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▼2018年01月19日

NAPOLEX HA-5の謎

https://farm5.staticflickr.com/4676/39747050792_500546792d_m.jpg 謎という訳でもないのですが、いくつかわかったことがあったので、前のエントリに加えて追記を。

 最近色々調べていたのですが、手持ちのステレオ誌の1976年9月号で、HA-5の広告を見つけました。調べるとナポレックスというメーカーは、定期的な広告をステレオ誌にしか出していなかったようです。
 ステレオサウンド誌と違って、ステレオ誌はほぼコレクションされることがない雑誌(とくにバブル期は広告出稿してるメーカーへの編重ぶりが最悪で資料的価値がほぼない)なので、この雑誌にしか出稿していないとすると、なかなか資料漁りにも手間がかかります。

 まず、前のエントリからの訂正ですが、メーカーはこの製品を「ヘッドホンアンプ」と呼称していなかったようです。なので広告にも「プリアンプ」として紹介されています。それと価格も27,000円ですね。発売後値上がりしたのかもしれませんが、にしても19,800円は安すぎる気がします。

 せっかくなので、広告文章のHA-5の部分を引用します。

●ヘッドホン用パワーアンプを内蔵したプリアンプHA-5。
「シンプル・イズ・ベスト」をモットーに、トーンコントロールなど少しでも音質を劣化させる回路をはぶき、増幅素子を最小限にし、その動作点も歪の少ない点に設定。さらに直流をもNFをかける単純な回路を構成。信号回路の単純化により、精密緻密な音質を得ています。また、HA-5は、ダイナミック型ヘッドホン専用のアンプを内蔵。直接プレーヤー及びチューナー、テープデッキに接続して、2台のヘッドフォンを駆動させることができます。ヘッドホン本来の性能を100%引き出し、ソースのディテールまで、あますところなく再生するHA-5-----世界最高峰のプリアンプと比較試聴し、その音質をご確認下さい。/プリアンプHA-5(ヘッドホン用パワーアンプ内臓)標準価格27,000円

 だそうです。

 メーカーは、この製品をヘッドホンアンプではなく「プリアンプ」として売っていたこと。そして、世界最高峰のプリアンプと比較とか、宣伝文章にせよ、本製品の音質には相当の自信を持って世に送り出していたことがわかります。

 世界最高峰かはわかりませんが、自宅のHA-5は通電しているとますます調子が良くなってきました。特にヘッドホン出力の音はいいですね、毎晩ヘッドホンで音を聴くのが楽しみになっています。

iPhone7 Plus


▼2018年01月07日

NAPOLEX HA-5

P1070572 今のオーディオ業界はヘッドホン関係がブームで、むしろ普通のオーディオメーカーの陰が薄くなっているような状況ですが、この現在のヘッドホンブームからおよそ50年前、1970年〜1980年にかけて、ナポレックスという、ヘッドホンをほぼ専業にするという珍しいオーディオメーカーが存在しました。

 メーカーとしては創立が1970年、そして1980年には会社を売却しているとのことなので、会社の存命機関はちょうど10年間。なので資料も少なくて、手持ちだと「絵で見るオーディオがイド」という昭和53年3月発行の本に国内オーディオメーカーのリストとして掲載されているのを見つけました。それによると、本社は東京都の神楽坂に存在していたようです。他、当時のヘッドホン関係資料といえばステレオサウンド別冊の本がある筈なのですが、今は奥の院から出てこないので、のちほど判明した情報があれば随時追加してゆきます。

 当時のオーディオにおけるヘッドホンといえば、完全に本流から外れていて、たまにオーディオ誌で紹介されるときは、ケーブルやインシュレータと同様のアクセサリ扱いになっていました。そんな時代に、ナポレックスがほぼヘッドホンオーディオ専業であったことは、先見の明というか、当時のオーディオ業界を考えると無謀というか…まぁ、個性的なメーカーであったことは間違いありません。ただWebサイトを調べると1機種だけ、スキャンスピーク社と共同開発で普通のスピーカも発売していたようです。

