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▼2014年10月06日

おとなの教養 私たちはどこから来て、どこへ行くのか?/池上彰

IMG_4828.PNG ひと月くらい前にKindleのセールで買ったんだけど、実に良い本だったので紹介。テレビでお馴染みの「池上彰」さんの本です。

 近頃の大学教育は「専門性」が重視されるようになり、いわゆる「教養」としての学部は随分とスミに追いやられていると聞きます。しかし、例え医学部だろうと理系だろうと文系だろうと、広く社会に対する「教養」は身につけておかなければならないと、ある種当たり前の事ではあるのですが、そういった教養をおろそかにしてきた学生、あるいは大人達に向けたガイドブックといった構成です。

 第一章が「宗教」
 第二章が「宇宙」
 第三章が「人類の旅路」
 第四章が「人間と病気」
 第五章が「経済学」
 第六章が「歴史」
 第七章が「日本と日本人」

 となっています。それぞれの章は、ヨーロッパの大学で学問の基本とされる「自由七科」を踏まえ、池上氏が考える「現代の自由七科」だそうです。

 正直、それぞれの章の内容についてはかなり薄いもので、各項目に詳しい人にとっては物足りないかもしれません。おそらく池上氏もそれを踏まえた上で、自分の専門外である「宇宙」と「人類の旅路」については、かなりサラッと流しています。
 しかし、彼がニュースなどの現場で働いていて詳しくなったであろうジャンルについては、アッサリした内容ながらも結構鋭い視点が盛り込まれていて面白いです。
 例えばどうして中国で鳥インフルエンザは変異するのか。もちろん専門にその情報を追っていた人なら判っているのでしょうが、日々の報道でこのような結論を導きだす手法はさすがなものです(理由については本をどうぞ)
 他、歴史や日本人についても、池上氏が考える歴史感や日本人感が短いながらも判りやすく説明されています。

 インターネットが普及した中、それこそ情報はいくらでもネットにアップされているため、知識や教養は情報と誤解してしまっている人が多いと言われるようになりました。
 ただ、結局は目の前にどれだけの情報があろうと、それを自分でひとつづつ結びつけ結論を得るためには、知識や教養が必要となります。その知識のベースとなる…つまり基礎教養ですね、を身につけることは、理系だろうが文系だろうが医学部だろうが芸術学部だろうが、全ての人にとって大切なことです。

 また、本書の中に「すぐに役立つことは、すぐに役立たなくなる」とありますが、まさにその通りですね。近頃の大学は就職予備校と化し、働くための実践的な知識などを重視して教えている学校も多いようですが、今役に立つ知識は、まさに今働いていて実践の場にいないと役に立たない訳で、池上氏の言うとおりかもしれません。
 それにくらべ、自分に身につけた教養は、この先人生を支える基盤になる!そうで、確かにその通りだなと思います。自分もそんな教養を身につけたかった(笑)

 ちなみに、ここから先は私見ですが、例えば海外のギーグ系ニュースサイトでは、もちろんギーグが喜ぶニュースがメインなのですが、割と科学ネタ、歴史ネタ、そして政治ネタなど、いわゆる「教養系」のネタが多いような気がします。これも大学教育で教養課程を重視するスタイルの賜物なのかなと思いますね。有名どころでは、ギズモードギズモード・ジャパンでは、紹介される記事のジャンル数が全然違っています(それでもギズモード・ジャパンは頑張ってる方だと思いますが)

 本書は、それら基礎教養への答えを与えてくれる本ではありませんが、それらを再び修めようとする人には、とても良いガイドブックになると思いました。

 

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