothの認識もしっかりしてるし、自動接続で音も途切れないし、日本語もちゃんと表示できるし、どうしてはじめからこちらを買わなかったんだろうとちょっと後悔。音質は…別に変わらないです。そこは期待してなかったのでどうでもいいんだけど。

 一応上級機のせいか、イルミネーションの色をR/G/B指定で最大1,000色以上選択可能とか意味不明な機能が付いてますが、とりあえずMGFの車内イルミネーションに近いオレンジ色に設定しました。それが上の写真。

 ご覧の通り、最近のドライブミュージックはノリがいいのでラブライブ!ばっかですわ〜えりちかわいいよかわいいよえりちw。

iPhone6 Plus


▼2016年03月27日

NAD 302とかいう格安でとても美味しいプリメインアンプ

R0327688.JPG 相変わらずしょーもないガラクタを貯め込んでいるのですが、このNAD302は、いつの頃だったか…確か馴染みのオーディオショップが大改装するというので、箱から出していない新品を確か5,000円とかで手に入れてきたものとなります。
 当時の定価は59,800円。昔の自分のWebサイト、2001年の12月24日でネタにしていますが、その後箱にしまい込んでしまいましたので、およそ15年ぶりの音出しになるでしょうか。

 NADの製品は近頃日本で目にしませんが、母国カナダではそれなりにラインナップを揃えた音響機器メーカーのようです。設立は1972年のロンドン。このアンプの前身であったNAD 3020は世界で100万台以上売られたベストセラーだったみたい。NADはその後1991年にデンマークのAudioNordに買収され、1999年にはカナダLenbrookに買い取られ今に至っている模様。

 で、今回持ち込んだNAD 302ですが、こちら鹿嶋の別荘には既にSONY 333ESX IIから、 CYRUS TWO、そしてAUDIOLAB 8000A、LINN MAJIK Pというそうそうたる顔ぶれのアンプ達が勢揃いしていますので、ハッキリいって音に期待していた訳でもなく、単に「使ってないんだからたまには音出すか」という程度の気持ちでした。

 金曜日の夜に到着して早速梱包を解き音出しをします。
 ちなみに使用システムは、ソースがMacbook Pro13 Mid2010Audirvana Plus、DACがFireFace400、スピーカーがCelestion SL6 siとなります。何気にスピーカーのSL6が小型ながら能率84dbという極悪仕様なので、それなりにアンプは選ぶ感じ。

 まだ新品の香りがする製品を取り出し電源を投入。
 このアンプ、電源コードは海外製にしては珍しくインレット直出しで、2ピンの一般的な電源プラグとなっています。ただ国産家電とちょっと違うのが、プラグのコールド側がやや幅広になっていること。なので2ピンながらもコールド側が左側という決まった方向にしか差し込むことができません(一般的なコンセントは左側の口がすこし長くなっているので観察してみてね)。ま、内部でどういう構造になっているか分かりませんけど、無理して逆向きに突っ込もうとせず、必ず幅が広い方を左側にしてコンセントに差し込んで下さい。さすがにシャーシがコールド側に接地してるとは思いませんけど、理屈の上で極性指示があるということは、逆に刺すと感電とかあり得るかもということです。もっとも日本家屋の場合はコンセント右ホット・左コールドなんてちゃんとしていない場合も多いので、気にしても仕方ないかも知れませんが…。

 で、音を出してみると「お!なかなかいいじゃん!!」という印象…ですが、ま、所詮は格安の輸入プリメイン。音が中央に固まった感じで、更に低音も高音も少しヒステリックな鳴り。期待していたわけではないといいつつ少し残念。すぐにAudioLab 8000Aに戻して、15年ぶりに電源投入って事もあるししばらく通電だけはしとくか、というノリで24時間以上放置していたのです。

 で、土曜日が終わって日曜日の朝、せっかくなのでもう一度音出してみるかなと配線をやり直して音を出すと、これまた驚きました。金曜日の晩とは全く違う印象と音です。やはりアンプはウォームアップが必要なんですね。

 音の印象は比較的暖かく柔らか目で、あまりレンジは欲張っていません。ただ、空間表現が面白いですね。広いとか狭いとかそういう視点ではなく、うまい具合にステレオイメージが広がります。

 ステージの主張は少し控え目で席は少し後気味かな。AudioLab 8000Aのように前に出てくるタイプでもありません。その代わりベースや打楽器の響きが広い空間を通過してきたような音を出して美しいです。ボーカルは時としてハッとするくらい人の声に近い音が出ます。なのでPOPSなど人の声がふんだんに入っている曲が楽しい。逆にインスト曲やジャズ、オーケストラは、ここにある他のアンプに比べて少し苦手かもしれません。

 かけるコストを十分理解した上で、出来る事と出来ないことの取捨選択を正しく行って設計している、なんというか、音がいいというより、センスがいいなぁ…と感心してしまいます。
 イギリス製のアンプは、細かい音質評価よりも、とにかく音楽が鳴っているのが楽しくて聴き続けてしまうアンプが多いのですが、フロムカナダ(というか NAD302もイギリス製といってもいいかもしれませんけど)のNADもそんな印象ですね。こんなアンプが5,000円は論外にせよ、定価で59,800円なので、量販店だと4万円台中盤から買えたという事で、当時としてはなかなかお得なモデルだった気がしますが、残念ながらかつてのオーディオジャーナリズムだと空間表現やステレオイメージに言及できる人材はほぼ皆無だったので評価されなかったのでしょう。実際スペアナで測定すると、この音のレンジは国産格安アンプに負けてると思います。

 元々国内でほぼ流通していなかった製品なので、わざわざ探し出して買うほどのアンプだとも思えませんが、もしどこかの中古屋さんやリサイクル店で格安販売されていたら(プレミアつく理由がありませんけどw)、救出して使ってみると、それなりに楽しいオーディオ体験ができるかもしれません。

 そういえば、同時代に輸入されていたNAD 513というCDプレヤーも、適度に音が緩くて楽しいプレヤーでした。こちらは一時期オークションなどで少しプレミア価格で取引されましたが、なんせ3連装ベルトドライブという特殊な機器なので、ちゃんと動く個体は少ないのではないかと。完動品ならそれなりに気持ちの良い音を出してくれる隠れた名機ですが、ま…いまさらCDPってのもね。
 それと前面イルミネータのランプが切れるのは仕様ですw。少なくとも自分が知っている何台かの個体は全て購入後半年くらいでランプ切れになりました。当時から修理は実質不可能だったらしいので、気にしないのが吉かと。

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↑片側の端子が広がっていますよね

RICOH GR

▼2016年02月10日

STAXのSR-44がすごいのか、NAP250がすごいのか

P2090246.JPG 先日の日曜日に北関東のドフで箱付美品のSTAX SR-44を見つけまして…。そういえばSTAXって使ったことなかったなと軽い気持ちで12,000円強のお金を払って購入。
 一応ダメなら返金保証付きだし(ちなみにドフは割とあっさり返金対応してくれるので安心)、ちゃんと動いても気に入らなければオクにでも流せばいいかなと。

 で、家に持って帰ってきて、付属のドライバであるSRD4は電源いらないけど、パワーアンプまたはプリメインのスピーカー端子から出力しなければならないので、仕方なく間に合わせでメインシステムのNAP250PIEGA引っこ抜いて代わりにつないで音出した刹那、ぶったまげました。スゲーなSTAX!

 今までSTAXのコンデンサー型ヘッドホンは試聴室やアキヨドの店頭でよく聴いていたのですが、いわゆる自分のメインシステムにブチ込むとこんなにスゴいんだーと。
 ちなみに私が入手したSR-44は、今のSTAXお馴染みの純コンデンサー型ではなく、エレクトレットコンデンサー型ですけどね。

 私が思っていたSTAXの魅力って、コンデンサー型独特の空気感。特にユニットの動きを感じさせない速くて繊細で自然な音。でもパワー感にはちょっと欠ける。低音とか出ていないわけじゃないんだけど、その帯域だとユニットが前後にドカンと動くダイナミック型ヘッドホンの迫力にはちょっと敵わないかな…みたいな印象でした。でもね、それは間違いでした。

 こちらは純コンデンサー型ではないのであまり偉そうなこと言えないとは思うのですが、このSR-44+NAP250は、そういったコンデンサー型の繊細で自然な空気感にNaimAudioの過剰なまでの実像感がプラスされてる印象。
 人の声とかハッとするくらい生っぽくて、バックの演奏の気配が空恐ろしい。つかSR-44で音楽聴きながら曲の背後で聞こえる音に反応して「あれ?なにか後で音した??」なんてふり返ることがここ数日何度かあります(笑)。それでいてこの解像感。なんでしょうこの音の良さは!

 自分も今までそれなりにヘッドホンには投資してきた身ですが、ネタで仕入れてきた12,000円+消費税でなおかつ40年前の中古ヘッドホンでここまで感動できるとは思いませんでしたよ!あ…もっともアンプの方だって1960年代の製品だからこっちは50年前っすね。
 いずれにせよ、現代におけるオーディオの進化とは一体何なのか?なんてのをマジマジと感じます…ってのはウソでw、そんなめんどくさい事考える暇がないくらいもう音楽聴くのが楽しいです。
 今週は帰宅してからもうずっとSR-44を頭にかぶって夜更かししてます。音が良いヘッドホンはお肌にも悪いです。

 じゃ、今のSTAXに買い換えればもっといいんじゃね?なんて思って、ここ数日帰り道にアキヨドの試聴コーナーで今のSTAX製品聴きまくってきてるんですが…なんというか、こちらは今まで自分が思っていた、繊細で自然で…でもちょっと清潔すぎるかも?みたいなSTAX。これを自宅に持ってきてもここまで楽しい音が鳴るのかな?なんて思ったりもしました。

 もちろん、この楽しさはSR-44の性能のお陰でもあるのでしょうが、やはりNAP250というNaimAudioフラッグシップの駆動力にあるのかもしれませんね。

 手持ちのパワーアンプで直接駆動できるヘッドホン、良い買い物したわ−。

OLYMPYS XZ-1


▼2016年02月03日

オマニは立川でガルパン見に行くべし!

IMG_7169.JPG いい歳した大人達が「2回見た!」とか「いやいや5回は見た!」とか、あまつさえ「今度は大洗が負けるかと思った」とか(笑)めちゃくちゃ夢中になってるガールズ&パンツァーですが、好評につき例の立川の爆音上映が3月まで延期らしく、だったら自分も一度は体験してみるかな?と、仕事の後に遠路はるばる立川までやってきました。初めての爆音!楽しみですねぇ。

 さて、映画に行く前にまずはチケットの予約。というのもこのガルパンの爆音上映、全国からマニアが集まるみたいで、中央の良い席に座りたければ事前にネットで予約しなければなりません。そうしないと、休日はおろか平日だってほぼ満席なので、よい席どころか映画館に入場もできない可能性があります。
 チケットの予約はネットで一般4日前、シネマシティズンという有料会員だと5日前から購入できます。最近のシネコン同様席を指定して予約できますので、中央のよい席で見たい場合は、午前0時前から予約画面に貼り付きましょう。
 ちなみにチケット料金は一般1,800円。シネマシティズン会員なら平日1,000円。土日で1,300円。会費は半年で600円なので、平日の観覧ならむしろ会員になってしまった方が安上がりだったりします。会員だとチケットの予約も1日先行販売されるし。私ももちろん半年会員になりました。もうちょっと自宅から近ければ年間会員になってもいいんだけどなぁ。

 で、私が取った席は映画館ど真ん中G列-12。なんでも初心者向けスィートスポットがG~I列の中央付近。通はもうちょっと前のD〜F辺りを好むそうです。

 映画館には上映開始10分前くらいに到着。中に入ると席の間隔も程よく広くて実に快適なスペース。私の上映回はほぼ満席でしたが、窮屈な感じはしませんでした。
 テキトーに別映画の予告編が始まりましたが(ちなみにこの予告も短目でよかった)、ここは別に爆音ではないようですね。

 で、映画がスタートしましたが…これはスゴい!想像以上に楽しかったです。特に印象に残ったのが…

 1:人の声が鮮明でハッキリしている
 映画がスタートしてまず感じたのは、人の声の美しさでした。あぁ…よい音響で映画を見るとこんなにセリフや登場人物の感情がスッと入ってくるのかと。なんというか、セリフ聞き取るのがとても楽で楽しい。私が初回で見た映画館は音響がちょっとアレだったというのもあるのですが、1度目はアンツィオのカルパッチョと継続高校のスナフキンwの声優って一緒なの?とか思ってたのが、今回はちゃんと全然違う人の声に聞こえたのでよかったです。

 2:金属音がすげぇ!
 戦車砲の爆発音、エンジンの重低音など腹にズンズンきてそれはスゴいのですが、私がもっと印象的に感じたのは鉄と鉄が出す金属音。戦車砲発射後の薬莢が転がる音とか、戦車の弾着音とかすごい。中盤でアリサのシャーマンが全方向から集中砲火受けるシーンがあるのですが、その時の色々な砲の命中音がみんな違っててスゴかった!

 3:戦車の音がみんな違う
 もちろん、ここはTV版でもスタッフがこだわっていた所だと思うのですが、爆音上映だと各戦車ごとのエンジン音、駆動音の違いがバッチリ判別できて、なんというか映像の情報量がものすごく増えている。音を聴いただけで「あ!あの戦車が動いてる」ってのが分かるんですよね。目と耳で様々な情報がスッと身体に入ってきてとても快感でした。

 ということで、音が良ければ映画というか、映像ってすごく分かりやすい!
 爆音ということで大音響ど迫力を楽しむだけかと思ってましたが(もちろんそれも楽しいのですが)、実はストーリーの理解も深まるんだなぁ…と、しみじみ思いました。自分の右隣に座ってた女の子とかエンディングで泣いてましたよ。

 あ…そうそう、試合の結果ですが、前回に引き続き今回もなんとか大洗女子が勝ちましたよ。前回勝ってるので今度はヤバいかもと思ってヒヤヒヤでした(笑)。なんだか、もう一回くらい見に行ってもいいかも!

iPhone6 Plus


▼2015年07月26日

FireFac 400を入手!

IMG_6218.JPG かねてから、オーディオ機器を買うと似たような機械が集まる…みたいな現象があるなぁ、と思っているのですが、今回はオーディオインターフェイス、RMEのFireFace 400をUCに続き入手してしまいました(笑)

 RMEといえば、以前UCを手に入れているのですが、なんだかんだでもう2年近く前のことなのね…。このUCの性能には大満足で、制御ソフトのTotalMixに少し癖あるな…ということ以外では何ら不満もないです。強いて言えばFireWire原理主義者の私にとって、インターフェイスがUSBってことが気になるくらい。
 で、その小さな不満を解消って訳じゃないのですが、縁あってとても安く手に入れられる機会があったので入手したという訳。

 つことで早速使ってみました。
 まず音出しはMacMiniからAudirvana Plus、電源はもちろんFireWireのバスパワーで。ちなみにケーブルはオヤイデのd+という口が800→400のケーブル、長さは4mと規格上FireWireの限界に近い。
 この状態でUCと音の比較をすると、音質についてはほぼ一緒ですね、UCに比べて少し解像感が強調されてる感じかなぁ。電源を同じPA-6Bに変更してみると、ますますUCとの差がなくなりました。

 ただ、音質の比較についてはあまり興味はないのです。興味があるのはやはり使い勝手。というのもFireWireのバスパワーで使えるということは、マカーの私にとって移動の時などイチイチ電源を持ち歩かなくてすむということ。こちらのメリットが大きい…なんていいながら、持ち歩く先は鹿嶋しかないのですが(笑)、それでも荷物減らせるのは嬉しいよね。
 ちなみに、最近のMacにはFireWire端子が付いてなかったりしますが、音出すだけならAppleから出てるThunderbolt→FireWireアダプタを使えば問題なく音は出ます。ただ、自分の環境(Mac mini→4.5mFireWireケーブル→FireFace400)ではバスパワーでの電源供給が無理でした。もっと短いケーブルや別な機種なら大丈夫かもしれませんが、念のため。

 その他のメリットとしては、FireWire端子経由での音楽再生だと、Mac側のCPU負荷がMacminiでおおよそ3~10%程度下がることでしょうか。とくにAudirvanaをIntegrated Modeで使うとそれなりにCPUをぶん回すので、コレはありがたい。MacBookPro13だと石がCore2 Duoだったりするのでより助かります。

 私の家のオーディオ環境では、実質単体のオーディオインターフェイスは必要ないので、なにもRMEをふたつ持つ意味はないのですが、ヘッドホンアンプとしても面白いし、自宅以外での臨時オーディオ構築なんかにも役立ちそうだし、なかなかよい買い物であったかもかも。

iPhone6 Plus


▼2015年06月01日

スピーカーを選ぶコツ

DSCF0334 これだけ長い間オーディオを趣味としてると(というかここ10年位は趣味という実感もないくらい普通にオーディオと暮らしてるけど)、それなりに機器の入れ替えがあります。それらを全て列記しているとキリがないので、丁度スピーカーを買い換えたこともありますし、ここでは私のスピーカー選びについて語ってみます。

 というのも、オーディオにおいてスピーカー選びというのはある意味メイン競技というか、やはり目玉になる訳で、この選択に悩んでいる人は多いんじゃないかなぁ〜と思いましたので。
 それなりにクドクド長い文章ですが、若い方はオーディオの先輩からの軽いアドバイス的なノリで読んで頂ければと。

1:Celestion SL6 Si 編

 私が初めてステレオスピーカーに触れたのはいつのことか?思い出すと、幼い頃家にあったコロムビアのモジュラーステレオだった気もしますし、今はなきオプトニカのステレオコンポ…ま、そんな時代の思い出話をしてもキリがないので、グッと時代を下って、私が初めて自力で購入したスピーカー単体モデルといえば、CelestionのSL6siでした。

 この当時、日本のオーディオ界はブームとしてのピークは過ぎていましたが、それでも秋葉原の石丸電気などでは、沢山の国産コンポが所狭しと棚に並んでいた時代です。
 今の時代では、オーディオ機器で海外製を選ぶことなど普通なことですし、特にスピーカーについてはゼネラルモデル以上の製品だとむしろ国産を探す方が難しくなってしまいましたが、その当時の国産スピーカー界は長く続いた5・9・8(ゴッキュッッパ)競争の終盤にさしかかっていて、似たような大きさと外見のスピーカーがそれこそ何十種類(?)も発売されていました。
 5・9・8?最近の若い皆さんはよく知らないと思いますが、1970年代後半から1980年代頃に、日本のオーディオメーカーでは1本定価59,800円というプライスタグで、どれだけ高性能なスピーカーを送り出すかを競っていた時代があり、各社この価格のスピーカーには採算度外視で戦略的価格を付けて猛勝負を繰り広げていたのです。

 なら、その時代の5・9・8モデルにはハイコストパフォーマンスのモデルが充実しているのではないか?と考える人もいると思いますが、ブームの初期(私は知りませんが)にはひょっとしてそういうモデルもあったのかもしれません。
 ただ、ブームが過熱するようになると、各社とも他社を出し抜こうとスペック勝負に出始め、似たようなサイズのキャビネットに、見た目だけはド派手な大口径ウーハーを装着したり、フレームを金銀色で固めたこれまた派手なツィーターで高級感を出したり、スピーカーにおけるバランスを無視した、本来の音の良さとは全く違う方向に競争が進んでゆきました。

 ある意味それも仕方がないことです。当時のオーディオは主に大手家電量販店での扱いがほとんどで、その売り場には壁一面にスピーカーが積み上げられ、買いに来たユーザーは、20〜30の切り替え回路を持つスイッチで切り替えてスピーカーの試聴をする仕組みでした。
 また当時の量販家電店の店内は今と違い、フロアの中では流行の音楽が大音響で流れて(その頃はJASRACも音楽のBGM使用には寛容だったようです)、場末のパチンコ屋並みの騒音。そんな騒音まみれの環境で壁に詰まれたスピーカーのスイッチを切り替えながら、お店で用意されているクラシックやジャズなどのソースを聴くのです。ソースについて建前上は「お好きなレコードをお持ち下さい」となってはいましたが、自分のレコードやCDをお店に持ち込んで比較する人は少なかったみたい。特に若い客相手だと店員も接客を露骨に面倒くさがっていた時代でしたし。

 もちろんそんな環境でスピーカー本来の音質などわかる筈もなく、店頭試聴(?)の勝負に勝つのは、新製品で棚の目立つ位置(耳の高さに近い場所に重ねられている)に置かれた、派手なウーハーか派手なツィーターでドスドスキンキン言わせるモデル。そうでないと違いがわからないのですから仕方ありません。
 そんな試聴の末にスピーカーを選んだユーザーも、四畳半の部屋で近所で拾ったドブ板やコンクリートブロックで積み上げたスタンドの上に新品のスピーカーを置いて「自分のスピーカーはウーハーが30cmだ!」などと自慢していた訳で、今思うとのどかな時代だったと言えるかもしれません。

 結果、日本のオーディーメーカーで派手に行われた5・9・8勝負は、コスト度外視+採算無視の大出血サービスで売れば売るほど赤字を垂れ流し、肝心だった製品の音はどんどん悪くなる一方という、まさに消耗戦、オーディオ市場への焦土作戦となり、これ以降、まずはスピーカーから国産オーディオメーカーの衰退が始まることとなります。

 で、何故当時の自分が、初めて買うスピーカーでそれらのモデルを避けて、イギリス製のちんまい(割に高い)スピーカーを買ったのか?
 きっかけとしては、当時既に使っていたAudiolab8000Aの開発リファレンスモデルだったから…というのはわかりやすい理由ですが、その当時からなんでイギリス製の変なアンプをわざわざ買っていたのか…という点については今でも少し不思議です。
 ただ、理由は漠然と覚えていて、ひとつはその当時編集のアルバイトで潜り込んでいた某オーディオ雑誌(もう廃刊しています)の試聴室で、チラ聴きながら結構な製品の音を耳にしていたこと。また詳細は忘れましたが、その当時では珍しい海外製プリメインアンプの特集(殆どイギリス製)のために慣らしていたアンプ達がすごく音が良かったこと、それらが理由ではなかったかと思います。

 私はバイト(それもその編集部専属ではなく出入りの編集アルバイト)なので、試聴室正面で音を聴いた訳ではないのですが、おそらく相当衝撃を受けたのでしょう。当時は丁度アンプを買い換えたいと思っていたのですが、それ以降、もう海外製のモデルしかあり得ないと思っていました。
 そしてAudiolab8000Aを選んだきっかけは、試聴の末という訳ではなく、単純に10万円ちょいで買える海外製アンプがそれしかなかったから(他にNait2もあり悩みましたが後に再会)。まだ古いアキバ駅前のラジオ会館内サトームセンで購入しています。というかアキバ中探し回ってその店でしか売っていませんでした。まだまだ海外製のオーディオ機器を扱っているお店は本当に少なかったのです。
 結果、それまで使っていたパイオニアのアンプと比較して大変満足する結果となり、ならスピーカーもゆくゆくはCelestion…と、それがこのスピーカーを買ったきっかけ。購入場所は同じくサトームセン、2本定価148,000円で、別売りのスピーカースタンドはペアで3万円位したのですが、マケてもらって15万ちょいで買った記憶があります。買って友達に見せたらこんな小さなサイズでこの値段…と、あまり評判は良くなかった(笑)というのは以前書きました

 そういうこともあり、Celestion SL6siについては、悩んで購入したスピーカーというより、アンプを買ったら自動的に決まってた…という感じですね。コイツとは10年位の付き合いとなりました。

2:Marlin EXL-1 編

 さて、お気に入りのオーディオと過ごしていた毎日でしたが、なんのきっかけでしょう…LINNからのダイレクトメールだったかな?とにかく当時の私はアナログプレーヤーでLINNのAXISを使っていたのですが、当時代理店だったODEXが取り扱いを辞めてから製品の案内もなく、何となくですが「潰れたのかな?」みたいに思っていました。
 言葉悪いですが、当時の海外オーディオブランドなんてそんなもんでしたからね。数人で集まってテキトーに製品作って、負債抱えると会社を解散して、また別ブランドで会社立ち上げる…その様子を故、長岡鉄男氏は「駅前の不動産屋みたいなもん」と言っていましたが、さもありなん!と言った感じ。

 もちろん、LINNは潰れてなんかおらず、LINN JAPANという代理店の元で、本格的な日本進出を図っていたところでした。で、折角なので新しいLINNの音でも聴きに行こうと思い、雑誌で見つけたのが秋葉原のショールーム、リンツというお店。ただし電話したのが定休日だったのか電話が通じず、もう1箇所都内で取り扱っていた新宿のダイナミックオーディオに試聴希望の連絡を取ります。リクエストした機種はLINNのMAJIKとMIMIKのペア。当時私が使っていたSL6と似たようなサイズのスピーカー(ソナスだったと思う)で聴かせてもらい、こりゃスゴいと即金で50万円!払って帰ってきたのでした。
 そういえばこの製品買ったときも家で国産30cmウーハー鳴らしてた友達が「この二つで50万円?」と信じられないような顔してましたが、別なオーディオ好きな友達に見せたら「このサイズでこの重さ…それにこの筐体すごいね、鳴きがない、コレって結構高いんじゃないの?」と、割と的確に特徴見抜いてたのが面白い。ちなみにその人はスピーカー自作派で海外オーディオ機器なんて全然知らんと言ってた人でした、当然LINNなんてメーカーは知らないと言ってましたし。

 なんでスピーカー話でアンプとCDP入れ替えの話をするのかというと、このLINNというメーカーとの出会いが、次のスピーカーとの出会いで重要なポイントになるからなのです。

