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▼2018年06月19日

PIEGA Master jubileの謎

P3210799 PIEGAのMaster jubileと暮らし始めてはや3年、改めてこのスピーカーと向き合ってみます。
 ここのところはCyrus TwoとPSXで鳴らしているのですが、少しづつこのスピーカーが見えてきたような気がします。

 もっとも私はPIEGAというブランドをそんなに聴いてきた訳でもないんですよね。唯一購入を前提として聴いたのがTP5で、その他PremiumやCoaxのシリーズは、聴いたことはありますが、そんなに真剣に聴いていません。なのでPIEGAファンの方にとっては、ちょっと私と印象違うと思われるかもしれません。

 まず、このMaster jubileというモデルについて。こちらはPIEGA創立25周年を記念して25ペアのみ製造されたスピーカーと言われています…が、何故かPIEGAの正史からは省かれており、ネットを探しても、販売当時に最も流れたと思われるロシア語での紹介記事がいくつかあるだけです。
 正史からは省かれているモデルということで、このMaster jubileは記念モデルといいつつも、おそらくPIEGAがTCシリーズからPremiumシリーズに移行するにあたっての実験的なモデルだったのではないかと。そしてPIEGAの正史にない理由は、Master jubileがPIEGAとしては完全に実験モデルとしての位置づけで、結果として失敗作だったからなのか?真相はわかりません。

 同じようなサイズであるTC50Premium 50.2で比較してみましょう。まずMaster jubileのエンクロージャは、上から見るとTC50の台形っぽい形状からPremiumシリーズのラウンドエンクロージャに変わっています。
 その他では、Master jubileのウーハーのみが1発という点、これはTC50もPremium 50.2も2発なので明らかに設計から違います。Master jubileは所詮25ペアしか作られなかった製品ですから、わざわざコストカットを図ったとも思えません。ただ、Master jubileが後のPremiumシリーズ開発にあたり、ウーハーが1発でも問題ないか?という実験をしていたというなら話は別です。

 そしてMaster jubileより後に発売されたPremium50.2との違いを見ると、まずは見た目の違い(色は除いて)だとウーハーの数程度しか違いがないように見えます。バスレフの穴の位置も同じです。エンクロージャ表面はPremium 50.2がアルミ地そのままのシルバーに対して、Master jubileのエンクロージャは、表面に天然マッサカル・ウッドが貼り付けられワックス処理されています(ここ、ビニルシートかと思っていましたが天然木らしいです)
 ただ、見た目ではわからないところだと、両モデルは重量が全く違います。Premium 50.2の重量がカタログ値37kgなのに対して、Master jubileはカタログ値で重量60kg、Master jubileの方がおよそ40%も重いのです。
 私が過去に書いたエントリでは、PIEGA一般のアルミエンクロージャが押し出し材なのに対して、Master jubileは同社C40などと同様にアルミの鋳物製なのではないか?と推測していますが(Master jubile)、サイズとエンクロージャの形状がほぼ一緒のモデルで、これだけの重量差はちょっとおかしい。Master jubileとPremium 50.2、見た目は似たように見えても、実はエンクロージャの設計が根本的に違うのかもしれません。

 それらを前提に音を聴いてみますと、まずPremium 50.2は、ネットでいくつか試聴記を読んだ限りでは中域がやや前に出る(出過ぎる?)といった傾向のようで、これは自分のMaster jubileとはちょっと違うかなと。
 今までいくつかアンプを取り替えて、このMaster jubileを聴いた印象としては、中域の張り出しは全くありません。逆にボーカル域は少し控えめでもあります。そして感じるのが低音の量ですかね。これはレンジの問題ではなく(もちろん充分な帯域は出ています)、スピーカーの特徴として何らかの低域をチューニングしているような気もします。この辺りは私ネットで読んだ限りでのTC50やPremium50.2の試聴記では触れられていない点なので、Master jubileが他の市販モデルと最も違う点はここではないかと。

 それと、空間表現も私が今まで使ってきたスピーカーとはちょっと傾向が違います。なんというかフォーカスがバッチリと決まった高解像度型の音場ではなく、もう少し広い空間に包み込まれるような音場です。なので、ボーカルがスピーカー中央にはっきりと浮かび上がるといったタイプではありません。もちろん定位はきちんとしていますが、中央で歌手が歌っている空間そのものをまとめて表現しようとしているのか?そんな印象です。

 Master jubileは、近年のスピーカーにしては89dbとなかなか能率が良いのですが、Premium 50.2は更に高能率な92dbです。そんな所にも両者の設計思想の違いが見えてくる気がします。そしてMaster jubileが仮に実験モデルだとするなら、今のPIEGAはMaster jubileとは違った方向でスピーカーを作ることに決めた!という事になります。

 あまりTC50やPremiumシリーズの音を聴いていない中で、これらの特徴を推測するのは迂闊かもしれませんが、Master jubileがピエガの正史で全く語られていないことについては、きっと何らかの理由があるのだと思われます。

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