 そしてこのHA-5という製品は、ナポレックスが1976年に発売したヘッドホンアンプ。発売期間は1年程度の短命だったようで、当時の定価は19,800円27,000円でした。

 本製品が面白いのは、ヘッドホンアンプながら、プリアウト端子、そしてMMのフォノイコライザも内蔵していること。更にテープモニタまでありますので、機能としては完全にプリアンプですねこれは。更に凝ったことに、それらの回路はすべて別回路になっています。ちゃんと配線追っていないのですが、ケースを開けると、メインの左右バランス同軸ボリウムも3連〜4連装になっていまして、それぞれ通過するボリウムが違うのかしら?他、面白いのは、メインの基板がケース上部から逆さま(しかも斜め)に装着されていて、コンデンサなどは一部を除いて全て上からつり下げられています。電源部分のみが下のシャーシに設置されており、電源部分と回路の分離を狙った構造なのかもしれませんが、実は単にこのサイズのケースに無理矢理基板を突っ込もうとしただけなのかもw。
 とにかく製品のジャンルも個性的ですが、設計もかなり個性的です。

 ヘッドホンアンプとしては、ちょっと高域にクセがある鳴り方ですが、音はとてもクリアでいい意味で当時の高級ステレオっぽい音が楽しめます。入手当時は低音が不足している気がして、それを補うため低音ジャンキーなウルトラゾーンのPRO900で聴いていたのですが、しばらく使っているうちに大分馴染んできたのか、或いは耳が慣れてきたのか(笑)、AKGのK702くらいがちょうどいい感じになってきました。程よい解像感と立ち下がりがやや伸び気味な音のせいか、密閉型より開放型のヘッドホンの方が、このアンプには似合う気がします。

 本製品はプリアウト出力を持っていますので、もちろんプリアンプとしても使えます。現在はNAP250に繋いで聴いていますが、プリアンプとしての音はさすがに私のメインプリであるNAC12と比較できるクオリティーではありません。質もそうですが、中低域に独特なピークを感じますし、高域はもう少しなめらかさがあればと思いますが、新品の状態を知らないので本機の音質評価はできません。ただ、面白い音ではあるので、ここしばらく(といっても年末年始は自宅にいませんでしたが)は、この組み合わせで音楽を聴いています。
 なにせNAC12にはヘッドホン出力がないので、HA-5だと深夜にヘッドホンリスニングを行う時でもスイッチ1つで配線替えしないで済むのが楽w

 フォノイコは正直オマケレベル。聴けなくはないですが、当然ながら自宅のLINN LINTOとは比較になりません。ついでにいうとMM入力なので、SONYのHA-10を挟んで聴いていますが、それに原因があるのかも。使用カートリッジがIKEDA9cIIIなので、評価にはもう少し増幅率が高いヘッドアンプを用意すべきなのかもしれませんね。
 それと、フロントの切り替えスイッチにガリがあるようで、聴いているとノイズが乗ったりしてきます。ここをクリーニングすれば直るか、或いはトランジスタの寿命か…よく分かりませんが、自分が持っているHA-5についてはフォノイコの調子はイマイチです(追記:このエントリを書いた日に再度レコード再生してみましたら、少なくともガリはありませんでした。レコードの再生音も以前の印象より大分良かったです)

 このような個性的な製品を作っていたナポレックスですが、1980年には会社を売却して、オーディオからは完全に撤退したようです。同じ名前でカー用品のメーカーがありますが、同社の沿革を読む限り、全く関係ない会社みたいですね。

 1970年代といえば、住宅も今より狭かったですし、遮音性も現代の住宅よりもありませんでした。本来は現在よりもヘッドホンリスニングが求められる時代だったような気もしますが、何故かあの頃のマニアの大多数は本気でヘッドホンオーディオに取り組もうとは考えませんでした。そんな時代に当時アクセサリ扱いだったヘッドホンをほぼ専業にするとは、時代が半世紀ほど早すぎたのかもしれません。

 もし、現在もこのメーカーが存続していれば、STAXと並んで日本のヘッドホンオーディオを盛り上げていたのかもしれないと思うと残念です。そして当時の社員だった人達は、今のヘッドホンオーディオの盛り上がりを、どんな思いで見つめているのでしょうか?

