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▼2014年12月31日

エア・パワーの時代/マーチン・ファン・クレフェルト

IMG_5208.JPG ずっと読もうと思っていたのですが、高くてなかなか買えなかった本。なので図書館で借りてきました。
 もっとも「高くて…」というより、部屋にもう本の数増やしたくないんだよね。Kindleで出ていたらそっちで買ってました。税込みで5,000円位になりますけど。

 それはそうと、この本の著者であるマーチン・ファン・クレフェルトという人は、グノタの間で永遠の名著といわれる「補給戦―何が勝敗を決定するのか」の著者でもあります。その彼が書き起こしたエアパワーの本なのですから、そりゃもう内容についてはワクテカです。

 戦争における航空兵器とは、当然ながら時代と共に大きくその役割を変えています。戦争における初期の航空機は、戦闘を行う機械ではなく、偵察や大砲の弾着観測を行っていました。
 それが、テクノロジーの進化と共に航空機は大型でパワーを持つようになり、都市爆撃などの任務に使われるようになります。その頃にイタリア人であったドゥーエが「制空」という概念を提唱し、それが世界の空軍関係者達の中で標準のドクトリンとなってゆきます。

 そして時が過ぎ第二次世界大戦が終わった現代、かつての先進国家VS先進国家という戦争はすっかり姿を消し、空軍はその強大な力を持て余すようになってしまいました。
 強力な敵師団に対して、爆弾やミサイルを雨あられのごとく降らせる作戦は、現代戦では殆ど行われなくなり、超高性能を誇るステルス攻撃機や爆撃機を戦場に投入するコストと、得られる成果のバランスが割に合わなくなってきました。例えば、現代では例え軍事予算が潤沢なアメリカであっても、B2爆撃機を1機でも作戦で失うことは、国家規模の損失と見なされます(故にB2爆撃機は激戦地には投入されないという本末転倒な結果になっています)。つまり、従来型の「大空軍」的思想は、これからの時代にそぐわない。それがこの本の結末です。

 おそらく、軍関係者の人達は薄々気が付いていたと思うんですよね。例え精密誘導弾でピンポイントの作戦目標を撃破できるにせよ、それにかかるコストと得られる戦果のバランスが大きく変わりつつあること、そして現代の戦争では、そもそもエアパワーを投入すべき固定作戦目標が存在しないケースが多いことなど…。

 やや高価ではありますが、軍用機や空軍戦略に興味がある方は、是非ご一読を。

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