 さて、届いたLINNのMAJIK/MIMIKですが、同時にスピーカーの方ももう少しいいのにした方がいいのでは?と考えました。これは特に音の不満があった訳ではなく、単純にアンプとCDPをグレードアップしたからスピーカーも変えた方がいいのかな?と思っただけです。また、当時東京でLINN製品をメインで扱っていたリンツというお店にも一度出かけてみたいと思ったというのもあります。
 鉄は熱いうちに…じゃありませんが、新しいアンプが届いておそらく1ヶ月以内にリンツへ出かけています。当時のリンツにはLINN製品はもちろん、雑誌でも見たこともないような製品が多数並んでいました。そして確か初回の訪問はLINNのスピーカー、KANとかKEILIDHとかその辺だった気がしますが…を聴かせてもらったのですが、いまいちピンとこなくて、その後2〜3回通った後にふと見つけたのがバンダーステインに似た黒いスピーカー。
 アレなんですか?と店員さんに聞いてみるとMarlin EXL-2というスピーカーだと教えてもらいました。Marlinと言えばネット(当時はパソコン通信)で誰かが語ってたかな?程度の認識しかなかったのですが、値段もそこそこだし聴かせてもらうと、これには衝撃を受けました。私は元々空間表現の巧みなオーディオ機器には弱いのですが、このスピーカーから出るボーカルの熱さと空間表現には1発でノックアウトされ、その場で購入契約を…。その時に「このシリーズには1〜3迄あって、最上級機には高さ2m近くもあるExcaliburというモデルがありますよ」と聞きました。そういえばパソコン通信でエクスカリバーとか語ってる人いたな。これのことだったのか…と(笑)

 一応EXL-2を契約したのですが、自分の部屋には少しサイズが大きすぎる気がして、念のためEXL-1の出物があったら(これらMarlinのスピーカーは既に店頭在庫か中古しかなかった)連絡して下さいとお願いしたら、確か翌日くらいに連絡があった。記憶では平日の夜に店まで聴きに行ったと思うのですが、閉店時間過ぎての試聴の末、低音の迫力は劣るけど、EXL-1の方がタイトで音が生々しいとのことでこちらを選びました。確か広島の店から持ってきたとか言ってたな。

 ということで、EXL-1を選んだ理由は、試聴して検討というより、試聴してたらすごいのに当たった!みたいな感じでした。そういう意味でスピーカー選びの検討はしていないですね。運命みたいなモノかな?
 余談ですが、このお店を通じて色々な人と出会いました、特に日本では珍しい同じスピーカーを使っているANIさんと知り合いになれたのは、その後のオーディオ人生にも有意義なものでありました。

3:Celestion Ditton66 編

 さて、EXL-1を買ってから数年、LINNのシステムも調子いいし、EXL-1も調子いいしこりゃたまらん!と、当時流行ってた林原めぐみのアルバムとか(笑)聴いていた訳ですが、何故かふと魔が差して別なスピーカーの音を聴いてみたくなります。そこで現れたのが、かつて使っていたCelestionのルーツとも言えるDitton66。なんのきっかけか忘れましたが、当時リンツ改めサウンドクリエイトとなったお店で聴かせてもらい、その美音と雄大な音に、これは欲しい!と思ってしまったのでした。

 確かお値段はもちろん中古で18万円だったかな?数週間悩んでたら値下げしてくれた気がします(値下げしてと値切ったのは自分からだったのですが…)。早速購入してEXL-1の代わりに使っていました。
 ただね…お店ではアレだけいいと思っていたDitton66ですが、イザ自分のものになると、どうも納得できない。納得できない点は本当にただ一点で「音のエッジが緩い」ということでした。

 どういうことかというと、音の立ち上がり、音の消え方、そして人の声や楽器の切れ込みがどうもズバッと決まらない。なんせ、現代の基準では薄い木でできた大きな箱鳴りするキャビネットに、30cmのドロンコーンですから、もともと立ち上がりや立ち下がりが俊敏な構造ではないんですよね。発売された当時はモニター機としてブイブイ言わせていたのかもしれませんが、現代のスピーカー…特にEXL-1と比較してしまうと、どうも音がトロい…。ということで2ヶ月位使った後に、奥の院(私の部屋の奥にある倉庫部屋)入りしてしまいました。

 結果失敗した買い物とも言えるのですが、それでもこのスピーカーを手放していない理由は、古いので買い取りが安いというのもありますが、やはりあの音の美しさが記憶に残っているからなんですよね。もうしまい込んで10年以上経つと思いますが、まだ音は出るかな?チャンスがあればもう一度聴いてみたいと思いつつ、奥の院の中で朽ち果ててゆくのかもしれません。

 スピーカー選びとして失敗例ではありますが、その製品のどこかしらに惚れた部分があれば、購入した事そのものについては不思議と後悔は感じていない例。これも勉強のうちですし、大人の勉強はお金がかかるのです。

4:PIEGA Master Jubile 編

 ということで、その後は再びEXL-1でオーディオ生活を楽しんでいました。以前はもう一生このスピーカーでいいや…と思える位惚れ込んでいたスピーカーだったのですが、やはり長い間連れ添いすぎましたね。なんだかんだで15年以上はこのスピーカーと一緒にいると、不満というより音の衰えを感じてくるようになりました。
 特に参ったなと思ったのは、元々低音は少し弱くはあったのですが、ここ数年かなり低音域が出なくなってきたこと、それと音の位相がどうも決まらず、昔のようなスピーカーがまるで消えるかのような音場感が得られにくくなってきたというのがあります。

 アッテネータの調整をしたり、本体を支えるスパイクを床直差しにしたり、スパイクの数を5本にしてみたり色々やってはいたのですが、それらの作業もだんだんイヤになってきて、もうオーディオは引退しようか?と弱気になった時期もありました。

 そしてEXL-1との別れと、やはりオーディオは辞めない!と決断したきっかけは、最近よく出かける茨城県鹿嶋市での別荘オーディオを始めたこと。
 あまり深く考えず、もう20年以上前に買ったAudiolab8000AとCelestion SL6siをたまには鳴らすかといった軽い気持ちで持ち込んだだけだったのですが、そんなお下がりの機器ながら、全くといって調整もせずただ棚に置いただけで、とても楽しくワクワクする音が鳴りました。この音が鳴ったときは、大げさではなく本当に「昔の私ありがとう!」と心の中で思ったものです。なんだか勇気が出てきました。

 単なるノスタルジーなのか、それともオーディオは当時から進歩してないのかわかりませんが、あの頃選んだ自分の機器が、こんなに時間が経っても自分を愉快な気持ちにさせて、更に勇気まで与えてくれるとは、購入した当時は思いもしませんでしたよ。

 さて、となると冷静に考えて、もうEXL-1との蜜月は終わったんだなと判断するしかありません。確かにその当時でもタマにすごい音が出たりして、そういう時は気むずかしいEXL-1だしなぁ…と自分を納得させていたのですが、やはりオーディオはオーディオ。良い音を出すための楽しい苦労ならともかく、良い音を出すために楽しくない苦労をするようではいけません。何か良いスピーカーは無いものかと、漠然とですが買い換えを決意し始めます。

 結果、銀座に移ったサウンドクリエイトでPIEGA Master Jubileを買ってしまうのですが、その経緯についてはこちらのエントリに書きましたので詳しくは語りません。

 我ながら決断が早いなとは思いますが、その早い決断の理由については、まずは信頼できる店員さんのお勧めであったこと。こちらはPIEGAの中でもカタログにすら掲載されていない特殊なモデルなので、どうもお店としては売りにくい製品ではあったようですが、そんな面倒くさそうなモデルを数年ぶりに会った私に勧めてくれたというのは、彼もそれなりに何か思う事があったのかもしれません(ま、在庫押しつけたれ!かもしれませんけどw)
 あとまぁ…色々なスピーカーを試聴してじっくり検討してというプロセスを踏まなかったのは、私の方もこのスピーカーを聴いて何か感じる事があったからかもしれませんね。ちなみに、漠然と検討していた予算から数倍の価格になりましたが、これもまた何らかの出会いってモノなのかもしれません。

5:スピーカーの選び方

 ということで改めて思い出してみると、長いオーディオ生活の中で、私は今までまともにスピーカーを選んできたことがなかった。
 初めてのスピーカーは自動的に選んだようなモノでしたし、その後もオーディオ雑誌や本にあるようなじっくりと検討する選び方でスピーカーを買ったことはありません。いつも「あ!これすごくいい」という直感だけで買ってきましたが、不思議と後悔はありませんでした。Master Jubileはまだ買ったばかりなので、ひょっとしてこの先後悔するかもしれませんが、幸いの所今では、毎日どんどん好きになる一方!

 衝動買いできるのは、普段から色々な人の音を聴いてショップへ足蹴に通って新製品情報を集めているからでは?と思われる方もいるかもしれませんが、残念ながら半分コミュ症みたいな私は、人の家のオーディオシステムを聴かせてもらうなんて本当にマレですし、お世話になっているサウンドクリエイトだって、ここ10年で出かけたのはMaster Jubile買ったのを合わせても3回かな?そういう意味では今のオーディオ界にすっかり疎い私です。

 それでもスピーカーを衝動買いして失敗しないのは、実のところ失敗だった事実を知らないだけかもしれません。本当のところは失敗だったという可能性だってあります。
 ただ、少なくとも今のところはオーディオを引退する気持ちになっていない訳で、つまり自分の選択が失敗だったと思わないこと…それに自分の好きだという気持ちに素直でいること…が、絶対に後悔しないスピーカー選びの秘訣なのかもしれません。

Leica digilux zoom

▼2015年05月30日

PIONEER OFC-STAR QUAD CABLEを別荘で試してみる

IMG_6078.JPG コネタです。

 家に大分前から眠っていた、我らがパイオニアの高級スピーカーケーブル「PIONEER OFC-STAR QUAD CABLE」。3m位のペアが何故か昔から家にありまして(買った記憶が無い)、どうせなら別荘オーディオで試してみようかなと。
 あ、自宅では無理です。スピーカーケーブルは最低片側5m位ないと届かないし、自宅のスピーカーケーブルはLINN K400で充分満足してますので。

 ちなみに、別荘オーディオのシステムを紹介しますと、ソース側はMacBook Pro13のPCオーディオ。USB/DACやLINN MAJIK DSなど状況に応じて色々変化しますが、今回は関係ないのでいっか。
 アンプはこのブログ読者ならお馴染みのAudioLab 8000A、スピーカーもお馴染みCelestion SL6 Siです。それをつなぐスピーカーケーブルは、別荘近所のヤマダ電機で買ってきた安物…おそらくビクターのCN-415Aです。長さは片側2mだったかな?線材は立派にもOFC!無酸素銅を惜しみなく採用…といっても、今時その辺で売ってる電線やら何やらってほとんどOFCですけどね、つことで普通のケーブルです。

 で、今回用意したPIONEER OFC-STAR QUAD CABLE、当時はいくらしたんでしょうね。今は売ってないので色々検索すると、ヤフオクで4.9mペアが4,900円で落札された記録が残っていますので、新品だと1m/2,000円とかしたんでしょうか。高級までは行かずとも、高品質なケーブルではあるようです。

 早速試聴。接続はスピーカー側には直で、アンプ側は金メッキのバナナプラグ(型番不明)を装着して聴き比べました。比較という割に、ビクターは片側2m、パイオニアは3mなので全く同条件ではないですが、誤差みたいなもんでしょ。

 で、聴いた結果ですが、ハッキリいましょう、PIONEER OFC-STAR QUAD CABLEはまるで駄目でした。
 ビクターの安物と比較すると、一聴では「お、音のスケールが大きくて雄大になったな!」とちょっと感心したのですが、よく聴くと音の芯がボケボケ…、楽器の定位はおろか、中央のボーカルまでなんだかモヤモヤした感じになりました。ただ、音のレンジは確かに広がったので、オーディオ入門者なら「コレは音質改善効果大!」とか勘違いしそう。

 一応、エージングのつもりで数時間は慣らしていたのですが、時間の無駄だと思って、ビクターに戻しちゃったw。
 逆に言えば、ビクターのCN-415Aはなかなかのコストパフォーマンスですね。パイオニアと比較すると、音の密度感があり、何よりも位相が揃ってフォーカスが安定している気がします。確かに音の消える余韻などは少し抑えめですが、これはむしろパイオニアのブヨブヨした音と違って、音の消え際がしっかりしてると言い換えた方がいいかもしれません。

 つことで、あっという間にお役御免になったPIONEER OFC-STAR QUAD CABLE、うーん、どうしたもんかw。

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▼2015年05月20日

LINN Space Optimisationを試して測る

sc_01 LINNの新しい音場補正技術、Space Optimisationですが、少し前にLINNのDSシリーズ全てで使えるようになりました。

 こののスペース・オプティマイゼーションは、通常のグライコ、またはアキュフェーズのディジタル・ヴォイシング・イコライザーと違い、極めてソースファーストなデジタル補正なのが特徴。
 というか、補正というよりデジタルの信号を音楽に復号する段階で補正を行うようなので、音の劣化はありません。

 通常のグライコと大きく違うのは、アキュフェーズ等が出てくる音を測定し、その周波数を平坦に補正する考え方に対して、LINNのスペース・オプティマイゼーションは、ソフトで部屋の大きさや環境を入力し低域部分の歪みを補正するという考え方。積極的に好みの音を創り出すといった用途とはまた違うようです。

 具体的な使い方は、LINNのKonfigというソフトに登録されているスピーカーを基礎データとして選び、それを元に部屋の大きさやスピーカーを置いた位置を測定しソフトウェアに入力。あとはソフトウェアが理想的なトーンカーブを計算してくれます。ちなみに登録されていないスピーカーを使っている場合は、似たようなユニット構成と床からのウーハーの高さ(こっちが重要らしい)を選べばOKとのこと。私の場合はPrAcのD30を基礎データとしています。

 じゃ、私の部屋を測定して演算した結果はどーなのよぉ〜!というのが、上、重ねて掲載した二枚目の写真。27Hz付近〜30Hz付近でピークが-24.83dbの補正がかかっています。LINNが持つデータベースによると、私の部屋のサイズとスピーカーの設置位置ではこの付近で低音が反響し音楽を汚すようです。
 もっとも、部屋の中の家具や散らばっている本w、そのた細かい部屋の状況などはソフトウェアから入力出来ませんので、厳密に計測するとまた違うのでしょうが、スペース・オプティマイゼーションの場合は主に低音の歪みを補正する用途なので、こんなもので良いのかもしれません。
 補正をもっと追い込みたい人は、ソフトウェア上から直接補正量の数値も入力出来ます。

 で、スペース・オプティマイゼーションの効果ですが、私の部屋の場合、聴感上の印象だと少し音が地味になったことと、各楽器の定位が改善されました。定位というより音のフォーカスが合った感じかな。しばらくこの状態で聴いた後にフラットに戻してみると、やはりスペース・オプティマイゼーション効かせた方が正しい音のような気がします。

sc_02 ということで、この印象が正しいのかと簡易的にスペアナで測定してみました。音源はこちらのピンクノイズを使用。測定はiOSのアプリAudio Frequency Analyzerを使います。ま…所詮内蔵マイクなのであくまでも簡易的なモノですが、オーマニならインスコしておくと便利なアプリです。

 で、平日の早朝からあまり大きな音出せないので、控えめにリスニングポイントから測定したのが右の画像。上がフラットな状態、下がスペース・オプティマイゼーションかけた状態となります。

 ある程度の誤差はありますが、一応ソフトウェアで補正している25Hz付近はちゃんと音が弱まっているのが確認できます。他、小音量での計測のため低域側はすこし下がり気味ですが、私の部屋は、細かい凹凸を無視すればそんなに暴れた音響特性の部屋でもなさそうです。

 音としては明らかに低域側を引っ込めたのに、聴感上はフラットに錯覚してしまうのが不思議な感じですが、さすがHi-Fiホームオーディオを追求してきたLINNという感じですね。一件単純そうに見える補正ですが、実は独自に測定したノウハウがぎっしり詰まっているのかもしれません。

 そうそう…部屋の寸法を測るには、下のレーザー距離計がお勧め。オーディオ用アクセサリとして考えれば安いモンだと思いますので、DSユーザーはこれを機会に1個用意しておくのも良いかも。
 オーディオ用途以外でも色々便利そうだし。

▼2015年05月19日

AETの次世代防振パットを買ってみる

IMG_6030.JPG ジュビリーの脚ですが、床の響きを止めるために、暫定的にフェルトを四角く切って、床との間に挟み込んでいます。ただまぁ…所詮フェルトだし、しばらくすると潰れてクッション効果無くなるのは目に見えているのです、ま暫定だしね。

 ということで買ってきたのが、このAETのVFE-4005Hというゴム系のインシュレーター。ハイレゾ対応ってのが意味わかりませんが、お値段は4個入りで1,030円とこの手の製品にしてはなかなか安い。購入場所はアキヨドです。
 指でつまんでみると、ゴムっぽくそれなりに堅いのですが、力を入れると少し凹みます。ただのゴムよりは粘性があるようです。

 一昔前だと、この手のインシュレーターは、オーディオ用と名がついたモノよりもホームセンターなどで同等の素材を買ってきた方が安上がりだったのですが、今のご時世、オーディオアクセサリメーカーが良心的になったのか、一般ホームセンターがぼったくるようになったのかわかりませんが、このクラスの製品だと値段あまり変わらないんですよね。

 実は平日の夜にアキヨドでこのAETの製品を見つけ「ホームセンターで似たような製品買った方が安上がりなんじゃね?」とスケベ心をだしたものの、休日の島忠の防振ゴム系売り場で似たようなモノを探しても微妙に高い。同じようなサイズ感で一般的なただのゴムシートでも、1個195円(税抜)という価格で、8個揃えるとなると1,600円ちょっと?だったらAETのパッドでもいいかなと。オーディオアクセサリにもデフレの波が来ているのか?

 で、早速家に帰ってジュビリーの脚に敷いてみます。
 おおっ!さすが21世紀の技術で開発された防振素材!粘性素材×発泡処理で究極の振動吸収の効果がッ!…ってな事もなく(笑)、普通に効いているのだと思います。

 さすが、フェルトと比べると、当初自分が想定していたゴムっぽい効果はちゃんとあるようです。中域くらいの解像度が少し良くなった気もします。ま、この先ゴムが潰れてきて最適化されると、もっとよい効果が得られるのではないかと期待しているのですが…どうかな?元より悪くなっちゃうかもしれないし、それはしばらくしてみないと分かりませんね。

 なんだか、久しぶりにオーディオで遊んでる実感。たのしいな、オーディオは。

iPhone 6 Plus


▼2015年05月14日

PIEGA Master Jubileのセッティングについて

R0325277.JPG さて、うちに来て数日経ったPIEGA Master Jubileですが、何となくですがポイントが見えてきたので、いくつかメモ的に。

 まず、うちの機器との相性について。
 サウンドクリエイトではアンプがOCTAVEのプリメイン〜V40か70か80かわかりませんが〜と、プレーヤーがLINN Akurateで聴かせてもらっていたのですが、アンプに関してはうちのNAP250の方が好みの鳴り方だと思いました。というかどちらかというと、試聴時に聴いたOCTAVEとジュビリーって実はあまり相性良くないんじゃ?と思っていたので、その点は一安心。

 具体的に言うと、OCTAVEだと中低域の推しが少しものたりなくて、NAP250の方が高域の艶が少し希薄。これらは部屋の状態による影響もあるので、アンプの相性なのかどうかはわかりません。ただ、試聴室で聴くよりは音の実態感を感じますので、コレはコレで満足です。ま、試聴室だと同じ部屋に音を乱す要因でもある未使用スピーカーが沢山あるからね。サンクリの試聴室はどの部屋でも普通のオーディーショップより相当いい音しますが、ショップである以上コレは仕方がないことです。

 そうそう…私の部屋でも使っていないEXL-1は、とりあえず私が聴く位置からうしろの壁の隅に置いているのですが、昨晩「そうだそうだ」と思いだして、ユニットのプラスマイナスを余ったケーブルでショートさせたら、それだけで部屋の音響が変わりました。使っていないスピーカーを同じ部屋に置いている人は、必ず余ったジャンパーケーブルなどでプラスとマイナスをショートさせておくようにしましょう。

 で…ジュビリーちゃんですが、まだ数日聴いただけなのでまだあまり細かい事は気にしない方がいいと思いつつ、とりあえず現状で感じている課題は、

1:スピーカーに床が少し負け気味?
2:部屋に対してスピーカーの設置位置の問題
3:定位の改善

 というところ。

 1:については、ジュビリーちゃんが重すぎるせいか?おそらくエンクロージャーが同じサイズのCoax90.2より何故か1本あたり15kgも重いのです。EXL-1の時はスピーカーの軽さに悩み、最後の方はスパイクをフローリングの床に直刺ししてましたが、ジュビリーは何か堅いボードを用意した方がいいのか、或いは弾性のある素材でフローティングした方がいいのか…。個人的にはスピーカーボード敷いてその下をスパイクで支持して…なんていういかにもマニアっぽい事ってしたくないんですよね、シンプルなのが一番です。
 とりあえず、家にあったオーディオ用ではない薄い制振シートみたいなのを正方形に切って、スタンドの脚にかませてます。ジュビリーの脚はPIEGAでいうボトムプレートが標準装備なのですが、脚がスパイク状に尖っているのではなく緩やかに丸いプレート状になっていて、更に薄い透明なゴム(?)状のシートが貼られています。今はそこに制振シートを追加した状況です。
 やってみると、床の余計な響きがちょっとだけ消えたせいか、音がまとまってくると同時に、少し低音が出てきました。ただ響きが抑えられるのはいいとしても、低音寄りになったのは少しイマイチな気もします。

 2:のスピーカー設置位置ですが、個人的には壁から今の位置より少し内側にして前進させたい。しかしこれは生活上の利便性もあるので、もう少し考えます。昔みたいにコーナーを背にした配置でもいいのかなと思ったりも。

 3:は1ともかぶるのですが、まだスピーカーの間に綺麗に楽器が浮かび上がる…といった状況になっていません。音の情報量は増したけど、フォーカスがきちんと合っていない感じ。この辺はスタンドに置いた小型スピーカーだと楽なんだよなぁ。なんだかんだで、フロア型(トールボーイ含む)は、それなりに位置合わせに悩むこととなります。

 金属製のネットについては、基本外さない方向で考えてます。
 うちの場合、ネコにいたずらされるとアレだし、またピエガご自慢のリボンユニットは磁力も強力で、間違えてピンやらなにやらくっつけると、その衝撃でユニットに穴が開くこともあるそうで、その場合、ジュビリーに採用されているLDR2642 MKⅡリボンツイーターだと、修理の部品代が2〜3万円。出せない額じゃないけどチト辛い。
 尚、Coaxシリーズに搭載されてるC1/C2 同軸リボンを壊した場合、部品代だけで8〜10万円とか逝くらしいので、これらをお持ちの方は、くれぐれもご注意をw。

RICOH GR

▼2015年05月10日

PIEGAのスピーカーを買いました

R0325273.JPG 最近どうもEXL-1の衰えを感じていたのです。

 自慢だった抜群の音場感も、音のキレも、そこはかとなく失われてきていて、そろそろ寿命なのかなと。
 確かにオール木製…しかも合板ではない本体は、日本の季節、あるいは季節毎の湿度の差に対して辛い構造ではあります。ひょっとしたらユニットのネジが緩んできたとかそういう理由なのかもしれませんけど、ま、それを含めてそろそろ寿命かもねと。もう何年使ってるんだろ…20年近いかな。

 そういうこともあり、ここ1〜2年に渡り、ボチボチといいスピーカーはないものかな?と、何となく探していたんですよね。
 ただ、スピーカー買い換えのきっかけというか直接の同機になったのは、近頃良く訪れている別荘でのオーディオ鑑賞。
 私的にはお下がりの機材(Celestion SL6si+AudioLab8000A)ながらも、面倒な調整なしで、電源入れてスピーカー窓際に置いて鳴らすと本当に気持ちいい音が出る。あ…オーディオってこうじゃないと!