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▼2018年01月05日

National/Technics SU-50A

https://farm5.staticflickr.com/4725/38612717495_4264d59349_m.jpg どうでもいいけど、乙女のたしなみアンプ道…的なアニメか漫画とかできませんかね?名付けて「ガールズ&アンプリファイヤー!」。萌えっぽい女子高生達が乙女のたしなみを身につけるために、古のアンプを使って闘う…って、何と闘うんだ?w

 それはともかく、ここ数ヶ月私が夢中になっているアンプ、TechnicsのSU-50Aです。発売が1969年でステレオサウンドNo.10に発売の案内が出ていますので、同年の春くらいから店頭に並んだのでしょうか?発売当初は50Aというシンプルな型番でしたが、後にSU-50Aと変更されたようです。

 当時の定価は95,000円。消費税制度の前にはオーディオ機器に物品税というのが15%程かかっていましたので、それを差し引くと本当の価格は82,600円くらい?更に当時の物価を考えると1969年といえば大卒初任給が平均34,100円の時代。ただ当時の経済は高度成長期の健全なインフレ基調にありましたので、今と比較して数字通りの貨幣価値ではないと思います。それでも今の感覚だと20〜30万円クラスのプリメインアンプと言えますかね。発売当初だと、国産では最高額に近い製品で、当時のオーディオ誌を当たってみても、高級オーディオ機器として扱われています。

 このアンプの特徴は、何といっても、ナショナル・テクニクスが始めて発売したソリッドステート、つまり増幅にトランジスタを使った初のプリメインアンプであったということ。その当時のHi-Fiアンプはまだまだ管球式がメインで、ナショナルが同時期に発売していたSU-30/SU40というプリアンプとメインアンプも管球式でした。そんな中での同社初めてのトランジスタ方式によるHi-Fiプリメインアンプということで、本機にかけるナショナルの意気込みもかなりのものだったようです。

https://farm5.staticflickr.com/4683/39478351572_6b5775cd4d_m.jpg こちらは、ステレオサウンドNo.14に掲載されていた折込広告。大きく天板を空けた内部を見せ、その横には「アンプとして魅力があり、音色として親しみがある50A!」というキャッチが掲載されています。
 この「音色として親しみがある」というのがポイントで、当時の雑誌記事を当たると、トランジスタ方式ながら音色には暖かみがあり、まるで管球式のアンプのようだ…といった評価が出ていたりします。
 これは想像ですが、当時のナショナルは、初のトランジスタアンプとして、音色の違いを管球式と比較されてしまうのを恐れたのかもしれません。そのため本機の音色はTechnicsブランドのアンプとしても異質で、実質の後継機であるSU-3600はもちろんのこと、それ以前に発売されていたSU-30/40という管球式プリアンプ・メインアンプよりも暖かみを感じる音色だったそうです。確かに私達が想像するTechnicsの音って、正確無比で硬質、ウォームよりもクールという印象がありますもんね。

 その他、本機の特徴としては、OCL、アウトプットコンデンサレスであるということ。そのため鮮度の高い、特に低域の再現性に優れるそうです。あともうひとつは、特別な回路を使ったトーンコントロール類。これらのつまみはセンター位置から15度以内の範囲で信号がバイパスされる構造になっています。更にトーンコントロールは低域:250Hz/500Hz・高域:2.5kHz/5kHzでそれぞれターンオーバー周波数が切り替えられたり、サブソニックフィルタは-8dbでそれぞれ30Hz/8kHzを選択できるスイッチがあったりと、あの時代のレコード再生を意識した音質コントロール機能も豊富です。ちなみにフォノ回路はMMのみ、ただしこのイコライザ回路も優秀で、名前は忘れましたが、某オーディオ評論家がフォノイコとして本アンプを長年使い続けていたという話をどこかで読みました。

