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▼2008年01月30日

ニホンオオカミは生きている/西田 智

 昔「幻のニホンオオカミ」という本を読んだ記憶があるが、あちらが秩父山中での目撃情報と、日本全国に残るオオカミの伝説について語っているのに対し、本書はもう少し具体的で、2000年に九州の山地でニホンオオカミを撮影した本人による「ニホンオオカミ事件」のドキュメントと、著者自身のオオカミを追うフィールドワークにまつわる話。とてもエキサイティングで、今日買ってきたばかりなのに夢中になって読み終えてしまった。

 本書を読んで知ったのだが、この一件が日本にオオカミを放そうという「丸山直樹」氏のグループから、かなり否定的な扱いを受けていたのが意外だった。こういう研究をしている人だから、日本にオオカミがいる可能性には肯定的なのかと思ったのだが、むしろ氏のプロジェクトにとっては、日本にオオカミが生存していると困るような感じである。
 本書の著者も訴えているとおり、日本の山中にはいわゆる『一般の野犬』とは違った種の動物が生息している可能性は大いにありそうだ。それがオオカミなのか野生化した犬なのかはわからないが、環境庁を初めとした中立的な公的機関が、何故全国規模の集中調査を行わないのか、考えてみれば不思議な気もする。

 オオカミは全滅したという烙印を押され100年もの間検証もされず放置されてきた…という著者の主張には大いに頷けるものがある。もし日本にオオカミを放つのであれば、それら全国規模の調査・検証を念入りに行ってからでも遅くはないであろう。

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