 そんな事もあり、久しぶりに何か良いスピーカーのネタでも拾えないかなと、銀座にあるサウンドクリエイトにでかけてみました。
 馴染みの店員さんが出てきて「最近スピーカーを買い換えたいと思ってるんですけど」みたいな話から、手頃なPIEGAのスピーカでも聴いてみますか?みたいな流れに。
 PIEGAとはスイスにあるオーディオメーカー。以前もこのお店で何度かPIEGAのスピーカーは聴かせてもらっていて、その度に「あ、いいなぁ〜」とは思っていたのです。当然今回の次期スピーカー候補のひとつとして考えていました。

 早速聴かせてもらったPIEGAのTP-5というスピーカー。アルミ押し出し材でできた細身のエンクロージャーが特徴。スタイリッシュな印象とは裏腹に、とても暖かみのある音が出ます。ちょっと低域の制動が緩いかな?みたいな気もしたのですが、音は本当に楽しい。

 これならEXL-1から買い換えてもいいだろうと思い、同じTP-5(また以前は同じEXL-1)を使っている北海道のアフロ店長に電話で相談。
 「いやーすごくイイッスよ」との絶賛コメントを聞いた上に「EXL-1に比べて全然鳴らしやすいです。セッティングに神経質にならなくて大丈夫」みたいなアドバイスも頂き、これっきゃnight!と、早速商談を。
 で、結果から言うと、商談の末に参考程度で聴かせてもらった同じくPIEGAの別なスピーカー、そっちを選んでしまいました。

 決めたスピーカーは、PIEGA Master Jubileというモデル。何年か前にピエガ創立25周年を記念して、世界限定で50本(25ペア)?発売したスピーカで、日本には合計3セットほどやってきたとのこと。そのうちの1本を購入してしまいました。

 実を言うとTP-5を聴く前に、「おなじPIEGAで珍しいモデルがあるんですよ」との話を聞き、参考程度にチラ聴きしたんですよね。初聴での感想は「確かに高そうな音するけど、ちょっと自分の好みじゃないかな?」というものでした。
 ただ、TP-5を試聴して決めた後、何となく気になって念のためもう一度聴かせてもらったら、このMaster Jubileのほうに可能性を感じてしまった訳なのです。

 ハッキリいって、絶対的な性能差を無視すれば、このブログを書いている今でもTP-5の方が自分の好みです。バスレフながらも僅かに低域が緩い感じとか、EXL-1や密閉型のCelestion SL6siに通じるものがあります。
 そういう意味で、Master Jubileの方は私としては少しカチッとしすぎる感想を持ちました。でもオーディオって時として単純な好き嫌いで割り切れるモノでもないんですよね。不覚にもふと出た弦楽器の音にハッとしてしまって、トータルでは好みと外れていても、「家で鳴らしてみたい、コイツにチャレンジしてみたい」といった感想を持ってしまったのです。

 となると、もうダメですね。スピーカーとか一度買ったら大体10年みたいなサイクルで付きあう製品です。今好きな音より、可能性を感じるモデルを選ぶ…ま、コレは人それぞれかと思いますが、そういった可能性や予感を感じたということは、多分自分の好みは今後、Master Jubileの方にシフトしてゆくんでしょう。カッコよく言うと、私は現状よりも未来を買ったのだ!(笑)みたいな感じ?

 早速契約を済ませて、善は急げと銀座から一度家に帰り、車で出かけてスピーカー受け取ってきちゃいました。このスピーカー即日持ち帰りしたのは、日本では多分自分ひとり…世界でも自分だけかもしれないw。

 搬入には苦労しました。なんたってこのMaster Jubile、片側だけで60kgもあります。写真で並べたEXL-1と同じようなサイズ(EXL-1はスパイク外してますので少し低いですが)なのに、重量差は3倍です。お…重い。

 PIEGAに詳しい友達に話を聞いたら「そういえば日本に入ってきたときやたらと重いのがあった」とのことで、おそらくエンクロージャーがPIEGA一般のアルミ押し出しじゃなくて、同社C40などと同じ鋳物なのではないか?とのこと。いずれにせよ資料がないので推測の域を出ないのですが、確かにPIEGAの他の同じようなサイズのスピーカーは重量30〜40kgなので、エンクロージャーの構造自体違うんでしょうね。

 早速音出ししていますが、夜なので小音量で聴いても、結構な雰囲気出るのがありがたい。最近のEXL-1だとある程度音量を上げないときちんと低域が出ないし、かといって昼間音量上げると少しヒステリックな音になりやすく、スィートスポットが本当に狭かった。そういう苦労なしに音楽に没頭できるのは本当に嬉しいです。

 思えばここ数年、家にいるときでも、スピーカーよりヘッドホンで音楽を聴くことが多かったのですが、これを期にまたスピーカーでの音楽鑑賞に努めようかなと思います。

RICOH GR


▼2015年02月15日

矢野顕子・さとがえるコンサートに行ってきました

IMG_5154.JPG もう去年の12月14日の話なんですけどね。

 色々ありまして、NHKホールで行われる矢野顕子のコンサートに行ってきました。副題が「さとがえる」だそうで、確かに彼女にとっては日本でのコンサートは「里帰り」になるのか。

 このライブ、矢野顕子冠は出ていますが、実は他のメンバーも超豪華で、彼女を支える脇役(?)は、鈴木茂、細野晴臣、林立夫というメンバー。う〜ん、往年のJ-POPファンにはたまりませんネン。

 演奏された曲目については、後でネットで色々調べてみると、あの夜は17曲もあったんだねぇ〜。本当にあっという間でしたが、その中で矢野顕子自身の歌は6曲?だったかな。前半はちょっと古い洋楽ポップスが中心で、後半は大滝詠一やはっぴいえんど、細野晴臣など、日本のニューミュージック系が中心。

 矢野顕子のライブは即興性が特徴との評判ですが、実際彼女のライブにフルで出かけたのは初めて(いつだか記憶にないけど生演奏はどこかで聴いたことがある)で、想像以上に楽しかった。細野晴臣とかも歌ってたけど、主役を食っちゃう位に拍手を受けてたのも面白かったなぁ。ってな感じで、1曲目からアンコールまでの時間がすごく短かった「え?もう終わり」みたいな。
 観客の多くは、自分よりも年上のおじさんおばさん方が中心なのですが、拍手とか応援のかけ声とか、結構盛り上がってましたね。

 それと、天下のNHKホールはやっぱり音響がすごいね。私は三階席だったので、正直矢野顕子自身は結構小さくしか見えなかったのですが、アレだけ大きなハコの割に、PAの音とか余計な付帯音が殆どなくて、彼女の声もたっぷりと楽しめました。
 そういえばアタシ、NHKホール入ったの初めてだったよ。あそこで毎年紅白歌合戦が行われてるんだと思うと、ステージは思ったより大きくなかったかも。

 このライブ、去年の大晦日にWOWOWで放送されたそうだし、この日のライブについては、3月18日にCDアルバムとして発売されるそうです。アッコちゃんファンの人は是非。

 自分も買いたいけど、同時にハイレゾ版も出ないかなぁ?

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▼2015年01月05日

FireFaceUCとChordette Gemの音質比較

R0324498.JPG あまり真面目にやった感じでもないのですが、メモ程度に音の印象を残しておきます。
 ただ、Chordette Gemについては、今となってはひと世代前のDACであり、入力も48kHz迄しか対応していません。絶対的なスペックは当然FireFaceUCより下となる事は、前もって踏まえた上でどうぞ。

 他今回の比較で使った機材は、スピーカーがCelestion SL6Si、アンプがAudioLab8000A、ソースはMacBkkoPro13より、Audirvana Plus 2.08で再生しています。そうそう…今回Chordette GemのBluetooth入力は使っていません。

 比較と言っても、FireFaceUCの方が音質的には上であるので、こちらをリファレンスとした比較になるんですけどね。

FireFaceUC
 ・特徴がないのが特徴的な…。
 ・分解能力がすばらしい。
 ・すこし音のエッジは立ち気味。
 ・既知の問題としてAudirvanaで再生するとノイズが乗る場合がある。

Chordette Gem
 ・音がふくよか
 ・低域に元気がある
 ・音のエッジは少し丸め
 ・音の雰囲気は良い、なんつーかオーディオ聞いてる感じ。

 とまあ、このような印象でした。

 もちろん、聴き比べるとFireFaceUCの方が音がいいので、殆どはこちらで音楽を聴いていたのですが、Chordette Gemの方も、わるくはないな…という感じ。少し低域が張り出してきて、コレはコレで気持ちいいと思います。
 それと、コンセプト的に違いを感じたのは、やはりスタジオ用機材とカスタマー向け機材の差って事かな。発売された年代が全然違いますので、絶対的な性能差があるのは仕方ありませんが、FireFaceUCと同年代のオーディオ用USB/DACと比較したら、また違った結果になったと思います。

▼2014年12月31日

海沿いの別荘でオーディオ引きこもり

R0324472.JPG 会社が冬休みに入った12月27日からずっと別荘ライフ中。海沿いにあるこの別荘は本当に居心地が良くて、人里離れた…って程でもない、程よく人の気配がしない地域にあって、ボーッと過ごすのにとてもいいところです。
 なんたって目の前は海!ただ、砂浜ではありますが遊泳禁止です。波荒いので。

 さて、今年の冬休みは、このお別荘に自分のオーディオシステムを持ち込んでみようと画策していたのです。海沿いの別荘で死ぬほど音楽を聴きまくる休日を過ごしたい。ちょっとしたバカンス気分ですね。で、そのシステム達がこの写真です。ちょっと露出オーバー目に撮影しましたので、こんなに明るい場所ではないのですが…。

 機器を解説しますと、出口の方から…

 ・Celestion SL6Si
 ・AudioLab 8000A
 ・Fireface UC
 ・MacBookPro13+Audirvana 2.0

 となります。ちなみに写真手前右にあるもう一台の液晶はMacBookAirです。コレは普通にネットとか用(笑)

 しかし、PCオーディオになってから、機器は仕方ないにせよ、音源を持ち歩くのがものすごく便利になりましたよね。このMacBookProは、元々SSD/250GBを入れてあるのですが、今回は更に使わなくなった光学ドライブを取り外して、そのスペースに1TBの2.5inch/HDDを載せてあります。なので、家にあるPC音源ライブラリをそのままコピーして持ち歩けるわけで、実に便利です。

 で、肝心の音なんですが、とても素晴らしい!
 ソース側はFireFaceまで最新のオーディオ機器になりますが、そこから先は1980年代のブリティッシュオーディオ機器となります。なかなかどうして…古さを感じさせませんね。特にこのAudioLab 8000Aは、開発のリファレンスに今回持ち込んでいる前のバージョンとなるCelestion SL6をつかって開発されたプリメインアンプ。相性がわるいはずがありません。

 セッティングについては、写真でおわかりのように正直満足行くモノではありません。中央に懐かしのブラウン管アナログテレビが鎮座坐していますが、コレはコレでなくなると困るので撤去するわけにも行かないという代物。またスピーカーの設置場所もスタンドではなく出窓になります。一応大理石とインシュレータで浮かせてはいますけどね。ただ、部屋のエアボリウムが大きいせいか、実に豊かに音が弾みます。このCelestionの特徴である「不安げのない低音」も遺憾なく発揮されています。もちろん件のハイエンドスピーカーなどに比べれば、レンジは狭いはずなのですが、そういった雰囲気を感じさせない堂々とした鳴り方です。

 で、この別荘オーディオが楽しくて楽しくて、27日の土曜日に別荘入りしてから、毎日の食べものや生活必需品(洗剤とか石油とか)を買いに行く以外全く外出しない引きこもり生活になっています。観光というか遊びで出かけたのは、昨日隣町のシネコンまで映画を見に行ったくらい。それもせいぜい3〜4時間でしかないし、それ以外はずっと籠もりっきりで音楽聴きまくってます。実に楽しい(笑)
 別荘でまとめて読もうと本も何冊か持ってきたのですが、今のところは一冊読み終えるのが精一杯だったな。音が楽しくてあまり読書に熱中できません。

 てな感じで、今年の年末年始は引きこもりライフを満喫中。そういえば会社終わってから、他人と殆ど会話もしてないレベルです(笑)

RICOH GR


▼2014年12月29日

OLIO.SPECでNaimAudio mu-soを聴いてきました

R0324448.JPG おかえりなさい!ネイムオーディオ!!

 ということで、以前Naim Audioのmu-soについて記事にしましたが、その後なかなか実物を目にする機会がない。前回も書いたとおり、別に買うつもりではないのですが、やはり音は聴いてみたいものです。

 そんな中、某S氏と静音PCでお馴染みOLIO.SPECさんのご厚意で、プチ試聴会を開催して頂ける事に。早速東京に住むネイマー(Naim Audio使い)4人、S氏を含めて5人、そして驚きのLinn KLIMAX DSM使いの方々を含む、都内で現役としてNaim Audio使っている人の半数(嘘)がクリスマス本番(25日)の夜に集合した、とても濃いメンツの試聴会となりました。

 Naim Audio?mu-soってなんぞや?という方は、オリオスペックさんの非公式ブログ、こちらで始まるエントリをご覧下さい。その5までありますが、とても情熱に溢れたエントリです。

 私は少し遅れて現地に到着したので、既に試聴会は始まっていたのですが、途中参加で初めて聞いた音は「あれ?意外とエッジが強調された音がするな?」ということ。ハッキリいえば少し音がキツい。
 それでも、独特の音場感は事前にWeb等で知っていた評判その通りで、目の前で眉をしかめて聴くのではなく、適当な場所に腰掛けて音を聴いてもその高音質ぶりが遺憾なく発揮されています。
 この手の一体型ルームオーディオ機器の多くは、価格という制約もあるのでしょうが、どうも筐体が軽くスカスカで、筐体の余計な響きがバリバリ乗るか、あるいはパワーが必要な音の芯を出すことをあきらめて、キレイ目にまとめてある製品が多いです。
 しかしmu-soの場合は、一体型という制約があるのにもかかわらず、力強い音、そして何よりも音の芯がブレない、とても乗りが良くリズミカルな音楽を再生してくれます。確かにアルミとMDFで固めたボディーはそれなりに大きくそして重い。でも、こんなオーディオ機器が自宅のリビングにあったら、どんなに楽しいでしょう?

 mu-so-は当日、OLIO.SPECさんのオーディオコーナー入り口付近の窓を背に設置していたのですが、意外にも店内奥の角地がスィートスポットでした。

 そんなこんなで、しばらくみんなでmu-soの音楽を聴いていましたら、誰かが「あれ?この電源ケーブル…」なんて話を。
 確かによく見ると、どうも純正っぽくない白い太い電源ケーブルが使われています。スタッフの方に話を聞くと、オヤイデのオーディオ用電源ケーブルでした。コレを知ってしまうとね、ネイマーというか、LINN使いもそうですが、純正の電源ケーブルに戻した状態で聴いてみたくなります。というか、不思議とイギリス系Hi-Fiオーディオの多くは、市中の高品質電源ケーブルが合わないんですよね、何故か。
 自分も家のLINNとNaimは、純正ではありませんが、同社が推奨する屋内配線用電源ケーブルを使っています。NAP250は純正で端子をキャノンに付け替えたケーブルですけどね。

 で、電源ケーブルを純正に戻すと、コレが不思議なんですが実に朗々と歌い出しまして本当にすごかった。そしてこの音の鳴り方って、本当にNait2に似てる。ドラムなどが軽快に弾んで、部屋の中いっぱいに飛び跳ねて、膝でリズムを取らないと聴いていられない!そんな楽しいNaimオーディオの音そのもの。
 オリオスペック店長さんも「いや〜電源ケーブルについて指摘するのは、このS氏だけかと思ってましたよ」と笑っていましたが、確かにそうなんです。高級電源ケーブルはいらないのです、Naimに限って言えば(笑)

 こんなに素晴らしい音のmu-soですが、販売実績は今のところあまり振るわないようで、直接の輸入代理店であるトリニティーが、どうもこの機器をオシャレなインテリアグッズとしてとらえているようで、オーディオ販売では常識の「試聴機」を用意していないみたい。
 なので、店頭でちゃんと視聴出来る場所って、今のところ都内だとこのオリオスペックだけなんじゃないかな?Apple Storeで展示しているって話も聞かないし、例え展示していたとしてもあの環境ではきちんと音は聴けない。

 それと、当日もS氏と話したのですが、日本ではどうもこの手の高品質一体型オーディオシステムというマーケットがあまりないという問題も。長くオーディオを経験して、一体型でこの値段(¥165,000)でこの音が出る!といったカタチで本製品を正しく評価出来るバイヤーもカスタマーも少ない。Naimに限らず、国内ではBOSEやB&Oでもそこそこ高級な一体型オーディオシステムをリリースしていますが、どうもあの手の製品が日本で多く売れているという話も聞きません。

 でも、だからこそ、興味を持った人は一度でいいから音を聴いてほしいなーと思うのです。
 そしてこういった機器がリビングの窓際などに置いてある生活を想像してみて下さい。良い音…というか、楽しい音楽は、きっとみんなを幸せにします。自分もカタマリがなければ買っていたかもしれないな。音楽だけでなく、普段はPC用のスピーカーとして使ったりするのも楽しいと思います。
 ちょっとイヤラシイ言い方しますが、ハイエンダーオーディオファイルである某氏は、その場でmu-so買いました。自宅以外の場所で音楽を聴くのに最適だということで。

 ちなみに、今のオリオスペックは、mu-soもそうですが、イギリスミッドレンジオーディオの濃いプリメインアンプが集まっています。どちらも売り物ではありませんが、LINNのINTEKや、同じくLINNのMAJIK(LP黒箱サイズ)とか…。
 INTEKは自宅で聞いたことある上に、Majikは今でも手元にありますが、これらのアンプも本当に本当に音がよいです。ソースがデジタルやハイレゾ時代になって、益々あの時代のプリメインアンプの凄さに驚いている私です。どーでもいい話ですが、このエントリ書いてる今は、AudioLab 8000Aでハイレゾ音源鳴らしてます。もうね、音がイイとかワルいとかじゃなくて、顔がニヤけるんですよ、マジで(笑)

 これからオーディオを始める人、また、今までオーディオを散々やってきた人など、是非、ブリティッシュコンパクトオーディオの素晴らしさを体験して頂きたいのとともに、リビングの棚におくだけで楽しい音楽生活が約束されるmu-soも是非聴いてみて下さい。二つのスピーカーの前で眉をつり上げて聴くのだけがオーディオではありませんよ。

RICOH GR


▼2014年11月16日

KORG DAC-100mを返品してきた話

EB150069.JPG ヨドバシで安く売られていたのでつい購入。手持ちにDSDの音源も増えてきたしねぇ…と思ったのですが、これがまた色々とやっかいで、結局返品になったというお話。

 KORGのDAC-100m、コンパクトながらDSDネイティブで音源を再生できるということで、PCオーディオファンの方達の間では結構話題になりました。
 元々は同社のDAC-10での高評価から始まり、ちょっと面白い形をしたDAC-100、そしてモバイル用途に特化したDAC-100mの三種類が発売されています。

 私としては、この中でDAC-100mの形がとても気に入ってまして、既にUSB-DAC持っていますので購入はしていなかったのですが、数日前ヨドバシで特価販売されているのを発見。ポイント使えば数千円で手に入るし、本体を買えば付属ソフトAUDIO GATEのフルバージョンも手に入るし、当然DSD音源もネイティブで再生できるしで、なかなか得なんじゃないかなと。で、購入してきました!が、ここからが大変!!

 まず、購入後早速近くのカフェに入ってパッケージを開梱。MacBook AirのLate2013 13inchにドライバなどをインスコして接続してみても全く認識しない。あれ〜??と思いながらKORGのサイトを確認すると、近年販売されているMacのUSB端子だとKORG USBドライバに不具合があり認識しないと…。え〜!!!と思ったのですが、ま、購入前に確認を怠っていたのは自分なので仕方がない。家にあるMacBook Airの11inchで使えればいいや…と思ってあきらめました。
 が、結局色々あって全く使いモノになりませんでした。クドクド書くのもメンドイので、一気に箇条書きを。

1:新型MacのUSB端子だとDACを認識しない

2:YosemiteだとDACを認識しない

3:仮想環境のWindowsでは使えない

4:じゃ、Mavericksマシンならと思ったけど、今度はAUDIO GATEが起動しない
  (起動してもすぐ落ちる)

 家にあるMac5台を総動員して検証しましたが、もう何をやってもダメって感じw。

 一応、KORGのWebサイトでは「Yosemiteで起動しない問題は動作検証中」とか「新型MacのUSB問題は次期ソフトウェアのバージョンで対応します」とか書いてあるのですが、既にYosemite発表されて1ヶ月は過ぎてるし、最新MacのUSB問題についてはAudio Gate3発表当時(1年位前)から放置状態のようです。そもそも自分のMacは新型といっても最新じゃないし、このDACより前に発売されてるモデルだし…。
 となると、KORGというメーカーは、まともなUSBデバイスを作る能力がない会社なんだな、と判断するしかなく、残念ながら返品することにしました。

 音が良いという評判の製品ではあるのですが、PCに接続するUSB DACでこのサポート放置体制では、おそらく新しいマシンや新しいOSが発表される度に同じ問題を繰り返すんでしょう。
 つことで、これらKORG製USB DACの購入を検討している人は、特にMacユーザーは使えればラッキー程度で考えていた方が良いかもしれません。はっきりいってお勧めはしません。

OLYMPUS E-3 + Zuiko Digital 50mm F2.0 Macro


▼2014年10月28日

Naim Audioよりmu-so(無双)登場!

mu-so 長らく正式輸入が途絶えていたNaim Audioですが、意外なところより新製品が輸入されて販売されます

 その名も「mu-so」、名前は想像の通り、日本語の「無双」からきています。
 イギリスでも2014年9月下旬からデリバリーされているので、案外時間差なしで日本に来たね。

 値段については、イギリス価格が£895らしいので、そのまま本日のレートで計算すると、155,730円。日本の代理店価格が178,200円(税込)らしいので、なかなか頑張ってると思います。

 音質についてですが、WHAT HI FI?では★5つの絶賛ぶりですね。とてもパワフルでスケールが大きい再生音と評されています。欠点として「Sounds a touch thick at high volumes」とありますが、これは再生音を指すのか、スイッチに触れた効果音を指すのか、私の英語力ではわかりません(笑)

 その他richerSOUNDSという販売店のサイトでは、mu-soの紹介ページに私達ネイマー(笑)達がもっとも大事にしている再生リズムについて言及されています。

THE RHYTHM OF NAIM

Amongst hi-fi experts, Naim are revered for the 'timing' or sense of rhythm their products portray. The Mu-so is no different and manages to make many rivals sound cold and cynical by comparison. If you want to feel the soul of the music then no other speaker system around this price will match the sense of timing and cohesion on offer here.

 つことで、我らがフラットアーサーでも満足出来る音なのかな?

 スピーカーの構成としては3Wayのステレオ。最大出力は450wのデジタルアンプが搭載されています。アナログからデジタルまで多彩な入力端子を持ち、Wi-fi、bluetooth、USB、Ethernet、AirPlay、UPinPで接続が可能で、再生可能ファイルもFLAC /AIFF /ALAC /WAV /MP3 /AAC /WMA /Oggと一通りなんでも。
 もちろんハイレゾにも対応していますが、DSDは無理みたいですね。操作には本体パネルの他、スマホやタブレットで動く専用アプリも用意されています。
 国内モデルには言及がないですが、本国仕様ではフロントのスピーカグリルに赤・青・橙の3色が付属する模様。ちょっと残念ですが、メイド・イン・シナ製となります。

 私個人としては、今のところ使い道がないので買うことはないと思いますが、久々に正規ルートで日本に入ってくるNaim Audio、是非音は聴いてみたいですね。

▼2014年09月16日

Audirvana 2.0をTry Now

 噂のMac用高音質オーディオ再生ソフトAudirvana Plusですが、この度2.0へとバージョンアップしたようです。お値段は、新規購入が$74、1.xからのバージョンアップが$39となっております。円安ニッポンの昨今ではちょっと強気の値付けですね。
 私も1.5xを使っていますので、ニューバージョンには興味津々だったのですが、とりあえず試用版を入れてみることにしました。

 まずはAudirvana公式サイトトップページよりTry Nowを選択。ダウンロードが始まりますので、終了したらダブルクリックでイメージファイルを解凍。中には新しいAudirvanaが入っていますが、アプリのファイル名が従来の1.5xと一緒なので、従来からAudirvanaをお使いの人は、そのままHDDのAppフォルダにインストールせず、まずは別の場所にコピーしてアプリ名をリネームしましょう。でないと、古いバージョンが上書きされてしまいます。
 また、古いバージョンをお持ちの方は、ライセンスファイルも、旧バージョン用をちゃんとバックアップしておきましょう。まだ試していないですが、おそらく旧ファイルへ戻すことを想定していないような作りです。何かあったときのために…ね。

 HDDにコピーしてイザ起動。始めにiTunesのライブラリファイルを統合するかとか、Audirvanaのライブラリはどこに作るかとか色々聞かれますが、そこは適当に。
 そうそう、Audirvana2.0は、以前のバージョンみたいに、音楽ファイルをそのままアプリへドロップして再生するという手軽な方法はダメになったようです。そのためHDD内にきちんとライブラリフォルダを設定する必要があります。主に会社で使っていて、なおかつ曲データはPCに充電用に接続したZX-1内のデータを手軽にドロップして使っていた私からすると、ちょっと不便だな。この辺、このアプリが「手軽な高音質音楽再生ソフト」から「PCオーディオの統合環境」的な方向を目指し始めてるって事かもしれません。

 肝心の音については、確かに良くはなっていると思いますが、少し傾向が変わりましたね。1.5x時のPCオーディオっぽいタイトで反応が早い再生音に加え、もう少しオーディオ的になったというか、キャラが立つようになったというか、具体的に言うと少し低域とか少し強化された反面ユルくなった気が。他、音像表現もタイトというより少し空間が広がった気がします。これって、ヘッドホン系のユーザーにとっては、1.5xの音の方が好みだという人もいるような気がするなぁ。
 ただ、アンプ通してスピーカーで聴く分には、2.0の方がオーディーオ的快感はあるかもしれません。私は会社でHEGEL SUPERでイヤホンでしか試してないので、テキトーな事いってますけどw。

 オーディオ機器(あるいはアプリ)で「音の反応が良くて正確で味付けがない…」みたいな傾向は、ある意味オーディオ的には第一段階みたいなもので、そこから先、各社は自ら考える「良い音」を実現するために、音の傾向やキャラクターを決定づけていきます。今回のAudirvana 2.0は、単なる高音質再生アプリではなく、オーディオ的にも積極的に選ばれるアプリとなるべく、新たな試行錯誤を始めた段階なのかもしれません。
 いずれにせよ、好みの問題というのはあると思いますので、従来のバージョンを持っている人は、バージョンアップで上書きしてしまわず、古いバージョンのアプリとライセンスファイルはちゃんと残しておいた方がいいと思います。