 こちらのアンプは、某所で5万円、更にメンテナンス済みという至れり尽くせりの状態で売られていたモノ。メンテログによると、各種レジスタ類が調整・交換されていてそれなりに手は入っているようですが、リキャップはされていないようですね。正弦波と短形派の測定画像も添付されています。スピーカー端子からDC電圧を測定してもほぼ0mvという優秀な状態だったので、しばらくは使い続けられると思います。

https://farm5.staticflickr.com/4555/24225339347_d4929bd44a_m.jpg 早速音を聴いてみると、本当に素晴らしい…素晴らしいというかね、私の好みとしてこの時代の石のアンプが本当に好きなんだなと思いました。
 なんだかんだで家のメインシステムもこの時代の石のセパレートアンプですし、この時代のソリッドステートなアンプの音には本当に心惹かれて困ります。ただ、今のところ管球式のアンプに行こうかという気分にもあまりなれないんですよね。なんででしょうか?w

 私が思うに、この時代のトランジスタアンプって、音に独特な明るさと歯切れの良さがあるような気がするんですよね。この印象はひょっとしたら、完全に元の音を増幅し切れていないから、あるいは音の情報量が足りないからなのかもしれません。でも、それを言ってしまえば世の中のヴィンテージオーディオ機器なんてみんなそんなもん。音、そして音楽にとって何が重要かは人それぞれで、逆に言えばその人にとって必要ない部分をそぎ取ってしまったからこそ、より音楽が美しく聴こえる…。だからこそ特定の時代のヴィンテージオーディオにハマる人が大勢いるのかもしれません。

 ただ、スピーカーの駆動力については現代のアンプに比べ今一歩かなぁ。
 ダメというレベルではないのですが、CelestionのSL-6みたいな低能率のスピーカーを鳴らすには、今一歩パワーが欲しい気もします。もっとも、この時代のスピーカーはまだまだ高能率でしたからね、まさか発売後半世紀過ぎて84dbW/mなんて低能率スピーカー駆動させられるとは思ってもみなかったでしょう。ただ、手持ちだとYAMAHA NS-1cについてはそれなりに鳴ります。
 なので、私の場合だと、背面のプリアウト出力(本機は背面のプリとパワー端子をショートさせてプリメインとして使う方式、なのでショートピンを外せばプリにもメインにもなります)から、AudioLab8000Pに信号出してスピーカーを駆動しています。その方がこのアンプのおいしいところを味わえますので。

 どことなくマッキン風な見た目は、古のオーディオ評論家、瀬川冬樹氏のアドバイスを受けているという話です。発売当初はMacintoshのアンプを真似しているなどと言われたらしいですが、そもそも一番外見が似ていると思われるMcintosh C23もほぼ同時期の発売なので、真似と結論づけるのも難しい感じ。
 ただSU-50Aの透過パネルについては、実は広告の写真から想像するよりも高級感がなくて、黒いパネルの中から文字だけが浮かび上がるのではなく、パネルの中身全体がうすらぼんやりと光るという、何とも微妙な代物で、ここはもう少し頑張ってほしかったなと思うところ。

 でも、正面にあるナショナルマークとテクニクスマークはカッコイイですね。評論家の菅野沖彦氏は当時のインプレ記事で、このマークがもう少し小さくなればいいのにと語っていますが、今となってはこの英文ナショナルマークもむしろ貴重でカッコよく見えます。

su-50a
↑暗闇だと結構派手な印象w

iPhone6 Plus



 

Victor AX-Z911

https://farm5.staticflickr.com/4679/39491610801_3faf8b1fa8_m.jpg まぁ…色々ありましてねw。某アンプを返品してきたついでにヤケで買ってきたビクターのDAC内蔵アンプ。ヤケというのは嘘で、こっちのアンプもかなり気になってはいたんだけどね。お値段も某アンプの1/5程度だったし。

