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▼2017年05月03日

2017年のLINN INTEK、そしてSONY TA-F333ESXII

IMG_9257.JPG なにやらこのブログのオーディオネタは、懐かしの機器ネタばかりになってきた気もしますが、今回取り上げるのはLINNのINTEKSONY TA-F333ESXIIという1990年代に売られていたプリメインアンプ。

 このINTEK、以前某S氏からお借りしりしてしばらく使ってみたことがあります。なかなかの実力派アンプでしたが、当時使っていた同じくLINNのMAJIKというアンプと結構音造りが違っていて面白いなーと思いました。当時はLINNの危機というよりNaimのNait2に近いと書いていますが、今でも同じ印象です。
 今使っているINTEKは、近所の非ドフ系リサイクル屋でちょっと信じられない安値で売られていたのを保護したモノ。ジャンク品ではなかったのでちゃんと音も出ます。

 以前自宅で借りて聴いたのが2002年みたいなので、すごいなーもう15年前の話か。
 音の印象はかつての INTEKとほぼ同印象。音のはずむ感じ。解像度はそこそこだけどステレオイメージが綺麗に広がる。そしてスピーカーから前の空間に形成される音像。LINNのアンプというよりNait2に近い。それでいてNait2にあるギャングエラーやピーク時に時折みせるクリップ気味な音などの危なげな印象が皆無なので、ヤフオクでNait高値で落としてる人はINTEKもきっと好きになるよと教えてあげたいです。

 今はAudirvanaADI2 Proで鳴らしてますが、あの時代のステレオアンプの価値はなかなか色褪せないですね。

 TA-F333ESXIIは、お別荘にずっと置いてあるアンプ。バブル時代の国産定価¥79,800円クラスのアンプを制したといわれる傑作アンプで、ソニーらしい物量投入型の最終回答みたいな作り。内部のパーツが大型で高級なのはともかくとして、フロントパネルのノブまでもが全て金属無垢(アルミ?)
 高級・高品質なパーツを突っ込めば高性能化するという考え方は、ある意味昔からのソニーイズムであり、当時のソニー製品は確かに他のメーカーに比べて「ソニートーン」という個性がありました。大ヒットしたアンプなので、今でもハードオフなどでよく見かけますね。

 さてINTEKの印象から。イギリス製のアンプはよく言われる表現として「音がスロー、ソフト&メロウ」なんて言葉がありますが、同じ音源をちょうど手元にあるSONY TA-F333ESXIIと比較して、ついでにiPhoneの簡易スペアナで波形を眺めてみると、INTEKの方がちょっと意外ですがレンジが広く、波形にクセがありません。逆にTA-F333ESXIIは100Hz付近に妙な谷が出る傾向があり、16kkから上(CD音源だとほとんどないんだけど)は明らかに INTEKの方が出ています。もっともこれが音楽的に正しい波形なのかはわかりません。わかりませんが国産機の解像度重視というイメージはちょっと違う結果ですね。それとSONYに比べてINTEKの中域が豊かに聞こえるのは 100Hz付近の谷が影響しているのかもしれません。
 もっともどちらも新品状態ではありませんし、あくまでもiPhoneの簡易スペアナで音楽の波形見た印象なので、あくまでも参考程度ですが。

 ちなみに、当時のイギリス製アンプの価格表を掲載します。

メーカー名:製品名イギリス価格日本国内価格
AUDIOLAB 8000A430GBP138,000円
LINN INTEK419GBP260,000円
NAIT-2419GBP140,000円
MUSICAL FIDELITY A1mk2300GBP138,000円
CYRUS TWO380GBP140,000円前後?
AURA VA50 CHROME250GBP138,000円?
ARCAM ALPHA3200GBP100,000円弱?
※当時の1ポンドは150~160円


 オーディオ機器は価格が全てではありませんけど、今回比較しているSONYのTA-F333ESXIIもLINNのINTEKも、現地価格は大体同じようなモノだと言うことがわかります。当時TA-F333ESXIIが海外でいくらで販売されていたのかは知りませんが、もちろん日本製のオーディオ機器だって、海外で買えば中には2倍3倍の値段付けられて売られている製品があります。もっともSONYは当時からワールドワイドなメーカーなので、国内価格と売値が極端に差が出ていたとは思えません。

 この時代のイギリス製アンプと国産のアンプを比較すると、双方目指していた世界がまるで違ったんだなというのがよくわかります。一番違う部分がステレオイメージ。INTEKが自然なステレオ空間を再現するのに対して、TA-F333ESXIIは音が右・左・そして中央にしか定位しません。
 ただ、これは当時の日本のオーディオ空間を考えると仕方ないのかなと思います。なんせ当時の日本におけるオーディオセッティングは、六畳間に30cmウーハーが付いた598スピーカーを持ち込み、合板のオーディオラックをスピーカーで挟み込み、1mの距離で音楽を聴いていたみたいな世界です。もちろん当時から広々とした空間で小型スピーカーを悠々と鳴らしていた人もいたかもしれませんが、私の知っている限り大多数の音の仲間(笑)は、こんな感じです。これでステレオイメージとかね、考えてもしょーがない。

 音色そのものは、クラシックやジャズなどに見られる楽器はTA-F333ESXIIの方が綺麗で存在感のある音を出します。ただ、単純に短音としては綺麗でも、INTEKに比べそれが音楽全体として上手くまとまっていません。端的に言うとTA-F333ESXIIは楽器一つ一つの音色は認識しやすいですが、全体の音楽としてのまとまりを聴かせてくれるのはINTEKとなります。
 また、音そのものはTA-F333ESXIIの方が存在感ありますね。出てくる音が派手それぞれ積極的に主張してくる印象。あの当時の国産機器が好きな人は、きっとこういう部分が好きなのかな?と思ったりします。

 モノとしてはTA-F333ESXIIの豪華さは今となってはすごい。これだけ分厚くこれだけ重く、巨大なトランスやキャパシタを持っているアンプが当時¥79,800円で買えたという事実。それに比べるとINTEKの簡素さは見た目だけだとTA-F333ESXIIの半額どころか1/4みたいな印象。
 どちらの商売が正しかったのかはわかりませんけど、少なくともLINNは現在世界のピュアオーディオ界である意味巨人となりました。SONYは、今では TA-A1ESというステレオアンプを販売しているみたいですが、評判はあまり聞きませんね。結果、こういう商売をしていた国産オーディオメーカは、軒並みオーディオから撤退、もしくは倒産してしまいました。
 今風にいうと日本のオーディオメーカーは企業としての活動を持続できなかったことになりますね。ちなみに持続可能性…サスティナビリティーとは、今のCSR活動の基本となりますので(今時CSR活動を社会貢献活動なんていうと馬鹿にされますので注意)、当時の国産オーディオメーカーによる大盤振る舞いの商品企画は、社会全体として考えると、あまり正しい活動とはいえなかった…という話になります。ま…どうでもいい話ですが。

 それにしても、色々な好みはありますが、オーディオアンプの価値は色褪せないですね。残念ながらソース機器はその当時に使われるメディアによって大分影響を受けますが、その増幅器であるアンプは、新しい製品が必ず良いかというと、そうでもない場合も結構あるようです。

IMG_9260.JPG
↑天板がサビび付いちゃってますが他は綺麗です。

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