 現時点での私としての評価は、音質についてはこういうのもアリ。ただ、使い勝手については従来バージョンより少し劣っているとの評価です。

 もちろん、新たにMac用高音質音楽再生ソフトをお探しの方へは、やや高価ですが、自信を持ってお勧めするアプリである事に変わりはありません。

▼2014年09月14日

もうLINNのDSシリーズにはいい加減飽きてきた

 ま、タイトル通りなんですけどね。

 自分もMajik DSを買ってそれなりに音は満足しているんだけど、ソフトウェアが酷すぎる。QNAPでNAS使って運用している人はわかりませんけど、自分は以前も書いたとおりMacmini運用なので、HDDのライブラリに対する信頼性はずっと上です。しかし、とにかく新しく追加した音楽を聴くのに手間がかかりすぎるというか…。

 サーバーソフトで元々使っていたTwonky Mediaですが、ハッキリいってこれまた微妙なソフトで、名前によるコンテンツの検索は不可能。新規に追加したコンテンツのrescanもタイミングもまた意味不明で、CDをライブラリに追加するとすぐに共有されることもあれば、一晩経ってもライブラリから参照できないことがあったりする。ま、当時は「ネットワークオーディオとかこんなもんかもね…」と思ってたので、さほど腹も立ちませんでしたが。

 ということで、これらの不満を受け、満を持してLINNから登場したKazooというPC用サーバーソフト。まだβ版ながら、ライブラリの文字検索が可能な上に、Twonkyだと出たり出なかったり(つか出ないことが殆ど)ジャケットの画像もきちんと表示されるとのことで、ようやくiTunes並みのネットワークオーディオ環境が揃った!と思ったら、このKazooはそりゃ酷いもんで、新しくライブラリに音楽を追加した後は、rescanコマンドを実行しようが何しようが、絶対にコンテンツは再表示されず、例で言えば新しいCDを追加したときは、サーバー(この場合はMacminiね)を再起動しないといけないうえに、再起動後のライブラリ読み込みもこりゃまた遅くて、なんだかんだで全てのコンテンツが登録されるまで1時間位かね…かかる。
 んで、このソフトがコンソール見るとエラく行儀悪いソフトで、起動中しつこくHDD内をrescanかます上に(それなのにどうして新規追加コンテンツは認識しないんだろ?)、度々暴走して、Macminiを操作不能に陥れる。ソフトウェア的なフリーズではなく、あくまでも「暴走」なので、CPUにものすごい負荷をかけて、時折筐体が熱くて触れねーよって感じになるんだよね。近いうちマシンをぶっ壊すんじゃないかな、このサーバーソフト。

 てな感じで、他のLINN DSユーザー達がこれらの不便を「こんなもんでしょ」と受け入れてるのかどうか知らないけど、昨今ではUSB/DACも随分と音がいい製品が増えてきたし、こんな不便を強いられてまでLINNのDSシリーズ使うのがアホらしくなってきてる昨今です。
 特に新しいCDや、新しくダウンロードした楽曲データを聴くのに、なんだかんだで1時間近く格闘しなきゃならんというのは、だんだん我慢も限界に近くなってきたな。

 私の周りでDSシリーズ手放す人もちらほら出てるけど、LINNはもう、内部開発なんてぬるいこと言ってないで、一流ベンダーに外注するなりなんだりして、まともなサーバーソフトウェアとコントロールソフトウェアを開発しない限り、そろそろこれらの製品我慢して使ってる人もいい加減見切り付けるんじゃないかと。それか、意地張ってないでおとなしくiTunesとのライブラリ完全互換のソフトにするとかね。
 音質云々というめんどくさいこと除けば、どう考えても、iTunes使ってる方が全然幸せなPCオーディオ環境が得られるし。その操作体系でDSシリーズの高音質が味わえるのなら、みんな幸せになれると思うのですが。

 某オーディオ評論家の人も「ネットワークオーディオにはCDをサッと載せて音楽を聴く手軽さがない」みたいな事書いてた気がするけど、ネットワークオーディオ開発してるメーカーは、そろそろハードウェア依存じゃなくて、本気で使いやすいソフトウェアをなんとか開発しないと、今のネットワークオーディオは、いわゆるUSB出しのPCオーディオに潰されるんじゃないかな。

▼2014年09月10日

ゆりっぽい音楽からお勧めを紹介してみる

 昨今ゆりアニメが熱いのです。いや…別にいい歳して「百合に目覚めた」という訳ではないです、そもそも目覚めようがないしw。

 熱いのは、いわゆる「百合アニメの音楽」だったりします。これが私みたいな小編成のインスト音楽〜あえて軽音楽と言わせてもらいます〜が好きな属性持ちにはたまらないのです。ということで、3枚ほど最近のお気に入りゆりアニメ音楽を紹介。



ゆるゆりのおんがく♪YURUYURI ORIGINAL SOUNDTRACK

 まずは1枚目。テレビアニメ「ゆるゆり」の音楽集。このアニメは自分も見ました。面白かったです、歳納京子とつきあいたい(笑)

 音楽としては、ストリングス系がメインですね。基本は単純な演奏から始まり、徐々に楽器が追加されて賑やかになった所で終わる、あるいはテンポアップした所で終わる…といった構成。打楽器は少ないのですが、少しコミカルな印象があります。また、曲の終わり方が割と「ジャン」とサッパリ終わっているのが多いのも好印象です。



TVアニメ「ゆゆ式」オリジナルサウンドトラック 「Feeling good (nice) wind」

 2枚目、テレビアニメ「ゆゆ式」の音楽集。こちらのアニメは3〜4回位見ました。それなりに面白かったかな。やや男目線系ゆりって感じ。

 音楽的には、色々な楽器の音がしますが打楽器の音が印象的。あと、メロディーが美しいですね。少し哀愁を帯びた曲からコミカルな曲まで、BGM集の王道的構成。仕事しながら、あるいは何もしてないときにボーッとしながら聴くのにも、曲に変な主張が感じられないせいか、楽しい雰囲気で聴いていられます。



TVアニメ「桜Trick」オリジナルサウンドトラック

 3枚目、テレビアニメ「桜Trick」の音楽集。こちらのアニメは全く見たことないです。ジャケットに描かれている絵のキャラも知りません。

 こちらは、アニメ系オーディオのサイトで「ハイレゾ版音質めちゃめちゃいい!」と言われていたので、販売サイトで試聴してみました。序盤のいかにもな「ゆり」っぽい曲から、ピアノベースの音楽が美しくて、ぶっ続けで3回位全曲試聴回しちゃったので、なら買うかとw。音質は良く分かりませんけど、曲はピアノベースの美しいメロディが多くて、私的にはかなり満足しました。

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 上記のような、いわゆる「アニメBGM集」って、一般の音楽好きを自称している人達はまず聴かないと思うんですよね。せいぜい最近流行の菅野よう子系位までじゃないでしょうか。
 しかし、例えば作曲を含めたオーケストラ演奏の伝統が、今ではハリウッド映画の映画音楽で受け継がれているように、小編成による軽音楽、伴奏音楽というのは、もはや日本のアニメがなければ途絶えてしまうのではないかと。
 逆に言えば、毎週数十本も制作・放映されているアニメの殆どが、テーマ曲の他に、その作品にあったBGMをちゃんと作曲しているんです。これって結構すごいことだと思います。
 一方、テレビドラマの方はどうなんでしょうね。NHK大河ドラマのような大作になるとBGMも作曲されるようですが、普通のテレビドラマは結構使い回しが多い印象。

 歌がないインストの音楽なら、わざわざアニメ音楽など聴かなくても、JAZZがあるじゃないか!とおっしゃる向きもあると思いますが、なんというか、正直この歳になってくると、JAZZのあのクドさとはまた違うというか…、プレーヤーが情熱的に演奏されているのはわかるのですが、あえて言い切りますけど、毎日そういう我の強い音楽ばかりが聴きたい訳でもない。

 もちろん、そのようなアーティストの情熱に溺れたい気分の時だってあるのですが、もっとね…普通に音楽が鳴っていて、アクがないさらさらとしている、それでいてリラックスしたり、何となく楽しい雰囲気になれる音楽。そういう力の入っていないジャンルの軽音楽ってのがもうすこしあってもいいなと思うのですが、私にとっては、上で紹介したような音楽が、それらの要求に当てはまる訳です。



Music for Children (Schulwerk)

 それでも「アニメの音楽買うのには抵抗ある」という方は、実写ゆりジャケw、例えば上記のような音楽なんて如何でしょうか。こちらは1950年代、ドイツ人音楽教授のカール・オルフにより作曲された、子供の教育のための音楽を集めたアルバム。飽きっぽい子供向けに書かれたせいか、短い曲が多く、またとても微笑ましい気分になる音で溢れています。どんな曲なのか気になる人は、こちらで試聴ができます

 このような音楽が、もっと沢山買えるようになるといいんですけどね。

 


▼2014年08月26日

音が良いUSBケーブル、FitEar USB01-Micro35を入手してみた。

IMG_20140826_124901 世間では「音の良いUSBケーブル」というジャンルがあります。私はというと、実はおーまにのクセに結構懐疑的ではあるのですが、にしても以前ワイヤーワールドのUSBケーブルを導入して、それなりに良い結果を得ていることから、高品質USBケーブルに関して全てを否定している訳ではありません。ま、一定品質のケーブルであればそれなりのパフォーマンスは示すのではないかとの立ち位置。

 それと、オーディオとは別の視点で、高品質なUSBケーブルというのは最近流行っておりまして、スマホなどの充電が早くなるUSBケーブルというのは、家電量販店の一角を占めるまで市場に受け入れられるようになりました。実際使ってみると確かに充電早いし…。

 ということで、音はともかく、電気を伝達する道具としてのUSBケーブルには、明らかに製品によって優劣があるようです。

 そんななか、私の会社オーディオ(笑)については、MacBookAirからHEGEL SUPERへの接続に、ごく一般的なエレコム製のUSB→MicroUSBケーブルを使っていたのですが(写真違うけどおそらくこの製品、ここをもう少しグレードアップすれば、更なる音質向上が見込めるのではないかというスケベ心がでてきてしまい、早速会社帰りのアキヨドで商品を物色。
 ただ、MicroUSBのオーディオグレードUSBケーブルって数が少ないんですよね。更に私がほしい15cm前後の長さに至っては、モンスターケーブルの製品しか見当たらず、モンスターはね…と思っていたのです。

 ならばネットで検索!ということで見つけたのが、我らがFitEarのUSB01-Micro35というケーブル。なんでもシルバープレイテッドワイヤー(要は銀メッキだ)採用の高品質USB→MicroUSBケーブルだとのこと。同社のイヤモニ用交換ケーブルFitEar cable 001と同じ線材っぽい?お値段13,800円也とUSBケーブルとしてはベラボーな値段ではありますが、オーディオ用ケーブルとしては「こんなもんかな」という値段(笑)なので、サクッと手に入れてみました。

 早速会社でエレコムの安物ケーブルから交換して音を聴いてみますが、これはっ!確かに音が良い!!いいですよこれ!!!

 試聴はMacBook Air → Audirvana Plus(この間にFitEar USB01-Micro35)→ HEGAL SUPER → 萌音 で行ったのですが、エレコムのUSBケーブルと比較して、

1:音が締まる
2:低域が伸びる
3:位相がより正確になった気がする

 という変化となりました。
 以下あまり大げさにとらえられても困るのですが、聞いた印象を少し強調して音の違いを具体的に説明すると、エレコムではFitEarと比べ、音のエッジがふらついていて締まりがないように聞こえたこと。低域についてもエレコムはFitEarと違い情報量が減っている気がしたこと。そして位相については、エレコムのケーブルはFitEarと比較すると、音の出だしと消える所が少し滲むような表現になり時間軸が不鮮明、結果ステレオ効果をやや阻害している気がすること。その他全域で音の情報量がエレコムだと不足気味で、FitEarケーブルの方が音の種類が増えているように聞こえること。ま、値段なりの価値はあったのかな。

 参考に、様々なMicroUSBケーブルを比較試聴した方のページリンクを貼っておきますが、その中で私が求めている15cm程度のオーディオグレードMicroUSBケーブルは、実質モンスターとFitEarしか存在しないことになります。ただ、上記のページだと今回入手したFitEarケーブルはそんなに音が良いという評価ではないので、長さや接続アダプタが許容出来る人にとっては、別な製品を試してみても良いかもしれません。なんだかんだでせいぜい数千円だし。

 もちろん「音のいいUSBケーブルとかオカルトだろ!」という方にはお勧めしませんが、PCオーディオ周りの手軽なアップグレードを考えている方には、このFitEar USB01-Micro35、なかなかお勧めだと思いますよ。見た目もなんかカッコイイしw。

Nexus 5


▼2014年08月11日

カスタムIEMのフィッティングを確認しよう(ユニパでもOK)

 Music TO GO!からの受け売りなんだけどね、ただ向こうのリンクが切れてたので、敢えてこちらでも紹介します。

 注文したカスタムイヤホン(以下IEM)、また普段使用しているイヤホンのフィッティングテストとして、sensaphonicsではテストページでテストトーンを公開しています。

 テストページ中盤にMP3形式とWAV形式のテストファイル2種類のリンクがあり、ダウンロードして使用します。ま、テストトーンなのでどちらでも良いと思いますが、自分は何となくWAV形式をダウンロードしました。
 そして、ダウンロードしたzipファイルを解凍すると「sealtest_wma」というフォルダ内に音声ファイルが2つできています。「salt_tones.wma」が、50Hzと500Hzのトーンが交互に流れるファイル。「simul_tones.wma」が、50Hzと500Hzのトーンが同時に流れるファイルです。
 こちらをお使いのPC…USB/DAC経由でもなんでも良いですが、で再生してイヤホンのチェックを行うというものです。特にカスタムIEMの場合は、フィッティング確認にも使えるとあります。

 チェックの方法としては、

1:音量を少し大き目にする
  小音量だと低音は減衰してしまいます。爆音にする必要はありませんが耳に負担がない程度に音量を上げて下さい。

2:ダウンロードしたファイルを再生して聞く
  以下、sensaphonicsのテストページからリザルトを少し意訳して転載します。

聞いた結果考えられる問題解決方法
50Hz-500Hzが同じ大きさに聞こえるイヤホンとフィッティングは正常ロック・オン!(正常)
50Hz-500Hzが違う大きさに聞こえるイヤチップが正しく装着されていない、カスタムIEMの場合はフィッティングが不完全イヤホンを再度挿入し直して下さい。正しく聞こえるまで何度かイヤホンを再装着して下さい。マニュアルにある正しい装着方法を再確認して下さい。
50Hzが聞こえないイヤチップが破損、カスタムIEMの場合は耳型が合っていないイヤホンが故障していないとするなら、もう一度イヤホンを装着しなおして下さい。左右とも同様に50Hz帯が聞こえないか確認して下さい。問題が解決しない場合は、あなたの聴覚についても確認して下さい。格安イヤホンの場合、再生周波数帯域外の場合もあります。
その他の問題イヤホンの故障・聴覚の問題イヤホン購入元に問い合わせて下さい。あるいはあなたの聴覚をテストして下さい。

 つまり上記のテストトーンで、50Hzと500Hzの音が両方とも左右同じ大きさ(センターに定位)に聞こえれば問題ないという事になります。そうでない場合は、ユニバーサルイヤホンの場合は装着方法を見直す、カスタムIEMの場合も装着方法を見直す…といっても、カスタムだと普通に装着すれば耳にすっぽり入る訳ですから、基本的には耳型がきちんと合っていなくて、どこかから音が洩れて低音が減衰していると考えられます。

 イヤホンで低域がきちんと出ない理由の殆どは、耳へのフィッティングが正しくないことが原因になります。このテストトーンを使えば、カスタムIEMの仕上がりチェック以外にも、通常のユニバーサルイヤホンを装着する際のチェックにも使えます。50Hz-500Hzの音量違いの他、左右で音の聞こえ方が違うときは、両方同じに聞こえるよう、イヤホンを少しねじってみたり、チップを交換してみたりして、色々試してみましょう。

 また、50Hzという音は、一般的なPC内蔵スピーカーや、格安イヤホンだと再生できなかったりします(実はホームオーディオでも50Hzまでフラットは割とキツイ)ので、全く聞こえなくても慌てないで下さい。
 参考までに手持ちの非高級イヤホンだと、iPhone5純正イヤホンは問題なく聞こえましたが、Motorola 201Mに付属するイヤホンでは、どうやっても50Hz帯域はまともに再生できませんでした。

 ちなみに私のMonetちゃんは、ちゃんと問題なくテストトーンの再生が出来ましたよ。

MUSIC TO GO!/佐々木 喜洋

▼2014年07月30日

Monetちゃん早速リケーブル

E7300039.JPG ちょっとまえに届いた「Monet/萌音」、お陰様で毎日調子よく萌え萌えさせて頂いているのですが、このケーブルについてはどうにかならんのかと。

 Monet純正でセットされているケーブルはFitEar cable 000というもので、単体販売価格が3万円するというヘヴィーなケーブルなのですが、これがまた結構堅いケーブルで、自宅などでリスニングするにはいいとしても、通勤中に使うにしてはちょっと実用性がイマイチ。
 また、聴いているときにケーブルが何かにこすれると、耳に直接振動が伝わってしまい、思わず「お”っ!」とか「お”お”−っ!」とか、某島風みたいな声を上げそうになっちゃいます。

 つことで、もっと普通のケーブルでいいよとおもって購入したのが、FitEar cable 002というもの。お値段はグッとお安く5,000円(税抜)で、プラグ部分とコネクタ部分は000と同じながらも、ケーブル本体は実にしなやかと言うか、極端に安っぽい感じ。でもまぁ、普段使うにはこっちの方がいいかもね。

 音の違いですが、さすがに000と比べると結構違いはあって、002に交換したときは音量が1〜2段下がったのかと思いました。細かい音質の違いよりも、耳に届く全体のエネルギーが減ったような感じ。あと、音が少しナローになるのも仕方ないのかな。

 ただまぁ…全然ダメかというとそうでもなくて、普段使いではこれでもイッか、というレベルの差です。逆に言えばMonetの純正で002が付属していて、そこに3万円積んで000ケーブルに交換した時の音の差を考えると、コストパフォーマンスは悪いかなと。ケーブル堅くて使いにくいし。
 もちろん、イヤホンにここまで金突っ込む人達にとっては、コストパフォーマンス云々の世界ではないんですけどね。

 ということで、Monetを聴くときは、家ではFitEar cable 000を、外ではFitEar cable 002を使いましょう!という訳にもいかなくて、Monet本体側のコネクタは、ケーブルの取り外しは可能でも、日常的にケーブルを抜き差しする前提の耐久性を持っている訳ではないとのことです。
 なので、普段のケーブルは002を使い続け、ここ一番本気の時だけ000に交換して聴いてみる、という位の運用にしといたほうが良いのかもしれません。それかケーブル堅いのあきらめて000を常用するとかね。

OLYMPUS E-3 + Zuiko Digital 50mm F2.0 Macro


▼2014年07月28日

イヤモニ。つくったぴょん!【FitEar MonetカスタムIEM:編】

E7280034.JPG いきつくとこまできちゃったな…という自覚はあるのですが(笑)、ついにイヤホン道楽も最終章!いや、ひとによっちゃこの先新たなスパイラルに堕ちるひともいるようですが、ついにやってしまいましたカスタムイヤホン(以下:カスタムIEM=Custom In Ear Monitorの略)。しかもあんた、よりによってネタ感満載のMonet(萌音)ですよw。

 この機種については、短いながらも以前こちらで印象を書いています。その後、漠然とカスタムIEM作りたいなと思っていたので、適宜機会があれば色々なメーカーと機種を試聴させてもらってました。
 ここ1〜2年でカスタムIEMを作るメーカーはかなり増えましたが、そんな中、輸入品はなんだか面倒そうなので、初めての私にはカナルワークスか、くみたてLab、そしてFitear等、国産メーカーのどれかだろなと。で、そもそもカスタムIEMいいなと思ったきっかけがFitearなので、やはりそちらでカスタムを作る事にしました。

 カスタムIEMって何?と思われる方もいらっしゃるかと思いますが、簡単に説明すると「世界で自分だけのために作られた専用イヤホン」となります。お耳のお医者さんにいって、耳穴にシリコンを入れて制作した型(「耳型」といいます)を取得し、その形を元にイヤホンを制作するのです。
 元々はプロの演奏家がステージで自分の音をモニタするために作られたのが始まりですが、圧倒的な遮音性と複数のバランスドアーマチュアドライバがもたらす高音質と、当然ながら完璧に耳にはまるフィット性が評判となり、近頃は一般音楽ファンでも注文する人が増えてきました。詳しく知りたい方はこの辺の記事を読んでみて下さい。
 自分も本当はもっと早くにカスタムIEM作りたいと思っていたのですが、なんせ耳型採取に行くのが面倒でね…。Fitearブランドを持つ須山補聴器店は、会社に行くついでに寄ってこられる距離なので、地方在住の方から比べれば圧倒的に恵まれている環境なのですが、ほら…自分みたいなコミュ症にはお医者さん行くのって精神的ハードルが結構高いのです(笑)

 メーカーが決まれば機種選びですが、短時間の試聴を何度かしたイメージだとMH334はなかなか好印象だけどちょっと物足りない。MH335DWは私的には少しやりすぎなのか好みに合わず、ここはやはりMonetだなと。
 ネットで検索するとこの機種はソースを選ぶとか音に癖があるとかいわれるようですが、私は別に音楽をモニタしたい訳じゃないので気持ちよく聴ける方がいいです。念のため注文直前に再度MH335DWと比較しましたが、初めて聴いたときに書いている「解像度を強調しない音色が素晴らしい」という印象は、2年近く経った後でもあまり変わらんもんだなと…。短時間の試聴で得たイメージは割と正しかったって事ですかね。注文後に読んだ記事ですが、BRAKSのこの記事は自分が感じた印象に近かったです。購入直前の試聴はアニソンじゃなくてZEPだったしw。
 もっとも、試聴では当然ユニバーサルなチップ(一般的カナルイヤホンに付属しているシリコンチップ)を使って無理矢理耳に当てて聴いている訳で、自分専用のカスタムとして仕上がった時の音は想像するしかありません。

 発注と印象採取は7月初め頃。到着が今週末なので、およそ3週間で完成したことになります。夏の始めは音楽フェスなどのためプロからの注文が殺到するらしいですが、その割には早く届いたかな?という感じ。
 お値段はペコちゃん価格で154,000円でしたが、現在は既に164,900円へと値上げされてます。ホントは須山補聴器で直接作りたかったんだけど、以前電話したら「中野経由だと少しだけ安いですよ」と教えてくれたのと、そもそも私が注文したときは、須山での直接受注がストップしていたので。
 アホみたいな価格ではありますが、カスタムIEMとしては安くはないけど特別高くもないという価格です。なんせ自分の耳にしか入らない特注品ではありますので、そんなもんかなと。

 音については、そりゃもう素晴らしいの一言でした。初めてのカスタムIEMなのでちょっと心配だった耳への密着具合も問題なく、リフィット(形状再修正)も必要なく、左右の耳にピッタリ入りました。初めて入れるときはちょっと苦労しましたけどね、あと初めて抜く時も(笑)
 また、遮音性についてはちょっと想像を絶する程で、シリコンやスポンジなどを全く使っていない剛体ながら、耳穴にFitしたイヤホンはここまで外部の音を遮断するものなのかと驚きました。また高い遮音性のおかげで、音楽を再生する音量が下がるのは耳に優しいかもです。この辺はステージアーティストの耳を守るのがきっかけで開発されたカスタムIEMらしいところ。

 音質についても実に楽しいです。圧倒的高解像度ながら、それぞれの音が弾んで踊る様が手に取るように実像感たっぷりに感じる事ができて、なかなか音楽を聴くのが止まりません。届いた初日は、夕方から深夜までぶっ通しで聴いちゃいましたもんね。それだけ長時間聴いていても、音量そのものは控えめだし、さらに耳への負担がとても小さいというか、耳に異物が入っている気がしない程のFit性なので全然疲れませんでした。今までのイヤホンは、どんなに頑張っても2〜3時間経つとチップの負担で耳が痛くなってきましたからね。
 また、これまで聴いた限りでは、市販のオーディオ機器でよくあるような「エージング」の効果もあまりない気がします。最初から全開で、その後何時間聴いても別に音は変化しない感じです。

 一般的なイヤホンから考えると、常識外の価格と購入方法ではありますが、これだけのリスニングルームを手に入れられたと考えれば、今のところ私的な価格満足度は高いと感じています。万人に勧められるアイテムではありませんが、一生に一度位、このように突き抜けたアイテムを手に入れてみてもいいんじゃないでしょうか。

 もっとも、これだけ高価な商品なので一生モノ!と考えたくなるものですが、残念ながら人の耳型は成長(加齢)とともに変化するそうで、極端な場合人によっては2〜3年でリフィット(形状修正)が必要になる場合もあるそうです。なので価格的には一生モノにしたくても、一度買えば死ぬまで使える!といったモノでもなさそう。また、当然ながら他人へ譲渡しても意味がないアイテムとなります。

 写真はペコちゃんで配っていたカスタムイヤホンガイドの表紙と今回制作した私のMonet。シェルは透明、右:Flat、左:earthの文字を入れてもらいました。背景のキャラクタは坂本萌音というそうで、この商品のイメージキャラクタ(笑)私みたいなヲタを釣るため カスタムIEMをより身近なものにするため、あちこちで活躍しているようです。自分も壁紙ダウンロードしてこようかなぁw。

