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▼2008年02月01日

日本とは何か/網野善彦

 以前図書館で借りて読んだ…もしくは買ったのかもしれないのだが、読了した記憶がない。
 とのことで、本屋さんのバーゲンフェアで見つけて購入。本書は講談社から発売されている「日本の歴史」シリーズの第0(ゼロ)巻。1巻の前という事で序文といえるべき位置づけなのか。

 本書における著者の主張は明快。「日本人というのは『日本国』の法令下で生きている国籍を持った人」との前提で、従来から語られてきた日本列島の単一民族説を強く批判する。また「日本」という言葉が生まれる以前にこの地に住んでいた人は「日本人ではない」とも主張しており、つまり縄文人や大和朝廷、聖徳太子などは日本人ではないという言い方をしている。よって「古代日本人」などという言い方も改めるべきだと。

 その他「百姓」という地位についての考察や、農業国日本などという歴史観への警鐘など、民衆の歴史にこだわった網野学への入門書としても秀逸。私もかつて網野氏の著作は何冊か読んだ事があるのだが、この本を読む事により、それらで得た断片的な知識が縦横へとつながりを持ち始めた気がする。

 「日本の歴史」シリーズに興味のない人でも、本書は単独の「日本論」として異質であり、また、とても優れた著作だと思う。

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コメント

この本、図書館から借りて読み始めました。クリアな文体で、内容もおもしろい。
紹介ありがとうございます。

面白いですよね。
網野氏に興味を持った人は、まず本書から読むといいと思いますね。

読了しました。良い本を教えていただきありがとうございました。
冒頭部分の筆の切れはすばらしいです。

面白かったですか!それは良かったです。
他に「海と列島の中世」という本も面白かったですよ。

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