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▼2007年07月19日

Voigtlander Zoomar 36-82mm F2.8

070719-01.jpg フォクトレンダーのズーマーと呼ばれるレンズ。スチルカメラ用としては、世界で初めて市販されたズームレンズとなる。焦点距離は36-82mmとしょぼいモノだが、全域でF2.8というのはなかなか立派。ズームはレンズ中央のリングを前後させる。前に押し込むと望遠、手前に引くと広角となる。ピントはモロ前玉回転式。これも昔のレンズと考えれば味わい深いかな。考えてみればイコンタも前玉回転式だし。
 製造年は不明だが、付属する箱には1756-1956年とあった。いずれにせよ長い間作られたレンズではないので、その時代のレンズだろう。

 マウントはM42マウント。オリジナルは「デッケルマウント」と呼ばれる、フォクトレンダーのレンズシャッター一眼レフ用のレンズ。このレンズでは他にニコンFマウントというのも見たことがあるが、製造年代からすると、まだFマウントはこの世に存在していなかった訳だし(微妙にかぶるかな?)、そちらは明らかに改造品だろう。このM42マウントに関しては、改造品とは見えないのだが、真偽は不明。何故かレンズの絞りリング付近にシャッターレリーズ用のネジが二カ所あり、おそらくそのレリーズを押し込むと絞りが開放状態になる仕組み。更に絞りリング上には、手で動かすレバーがあり、絞りはこのレバーを右に押し込んだ状態でないと変更することができない。ただ、絞り込んだ状態でこのレバーを右に押し込むとレンズは開放状態となり、絞り込み測光で使う分にいちいち絞り自体を変更しないで済むので大層便利。これだけしっかり作っていると、改造品とも思えないんだけどなぁ(この記事を書いた後に前記のリンクを見つけた。こういう使い方すんのか)
 デッケルマウントにはM42用のアダプターなどもあり、それらを組み合わせると、最新のデジタル一眼レフカメラでも使用可能。最近デッケルマウントレンズはかなり安く流通しているので、それらのマウントを手にしてデッケルの世界に飛び込んでみても面白いかもしれない。
 性能的にはあまりいい話を聞いたことがない。昔の資料を漁ると、とにかく黄色い、ピントが合わせにくい、重いなどとある。昨晩ネットで調べてみたら、歪曲収差も盛大でボケ玉のクソレンズだとのこと。まあ、世界初のズームレンズだから、そんなモノだろうと思う。

 ちなみに、それでもこのレンズを買った動機は「フォクトレンダーが好きだから!」としか言いようがない。以前持っていたヴィテッサは売りに出してしまったし、ビルタスは一度買い逃してからその後相場が右肩上がりで手が出なくなってしまった。手元にフォクトレンデル(戦前はこうも言った)のカメラが一つもないのは寂しいからね。それとこのレンズは、性能云々は別にして、昔から欲しかったレンズだったので…。

 手にした物件だが、程度はまあまあ…。元箱とオリジナルのリアキャップが付属していたが、レンズキャップは欠品。その代わりとんでもなくカッコいいフロント変換リングとフィルターが付属していた。なんでも昔のアメリカの映像機器用フィルターとリングらしい。前枠の口径は77mm。ついでに中古で77mmのプロテクトフィルターと77mmのニコンレンズキャップも仕入れてきた。
 家に帰ってよくよくチェックしてみると、中玉のレンズ周辺部に小さな点状のシミかカビがチラホラ。店頭で気がつかなかったなぁ…。長い間進行もしていないようだし、写りにも関係ない部分なので放っておいてもいいのだが、いずれバラしてクリーニングしてみようと思う。それとも屋外へ積極的に持ち出せば、太陽光で殺菌されちゃうかな。
 それよりも気になるのが、ズームリングを広角側にすると、中玉のリングが別の中玉に当たってリングが止まるという、超アバウトな設計の方。そのため、そのリングが当たるレンズの部分に、キズなのか汚れなのか…とりあえず細いリング状の汚れが、レンズを後ろから覗いた状態ではっきり見える。これは構造上こんなモノなのかなぁ。よくわからない。こちらもいずれバラしたときにチェックしてみよう。とりあえずフォーサーズで使う分には関係ないと思われるし、ネットでレンズの構成図を調べてみても、この位置のキズは光学的に問題なさそうだし、これはこういうモノなのかという気もする。

070719-02.jpg まだ昼間の屋外で撮影していないので何ともいえないのだが、確かに今のシャープなレンズと比べると、とんでもないクソ玉。正直そんなに安い価格ではないので、普通の人なら怒って投げ出すと思う。
 モノクロ時代のレンズなので、ファインダーからレンズを通すと黄色く見える。デジカメなので、こういう点は気にしなくてもカメラ側で勝手に補正してくれる。もっとも、モノクロモードで撮影すると、コントラストが上がっていい感じになるかもしれない。
 色彩は非常にナチュラルで美しい。解像度が低めというのもその印象に拍車をかけていると思うが、少なくともこういう個性的な描写をしてくれると、わざわざこんなレンズを買ってみた甲斐があるというモノ。こういう「ふわっと」した優しい色の乗り方は、現代のレンズではなかなか見られない美点。ちなみにボケているという意味ではない。

 前記の通り、決して安い買い物だった訳じゃないので、カビとリング状の汚れかキズはちょっとショックだったが、この色乗りを見ればまあ、満足できるかなと。大体製造されてから50年たってるレンズだしね。隅から隅まできれいな物件など残っていないだろう。安くないとはいえ、Zuiko Digitalの竹レンズに比べれば全然安い買い物だし。

 それと、見た目だけでもう充分元を取ったような気になるというレンズも、そうそうないのではないかな。最近ロシアンレンズ相場が上がっているので、この手のちょっと古いドイツレンズは、気軽に個性的な描写を楽しむ用途としてはお買い得かもしれない。週末に外で撮影してみるのが楽しみだ。

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