OLYMPUS E-3 +Zuiko Digital 50mm F2.0 Macro


▼2014年07月06日

HEGEL SUPER USB/DAC

R0322512.JPG モバイル用というか、ノートパソコン用のDACとしては、既にAudioquestのDragonFlyを使っているのです。
 こちらの音も別に不満だった訳ではないのですが、最近の小型USB/DACの充実ぶりを見ると、もう少し何か欲しいな…とか思っちゃったりして。あとまぁ…DragonFlyの使用場所は90%以上が会社なので、別にUSB端子直付けでなくてもいいかなと。
 そんな事を思いながら、最近評判になっているnanoiDSDとか、KORGの100mだとか、お店でチラ聴きしたりしていたんですよね。でもまぁ、これらのユーザーには悪いですけど、DragonFlyを買い換える程でもないかなと。
 そんな超小型DACをいくつか聞いてみると、HERUSは確かにすごく良かったですが、色々調べてみるとこの製品少し微妙みたいですね。品質が安定しないのと、USB接続時に何故か出力が最大音量になってしまう不具合があるようで(DSD転送上の問題らしいですが)、こういう余計な神経使う製品はちょっとね。

 これら以外、超小型にこだわらなければ、結構音がいい製品は沢山ありそうですが、なんせ会社で仕事中に使う予定なので、あまり大げさにはしたくないというか、余計なスイッチとか付いている製品はイヤだったんですよね。そうじゃなければKORGのDAC100とかに逝ってたと思いますが、会社の机にあんなの置いておくのもね〜。ま、M-Audioのインターフェイス置いて仕事してる人もいるので、別に構わないとは思うのですが、なんか恥ずかしい(笑)

 なんて視点で色々探してみますと、目に留まったのがこのHEGEL SUPER。アルミ筐体のコンパクトなボディがとてもカッコイイ!某FaceBookでは「音が良くてあと見た目20%で決めた」とか書きましたが、実はこの時点では見た目100%!欲しくなっちゃいました。HEGELはアンプやDACでも有名なブランドだし、音が悪いって事はないでしょう。
 丁度店頭で試聴できる機会があったので、チラッと音を聴きました。いいじゃないですか〜これにしよ!その時になってようやく物欲が「音80%外見20%」の比率になりましたよ。その後、ボーナス支給日を待って無事ご購入。しかしこの製品、都内でも在庫もってるお店少ないですね。あまり話題になってないのかな。

 話題になっていない理由は想像付いていて、今時5万円弱する実売価格ながら、DACとしては最大96kHZ/24bitという、ちょっと枯れたスペックだからかもしれません。話題のDSDにも対応してないしね。
 ただまぁ…、例えばnanoiDSDや100mが「価格を考えればお買い得な性能」みたいに語られるのと違い、このHEGEL SUPERは本当に「音が良い」。DACのキモは高品質なアナログ変換にこそ価値があるんだなと改めて実感。そういえば大阪の逸品館もべた褒めすなー。

 使ってみて特に感じるのが「音が濃厚」であるということ。これはDragonFlyがストレートな音の良さを発揮していたのとは少し違っていて、なんというか、オーディオ的快感を感じる事ができます。仕事中に遊びで(笑)聴くには本当に良い刺激。最近買いまくっているハイレゾ音源もまた伸び伸びと歌ってくれて本当に快感です。

 世の中のこの価格帯のUSB/DAC全てを聴いている訳ではないので、実は私が知らないだけで、世にはもっと音が凄い製品はひしめいているのかもしれません。しかし、音は良し!そして見た目もカッコいいこのHEGEL SUPERが、あまり話題になっていないように思えるのが、ちょっと不思議な気もしました。

 変な話、ここのところ、毎日会社に行くのが楽しみになってます(笑)

RICOH GR



 

▼2014年06月29日

ハイレゾが止まらない

 レッドツェッペリンのハイレゾを買い、マイケルジャクソンもハイレゾ買いましたが、なかなか私の「ハイレゾ欲」が止まりませんね。結局ツェッペリンの「I」と「II」も買ってしまいましたし、更に王国民ではないのですが、田村ゆかりの「のうりん」ハイレゾも買ってしまったし、マイケルジャクソンのスリラーまで。
 ついでにJAZZ永遠の名盤であるソニロリの「サックスの巨人」を買ったかと思うと、ちょっと前に買ったClariSの「PARTY TIME」もハイレゾで出ていやがって、くそぅ…CDはねんどろいど買ったと思えば!と訳のわからん理屈を付けて買っちまいましたw。

 おかげでなんというか、近頃は「日々1レゾ」みたいな生活を送ってます。

 で、知らない人は「ハイレゾって何がいいの?」と思われるかも知れません。また、既に持っているCDを何故ハイレゾで買い直すの?とかもね。
 技術的な説明はWebで検索して頂くとして、音楽ファンがハイレゾを買う理由は、例えば名盤とされているクラシックやジャズ・ロックのリマスター版、もしくは高音質アナログ版がでて買うときの心境に似ているかもしれません。

 それと、やはり新しい技術により、知っている音楽の魅力が再発見出来るってのは、とてもエキサイティングです。

 例えばツェッペリンの音楽については、正直今まで断片的にしか聴いたことがなかったし、ベスト盤CDを買ったのも割と最近です。
 しかし、今回ハイレゾでリリースされたI〜IIIは本当に素晴らしいものでした。どれも買ってから今までの短期間で最低10回以上はリピートして聴いてます。以前もどこかで書きましたけど、私は子供の頃、エレキギターのピーク音が苦手で、今でも嫌いではなくても得意ではないため、ロケンロールへの入門は大分後だったのですが、その苦手な筈のエレキギターも実に気持ちが良い。以前の私なら「Good Times Bad Times」のライブ音源とか繰り返し聴くことはなかったと思うんですよね。でもこのハイレゾだと聴けてしまう。
 もちろん、ハイレゾ音源だから音がいいだけではなく、それにはリマスタを自ら手がけたJimmy Pageが自分で「すげぇー頑張っちゃった」とか自讃してる仕事ぶりもあるんでしょうが、今まで知っていてもそんなに好きでなかった曲が、新しい技術で大好きになれるって、すごいことだと思います。オーディオ技術の発展バンザイです。

 他、以前は微妙っぽい?と書いているDeep Purpleの「Machine Head」ですが、Lazyについてはハイレゾ版が文句なしに良い、というか、前奏がカッコよすぎです。こちらもエレキギターバリバリのサウンドですが、自分はハイレゾだと気持ちよく聴けてしまうんですね。

 それと、アニソンのハイレゾも結構いい感じ。田村ゆかりののうりんは、王国民でない私も王国への入国申請しちゃおうかって位萌え萌えな声だし、ClariSのPARTY TIMEについては、あの少し機械音声っぽい独特な声が、ハイレゾ化で実に可愛らしくなってる。
 アニソンって偽レゾ疑惑も囁かれているジャンルではありますが、少なくとも今まで私が買ったハイレゾアニソンは、どれも良いものでした。

 ということで、ハイレゾ、益々盛り上がってくれるといいですね。

▼2014年06月10日

微妙だとの評判だったMachine Headハイレゾを買ってみた

 私のロックの師匠wであるこの方この方が、「Machine Headのハイレゾは微妙」と仰っていたのです。
 でも、心の中で私は「えーだってお二人は往年のロックアルバムによくあるリマスタ版だとか高音質版とか聴いての評価でしょ〜、自分のCDはそういうたぐいのものじゃないし」とタカを括っていたのです。
 だって、自分の持ってるDeep PurpleのMachine Headは、若造の頃に買ったそういう高音質版とは無縁なごく普通のCDですから。買ったのってもう20年位前なんじゃないの?

 つことで、ありがたいご神託を無視して、最近ではハイレゾに浮かれ踊っている私は、またまたHDTracksのカートをポチりと。ダウンロード販売って、24時間のべつまくなく仕事中だろうが何だろうが買えるのがヤバイよね〜と、無事ダウンロード終了。今回の決済はペイパルではなくVISAカードで。クレカでもちゃんと決済出来るのか疑問だったので。

 早速AudirvanaとDragonFlyで音出し!聴き始めて2秒、ハイウェイスターの冒頭エレキギターの音を聞いた瞬間、あ〜なるほど〜と理解しました。

 何がロックかとか、ロックンロールの目指す世界とか、そういうめんどくさい事はどうでもいいのですが、このMachine Headに関していえば、ギターやベース、ドラムなどの音が綺麗に分離して伸びやかになっています。いや…むしろなりすぎな印象。これがジャズとかクラシックでは間違いなくプラスに働くんでしょうけどね。
 しかし、元祖ヘビメタともいわれるDeep Purpleの場合は、そのクリアさと引き替えに迫力を失っているような気もしました。思い出してみると、自分の持っているCDでは、もっと音がダンゴでギターとか歪んで汚い感じ?だった気がします。

 更に副次的な効果として、ハイレゾ化したおかげで、楽器の分離と情報量が飛躍的に増えているせいか、演奏がややゆっくり聴こえるんですよ(笑)。コレってオーディオ的には正しいことなんですが、ロック的にはね…どうなんでしょ。

 かといって、先日解禁になったLed Zeppelinとか、ハイレゾ化して本当に良くなった印象ですし、同じDeep Purpleのハイレゾでも、ちょっと前に買ったMade in Japanの方は高音質と迫力がうまく同居している気がします(これもファンにとっては色々な意見があるようですが)
 このMachine Headについては、まだハイレゾ元年に近い2012年に発売されたデータなので、エンジニアの方もハイレゾロックの音造りには慣れていなかったのかもしれませんね。

 とはいえ、音質的には手持ちのCDなんかよりもはるかに高音質なので、コレはコレで満足です。楽しんでいこうと思います。それに、こういうのは例え微妙だと聞いていても、自分で毒を喰らわないと納得しないので。

 そうそう…お値段ですけど、17.98ドルでした。円安の今となっては日本のe-onkyoでも2,571円なので、無理してHDTracksから買う必要もないかもしれません。

▼2014年06月09日

Necromancers of the Drifting West/Third Ear Band

P6080094.JPG とある日、ネットで何となくThird Ear Bandについて検索していたら、私がまだ見たことがないNecromancers of the Drifting Westなるアルバムが発売されているのを発見!
 調べてみるとアルバムというよりブックレットにCDのおまけが付いている商品のようで、これは手に入れなければと思い、ネットでCD屋さんを検索してみると、全て売り切れ+再販の見込みなし。だったらヤフオクで!と思って無事手に入れました。送料込みで2,000円位かな。

 で、早速リッピングして聴いてみたら、あれ?なんか聴いたことあるな…。
 さっそく調べてみると、どうやらCDの内容は既に持っている「Abelard and Heloise」と同じ内容でしたw。よく見るとゾンアマのレビューにもちゃんと書いてありますな。

 Abelard and Heloiseは廃番になって長いので、そのアルバムを求める人達がこぞって買って品切れになったって事でしょうか。ま、外人バンド追っかけてると、たまにはそういうこともあるよねー(笑)

OLYMPYS XZ-1


Made in Japan/Deep Purple ハイレゾ!

 往年のロケンロールハイレゾリリースが続いています。ツェッペリンのハイレゾですっかり気分をよくした私は、同じくHDtracksでDeep Purpleの名盤「Made In Japan」についてもハイレゾ音源を購入。こちらも5月末に発売されたばかりの音源みたいですね。

 さっそくZX-1で聴いてみたいのですが、これがまた素晴らしい!特に名曲「Smoke on the Water」の冒頭、エレキギターの独奏部分がもう痺れるというか悶えるというか…以前CDで聴いたときはここまで気持ちよくはなかった気がするんですけどね。気のせいかな。

 ハイレゾだから音がいい…のか、リマスターだから音がいいのかはわかりませんけど、こちら金曜日の夕方に買って、土曜日・日曜日とほぼエンドレスで聴いていましたので、購入早々10回は聴いている。これだけで充分17ドルの元は取ったようなもんです。

 ツェッペリンもそうですが、あの当時録音されたロックンロールには、まだ私達が聴いたことがない、沢山の音の情報が詰まっているんだなと思いました。ハイレゾ、楽しいですね!

PARTY TIME/ClariS

P6080093.JPG 「クララとアリス」だから「ClariS」ってのは、アリスさんがこのアルバムで引退するって聞いて初めて知りました。なので今回のアルバムが現役ユニットとしては最後のアルバムだそうです。
 で、どうせ開けないくせに「限定版フィギュア付き」とか買っちゃうんだよなぁ〜(笑)

 さっそくリッピングして聴いてみました。

 いいですねぇ、どことなく人工音静的でありながらも、時折少女っぽさがチラ見される歌い方はなかなかクセになります。今回のアルバムも色々なアニメの主題歌が収録されているようですが、残念ながら一曲たりとも知りません(笑)。なので、個人的にはオリジナルアルバムを聴いている気持ち。

 本アルバムを持って、今までのクラリスは終了ですが、もうひとりの「クララ」ちゃんは、まだ音楽活動を続けていくそうです。楽しみですね。つか、どっちがアリスでどっちがクララなんだろ。

OLYMPYS XZ-1



▼2014年06月08日

ブリリアントクラシックス・Simeon Ten Holt / Canto Ostinato 12枚組

R0322441.JPG 私が聴き始めた頃に比べると、最近はSimeon Ten Holtの音源がとても入手しやすくなってとても嬉しいです。
 今流行のハイレゾ音源こそまだ発売されていませんが、iTMSやamazon mp3での販売、そして何とCanto Ostinatoのアナログレコードなど、全てに手を出していたらお金がヤバい感じ。

 今回のCD BOX〜個人的には「Canto Ostinato地獄BOX」と呼んでいるのですが〜に付いては、是非買おうと思っていたのですが、なにぶん12枚組なので割安とは言え、国内のタワレコなどでは7,000円を超える値段で売られており、すこし様子を見てみるか…と買うのを控えていたのです。

 しかし、発売日を過ぎて暫くすると、アマゾンで海外からCDを出品しているマーケットプレイス業者で、送料を含んでも3,000円台で出品している業者もチラホラと出始めて、それならと今回はオランダの業者に発注してみました。そして、注文からおよそ1週間位で日本に到着。先週到着しましたので、早速リッピング。まだ発売されて間もないせいか、あるいはやはりマイナなのか、12枚のうち半分以上はCDDB未登録でしたので、自分でタグ打ちを行い、何とか全てライブラリに格納したのが今週末。なので当然まだ全ての曲は聴いていません。

 とはいっても、ナンバリング前半のCDについては、既に持っているCDと同じ音源なので、今すぐ聴く必要は無く(音質の違いはどうだ?とかめんどくさい事気にすればまた別ですが)、本BOXの目玉はやはり後半。
 オルガンとピアノバージョン、オルガン独奏、ピアノとマリンバ、マリンバ独奏、ピアノの多重録音、そしてシンセサイザー版と、CD化されたアルバムを持っていないバージョンがあるのでとても楽しみだったのです。
 特にマリンバ版は、なかなか美しい演奏ながら、CDがあっという間に売り切れて、そのまま再販もかからない状態なので、それだけでもこのベスト盤を買う意味がありました。あと、シンセサイザー版というのは初めて聞いた。そそ…オルガンの独奏版は半年位前にCD買いました。

 つことで、まずはマリンバ版とシンセサイザー版を聴いてみました。
 聴いてみると、打楽器のミニマルって気持ちいいですね。コレはとても良かった。また、シンセサイザー版のシンセが、予想を裏切るチープさだったのでびっくりしましたが(シンセというよりMIDI音源的なw)、コレはコレでなかなかのもの。たまりません。

 初めてSimeon Ten Holtに触れる人にとっては、12枚組で1種類の曲しか入っていないというマニアックさからちょっと敬遠しがちなBOXですが、楽器が変わる事により、知った旋律の感じ方、解釈が色々と楽しめる上に、現在の時点では彼のアルバムの中では比較的入手のしやすいこともあり、ミニマル入門としてもオススメしておきます。

RICOH GR


Led Zeppelinのハイレゾ解禁!

 ようやく解禁になりましたね、Led Zeppelin/I〜IIIのハイレゾ96kHz/24bit音源。今のところHDtracksで買えるようなので、私もサクッと1枚買ってみました。買った音源はLed Zeppelin IIIのスタンダード版。お値段は19.98ドルとなっております。

 実は今までの人生で、Led Zeppelinをちゃんと聴いたことは殆どなかったんですね。しかし、ちょっと前から何となくツェッペリンの曲聴きたくなって、友人に相談したらマザーシップなるベスト盤からの入門を進められてチマチマと聴いていたトコロ。

 つことで今回のハイレゾ音源から、ようやくオリジナルのアルバム編成で聴くことになったのですが、さすがに三枚同時に買うお金はないし、デラックス版を買うお金もない(Iはデラックス版買ってみようと思いますが)。なら、まずはふとアタマに思いついた「移民の歌」が収録されているIIIから遡るかなと。のこりは月1ペースで購入していく予定です。

 早速ダウンロード購入。そしてZX-1に入れて聴いてみたのですが、確かにコレはすごいですね。正直ハイレゾだからいいのか、リマスターだからいいのかわかりませんけど、以前買ったマザーシップよりはるかに音が良い。あまりにも気持ちよいので、購入日はそのままずっとエンドレスで聴いていましたよ。

 とりあえず、Led Zeppelinのファンで、ハイレゾ音源を再生できる環境をお持ちの方には、自信を持ってオススメできるアルバムでした。

▼2014年05月07日

Canto Ostinatoのアナログ盤

R0322175.JPG 私の中で、ミニマル曲はどうもアナログレコードに向いていないのではないか?という疑惑があったんですよね。繰り返しの長いフレーズは、普通のPOPS等と違い、必ず曲の途中でA面B面の切り替えが必要になるし、それによくある現代っぽい曲というのは、案外ワウフラッターが気になる。いや…これは自分がたいしたプレーヤー使っていないからって事なんだけどね。

 と思いつつ、アナログのあの生々しい音で、Simeon ten holt爺のCanto Ostinatoを聴いてみたい。聴いてみたいなぁ〜なんて思っていたら、なんだか知らないけど、突如2台のピアノ版のアナログ版が発売になっていました。ゾンアマでも売ってましたので、思わず注文。2枚組なので4,565円。ま、昨今のアナログ事情を考えれば安いもんだと思います。

 で、プライム注文した翌日に正方形の段ボールに入って家に着弾。その日は夜遅かったのでそのままでしたが、翌日の朝、眠い目を擦りながらターンテーブルにレコードを載せて、針を落としてみました。

 いやーやはりアナログは良い、とても良いです。
 私は普段、MAJIK DSで音楽を聴いているのですが、デジタルの音もたしかに良いですが、アナログのこの音の気持ちよさというのは、本当にすばらしい。普段はなかなか全てを通して聴かないCanto Ostinatoでしたが、その日だけでA面からD面まで立て続けに3回も聴きまくってしまいました。なんせ1回(曲)聴くのに70分以上かかりますからね。その日は210分以上立て続けに音楽聴いていたことになるのか。

 その後も、休みの日は毎日のように聴いています。このアナログだけで、私が一生の間に最後まで聴き通したCanto Ostinatoの回数を上回ってしまいそう(笑)

 とまぁ、アナログって、実にいいですね〜という話でした。

RICOH GR


▼2014年02月28日

音楽って全然死んでないよね、むしろ黄金期じゃないの?

R0320629.JPG 一攫千金を夢みる歌手志望の人や、単一種類の円盤を100万枚プレスしていればお金になっていた音楽業界人達の気持ちはわかりませんけど、今、巷の音楽って凄く面白くなっていると思うんですよね。

 都内のタワーレコードや、インターネット通販、あるいはインターネット系の音楽紹介サイトなど読んでいると、もう欲しい音源で溢れていて、多分今の私は若い頃よりも色々な音楽買っているのではないかと。

 ジャンルとしても、一般歌謡曲やロック、POPS、アニソン、クラシック、ジャズなどに収まらない、従来の流通ではあまり積極的に販売されてなかった種類の音楽が、インターネットなどでどんどん紹介されるようになって、一部のCDショップでは積極的に販売されるようになってきました。

 ということで、写真はここ2〜3ヶ月で買った、従来のジャンルだと区分けしにくいと思われるCDをあつめたもの。1枚アニソンっぽいジャケットのCDありますけど、アニメとは関係ないです(笑)。まだまだ沢山ありますけど、寝る前にハタと思い出してかき集めただけなのでこんなもんで。

 個別では紹介しませんが、例えば写真右上にあるシンプルな男性のイラストが描かれている2枚。こちらは岩村竜太氏が1週間に1曲、半音ずつ音階を上げていって作曲したという曲。Sunday ImpressionとMonday Impressionというアルバム2枚でひとつのピアノ組曲が完成するというCDです。シンプルで静かに抑揚の効いたピアノ演奏に痺れました。

 こういう不思議な音楽って、従来の流通ではなかなか売りにくかった。
 何故なら売る側の棚の何処に配置すればいいかハッキリしていなかったからです。また、CD制作と宣伝にコストがかかった以前では、ある程度の販売数が見込めないと、そもそも売り出されることすらありませんでした。
 例えばこのCD、昔からのCD屋さんで売るとしたら何処の棚に入れるでしょう。クラシックではない?それともイージーリスニング?あるいは教則CDなんかの棚に入ってたりして…。

 このような私が好きなインスト曲、あるいは単一のジャンルに属していないクロスオーバーな音楽でも、今では気軽に少量プレスCDが制作できるようになったおかげで、作曲者が直接インターネット上で販売したり、あるいはプレスしなくても直接ダウンロード販売を行ったり出来るようになりました。
 また、その音楽を伝える手段についても、従来のようにお金のかかる宣伝をせずとも、インターネット上で積極的に自分のサンプル曲を公開出来るようになり、昔みたいにCD…いや、作った音楽を沢山の人に聴いてもらうためのコストが劇的に下がっているのです。

 それに割を食っているのは、ヒット曲を作り出して同じ商品を何十万枚、何百万枚とプレスすればちゃりんちゃりんとお金が入ってきたシステムに慣れてきた従来の音楽業界人、アーティストじゃないのかなと。そして、そういう人達が率先して「音楽は死んだ」「音楽業界は不況だ」と、まるで自分のお財布の中身しか心配しないかのように、業界を嘆いています。

 でもね、もちろん音楽を作っている側の人達にとっては大変な時代だとは理解しますけど、自分としては、今の音楽シーンは様々な種類の音楽で溢れている黄金期なのではないかなと思いますよ。
 
 私は、こういう音楽を聴きながら、ボカロとか歌ってみたとかチェックしつつ、アニソンチェックして従来のクラやJAZZ等も追っかけてるんです。とてもお金と時間が足りませんよー。

 なので私はここで宣言しますよ。音楽は全然死んでません、むしろ今黄金期です。そしてこの先、どんどん様々なジャンルの曲に気軽に触れられる素晴らしい時代が続くはずです。なのでこれからは「音楽は死んだ」とか、不用意に使うのはやめようね!

RICOH GR


Sunday Impression/岩村竜太
Monday Impression/岩村竜太
Tia Carat

▼2014年01月13日

SONY ZX-1

P1138992.JPG 今までずっと、ネットワークウォークマンをDisってきた私ですが、小室哲哉も認めた(?)コレは認めざるを得ません。試聴機で聴いて、確かにすごい音だと思いました。

 つことで、市場では品切れが続く中、辛抱強く予約待ちをしていて、ようやくお正月に入手。公式では「バーンインに100時間」と書かれていまして、まだ100時間は聴いていないような気がしますが、とりあえず簡単にご紹介を。

 このZX-1、なにやらオリンパスのデジカメと間違いそうな形式名ですが、SONYが現状で高音質化のDAPにできる事の全てを突っ込んだそうです。
 そのため、定価は何と74,800円。公式サイト見てもらえばわかるとおもいますが、DAP(デジタルオーディオプレーヤー、以下DAP)にはあるまじき高品質大型コンデンサを搭載したせいで、おしりがでっぷりとしています。また、ミニステレオ端子の真鍮もすごいですね。このパーツだけでいくらかかってるんだろ…と、見た目からしてヤバい感じのネットワークウォークマンです。

 かつても、ソニーのネットワークウォークマンというと、それなりに高音質を売り文句にしてきた機種があったのですが、私が店頭で試聴する限りはみんなダメというか、ハッキリいってiPhoneの方が音が良い。特に「ソニートーン」とも言える、あの不自然な高域と中低域のキャラクタは許しがたいモノがあります。
 しかし、このZX-1はさすがに格が違いましたね。キャラクタこそソニーそのものの音ではあるのですが、そういった「好き嫌い」の評価を覆すほどの緻密な音楽表現にはすっかり参りました。特にハイレゾ音源を再生したときのあの自然で伸び伸びとした音像表現は、ちょっと他では味わえない快感です。
 今までウォークマンの音をクソだのタコだのお前の母ちゃんデベソwだの散々Disってきた私ですが、店頭で数回試聴した結果購入を決意。ただ、商品はバカ売れで在庫ありませんでしたので、予約扱いでしたけどね。で、ようやくお正月になって手に入ったという訳。


●さっそく音楽を転送するのん!

