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▼2008年02月07日

音楽無料化へ?

 ジャスラックの陰謀(笑)とは裏腹に、現在のアメリカでは「音楽配信無料」へ向かいつつあるようだ。

 音楽無料化へ動く レーベル各社の思惑 」:東京IT新聞

 もちろん全くの無料ではなく、ユーザーは様々な手段による「広告入り」音楽を提供される訳で、今までの「ソフトを直接購入」という形ではなく、間接的な形で音楽に対する対価を支払うモデルとなる。広告付きであるが故に、これらの音楽は今まで以上に「広告主」の意向を反映したものになるはずだ。これを作家性の喪失と見るか機会の拡大と見るかは人それぞれだとは思うが、既にヒットチャートの上位を占める多くの音楽における制作システムを考えると、様々な広告戦略で利用され消費された末の音楽に、消費者が改めて「対価を支払う」必要性があるのか?とも感じる訳で、それならばいっそ、この無料化で更に多くの消費者に向け音楽を聞かせる機会を増やす事により、他の部分の間接収入を増やすというビジネスモデルは、ある意味この「広告時代」にはふさわしいモデルとなるかもしれない。もっとも、そのように作成された音楽に普遍性を持つ価値があるかないかの議論は当然別問題となるが。

 考えてみれば、音楽制作者がライブ演奏ではなく、その制作物であるソフトを売った対価を収入にする…というビジネスモデルは、せいぜいここ半世紀くらいのモデルでしかない。となると、この業界はまだまだ変化(進歩とはいわない)の余地が多分にあるのだろう。そこを果敢に攻めるアメリカという国の文化は、良いか悪いかは別にして、やはり革新的だなとは思う。

 ちなみにここ半世紀における「ソフトを売る」というビジネスモデルにおける音楽の変化をざっと思いつくままに上げてみると…

 ●曲が短くなった(ちなみにジャスラック基準だと5分以内を1曲分としてカウントしていた)
 ●少人数、もしくは1人で演奏が可能なスタイルへの変化
 ●歌曲の圧倒的増大(大衆の嗜好以外にも様々な金銭的要因も関与していると思う)
 ●演奏者と作曲者の同化(同じく大衆の嗜好以外に金銭的要因も関与しているだろう)

 繰り返すが、上記のポイントはあくまでも「ビジネスにおける音楽」についての話である。

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