 VictorのAX-Z911、発売は1987年で当時の定価は89,800円。このアンプ、実は昔にヲデヲやってたときから気にはなっていたんだけど、結局あの頃の自分は輸入製品の方に進んだので、長い間縁はありませんでした。ただ…ずっと心のどこかで気になってはいたんですよね。それが、近年の某所でのアンプ道楽遊びの中で、手持ちの中古アンプを増やすことに抵抗感が無くなったということもあり、非ドフ系のリサイクル店から回収。見た目はミント状態で、一応店頭で動作チェックとDC漏れなど確認してきたのですが、スピーカー端子のDC電圧は7mv程度だったので大丈夫かなと。某所に持ち込んで早速音出しをしてみます。

 AX-Z911の特徴といえば、何と言ってもDAC内蔵アンプだということ。更に面白いのが、デジタル入力があった場合、それをそのままD/Aコンバータに送るのではなく、1度内蔵メモリにバッファしてから再生するという点。バッファメモリの容量は果たしてどのくらいあるんでしょうかね?
 で、なんでこんなめんどくさい事をするのかというと、ズバリ!アンプのA級動作を実現するためとなります。

 アンプにおける増幅方式、A級、AB級、B級…についての解説はここでしませんので、興味がある方は適宜ググってほしいのですが、簡単に言うと、A級アンプというのは、アイドル時こそが消費電力最大状態という、頭のネジが外れてるんじゃね?なんていう超非効率な増幅方式。しかし増幅時の信号のクロスオーバー歪みに関する影響を受けないため、音のピュアな増幅が可能となり、一部で熱狂的なファンがいる形式のアンプとなります。
 ただし、当然ながらA級アンプはアイドル状態で回路へと全力で電気を送り込む方式ため、電気代はともかくとして、アンプの回路には猛烈な負担をかけます。そりゃそうです、ある意味常に全力疾走で最大出力な状態ですから(むしろ音を出している時の方が電気をスピーカーに食われるため回路への電流は減ります)。なのでそれと引き替えにA級アンプの最大出力は小さいです。このAX-Z911の場合でいうと、A級で最大出力20W、但しもうひとつ内蔵されているAB級回路に切り替えれば最大出力120Wとなります。そして理不尽wなことに、AB級動作ならなんともないアンプの天板が、低出力なA級動作に切り替わるとたんチリチリに熱くなります。つまりはファンが壊れた20Wの電熱ヒーター回してるようなもんですからね。夏は使えんぞこれ(笑)

 で、話を戻しますが、このアンプが何故デジタル出力を1度バッファするのかというと、なんと!バッファに貯めたデジタル信号をアナログ変換する前に解析して、出力が20W以下で済むと思われる場合はアンプの増幅回路をA級へ、それを越えると予想される場合は、アンプのクリップを防ぐために瞬時にAB級(ここでは解説しませんがつまり効率的に大出力が出せる増幅方式、普通のアンプはこっち)へと回路を切り替えるのです。ハッキリいってアホかいなと思う手の込みようです。というか、こんな方式を採用したオーディオアンプなんて、全世界でもこのAX-Z911(と後継機のAX-Z921)のみだと思います。もっとも、一般家庭で音楽を再生する限りは、アンプの出力20Wなんて越える訳ないと思いますけどね。
 ちなみにどうしてこんな面倒な安全弁みたいな仕掛けがあるのかというと、アンプが制限出力を越えると、越えた分の信号の山が平坦…クリップと呼ばれる状態になり、そのときスピーカーには直流電力が流れるのと同じ状態になるからです。何故これがマズいのか…は、ググって下さいw。