 私はマカーですので、ソニーのMedia Goというソフトウェアは使えません…が、今のソニーは随分マカーにも寛容になったようで、Content Transferといわれるファイル転送ソフトが用意されています。
 起動すると,デスクトップ上にウォークマンのイラスト付きのウインドウが出てきて、そこに転送したいファイルをドロップすると、それぞれが必要なフォルダに振り分けられて転送されます。始めは「面倒かな?」と思ったのですが、iTunes上からプレイリストをそのままドラッグしても、必要な曲とプレイリストが転送されますので、なかなか便利。
 ちなみに、doubleTwistという、MacのiTunesとウォークマンを同期するソフトもありますが、ALAC形式のファイルの同期に失敗したり、訳わからず落ちたりと、全く安定しませんので、私は使っていません。

 ZX-1の容量は128GB、実容量で110GB位だったかな?普段iPhone 64GBで同期しているプレイリストを全て突っ込んでもまだ余裕があります。そしてファイル転送が速いです。初回で60GB位の楽曲転送を行ったのですが、大体1時間程度?iPhoneだと到底こんな時間では終わりません。

 ZX-1はAndroid4.1端末なので、お好きな音楽アプリが使えるのですが、Androidの音声出力を通さずに音楽再生出来るアプリは、今のところ標準アプリだけだそうです。ま、コレで特に困る事も無いですけど。

 ただ、アプリの使い勝手については、iOSの標準音楽アプリに比べかなり劣ると思いますね。特に単曲の再生から、それに属するアルバムへの遷移がないのが気になります。あと、画面のセンスはね…ま、これは言っても仕方ないので止めとくか。


●音楽聴くのん!

 つことでいよいよ音楽再生。
 正直言って、購入後開封したばかりでの音楽再生はかなりガッカリしました。いわゆるウォークマン的…というか、あの嘘っぽい高音質感ね。コレは酷いという感想ではありましたが、ま、バーンインで化けると判っているので我慢します。ユーザーの中には、速くバーンインを終わらせるために、夜間や仕事に行っている最中など、大音量でガンガンに音楽かけっぱなしにしているという人もいるようですが、これも楽しみっちゃ楽しみだと思いますので,がまんがまん。

 大体、2〜3日後くらいからですかね。音がなめらかというか、重心が座ってきてガッチリしてきたのは。キャラクタ的にはソニートーンではありますが、なかなかいい感じです。これよこれ。試聴機で感動した音は。
 今では2週間位経っていますので、更に音が変わっている気がしますが、2〜3日後に少し大きく音が変わった以降は、今のところ音の変化は小さいです。この先更に良くなるのかな?

 手持ちのイヤホンで色々試してみたのですが、今のところ非常に相性がいいと思うのは、開発者も隠れオススメ(?)している、MDR-EX800STでしょうか。こちらのイヤホン、従来はどうも解像度の主張が大きくて少しカリカリしている感じがしていたのですが、ZX-1で鳴らすとかなりいい感じ。
 K3003は、そりゃすごいです。ただ、こちらは相性というか、何で聴いてもすごいイヤホンなので、EX800STで感じる「相性がいい」というのとはまた違うかも。
 その他、ヘッドホンだとATH-ESW10JPNが素晴らしかったデース。

 とまぁ、ZX-1はどんなイヤホンやヘッドホンでも高音質で鳴らせる印象ですが、それなりに相性もあるようですね。

 音質設定では、ウォークマンお馴染みの「ClearAudio+」や「DSEE EX」があります。設定のメニュー階層的にソニーのオススメは、ClearAudio+をオンにすることなのかもしれませんが、正直コレはないな…という感じ。
 DSEE EXは、ハイレゾでない音源の補完再生技術だそうですが、こちらはアリ。ただバッテリ結構食います。公式でどこかに発表がありましたが、コレをオンにすると、30%位余計にバッテリを消費するそうです。


●外で使ってみるのん!

 つことで、ウォークマンなので当然街に持ち出して使ってみます。いや〜モバイル環境でこんなにいい音聴けるなんて幸せだわ〜と油断してはいけません。これ…バッテリ食い過ぎだろオイ!

 リチウムイオン電池は、新品状態から活性化するまでにしばらく時間がかかりますので、初期に何度か充電サイクルを繰り返すと少しは駆動時間伸びますが、にしても、音楽アプリで音楽聴くだけで、自宅から会社まで行くのにバッテリ消費50%台には笑いました。
 実際、通勤中に電車に乗って音楽聴いて歩いてる時間は、正味40分くらいだと思いますので、このペースだと1時間ちょっとしか保たない…。

 その後、1週間位してからバッテリ駆動時間については少しはマシになった気がしますが、カタログスペックにある充電池持続時間(?)である32時間保つことはあり得ません。DSEE HXオンの状態で音楽再生のみで、せいぜい3〜4時間じゃないですかね。ま、これだけ聴ければ通勤途中に困ることはないのでいいんですけど、遠くにお出かけ…みたいな場合は、別途モバイルバッテリ必須だと思います。


●アンドロイド端末としてはどうなん?

 近頃のハイエンドウォークマンの例に漏れず、ZX-1もAndroid端末です。バージョンは4.1。ただ、載っているCPUなどは、二世代前のスペックなので、あまりAndroid的には期待しない方がいいかもしれません…が、ingress入れてみてコレはすごいと思いましたよ。今まで世のアンドロイド端末はクソだのタコだのお前の母ちゃんデベソだのww散々言ってきましたが、クソでタコだったのは、MotorolaとGALAXYだったんですね。反省します。

 とにかくGPSの掴みが速いので、最近少し倦怠気味になってきた、イングレスのレジスタンス解放運動も捗りそうです。ただ、イングレス起動してるとバッテリマッハで消費しますけど(笑)
 ちなみに、ZX-1で聴くイングレスの効果音はすごいです。バースターぶっ放したときとか、ちゃんとステレオでレゾの破壊音があちこちから聞こえてくるのね。また、被害効果によって音の出方も違ったりしているようで、比較的高い音での破壊音や、ズシンと響く破壊音など、効果によって何種類かあるようです。カッコいい!

 当初はアカウント設定しないまっさらなAndroid端末として使おうかと思っていたのですが、それなりに高価な端末だし、Googleアカウント設定しておけば、Googleマップ上で端末の位置確認やロックが出来ますし、そもそもイングレスをインスコしたので、やはりアカウント設定します。
 それでも、メールやツイッタなどの基本アプリしかインスコしていませんけど、音楽再生中にこれらのアプリが通知情報吐き出すと、音楽再生が途切れたりするのは、ま…愛嬌ですかね。こういうのiOSではあり得ないけどね。


●うちはなぁ…ライバル、ライバルのDAPも熱いと思いますが!

 考えてみれば、イヤホンで10万以上する価格帯の製品が売れている訳ですから、74,800円のこのDAPが売れない訳はない…訳で、ソニーのような大手は参入していませんが、以前から高価格帯のDAPはそれなりにありました。

 2chでさっそく叩き合いになっているのが、Astell&KernのAK120
 ネットでの悪口合戦を読むと、AK120の方がより自然でフラットな音らしいですが、以前こちらの機種の前身であるAK100を聴いたときは「あ、音いいね」ってだけの感想だったので、ああいう味付けの延長線にある音なら、個人的には興味ないかな。
 もちろん新機種は音質もアップしているんでしょうけど、意外と初回機のキャラクターって、世代変わっても変わらないんだよね。そういう意味ではこのZX-1も、ソニーらしい音の延長上にあるし。

 もう一つが、iBassoのHDP-R10
 これは申し訳ないけど、買う寸前までいった(笑)。ただ、私が買おうか検討している段階で、丁度本体のファームアップデートが行われて、アンドロイド端末ながらアンドロイドマーケット機能が止められたんですよね。ま、音質のことを考えれば、仕方がない事なのかもしれませんけど(ZX-1ですらAndroidの割り込み処理で再生途切れるし)、アンドロイド端末なのにアプリインスコ出来ないとはなぁ…と考えてるウチに物欲消えました(笑)
 ただ、こちらの再生音は素晴らしかった。ずしりと腰が据わった広大な音像表現は、よりオーディオ的な快感をもったDAPだと思っています。そろそろ新機種が出るのか、それともこのまま終わるのか。個人的にはもっと進化してほしい機種ですね。

 その他、ライバルとは違うかもしれませんが、主にiOS機器からデジタル出力を取り出して増幅する機能を持った、ポータブルアンプも数多く存在します。
 全てを聴いている訳ではないので余り偉そうな事は言えませんけど、それらのペアなら音質上ZX-1を凌駕する組み合わせは多数あるのでしょうが、ZX-1は単体で済む事に意義があるのではないかと。
 私もiQube持ってまして、買った当初はiPodとの組み合わせは最強!だと思っていましたが、だんだん面倒くさくなって持ち出さなくなりました。あれに準ずるクオリティをZX-1は単機で実現してると思えば、すごいことだと思います。


●で、結論はなんなの〜ん?

 つことで、つらつらと書いてきましたけど、結論としてZX-1の話題は、74,800円というふざけた価格ばかりが先行するようですが、考えてみれば、昔のモバイル嗜好なオーオタは、当時としてはクソ高価だったWM-D6とかWM-DD9とかD-E01とか必死で手に入れてモバイル高音質再生を楽しんでいた訳で(全部持ってますがw)、それらの機種が当時で軒並み4〜6万円したことを考えると、このアベノミクス時代に74,800円とか屁みたいなもんすよ(嘘)

 この金額でこれだけの音が外で楽しめるんですから、本当に時代は進歩してるなぁ…と思います。久しぶりに「ソニーさん、ありがとう!」といいたくなる機種でした。

 写真はZX-1本体と、下は純正付属ケースが使い物にならないので、オシャレな雑貨屋さんで買った布製のケース。ゴルフしてる人や自転車に乗っている人の柄がカワイイです。

OLYMPUS E-1 + Zuiko Digital 50mm F2.0 Macro


▼2014年01月01日

田舎のルイス・アンドリーセン?のんのんびより・オリジナルサウンドトラックを聴いた

P1010047.JPG ちょっと前に放送が終わった、アニメ「のんのんびより」のサントラです。2枚組で3,000円。

 このアニメ「にゃんぱす〜」などの流行語を生み出し、何と今年のアニメ流行語大賞の金賞をかっさらっていきましたが、もちろんキャラも可愛かったですけが、特に素晴らしかったのが田舎の風景と音楽。

 思えば私の場合は、アニメ第1話冒頭に流れた「陽だまり道とれんちょん」という音楽とシーンのすばらしさの勢いで、このアニメ全12話を見続けちゃった様な気がします。

 アマゾンのレビューにもありますが、このアルバム、特にメインテーマらしいメロディーはなく、数多くの細切れながらもゆったりとした音楽が、全57曲収録されています。
 個人的には、nano.RIPEが歌うOPテーマだけが雰囲気壊してる感じ。

 で、Facebookでも当時興奮して書いてますが、冒頭、れんちょんがフルート吹きながら歩いているシーンの音楽が、素晴らしいと思うのです。この音楽聴くと、現代音楽家のルイス・アンドリーセンが作曲した、メロディ(音出ます)という曲を思い出します。ちなみにこの曲を聴いたときのコメントは、古いサイトの音楽紹介ページ「99/11/04」に書いてあります。

 しかし、設定年齢では小1なのに、歩きながらこんな演奏をしてしまうとは…れんちょん天才過ぎ!ちなみにアニメの中では、他にも絵が超絶的にうまいという設定になっていますので、ひょっとして、れんちょん将来芸術家になるのんなー。

 アニメのサントラらしく、細切れな曲が多いのがちょっと残念ですけど、個人的な2013年度アニメサントラランキングで、少なくとも銅メダルは取れるな…って位、よいアルバムでした。聴いていると、気分はのんのんとゆったり出来ますよ。

OLYMPYS XZ-1


▼2013年12月31日

Suika/サザンオールスターズ

PC310042.JPG もう発売されて20年以上経つのかな。我らがサザンオールスターズの完全限定ベスト盤、Suika。

 当時の私は、なんだかんだで発売日にレコード屋(当時はまだギリギリレコード屋さんだったと思う)に行けば手に入るのかと思っていたのですが、全て全滅。どうやら本当に予約分のみで完売だったみたいです。

 仕方ないので地元のレンタルCD屋さん(まだTSUTAYAではない)に行ってレンタル、当時は3HEDカセットデッキを使い、メタルテープにダビングしましたよ。バイアス調整や感度調整バッチリやって。

 このアルバムの素晴らしいことは、当時まだCD化されていなかった…あるいは当時で既に廃番扱いになっていたシングル曲を含めた、サザンのヒット曲を網羅したベスト盤だったということ。今でこそレア度は下がってますが、当時は本当にこのアルバムじゃないと聴けない!って曲も結構あったんだよね。
 そして、聴いてみるとわかるんだけど、まさにベスト盤の決定打というか、世のベスト盤CDの見本とも言えるような絶妙な選曲。本当にこの収録順で全て聴きたい!と思えるほどの素晴らしい構成でした。私も、本当に何度も、テープがすり切れるような勢いで聴きまくりましたね。取り立ての免許で運転するクルマのカーオーディオで。

 つことで、このSuika、ずっと値段が下がったら買おうと思って履いたのです。しかし、さすがはサザンというか、完全限定版というレア度が効いているのか、今まで売られている中古相場では、当時の定価(10,000円)を下回ることは皆無で、パッケージのスイカ缶+トランクス&パンティの付属品無し状態ですら、相場が15,000円以上と、ちょっと手が出ない状況になっていました。

 これは、サザンオールスターズの全アルバム+全シングル曲がリマスター化された後でも変わりません。というか、現在では、これらのアイテムを利用して、プレイリスト上ではより高音質なSuikaを再現できるにも関わらずです。それだけ、このアルバムにはパッケージとしての魅力が備わっていたんでしょうね。

 で、このSuikaですけど、ようやく…本当に20年越しで無事中古でトランクスとパンティ付属品無しですが、缶付きで入手することができました。お値段も無事定価を下回ってます。

 つことで、今年の大晦日はサザン祭りです。それでは皆さん、良いお年を!

OLYMPYS XZ-1


Murmuration/JO MANGO

PC310035.JPG アルバムのほとんどが真夜中に書かれたという、幻想的な楽曲の数々。イギリスのトラディショナルフォークとしてマニアに人気の、Jo Mangoのアルバムを買ってみました。

 1曲目の「The Black Sun」という出だしの曲から、美しく、そして少しかすれた感じのリアルな声が迫ってきてもうたまりませんです。
 他、全編に亘りシップルなアレンジっぽい中、様々な凝ったエフェクトや処理も楽しい。

 ちなみに輸入盤っぽいCDですが、歴とした国内盤。というか、国内盤はボーナストラックとして3曲の追加曲があるそうなので、直輸入でなく国内盤買いました。ま、値段も高くなかったし。

 真夜中の山奥というか、平原のなかの、むしろ静寂がうるさいような雰囲気の一軒家で、じっくりと聴いてみたいアルバムでした。

OLYMPYS XZ-1


Murmuration/JO MANGO

ガルパンのハイレゾ買ってみたよ!

R0320327.JPG 最近のオーディオはすっかり「ハイレゾ」ブーム。

 しかし、この手の「高音質音源」って、いつまで経っても錆び付いたクラシックやジャズの名盤がリマスタされるばかりで、レコード会社って客舐めてるのか?みたいな状況が長く続いています。

 既に海外ではHDTracksなどで、ロックンロールやポピュラー音楽などが、どんどんハイレゾ化され、販売されているのです。
 そんな中、日本は遅れているどころか、日本人が直接HDTracksから音楽を買う事をブロックまでしており、世界のハイレゾ+DRMフリーの流れから、むしろ退化しているという印象。

 しかし、最近のPCオーディオやヘッドホン/イヤホンリスニングの盛り上がりで、少し状況が変わってきたようです。
 ここ1〜2年、日本の音源販売サイトでは、モーラe-onkyo musicでは、クラシックやジャズ以外にも、私達が良く聴くPOPSなどの販売音源が、続々とハイレゾ+DRMフリー化されてきて、相変わらずのぼったくり価格であること以外は、それなりに状況が改善されてきています。

 つことで、PCオーディオやヘッドホンと言えばアニソン(笑)
 つか、これらのオーディオを支えている人達が、結構な割合でアニソンなどを嗜んでいることは間違いなく、そのせいか、ここ数年のアニソン業界は急速に進歩しています。音楽的進化…はともかく、今のアニソンは音楽好きなら聴かなきゃ損な感じ。

 で、前置きが長くなりましたが、この度ガルパンの48Hkz/24bitハイレゾ音源が発売されたので、思わず買ってみました。お値段は3,200円、CDと同じ価格ですね。WavとFlacフォーマットがありますが、私はFlacの方を買い、すぐにAlacに変換。早速LINNのMAJIK DSで聴いてみたよん!

 とりあえずオーマニの定番として、CDの44.1KHz/16bit音源と比較してみましたけど、思った程差はないかな。管楽器などの余韻部分は、さすがハイレゾ音源の方がなめらかで密度感がありますが、ハイレゾ聴いちゃうとCDなんてダメダメよん!って程でもありません。

 実は、往年のclassicやjazzの名盤が、ハイレゾ化によってグッと音質アップしてるのは、むしろリマスタ処理のお陰だとも言えます。なので、こういった最近の技術で録音された音源が、それぞれほぼ等しい年代の技術でリマスタされ発売されるというのは、ハイレゾ化による恩恵を確認する良いサンプルになるのではないかと思いました。

 あ、ガルパンのサントラそのものに触れておくと、CD2枚組総トラック数50の中に、大編成の行進曲からロシア民謡、盆踊り、いかにもなアニソンと、様々な音楽が収録されています。近年のアニメサントラの中でも、傑作に入るんじゃないかな。アニメ音楽への入門としてもおすすめですよ。

RICOH GR


▼2013年12月28日

Voice of Trees/lubomyr melnyk

PC280020.JPG lubomyr melnykのCDは既に「Corollaries」と「Watchers」っているのですが、どちらもキレイなピアノを主体としたミニマルアンビエント系でした。

 しかし、今回購入した「Voice of Trees」は、初期のライヒを彷彿とさせるような、複数の楽器による混成の、アップテンポなミニマル曲です。ライヒやケージが好きな人は、こちらも楽しめるのではないかと。

 ま、これ以上は特に語る事もないのですが(笑)、よいアルバムだなぁ…と思ったので皆さんに紹介したくなる、そんなエントリでした。

OLYMPYS XZ-1


▼2013年12月16日

ATAK 020 THE END

PC168889.JPG ただでさえ天使のミクさんがパリでヴィトンでシャトレ座で…と話題になった、渋谷慶一郎氏が初音ミクを起用して話題のTHE ENDというオペラCDです。

 どんなのかな?と、タワーレコード新宿店10Fで試聴してみたのですが、1曲目の「overture」が、ミクさん音声がある訳ではないのですが、めっちゃカッコよくて、その場で購入。
 あ、元の作品であるこのオペラ自体には特に興味ないので、どんな内容なのかは全く知らないのですが、曲名で「死」とか「終わり」とかあるので、なんだとか、厨的設定の物語っぽい感じがします。

 音楽の内容については、ミクさん好きが想像するような、軽快で明るいピコピコサウンドとは対極にある、重厚で壮大な…というか、分かりやすく言えばよくある現代音楽っぽい感じ。私は結構気に入りましたけど、なかなか人を選ぶというか、ミクさん好きと言うだけで手を出すと、少し失敗するかも。

 オペラに初音ミクって合うんですかね。そういえば富田勲御大も、新作のオペラで初音ミク起用して話題になったし。

 私は、音楽演奏したり作ったりするセンスも知識も皆無なのでよく判らないのですが、オペラの作曲家が人工音声を使う意味は、もちろん話題づくりも無い訳じゃないと思うのですが、それよりも、不安定である「人の声」という楽器を、完全にコントロールできる事に魅力を感じてるんじゃないかな、と思ったりします。ナマの歌い手と違い、その日の気分や体調の影響を全く受けないですからね。
 どちらが上か下か…という話ではなく、そういう意味で「人工音声とオペラ」って、以外と相性イイのではないかと。

 このCD、私はトラック数が全部で12曲の通常版を購入したのですが、その他に完全限定版なる商品も存在します。
 こちらにはオペラで使われた曲が全て完全収録!CD2枚でトラック総数は計16曲あるのですが、何せ価格が、通常版2,500円に対して、完全限定版8,980円(タワレコ新宿店調べ)
 限定版には「完全生産限定:LPサイズBOX、EPサイズ・フォトブック(100P超)、カセットサイズ・ブック(台本完全収録)2CD+1DVD、ライナーノーツ:茂木健一郎、蜷川実花、高橋健太郎、鈴木哲也(ハニカム編集長)、ジャン=リュック・ショプラン(パリ・シャトレ座支配人)他(以上Amazonの商品情報より)とありますけど、私は音源以外は全て興味ないので買いません。

 仮に完全限定版音源だけ2枚組で4,000円とかだったらそっち買ってましたが、いくら限定版とはいえ、さすがに通常版の三倍以上とは…ボッタもいい加減にしてほしいモノです。

 つことで限定版通常版の話はともかく、収録されている曲はダークでカッコよいので、少しアダルティーなミクさんを聴いてみたい方なら、きっと楽しめると思いますよ。

OLYMPUS E-1 + Zuiko Digital 14-54mm F2.8-3.5


オーディオ忘年会2013@亀戸

R0320246.JPG もうすっかり年末ですね。

 つことで、今年も開催されました、オーディオなのか自転車なのか艦コレなのか(これは二人だけかw)よく判らない忘年会。
 普段引きこもりな私としては、普段よくお会いする方から、毎年この会でしか会わない方など、いろいろな方と一緒にお会い出来るのが楽しいです。

 今年のお題は…なんだったかな?
 それぞれの現状報告と、某S氏がまたやたらとレアなカートリッジを持ってきたのとか、某W氏が遂にLP-12+AROなんて日本で何台あるんだ?的プレーヤーを手にしたこととか、某NB氏がブルベで九州を1,000キロ走ってきたこととか…。あ、今回は北海道のANI氏も電話参加してくれました。

 他、LINNのExaktの話とかね…。LINNがあのままいくと、将来はフォノイコ…いやいや…LP-12本体にデジタルアウト付くのでは?…的雑談も、このメンバーで話すとなかなか現実味を帯びてきます。どうなるかは知りませんけど、ちょっと夢のある話かも。

 つことで、この忘年会も今回でおそらく13〜4回目になるんでしょうか。当初は若造だった参加者も、すっかり出世して貫禄が、とならないところが面白いところ(笑)

 いつまで続く会なのか分かりませんけど、ずっと続いてくれるといいなと思った、亀戸の夜なのでした。

RICOH GR

▼2013年12月15日

Queen Orb USB 買ったよ

PC148824.JPG この手のUSB音楽セットというのは、以前ビートルズのりんごUSBを買いましたが、今回はそれに続いてQueenです。

 こちら、私がLINNのDSを買うまでは、商品の存在を知りませんでした。「ビートルズがUSBメモリでハイレゾになって売られているんだから、他のアーティストも売ってないのかな?」みたいな気持ちで検索したら、この商品の存在を知ったという感じ。
 ただ、発売は今から2年前の2011年12月と、二年前の上に限定商品だったおかげで、もちろん市場では売り切れ。たまに中古で出るみたいですが、なんせ物理的にデータが劣化しないUSBメモリ、最近では定価の29,800円よりもお高い値段で取引されているようです。

 ま、手ごろな価格で発売されたらその時買おうかな…と思っていたのですが、先日、我らがユニオンで24,800円で売られているのを偶然発見!早速ゲット致しました。

 どーでもいいけど、購入後ついつい相場チェックのつもりでネット検索したら、Amazonのマーケットプレイスで、ユニオン様が同じ商品を35,000円で発売してまして「○○店店頭でも発売してます売り切れ注意(私が買ったのはその店頭だw)」とあり、半日位したら在庫切れしたので、案外コレだったのかな?ま、深い詮索は止めておきましょう。

 早速家に帰ってMacにデータを取り込み!と思ったのですが、あれ…一部のファイルというか、結構な数のファイルが「エラーのためコピー出来ません」という警告が出ます。
 念のため店頭では「USBメモリが破損していた場合は返品出来る」事を確認していたので、こりゃ返品かなぁ…と思いつつ、該当ファイルを見ると、何となくピンときました。これ、Macだと読み込めないFlieっぽいなと。
 早速VM FusionでWindows7を起動して、そちらを経由してMacへデータを送ると、無事全てのファイルが取り込み可能となりました。これ…商品案内には「対応OS:Windows / Mac OS」とか思いっきり書いてありますけど、大丈夫なんですかね。みんな困ってないのかな?と思ったら、Amazonでまさに「ファイルが読み込めません」というレビューが上がってます。もしマカーの方でこの商品買ってしまった人は、友達のトザーに頼んでファイルコピーしてもらいましょうね。

 コピー後はファイル変換です。というのもこのOrb、ファイル形式が24bit/48KHzのwav形式なんですよね。さすがにwavではタグ付けが出来ませんので、全てALAC形式に変換。一度間違えて24bit/44.1KHzに変換してしまったので、再度やり直しなんていうオチがつきましたが、無事Queenのハイレゾ音源を楽しむことができました。

 音質的にはどうなんでしょうね。地球最高音質などといわれていたビートルズUSBと違い、QueenのアルバムはSACDでも発売されていますし、e-Onkyoでは24bit/96KHz形式でダウンロード販売も行われていたようです。ただ、今時SACDは現実的ではありませんし、e-Onkyoは得体の知れないDRM付きのゴミデータな訳で、当然買うはずがありません。なので、実用的ハイレゾデータとしては、このOrbがQueenのハイレゾスタンダードと言えるかもしれません。
 ただ、ハイレゾではありますが、音質的評価は必ずしも上々との評価でもないようで…ま、この辺は様々なリマスタリングディスクが発売され続けているQueenならではといえるかも。実際CDの16bit/44.1KHzと、Orbの24bit/48KHzで、普通のオーディオ機器で再生したとき、どれだけ音質面での差が付くのか…ってのもありますし。

 にしても、私が既に所有している、新たにリマスタリングしたとかなんだとかではないCDよりは全然音質はいい訳で、なかなか満足です。価格にしても、アルバム1枚単価で約1,653円。これで全てハイレゾなんですから結構おトクではないかと。

 ただ、このOrb、モノとしての高級感は、以前のビートルズUSBと違ってかなり劣りますね。商品写真で見ると、Orbの表面は金ぴかでそれなりに装飾が施されており高級感あるように見えますが、実物は100均で売られている小物入れ風なダサさで、上に装着するUSBメモリ部分も、本体のオーブ(?)がちゃんと密着せず、結構ザツな作りです。外に出して飾っておきたくなるような佇まいは全くないですね。ま…いいんですけど。
 
 中古相場では、最近だと定価よりも数千円〜1万円程度上乗せされた価格で発売されていることが多いようです。オークションなどの取引履歴を見ても、大体定価前後程度が多いみたい。この記事を読んだ上で購入するのであれば、例え定価買いだとしても、音はいいのでそれなりに満足感は得られると思いますが、マカーな人はご注意なのと、モノとしての高級感は期待しないで下さいね。
 あと余談ですが、収録されている「A Night At The Opera」内の「Seaside Rendezvous」、どうやらファイル名というかトラック指定間違ってるようですね。確かビートルズUSBでもタグデータの間違いありましたけど、さすが輸入製品、結構おおらかな感じw。

 ビートルズのUSBが発売されたときは、その話題性から、様々な大御所アーティストのUSBメモリハイレゾデータの販売が盛り上がるのではないか?と思っていましたが、案外追従する商品が少ない印象です。
 私としては、こんな風に様々なアーティストの音源が、ハイレゾデータでUSBメモリの形にシュリンクされて、もっと発売されると面白いなと思うのですが、色々と事情があるんでしょうね。

OLYMPUS E-1 + Zuiko Digital 50mm F2.0 Macro


▼2013年11月05日

東京インターナショナルオーディオショウに出かけてきたざんす

 今年は出かけるつもりはなかったのですが、miss keyさんの「過呼吸になりそう」という感想を聞くと、やはりLINNのExakt(イグザクト)は聴いてみないといかんかな?と思い、2013 東京インターナショナルオーディオショウへ出かけてきました。

 東京国際フォーラムに入り、簡単な入場登録を済ませ、7FのLINNブースに到着したのは13:45分位?
 丁度14:00からExaktについて山之内先生のセミナが始まるとのことで、座って待機。しばらくするとExaktについてのプロモーションアニメが上映され、その後に山之内先生が登場、セミナスタートです。

 Exaktの音ですが、なんというか実像感がすごいですね。音色についてはやや固い印象もあった気もしましたが、あのコンサートホールにいるような感覚は、私の数少ないオーディオ体験でも初めて耳にするものです。

 おそらく、左右と各ユニットのチャンネルセパレーション、位相が超高精度で管理されているんだろうなぁ。スピーカーの存在はキレイに消えて、目の前に本当にコンサートホールが出現しました。
 私の場合は、位置的に左右スピーカーのセンターにいた訳ではないのですが、それでもあの音像!久しぶりにオーディオに興奮しましたよ。こりゃ過呼吸にもなる…(笑)

 Exaktシステムですが、今のところは、専用スピーカーセット+Exakt DSMという組み合わせでしか使う事しかできません。そのお値段たるや840万円。既存LINNハイエンドシステムを持っている方は、後に何らかのアップグレードパスも用意されるようです。
 仮に84万円ならとち狂って金策しかねませんけど、とりあえずこの価格なら、私の人生には関係ありませんので、悶々ともせず安心なのです。

 つことで、LINNブースを後にした私は、そのまま同じフロアの今井商事さんのブースへ。こちらには毎度お馴染みS氏がいらっしゃいますので、ご挨拶。BURSON AUDIOや、Densen Audio Technologiesを主体に見せて頂きました。

 やっぱり、Naimユーザーとしては、分厚いアルミ引き出し材とか、バカでかいトランスとかキャパシタとか見ると意味もなく興奮してしまう訳で、もう音なんてどうでもいいからくれ!(笑)みたいな気分になってしまいます(あ、バーソンは音も気に入りましたよ)

R0312329.JPG そこでS氏に教えて頂いたのですが、フォーカルの代理店であるロッキーインターナショナルが、何とNaimAudioの代理店に??

 まだWebサイトには掲載されていませんが、インターナショナルオーディオショウで配られたチラシには、取り扱いブランド欄の最後、確かにNaimと記されています。確かに現在のネイムはフォーカル傘下ではありますので、取り扱いの可能性としては多いにあり得ます。おーっ!これは期待ですねー。

 早速、4Fにあるロッキーインターナショナルのブースに行ったのですが、残念ながらNaimAudioに関する情報は全くありませんでした。まだこれからかな。

 個人的には、往年のNaitっぽい形のオールインワンネットワークプレーヤー、UNITIQUTEとか輸入して「日本よ、これがNaimAudioだ!」という意気込みを、オーマニや転売厨達に見せてほしいものだと思いました。

 と、私は結局その3つのブースを見ただけで会場を後にしました。他のメーカーも気にはなりましたが、なんかもう…いっかな、と。
 このへんが、まだまだオーマニとしての修行が足りない私なのかもしれません。

RICOH GR


▼2013年10月28日

アニソンばかり売れてJ-Popが売れないこの時代

 アニソンが売れているらしい…というか、アニメ以外の音楽がサッパリ売れていないらしいです。

 アニメソングが席巻、音楽チャート 変わる業界地図:日本経済新聞

 長年アニソンへ積極的に触れてきた私からすると、ヒットチャートにアニソンが出てくるとか、それだけで胸熱なのですが、最近ではそういうのもすっかり珍しくなくなりました。で、最近のアニソン現象について、やはり皆さん気になるようで、ネットでは以前から色々な分析がされています。

 特に多い気がするのが「ヲタは購買力があるから一定の販売数が見込める」とか「J-Popは価値観の多様化の中で埋没している」や「若者が音楽を聴かなくなった」みたいな感じ。AKBとジャニーズ商法で業界が焦土化している…みたいなのもあります。

 上記の理由、どれも当たっていると思うんですよね。音楽を買う層の好みは細分化しましたし、ヲタの方はCDを音楽というよりアイテムとしてゲットする人もいますのでアニメの人気が出れば一定数売れますし、また若者が音楽を聴かなくなった、というより、若者の絶対数が減っているんですから当たり前の気もします。
 AKBとジャニーズはね…なんだかんだでプロダクション主体で作られるアイドルってのは昔から沢山いるのでまた別かな(いい意味でも悪い意味でも)

 もちろん脳は劣化するのです。
 音楽を買うメインの層が歳を取り、少子化で若年層が減れば、相対的に業界は新しい音楽スタイルを模索することもチャレンジすることも少なくなり、かつて流行った懐メロみたいな曲ばかり求められるようになります。現に、ここ数年のCDチャートは、かつての大御所アーティストによるベスト盤が目白押しです。
 しかし、例えばヴィレッジヴァンガードでよくプッシュされているCDは、10〜20年前のJ-Popのカバー集が多かったりします。そしてまた、そういう商品を若い人達が買っていますので(ヴィレッジヴァンガードは20代独身層をターゲットにしています)、今のJ-Pop離れを、単に若年層の人口減少だけに求めることも違う気がするのです。

 また、上記のような外部の環境からの考察は多いのですが、肝心のJ-Popの質はどうなのでしょう。
 申し訳ないけど今のJ-Popとか一般歌謡曲とか、相当レベルが下がってるのではないでしょうか?ハッキリいって、聴きたいなぁ〜という音楽の品質に達してないモノが多すぎます。これは自分の好みとかを可能な限り除外して考えてみても、アニソンに比べ、多様性が非常に少ないと感じます。

 J-popの均一性について、真っ先に思いつくのが「ラブソング以外の不在」です。というか、今メジャー所でリリースされるJ-Popは、100%と言っていい程ラブソングしかないんじゃないかな。
 対するアニソンですが、もちろんラブソングも多いですが、そうじゃない歌も結構あったりします。というか、男女とも「草食系」が叫ばれている現在、未だにラブソングしかリリース出来ないJ-Popは、客観的に見て、市場分析がまるでできていないように見えるのですが、如何でしょうか。

 そういった好み的な分析の他、アニソンとJ-Popでは、新たに生産される商品数の差も大きなモノがあります。インディーズ的なモノは除外して、ヒットチャートのベースとなるメジャー所の商品リリース数を考えてみましょう。

 例えば、近年リリースされるメジャーを狙ったJ-Popは、ぼぼテレビドラマ等のタイアップが行われています。その数をネットでサッと調べてみると、2013秋の場合、地上波で毎週35本前後放送されているようです。その中には仮面ライダーなどの子供向け番組も含まれますので、実際J-Popのタイアップターゲットになるドラマは20〜25本前後でしょうか?テレビドラマの場合多くは、アニメのOP/EDで2曲とは違い、メインテーマ1曲という形式が多いので、全てタイアップにしても、1期で20〜25曲となります。

 対するアニメですが、今期放送されているアニメ数って何本なんでしょう?ちょっと調べが付かなかったのですが、数年前の最盛期で週刊80本と言われていたので、その半分で40前後とカウントしましょうか。アニメの場合は例外もありますが殆どがOP/EDで作品に対して2つの歌があります。単純計算で1期80曲です。

 上記はきちんと資料に当たって弾いた数字ではありませんが、印象も含め、このように、アニソンとJ-Pop、今では市場へ投入される商品数にも圧倒的な物量差がついているように感じます。そして、ファンの質や購買層の違いを無視して考えても、アニソンは単純に商品数が多いだけ、ターゲットを絞った個性的で多様な商品をリリースする環境が整っているといえるでしょう。
 逆にJ-Popの場合は、リリース数が少ないため、アニソンに比べるとターゲットを絞り込みにくく、広く浅い顧客に向けた商品をリリースする必要がでてくるのは仕方ないのかもしれません。
 もちろん、上記で上げた数は概算で出した数字なので、実際のリリース数はまた違うのでしょうが、感覚的にAKBやジャニーズを除くと、アニソンはJ-Popよりも、毎月倍以上の新曲がリリースされている気がします。

 更にアニメの場合、最近顕著になってきたのですが、同じ制作会社・レーベルの別なアニメの歌を、番組内のCMで宣伝することがとても増えたのです。これはとても重要な事で、対するJ-Popは、テレビから音楽番組が殆ど消え、ラジオもトークが主流になった今、新しい商品がリリースされても、耳にできる場所が殆どないのです。

 なので、アニメファンが特に意識せずとも、好きなアニメを見ていれば、現在リリースされている曲を横断的に耳にすることができるのに比べ、J-Popファンは新曲情報、何処で得ているんだろう?不思議です。
 もちろん、音楽はテレビドラマとのタイアップだけではないので、それ以外でも沢山のJ-Popがリリースされているのだと思います。でも、その情報はみんな何処で得るのでしょう。今の世の中、J-Popファンでいるためには、アニメファンよりもマニアックに行動しなければならないのかもしれません。時代も変わったものです。

 という風に、単純にアニソンとJ-Popというイメージが、かつての状況と大きく違っているような気がします。
 J-Pop黄金期は、私的には1990年代前半だと認識しているのですが、考えてみると、あの時代に行われていた販売戦略が、そのまま今のアニソンに活かされ、また、今のJ-Popの多くが、新たな販促手段を手にしないまま(あるいは既存の販促手段を失う中)、知らない間にマイナである環境にすり替わってしまったのではないでしょうか。

 新曲の販売数、それを耳にできる場所、そして曲の多様性…冷静に考えてみれば、今の時代アニソンがJ-Popより勢いがあるのは当然なのかもしれません。

 そして、個人的なジャンルとしての好みはあまり語りたくないのですが、いつまでも90年代然としたラブソングばかりをリリースし続けるメジャー所のJ-Popは、私から思うに、作る人も聴く人も、一定の殻の中に閉じ篭もってしまった印象があり、あまり魅力のあるジャンルとは思えません。単純にそんな風に思っている人も結構いるんじゃないかなぁ。

▼2013年09月01日

YAMAHA PA-6B電源アダプタ

P8310010.JPG ちょっと前に買ったRME FireFace UCですが、付属の電源アダプタの評判が悪く…いや、悪いというより、YAMAHAのPA-6Bというアダプタに交換するととてもいい、と言われているのです。

 というので、買ってもヨドのポイントで払える金額ですし、オーディオにおける電源の重要性をイヤ程実感してきた私としては、試さずにいられない!とのことで、アキヨドで注文しちゃいました。

 ちなみに、PA-6Bというアダプタは、現在は製品ではなく、保守パーツ扱いとなっていますので、基本的には店頭では売られていません。しかしパーツ扱いで注文できますので、欲しい方は、ヤマハの楽器を扱っているお店を通して注文してみて下さい。私はアキヨド6Fの楽器コーナーで注文しました。

 注文してから丁度1週間。入荷したとの連絡があったので,早速受取りに行きました。お値段は4,900円位だったかな?「結構重いですよ」とお店の人から注意を受けて渡されたのですが、確かに重い…。その日、他にお買い物がある人は、一番最後に受け取った方がいいかも。ちなみに自宅で梱包を解いて重さを量ってみたら、1455gありました。単体のACアダプタとしてはなかなかの重さです。
 こんなに重い理由は、純正のACアダプタが小型スイッチング電源なのに対し、PA-6Bはトランスを内蔵しているからです。スイッチング電源とトランス電源…どちらがオーディオ的に上か?という判断はここではしませんけど、スイッチング電源は設計段階でよりノイズ対策をしっかりする必要があります。

 家に帰ってから早速接続。電源コンセントは2ピンの普通の家電製品と一緒ですが、左右極性の差が結構あるようです。私の家では、白いラインが入っている方をホット側にした方が良好な結果が得られました。反対だとちょっと歪みっぽい…。

 音ですが、FireFace UCの純正アダプタに比べると、そりゃもう笑っちゃう程違いました。何というか、図太さというか、音がどっしりと安定してきます。それに比べると、純正アダプタは少し線が細い感じ。比較しないと気にならないかもしれませんが、比較してしまうと明らかにPA-6Bを使った方が良好な結果が得られると思います。

 オーディオパーツとしては高価なものでもないし、12V/2Aに適合するのであれば、他の製品に使ってもよい効果が得られるかも知れませんね。ただ、もちろん何かあったときのリスクは自己責任で。

OLYMPYS XZ-1

▼2013年08月22日

Fireface UCを購入してみました

E8220013.JPG お馴染みのアキヨドで、箱無しアウトレットではあるんだけど、ちょっと信じられない位の値段で売っていたので、思わず買ってしまいました。

 というのも最近、DAC欲しい熱が再燃していて、何というかオーディオライクな正当派DACよりも、USBとか付いた色々遊べそうなDACはないものかと、ケンブリッジオーディオとか、ATOLLとか色々調べていた矢先だったので、とてもタイミングがよかったのです。

 Fireface UCとは、独逸製RME社から発売されているオーディオインターフェイス、日本ではシンタックスが販売代理店となります。

 元々…というか、今でもそうですが、この製品はPCのオーディオインターフェイスとして作られていて、音楽StudioやDTM用途では、機能と音質を含め、最強に近い製品と言われていたようです。
 そこに目を付けたのが、オーマニな方々。実はコレ、PCオーディオ用のDACとしても非常に優秀だとの評判で、更に一般的なUSB/DACとは違い、音声出力だけでなく、入力にも使え、更にマルチチャンネル音声出力までもが可能という、音楽制作を趣味としていなくても、色々な用途で遊べる優れもの機器だったりします。
 私も以前からうすらぼんやりと「ほしーなー」とは思っていたのですが、さすがに市中では12~4万円位で売られている、それなりに高価な機械ではありますので、長い間My物欲優先リストの下の方でくすぶっていたのです。

 ということで、昨晩帰宅してから取りあえず音出しはしてみようと思い、今使っているネットワークオーディオプレーヤーのLINN Majik DSに接続し、外部DACとして使ってみることにしました。

 タダのDACと違い、この製品はオーディオインターフェイスになりますので、使用前にはPCにつないで様々な設定が必要となります。詳しくは代理店であるシンタックスの紹介ページを見てもらえばわかるのですが、まず注意なのが、付属CD-ROMに収録されているドライバとアプリは、MacのMountain Lionでは動作しません。こちらのページでダウンロードして使って下さい。本体ファームウェアの更新もでているようですが、そちらは買ったままの状態で大丈夫でした(当然新しくした方がいいと思いますが)。また、Fireface UCのアナログ出力は、オーディオで一般的なRCA端子ではなく、φ6.3のマイク端子でL/R独立となりますから、一般的なオーディオケーブルを使う為には、このようなアダプタが2個必要となります。

 私の場合、デジタルは同軸出力で、オーラルシンフォニクスのデジタルケーブルを使用、FirefaceからはテクニカのAT514CMアダプタを介して、LINNシルバーで自作したRCA→DINケーブルでNAC12へ入力しました。セッティングとかそういうのは後回しで、取りあえずはラックの横ホコリまみれの床(笑)に直置きです。

 夜なのであまり大きな音は出せなかったのですが、サックリと聴いてみると…

・出力ゲインはMajik単体より高め
・音の解像度は高い
・音像が少し広がる…というか大きくなる
・少し固い音

 という印象。電源投入直後なので後に評価は変わってきそうですが、素性の良さは伝わってきました。翌朝、少し早めに起きて鳴らしてみると…

・音が昨晩よりふくよかになってきた
・解像度はバリバリ
・音像は昨晩よりも固まってきたっぽい
・外部DACとしても優秀

 といった印象でした。
 しばらく電源入れていると、また印象が変わってきそうですが、現状でMajikの内部DACに比べて、音質的グレードアップ、特に解像度の向上はめざましい結果になっていることは確認できました。ただ、キャラクター的にはMajikからのアナログ出力も、あれはあれで音楽表現が巧みで捨てがたいモノがあるけどね。

 このまま、DACとして使い続けるのも由!PCに接続して「一航戦、赤城。出ます!」の勇ましいセリフを高音質で聴くのもw由!また出力だけでなく、まだCD化されていないレコード音源をデジタル化するのも由!とのことで、遊び方楽しみ方は、普通のオーディオ機器とは比べものにならないくらい、色々な事ができます。
 それでいてDACとしての音質も優れている訳で、今10〜15万円クラスのDACを物色されている方は、オーディオコーナーだけでなく、一度DTMコーナーにも足を伸ばしてみるといいのではないでしょうか?

 ちなみにヨドの売り場の方によると、FireFace UCは販売終了だそうで(ヨドだけの話かもしれません。未確認)、次はちょっとお値段高目でFireWire端子装備のFireFace UCXへシフトしてゆくとのことです。
 RMEはBabyfaceからFireFace UFXまで、音質的なランク付けを行っていないそうなので、FireWireが必要ない人は、早目にUCを確保しておいた方がイイカモ…。

OLYMPUS E-3 + Zuiko Digital 50mm F2.0 Macro


▼2013年07月13日

Audioquest DragonFly

P7061743.JPG 立て続けに買い物エントリ更新すると、ものすごい勢いで買い物しまくってるな…と思われそうですが、別にいっぺんに買ってる訳じゃありません。過去の買い物を徐々に紹介している訳でね(笑)

 つことで、いきなり言い訳から始まりましたが、こちら、オーディオ界では高音質(?)ケーブルで有名なオーディオクエスト社が突如発売した超小型USB-DAC、その名もDragonFlyであります。
 自分のオーディオ環境ではあまり使い道がなさそうだな…と思いつつも、この小ささとミニマルな感覚には、純粋に物欲を刺激されまくりまして、思わず購入。値段はアキヨド価格で22,000円ちょいだったかな?

 で、この「あまり使い道ないかな〜」的な製品が、こりゃまたびっくりな高音質USB DACな訳で、いまでは自宅でのヘッドフォンリスニングや、会社で仕事中などに使いまくってます。あ、今スタバでドヤリングしながらこのエントリ書いてるときも。

 本体はUSBメモリみたいな小ささで、キャップを抜いて、PCのUSB端子にそのままブスッと刺す構造。動作中はこの製品名にもなっているトンボが光ります。
 更にこの光も、一般的なCDのサンプリング周波数である44.1kHz再生時には緑、最大の92kHz再生中には白(実際はピンクに見えるけど)になるなど、各サンプリング周波数でトンボの色が変わるという手の込んだ作り。別に音質には関係ない機能ですが、緑から青やオレンジ、白(ピンク)に色が変わると、なんだかうれしいです。

 音は、繰り返しになりますが、ちょっとびっくりするくらいの再生音。
 もちろん、本格的な据え置きUSB DACに比べれば敵うはずはないんでしょうが、このクオリティを簡単に外へ持ち出せる…ってのが素晴らしい。技術の進歩ってスゴイですよね。

 再生音の傾向は、程よく中音域が充実した、歯切れのよいサウンド。この辺は構造的にハイパワー電源を使えない訳で、いたずらにダイナミックレンジやスケール感を広げるよりも、できる範囲でキレイにまとめ上げている印象があります。
 手持ちの機器で比較できる製品というと、CHORDのChordette Gemがありますが、音はあちらよりも細身で反応がよいです。オーディオ的楽しみならChordette Gemが勝るのかも知れませんが、モバイルオーディオとしては、ドラゴンフライの音もなかなか快感。

 難点は、iPhone/iPad等のiOS機器では使えないこと。ただ、Android機では外付けのヘッドホンアンプとしても使える事例もあるようです。

 PCにただ刺すだけで、ドライバソフトも必要ありませんし、デジタルで付きまとうボリウム問題(ボリウムを絞るせいでジッタが出る)も、自動的にドラゴンフライ内のデジタルボリウムが制御しますので、安心して音量調整ができます。

 確かに使いどころが悩ましい機器ではありますが、出てくる音に不満はないのではないかな…と思いますよ。

OLYMPYS XZ-1


▼2013年06月27日

クク…クラリス〜のニューアルバム買った

ClariS new カリオストロ男爵ネタはまだ年寄りじゃないよねw

 ということで、現役女子高生ユニットとして、アニソン系のアレな世界で人気を博している、ClariSさまのニューアルバム買いましたよ。

 多分組み立てないと思いますが(笑)、グラフィグ付きの初回限定版ね。早速ゾンアマさんではプレミア付いてるみたいだけど、昨日の段階ではアキバのタワーには結構在庫あった。

 内容は、最近のアニソンの主題歌とかが多いみたいですが、なんのアニメの歌なのかサッパリ分かりません。トラックの4〜5辺りがなかなかよかったです。

 そういえば、ファーストアルバムもねんぷち付きの初回限定版買ったんだったな。

▼2013年06月23日

Rose Tres Bele-chansons:女吟遊詩人たち〜北フランス中世「女の声」と歌の世界〜

E6230969.JPG 女吟遊詩人たち…というタイトルのCD。
ふと通りかかった新宿タワーレコードバロックコーナーで目について購入。

 サブタイトルに〜北フランスの中世、「女の声」と歌の世界〜とあります。ま、中世時代の女性ポップスというか、ラブソングみたいなもんですかね。面白そうなので購入してきました。

 なんつーか、今も中世も同じですな、男女というモノは…。

 聴いているだけだと、歌詞はよくわかりませんので、なんだか高尚な音楽を聴いているようです。キレイに澄み切った女性ボーカルがまた神々しい。録音も結構いい…というか、こういう曲なのでいい録音に聴こえちゃうんだけど、オーディオ的にもなかなか快感であります。

 で、歌詞カードを読むとこんな感じ…一部だけ引用します。

わたしの夫は、ひどく嫉妬深いのです しかも偉そうで、残酷で、暴力的なのです。 けれど、いまになりますよーーNTR男に 私は必ず見つけて見せます、いい人を、

 株式会社マーキュリーという会社が輸入しているようで、こちらには日本語の対訳が入っています。直輸入品ならもっと安く手に入れられるのかも知れませんが、やはり対訳読みながらの方が面白いです。

OLYMPUS E-3 + Zuiko Digital 50mm F2.0 Macro


▼2013年06月08日

FISCH Power Bar

P6081638.JPG 幻の電源タップ。効果はてきめん!ってのは知ってたんですけどね。色々あって入手はできていませんでしたが、この度ようやく購入できました。

 こちら、メイド・イン・ジャーマニーの逸品。単なるタップではなく、アナログとデジタル用にノイズフィルタを内蔵していて、それが音に効くらしいです。当時の価格は81,000円。普段こういうモノにあまり大金を出したがらない自分でも、思わず購入しようとした位ですからね。

 こちらの電源タップ、確か発売されていたのは2004〜2005年頃だったのではないでしょうか?その頃にドイツから輸入され、たちまちオーディオマニアの間で話題になりました。実際、オーディオやってるリアルな友達は、ほぼ全員このタップ買って使ってるしね。

 それだけの電源タップなのに、どうして近年は幻みたいになってしまったかというと、あのPSE法のおかげであります。この製品は、その頃始まったPSE法の適合を受けていなかったんですね。なので、2005年末以降は輸入販売ができなくなり、また、その頃問題になった中古品の扱いにおける解釈の問題もあり、オーディオショップでは並行輸入も中止し、中古品買取りも自粛されていたようです。
 その為、買い時を逃した今では、ヤフオクで2〜3年に1回出品があるかないかのレアものとなっています。

 メーカー自体はまだ健在なようで、本国のサイトでは何故かオヤイデ製品までが紹介されています。

 手元に届いてから、早速使っているのですが、聴感上のS/N比は随分と向上します。電源関係のアクセサリで、ココまで音が変わる製品は、なかなかないんじゃないかしら?
 音がクリアになった分、少しパンチが欠けた気もしないでもないですが、これはメリットがデメリットを大幅に上回っているので由とします。特に私の場合は、夜間や早朝に音楽をかけることが多く、小音量再生でクリア感が増したのはとてもありがたいです。