 故にこのアンプの場合、デジタル入力とアナログ入力では全く音が変わります。そりゃそうです、入力信号によってA級動作とAB級動作に変わる訳ですからね。アンプとしては全く別物な訳で、当然同じ音の筈がありません。
 で、このデジタル入力時のA級動作状態の音がすごくいいんですよ〜いやマジで。当然ながらA級動作を行う為には、内蔵のDACを通さなければいけないので、ADI-2 Proからデジタル48kHzを送り込んで聴く訳ですが、この古くさいDACの味もなかなか。
 現代のDACと違い、音の滑らかさとか解像感はあまりないのですが、情報が適度に欠損しているせいなのか音に力強さがあり、例えていえばちょっとやれてきたレコードの針で音楽聴いてるような印象。音の正確さとかぴゅあぴゅあな音楽再生みたいな観点だとやや邪道なのかもしれませんが、ヲデオは楽しければよいのです。更にダイレクトモードをONにすれば、余計な回路をすっ飛ばし、アンプ内部配線の長さが0.5mでスピーカー出力端子まで直結されるそうで、一層音の鮮度がアップします。

 ADI-2 Proからアップサンプリングしてアナログ出力での再生も試してみたのですが、こちらの方が音は滑らかでちゃんとしてるんだろうな〜と思いつつ、逆にA級アンプのなんとも言えないシルキーな雰囲気が失われます。DACは荒いけど増幅部は滑らかなA級動作か、DACの情報量は多いけど増幅がやや荒いAB級動作か〜悩むところではありますが、やはりこのアンプの個性は貴重なA級動作にあると思われますので、おとなしく内蔵DACで音楽を聴くのが筋かと。

https://farm5.staticflickr.com/4685/25577913218_a2d759b2df_m.jpg 裏技として、外部からデジタル信号を入力した状態で、DAT-2からのアナログ信号を入力し、DATの録音モニター状態で再生するとアナログ入力からのA級動作が可能みたいです。
 みたいです…というのも、アンプの表示は確かにA級増幅になってるし、天板もチリチリに熱くなるのですが、なんかデジタルを突っ込んだときのA級動作と音の感じが微妙に違う気がするんだよね。これは私の気のせいかもしれませんので何ともいえません。アンプがこの状態の場合、内部の基板ではランプが点灯してA級増幅中であることを示すそうですが、それがこの写真。ちなみにこのランプは天板戻してしまうと外からは見えません。
 デジタル側はリンクさえすれば音楽を再生する必要がありませんので、古いCDPの電源を投入してデジタル接続しとくだけで構いません。ADI-2 Proから同時にデジタル出力するって手もあるのですが、その場合サンプリング周波数の受けは最大48kHzを上限にしないとリンクしませんので、アップサンプリングでの再生はできない事になります。

 そういえば本機の天板ですが、呆れることに通常の天板の上に厚さ3mm程度の鉄板が敷かれています。天板空けようとイヤにネジ多いなと思いつつ本機上部のネジを全て外したら、そのまま文字通り天板だけが取れて驚きましたが、まぁ…この時代のアンプは重量こそ正義といわれていた時代なので、さもありなん。
 天板を空けたときに気が付いたのですが、本機は多分天板空けられたことない状態。こういうのって自分でバラすと何となく雰囲気でわかるんだよね。ネジ山に全くキズが無いとか、ネジを全て外して天板を持ち上げるときの抵抗とか…もちろん間違っている場合もありますが、新品の家電製品を分解したことがある人なら、何となくその雰囲気わかってもらえるはず。この個体は、外見もミント状態でしたが、中も30年前のアンプにしては非常に綺麗な状態でした。

 それと、リモコンが付いてるのがありがたい。ホントか知りませんけど、この手のピュアなオーディオアンプの中で、始めてリモコンを搭載したのが本機だという話。

 スピーカーは当初Ditton15で鳴らしていたのですが、イマイチパッとしない印象でした。しかしYAMAHA NS-1cに切り替えたら実にいい塩梅で鳴り、この時代の国産ステレオが目指していた音はこういう方向だったんだなぁ…というのが実感できて、なかなか気持ちよいです。

https://farm5.staticflickr.com/4644/39447912671_3846f0cbc0_m.jpg
↑これが天板、厚さ3mm位あって重い!

iPhone6 Plus


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