 電源タップとしては、かなりサイズが大きく、更に全てのコンセントに安全キャップ付きという、ちょっと中二心をくすぐらせるカッコ良さですが、見た目の無骨さと違って、音が繊細で綺麗な方向にシフトするのが面白いですね。やはり、内蔵フィルタ効果のせいなんでしょうか。

 今となっては、なかなか日本国内での入手はむつかしいかも知れませんが、電源系のアクセサリが好きな人には、是非一度試してもらいたい逸品です。

OLYMPYS XZ-1

▼2013年05月30日

K-ON! MUSIC HISTORY'S BOX

P5291525.JPG いや…買ったんじゃないんです。借りました。

 というのも、数日前に新宿のヤーツタ新譜コーナーで見つけましてね。「うぉっ!こんな12枚組BOXとかレンタルしてるの?借りなきゃ損じゃね!」と、よくわからない動機で借りてきちゃいました。
 けいおん!の音楽は主題歌シングルを昔買った記憶がありますが、それなりにいい感じだったし。

 で、家に戻ってサクッとリッピング。ちょっと前のビートルズから、昨日一昨日は、けいおんの音楽尽くしですよ。12枚ありますので全部聴くのも大変。

 しかしこれ、ファンの方には結構いいアイテムなんじゃないですかね。2万円は確かにアレですが、LP-BOXサイズの箱に、いままでけいおんシリーズ(バンドやろうぜシリーズは除く)の音楽が全て入った12枚のCDと、更にLPボックスサイズのジャケットアート集までついてます。
 また、自分はよくわかりませんが、いままで商品化されていなかったりしたトラックも含まれているそうですよ。

 もちろん、私みたいなにわかで「2万円はちょっとね…。」という人は、渋谷とか新宿のヤーツタに突撃しましょう。
 セット商品なので、CD12枚でもレンタルアルバム1枚分の価格ってのがまた更におトク過ぎ。まだ新譜扱いですが、1週間借りてもたかが790円(新宿TSUTAYA価格)です。

OLYMPYS XZ-1


▼2013年05月26日

HDtracksでハイレゾ音源をご購入

 HDtracksという、アメリカのハイレゾデータ販売サイトがあるのですが、ビートルズ以降ハイレゾ付いてる自分も、早速こちらでご購入してみました。

 購入したデータは、Keith Jarrettのケルンコンサート96kHz/24bitと、DoorsのDoors96kHz/24bitとなります。どちらもMajik DSで聴いてみましたけど、いいねぇ…。両者ともやはり空気感が全然違う気がします。このままなら、円盤もういらないわ。

 と、ココまで書いておいてなんですが、HDtracksは基本日本のユーザーにデータを売ってくれません。というか、日本国内からのアクセスですと、買えるデータと買えないデータがあります。
 それを買う方法については…私からは言えませんので、みなさんググって色々試してみて下さい。一言だけヒントを言いますと、プロキシ使うやり方は成功率低いです。あと、私がアクセスしたときは、Mac用のHDtracks専用ダウロードマネージャが起動しませんでした。Windowsでアクセスしたほうがいいでしょう。

 こういうの、法的にどうなのかは知りませんので、私的には皆さんへお勧めする訳にもいかないのですが、少なくともカード決済は通っていますし、大丈夫ではないかと。個人としての利用なら禁止される事の方がむしろ理不尽な気もしますし、個人に法的責任が降りかかる事はないでしょう(広義の意味で“密輸”と言えなくはないですが)
 つかね、日本のレコードメーカーや利権保持者達の都合なんて知ったこっちゃないですし。

 日本国内の音源販売サイトや、日本から買える音源販売サイトは、明らかに買える音楽の種類が少ないというか偏ってます。早く一般に流通している音楽のハイレゾ音源が、日本国内からもサクッと買えるようになってほしいものです。

せーのっ!と月花

P5251495.JPG 久しぶりにヲタソンの感想も書いてみます。今期のアニメの中で、いいなと思ったアニソン(作品ではない)がこちらの2枚。

 左はゆゆ式というアニメの主題歌。不勉強ながら漫画もアニメも見ていませんでしたが、以前、夜に眠れなくなって起きていたときに見て、その時聴いた主題歌がいきなり気に入っちゃって翌日CD屋さんへ。

 こちらCDシングルながら、何故か収録トラック数が18という、よくわからないサービス精神を発揮してます。クレジットになんとかPとか書いてあるから、ニコ動の人とか関わっているのかな?
 音程が激しく上下するメロディと、短い単語を余韻なく言い切る歌詞がとてもよかったです。つか、この歌詞は美しいな。最近これ風のアニメはすぐに電波系に走りがちだけど、歌い方のアレンジはともかくとして、詞もなかなか聴き応えがあります。

 もう1枚は、下馬評ではあまり期待されていなかった(?)アニメ、はたらく魔王さま!のEDテーマです。
 つか、このアニメ、あまり力入れて作られている気がしないのですが、おそらく今期でダントツに面白いです。作画が安定していないのが残念だけれども、各キャラがきちんと演技してて、展開が地味な割には目が離せません。で、そちらの主題歌の方は正直どうでもいいかなと思ったのですが、EDの歌は切なくていい感じ。

 nano.RIPEというグループが歌っているようですが、よく知りません。私は見ていないのですが、たしか、花咲くいろは…とかいうアニメの歌歌ってたと思います。
 CDは3曲入りになっていますが、EDで使われた「月花」だけが突出してよかったな。

OLYMPYS XZ-1


せーのっ! /情報処理部(大久保瑠美、津田美波、種田梨紗)
サンカク ep/nano.RIPE

▼2013年05月22日

The Beatles USB

E5220954.JPG 数少ないリアルな友達に言わせると、私がビートルズ聴くとか意外な顔をするのですが、残念ながらビートルズのアナログレコードは、ベスト盤以外は一揃え持っているのです。
 熱心なファンではないですが、適当に嗜む程度には聴いてる感じ。

 なので、こちらのUSBビートルズ・ハイレゾ音源集が発売されたとき、サクッと全てのビートルズ音源がデジタルデータで揃うし、将来ネットワークオーディオ機器でも買ったら買おうかな…と思っていたのですが、色々あってしばらくは手に入れていませんでした。

 ただ、このタイミングで世間では円安が進み、一時期は輸入盤が2万円強で買えたのが、最近では軒並み三万円台中盤に…。これでは、高い高いと言われていた国内盤発売時の定価とおなじですね。う〜ん…SNEAKY MUSIC DSを買ったときに速攻で購入しておけばよかった。と考えましたが、仕方ありません。今後、また値段が下がったら買おうかなと思っていたのですが、先日都内の中古CD屋さんで、いい感じの値段に下がった中古を発見。早速注文し、無事に届きました。

 そして、ここ数日は家に帰ってからチマチマと聴いているのですが、さすがCD16Bitの256倍となる24Bitハイレゾデータは、地球最高音質というのも納得できるくらい音はいいです。
 その音の良さが、いわゆるリマスターものでよくあるような、再生音がクリアとか響きが美しいとかそっち方面ではなく、アナログ的に「ゴリッ」とした感じの音の良さなのがいいですね。

 また、せっかくなのでiPhone用にXLDで16bitにダウンコンバートしたデータも作成し、持ち歩いて聴いていますが、それでも音がいいです。なので、以前に入れていたビートルズのデータは全て消しちゃいました(追記:手持ちのiPhone5が24bitデータの再生ができるそうなので、後日ビットレートそのままでALACに変換したデータに差し換えてます)
 そうそう…重要な事ですが、当然ながら収録データにDRMなどというヤボな処置はされておりません。

 小さなりんご大の本体は、金属(アルミ?)でずっしりと重く、高級感があります。上部にある“へた”の部分を引っこ抜くとその下からUSB端子が出てきて、抜いた部分が16GBのUSBメモリになっています。この部分はUSBソケットの保持力で固定されているのではなく、りんご本体とは磁石で接合されていますので、取り外しした時の感覚も高級感があってよいです。それと、へたの部分は折れやすいので、取り扱いには注意して下さいね。本体に差し込んだままゴロンと転がしたりしたら、確実にへたが折れると思います。

 もう発売されてから数年経った製品ではありますが、PCやネットワークオーディオが普及してきた中で、このUSBにハイレゾ音源を内蔵して売るというモデルは、実に時代にマッチした販売方法だなと思います。この先、他のアーティストでも、このように持っていて楽しい音源全集が発売されるといいですね。

 今週は、通勤中も帰宅後も、ビートルズ三昧の日々を送ってますよ。そうそう、有名な話ですが、USB内のデータは何故かRubber Soulのタグ情報が抜けていますので、PCにコピーしたら修正しましょうね。

OLYMPYS E-3 + Zuiko Digital 50mm F2.0 Macro


▼2013年05月19日

アナログレコードの復権?

P5181475.JPG FBにも書いたんだけど、アナログレコードが復活しつつあるようです。
…とはいっても、0.01が0.02になったようなモノで、前年比倍の出荷数になったからといって、世間でいわれるところのブームにはほど遠い訳ですが。

 かくいう私も、今月は久しぶりに新品のアナログレコードを3枚も購入してしまいました。もちろん、中古を含めれば、もっとレコードを買っている月は沢山ありますけど、新譜の完全新品をひと月に3枚って、…なかなか珍しいんじゃないかしら?

 買ったレコードは、流線形のアナログレコード2枚と、西山瞳のアナログレコード。
 流線形は何年か前にCD出た頃「あ、買ってみよう」と思っていたのですが、その後すっかり忘れていました。ユニオンでアナログ版が出ていたので(どうやらCD発売当時もアナログ版が出ていたそうだけど、それの復刻みたい)思い出して購入。
 西山瞳は、デビューアルバムから3枚位買っていたきりだったけど、ニューアルバムとアナログ版を同時に買うとCDRプレゼント…とあったので、こちらも若干衝動気味に(笑)

 流線形の方は、J-POPというか、達郎&ユーミン系の時代が好きな人は、結構懐かしい感じでハマるんではないかと。
 西山瞳の方は…彼女のJAZZって、スタンダード曲の焼き直しではなく、オリジナルで作曲された曲が多い。そのせいか当たり外れのブレは大きい気がするけど、アタリの時はなかなかよいというか、今回は特にボーナスCDRがよかったな。

 私がお金を稼ぐようになってオーディオを始めた頃というのは、世間ではもう「アナログレコードはいつ市場から消えるのか?」みたいな風潮で、これからはCD時代、アナログはもう古い!という時代でした。
 それが、このままだとおそらく、アナログレコードより先にCDの方が消えてしまいそう。
 実際、コンテンツ配布メディアとしてのCDはまだ続いてはいますが、それを再生するためのCD専用のプレーヤーは、高級オーディオの世界からは知らぬ間に消えてしまってます。

 そして、結果としてCDの音は、アナログレコードを凌駕することができませんでした。これはノスタルジーなどの評価ではないです。
 気になる人は、数万円のモデルでいいから、ターンテーブルを買ってアナログレコードを再生してみて下さい。その音の違いに納得できるはず。
 全ての環境で断言できる訳ではないですが、アナログの音は、濃密でエネルギッシュでCDよりもずっと現代的というか、演奏現場の音に近い。CDの影でヒッソリとしているかと思われたアナログプレーヤーですが、水面下ではきちんと進化していたんですね。

 もちろん、アナログレコードが今普及しているデジタルオーディオに取って代わるとは全然思いませんが、私達の世代が消えるくらいまでは、確実に音楽を聴くためのフォーマットとして残りそうな気がします。

OLYMPYS XZ-1


▼2013年05月18日

Parrot Zik・Bluetoothヘッドホン

P5151465.JPG 以前から欲しいなと思っていたのですが、ま、イヤホンとか沢山持っているし…と、手を出していなかったのです。
 ただ、最近満員電車に乗る機会が増えて、となるとね、イヤホンのコードがわりと人に引っかかる。そのうちK3003とかぶっ千切られたら、泣くに泣けないな…と思って購入。といっても、買ったのはもう数ヶ月前の話です。

 で、使い始めてみると、なかなか快適で毎日このヘッドホン以外使わなくなりました。ということで、今更ながら軽く使い心地などを紹介してみます。

 このParrot Zikという製品、Parrotが製造メーカー、zikが製品名です。おフランス製ざますよ。ヘッドホンを製造しているからオーディオメーカ?という訳ではなく、他にはカメラ付きラジコンヘリとか、妙なモノを販売している会社です。

 このヘッドホンの特徴的なスタイルは、フィリップ・スタルクによってデザインされています。あの浅草うんこビルをデザインした人と言えばわかりやすいかな。

 専用バッテリにより駆動して、アクティブノイズキャンセル機能内蔵。接続はbluetoothによる無線接続ですが、ミニピンステレオジャックによる有線接続も可能で、その場合ノイズキャンセラは効きませんが、バッテリ無しでも音楽が聴けます。この辺はバッテリが切れると音楽すら聴けなくなるBoseのQuietComfortシリーズよりも優秀です。
 また、骨伝導によるマイク機能を内蔵し、そのまま通話にも使えます。通常のマイクではないので、環境音まみれの場所でもノイズがあまり入らないみたい。

 更にカッコいいのが、右側のハウジングを指でなぞり、曲送りや音量の変更、一時停止などが行える機能。これは、カッコいいだけではなく、混雑した電車内や、多くの荷物を持っているときなど、右側ハウジングを結構アバウトに触っても操作できますので、とても便利です。スイッチだと、いちいち正確な位置を指でまさぐらないといけないからね。また、ヘッドホンを外すと自動的に電源が切れるようになっています。

 肝心の音質ですが、低音モリモリ系です。正直、音だけで買うヘッドホンだとは思っていませんが、逆に言うとBluetoothでココまで音がいいんだとびっくりしました。いや…音がいいというか、まとめ方が上手いと思いますね。聴いていると楽しくなる音です。これは外出用ヘッドホンとして結構重要な事かもしれません。

 欠点というか気になる点は、バッテリが意外と保たない事。保たないといっても、スペックではアクティブノイズキャンセルを効かせて音楽を聴くと6時間保ちますので、通勤などに使うには充分です。充電端子も一般的なマイクロUSBなので、人によっては会社でも充電できるでしょう。
 ただ、上記にも書いた「ヘッドホンを外すと自動的に電源が切れる」機能が、どうやら右側のイヤパッド内にある静電スイッチ的な何かで感知しているようで、これからの時期、汗をかいてイヤパッドが少し湿っているときなど、誤動作したりします。困るのは、明示的に電源をOFFにしても、汗の水分のせいか、たまに電源がONになっている事。音楽の再生まで始まっていたりして、恥ずかしいアニソンとか流れちゃうとちょっとピンチですね。もちろん、電池も知らない間に消耗していますし。

 ということで、こちらのヘッドホンを使う人は、脱着した後の電源状態に注意する事と、不意の電池切れ対応のために、予備バッテリをひとつ手に入れておいた方がいいかもしれません。予備バッテリは専用品ですが、2,300円前後と比較的安い価格で売られていますので、買っておいて損はありません。

 実売価格が39,000円前後と、競合するbluetoothヘッドホン達よりも少しお高目ですが、スマホで音楽を聴くために、考えられるすべての機能がてんこ盛りになっていることを考えると、案外安いんじゃないかとも思います。自分としては、買って満足でした。

 あ、最後にひとつだけ注意ですが、このヘッドホン、サイズがあまり大きくありません。私の場合、帽子なしの場合は、最大から一個小さくした目盛り、帽子アリだと、最大の長さにしないと装着できません。
 頭が大きいと自覚している人は、まず試着してから購入した方がいいと思います。

OLYMPYS XZ-1


▼2013年02月15日

DSの設定をチマチマと

P2090739.JPG 購入してから驚く程なにもしていなかった、Majik DSだけど、ようやくLINN konfigを使って、チマチマと設定を確認。

 まずは、背面イーサーネットLEDランプの点灯確認。こちらはデフォルトでオフになってましたので問題ナシ。次はデジタルアウトプットのオフ。これは音に効きました。
 それと、前面ディスプレイの光を弱めたり、ディスプレイに情報表示させるの止めたり、信号可変出力をオフにしたり…ちまちまと。

 電源ケーブルは、懐かしのリンイエローケーブルに変更。マニュアルには一応「電源ケーブル絶対変更すんなタコ!」と書いてありましたが(笑)

 これらをやって、音は少し良くなった気がしますが、気のせいかもしれません。どっちにしろ音は良いので楽しく音楽に浸れます。

 急に仕事が忙しくなってきたので、なかなか家で音を出す機会に恵まれないのですが、小さな音量で聴いていても、音像が破綻しにくくなっているのは、Sneaky DSとは違う点ですね。

 そうそう…Sneaky DSとMajik DSの性能差ですが、当時の国内価格、29万円と45万円を考えてしまうと、「もすこしがんばってMajik DS買おうよ」といった感じですが、直輸入品10万円程度と、今の価格33万円を比較すると「Sneaky DSって結構いいんじゃないのかな?」と感じてしまいます。もちろん、全ての面で、音はMajik DSの方がいいですけど、当初期待していた程の音質差はまだ実感できていません。

 同じメーカーの製品をあまり悪くは言いたくはないですが、SEKRIT DS-IとMajik DS-Iを比較したときの方が、性能差があったような気がしています。

 写真は、前のエントリで騒いでたメインスイッチ。下方向が本体前面で、ラックに収めると向かって右側の底面付近にあることになります。

OLYMPYS XZ-1


▼2013年02月09日

【速報】LINN Majik DSが届きました

P2090750.JPG LINNですよDSですよ奥さん。
 DSといっても、デストロイド・スパルタンではありません。DSは、デジタル・ストリームの略らしいです。

 ま、去年の夏に、SNEAKY MUSIC DS買っちゃってますからね(笑)
 その頃は単体で50万位するコンポとか買えない!なんて書いてますが、その後の秋になって、民主党政策下の超円高のため、国内の価格が30万円位に値下がりしましたので、つい(笑)こうてしまいました。なんつーか唯一、民主党政権になって良かったことかもしれん。

 余ったSNEAKYは、逆に最近の円安で、ほぼ買った値段で売れそうだし、とりあえずDSの魅力が理解できただけでも、手に入れたことは有意義でした。つか、この円安だと、またLINN製品の国内価格上がるのかな?

 あ…ちなみに日本国内の製品価格については、リンジャパンに文句言っても無駄だよ。LINNは世界中で自社製品をいくらで売るか、本社が直接コントロールしているようです。内外価格差に文句があれば、英語で本社に直接メッセージ送りましょう。

 さて、既にSNEAKY使ってるので、ネットワーク設定は済んでいるのですが、初めは本体のメインスイッチがわからずに困りました。

 付属のマニュアルには「リアパネル・メインスイッチをONにし、DSの電源を入れますと…」としか書いてないので、背面にスイッチあるのかと思ったら、ありません。一応前面ディスプレイパネル横には電源ボタンがありますが、あれはメインスイッチではないので、当然電源は入らず。SNEAKYみたいにスイッチないのかと思いましたが、そうでもなさそうです。
 やっぱ送ってもらわないで、サンクリに納品+セッティングに来てもらうべきだったか?と少し後悔しましたが、ラック上にあるLINN BASIK・アナログプレーヤーのスイッチを思い出し、本体前から底面をまさぐったら、スイッチありました。どうやら素のMajik DSのみ、この位置にメインスイッチあるようで(後から聞いた情報によると、最近のシリーズは素のDS以外でも基本全て、底面スイッチにマイチェンしたらしいです。昨今は節電ムードなので、こまめに電源落とせ!って事らしいw )、つか、マニュアルに書いてくれないとわかんねーよ!

 音出ししたばかりなので、音質的評価はまだこれからですが、チラッと聴いた感じですと、SNEAKYよりも音が綺麗になるというより、音の重心が下がり、しっかりと足が地に付いた感じがします。レンジについては、上は明らかに伸びていて、下は少しずつモリッとしてきたかな?という印象。もう少し電源入れて鳴らさないと本領は発揮しないでしょう。

 初めはクラシック鳴らしていたのですが、途中松任谷由実のアルバムに切り替えると、ボーカルはやはりすごいなと思いました。なんというか、音に実像感があります。
 この表現の巧みさがLINNなんだよなぁ。例えスペック上、他社製品よりレンジが伸びていなくても、解像度が低くても、この、まるで目の前で人が歌っているかのような、正確で自然で実像を感じる再生こそが、一度LINNを聴くと、なかなか他社製品に移ることができない理由なんだと思います。

 他、オーディオ的、音質的なお話は、もう少し聴いてからまた後日。

 外見についてですが、以前のモデルと違い、最近のロットは、ブラックを選択すると、フロントディスプレイ回りも全て黒になったのがイイですね。以前の白黒カラーリングは、見た目ちょっとイマイチだったし。

OLYMPYS XZ-1


▼2013年01月19日

Dhm 50th Anniversary Box【ハルモニア・ムンディ設立50周年記念限定BOX】

P1190632.JPG 以前買ったモーツァルトに続き、実はクラシックのハコモノブームが私にきているのでしょうか。

 最近は、アナログプレーヤーが復活して、そのきっかけで買ったシャルランのバロック曲がすごく良くて、朝起きるとほぼ毎日バロックのレコードを聴く習慣ができて、手持ち8枚のシャルランレコードもそろそろ聴き飽きてきたので、いよいよCDでも買ってみようかな?と思ってた矢先、友達のブログでハルモニア・ムンディの50枚組CDのエントリを見て、ついついほしくなってしまいました。

 自分も買ってみようかなぁ…と思っていたら、こちらのCD-BOX、当初の実売価格は5,000円台〜7,000円台だったらしいですが、発売当初は結構な評判で、割とすぐに売り切れたあと、今ではプレミア価格で取引されているようです。

 幸い、ネットで調べてみると、ディスクユニオンで複数在庫があるようなので、ま、若干のプレミア価格も仕方ないかな?と思って買いに行くと、丁度このBOXが、ユニオン名物、価格のラベルカラー割引きに該当していまして、値札からなんと3割引き、なんだかんだで当時の新品価格5,000円台で購入できてしまいました。ラッキーです。

 で、早速聴いていますが、なかなかのものですね。昨晩で12枚程リッピングしましたので、通勤途中と、本日の休日作業中のBGMとして活躍しています。録音も良好で、バロックの入門にはとても良いセットなのかも知れません。

 ボックスの内容については、メーカーや通販サイトを漁るとわかりますが、そちらよりも、以下の2chよりのコピペがわかりやすいです。

42 : 名無しの笛の踊り : 2008/04/19(土) 13:50:17 ID:IUaOa+3O
Disc.1 http://www.hmv.co.jp/product/detail/1881557
Disc.2 http://www.hmv.co.jp/product/detail/1878457
Disc.3 http://www.hmv.co.jp/product/detail/1881842
Disc.4 http://www.hmv.co.jp/product/detail/1092981
Disc.5
Disc.6 http://www.hmv.co.jp/product/detail/1881665
Disc.7 http://www.hmv.co.jp/product/detail/1881665
Disc.8 http://www.hmv.co.jp/product/detail/1878099
Disc.9 http://www.hmv.co.jp/product/detail/1881694
Disc.10 http://www.hmv.co.jp/product/detail/1881694
Disc.11 http://www.hmv.co.jp/product/detail/1881585
Disc.12 http://www.hmv.co.jp/product/detail/1881587
Disc.13 http://www.hmv.co.jp/product/detail/1881657
Disc.14 http://www.hmv.co.jp/product/detail/1881641
Disc.15 http://www.hmv.co.jp/product/detail/1881633
Disc.16 http://www.hmv.co.jp/product/detail/1877927
Disc.17
Disc.18 http://www.hmv.co.jp/product/detail/1092980
Disc.19 http://www.hmv.co.jp/product/detail/1881579
Disc.20 http://www.hmv.co.jp/product/detail/1092975
Disc.21
Disc.22 http://www.hmv.co.jp/product/detail/1092978
Disc.23 http://www.hmv.co.jp/product/detail/1092962
Disc.24
Disc.25 http://www.hmv.co.jp/product/detail/1877714

43 : 名無しの笛の踊り : 2008/04/19(土) 13:51:04 ID:IUaOa+3O
Disc.26
Disc.27 http://www.hmv.co.jp/product/detail/1092959
Disc.28 http://www.hmv.co.jp/product/detail/1876693
Disc.29 http://www.hmv.co.jp/product/detail/1877710
Disc.30 http://www.hmv.co.jp/product/detail/1881603
Disc.31 http://www.hmv.co.jp/product/detail/1092963
Disc.32 http://www.hmv.co.jp/product/detail/1092963
Disc.33 http://www.hmv.co.jp/product/detail/1881581
Disc.34 http://www.hmv.co.jp/product/detail/1092965
Disc.35 http://www.hmv.co.jp/product/detail/1092964
Disc.36 http://www.hmv.co.jp/product/detail/1881594
Disc.37 http://www.hmv.co.jp/product/detail/1092961
Disc.38 http://www.hmv.co.jp/product/detail/1877578
Disc.39 http://www.hmv.co.jp/product/detail/1877577
Disc.40 http://www.hmv.co.jp/product/detail/1092986
Disc.41
Disc.42 http://www.hmv.co.jp/product/detail/333072
Disc.43 http://www.hmv.co.jp/product/detail/1877476
Disc.44 http://www.hmv.co.jp/product/detail/1092987
Disc.45 http://www.hmv.co.jp/product/detail/1877437
Disc.46 http://www.hmv.co.jp/product/detail/1881591
Disc.47
Disc.48
Disc.49 http://www.hmv.co.jp/product/detail/1881589
Disc.50