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▼2006年04月25日

くるまくるまくるま

060425-01.jpg イニDを読んでいてふと思い出したのだが、昔、筑波山の裏の方にあるひなびた山道をFで流しているとき、何となく勝負したげなバイクが、後からサッと私の前に出て誘ってきたので、ついバトルに乗ってしまったことがあった。
 その時は上り坂、つまりヒルクライム勝負になったのだが、さすがスポーツバイクのパワーウエイトレシオには為す術がない。ただ、コーナリングではタイヤのグリップ面積が小さいため、バイクより車の方が有利。それにしたって、車重なんてMGFの1/10位だからね。まともにやったらかないっこないんですわ。つことで、その時はグリップ走行をあきらめ、バリバリに4輪ともコーナー滑らせながら追跡していったんだけど、チギられるまではいかないにせよ、コーナー出口の立ち上がりスピードで徐々に徐々に引き離されるといった感じで、結局私の負け。ま、仕方ないよな(笑)

 考えてみれば、MGFに乗ってからあまり飛ばさなくなったけど、昔FRのカペラに乗っているときは、私も夜な夜な筑波の山道を攻めに行く「走り屋」だった訳で、それこそ筑波スカイラインの料金所ゲートを、キンコンカンコンとベルを流しながら3桁スピードのまま走り抜けていくという、恐ろしいことをやっていた時代もある。3桁のスピードからコーナー直前でフルブレーキング、そのまま軽くケツを流しながら山道を下っていくといった、まさにイニDそのものの世界を生きていた時代もあったんだなと。
 一応、当時峠の主役だった「レビン/トレノ」や「シビック」の連中とタメ張って走ってましたからね。まだ峠の走りというのが、本格的チューニングパーツを揃えて盛り上がる前の頃だったので、ある程度の腕さえあれば、車種の差というのはそんなに意識せずとも走ることが出来た楽しい時代だった。今では、峠に適したクルマを買って、バリバリにチューニングしたセミプロみたいな人達が、夜な夜なタイムを計測しながら走ってるからね。そんな連中に一見さんでは全然かないませんよ。峠の今は、本気以外の人がなかなか入り込みにくい世界になってしまったみたい。

 実は、その頃の経験が、私の自動車感にかなり大きく影響を与えているのだと思う。例えばそれは「公道でのサスはロールすべし」「エンジンパワーの立ち上がりはなだらかな方がいい」「絶対的限界より破綻しないコーナリング特性」などといった点。
 逆に足が硬くてドラマチックに回転が立ち上がり、限界ぎりぎりまで粘る車なんて、公道では危ない上に怖くてとばせない。世の走り屋の人達は、そういった高性能車を扱いたがるけど、実際走ってみると、絶対的性能より、扱いやすさを重視したセッティングの方がタイムは出るのではないかな。まあ、これも自分の腕のレベルによると思うけどね。少なくとも私は公道でそこまで限界ギリギリまで攻められる腕はないので…。

 そして、当時の国産スポーツ車がクソだと気がついたのも、そんな風に夜な夜な山道をかっ飛ばしている免許取り立ての頃だった。あの頃のスポーツ車と言えばシルビア/ガゼールとか、7thスカイライン、フェアレディZとかあったね。どれも乗ってみたけど、シルビアは遅い割に足回りが非常に貧弱で、コーナーでちょっとアクセル煽ると簡単に一回転。こんな危険なクルマ、山道で飛ばせねーっつーの。それと7thとZは、両方とも上級グレードだったけど、ぶっ壊れてるんじゃないかと思うくらい遅い車だったな。まあ、4,000回転を超えた辺りからターボが効き始めて急に加速し始めるんだけど、それまでがかったるくてかったるくて…。当時の日本車はカタログスペックを飾るために低速トルクがスッカスカだったからね。他に当時出たばかりのブルーバードのSSSアテーサリミテッドも乗った。確かにエンジンのパワーはあるんだけど、低速トルクがないし、ちょっと速いスピードでハンドルを切ると、すぐにサスが底付きを起こす。エンジンパワーはなかったけど、足回りは明らかにFRカペラの方が良かった。昔のマツダって良いクルマ作ってたんだよなぁ。それと、シビックというクルマは当時からいいクルマだった。それこそ2chで言うところの「アクセルを踏むと走り出す…」みたいな感じで、踏めば踏むだけビューンとエンジンが回ってくれる。あの頃のホンダエンジンというのは、それを実現しているという点だけで、明らかに他のメーカーにはない個性とアドバンテージを持っていた。もっとも、足回りはスカスカのペナペナだったけどね。

 なんていってるうちに、親がクルマをAUDIに買い換えた。カペラに乗っている頃は「ぶっ壊しても何やってもいいぞ」なんて言われてたけど、さすがにAUDIではそうもいかず、走りも大人しくなった。といいつつも、あの頃のドイツ車と日本車というのは、走りの性能ではもう天と地ほどの差があり、初めて200キロオーバーを経験したのもその頃だったね。回りのクルマとの速度差が100キロにもなると、もう他のクルマは路上に停まっている障害物にしか見えないんだということも分かりました(笑)。そんな速度でも、トヨタ・マークIIとかで100キロ走行するよりも全然安定していたしね。びっくりしましたよ、あの当時は。
 ただ、極めて安定志向のAUDIが物足りないと思ったのも事実で、それから自分用のクルマを探し始めた。テーマは「乗って楽しいクルマ」と言うことで、色々考えていたんだけど、最終選考に残ったクルマが、デビューしたてのロードスターと、ブレイク前夜のローバーミニ。
 まずはロードスターを試乗に行ったんだけど、短期間の試乗だと、私的には「屋根が開く」というだけで、極めて退屈な乗り物にしか思えなかった。エンジンももっさりしていたし、それよりも何よりもステアリング特性が極めてドメスティックな弱アンダーステアで、すっかり気分が盛り下がってしまった。
 そして翌週に試乗に行ったミニが、逆にこれはまためちゃくちゃ楽しいクルマで、先週と打って変わって気分は超盛り上がり。私が買った頃のミニは、丁度キャブレターとインジェクションが切り替わる時期で、両方のクルマに試乗できたのもラッキーだった。そして選んだのがキャブ仕様。そこでディーラーの担当者と話をしていると「実は限定のキャンパストップ仕様がまだ余っているんですよ」と聞かされて、渡りに船とばかりにそちらのミニをご注文。思えばアレがオープン人生の始まりだった(笑)

 ミニのハンドリングというのは、実は古典的スポーツカー感覚にとても近い。ボディ四隅に配置されてオーバーハングが殆ど無いタイや配置と、トレッド/ホイールベース比がとても小さいので、ハンドリング特性が極めてクイック。コーナリング特性も、よく「FFなのでアンダーステアが強い」なんて言われてるけど、そりゃおめーの腕がアンダーなんだよ!ってなモンで、実際はうまくタイヤのグリップを使い切りながら走ると、弱オーバーステア気味。そしてその状態でアクセルを抜くと、ノーズがススッと内側に切り込んでいき、もう楽しくて仕方ないクルマだった。
 さすがにエンジンパワーはないので、登りなどでは結構キツイ事もあったけど、それでも峠などで煽られることも殆どなかったし、逆に高性能車を煽りまくる…なんて事もやってたな(笑)。当時はアルトワークスなどの“高性能軽自動車”が沢山あったけど、やはりミニは軽自動車と違って馬力はなくてもトルクはあったし、車重も700kg位だったので、そんなにエンジンパワーに不満を感じたことはなかった。不満はクルマ自体にではなく、当時ミニが流行っていたのに便乗したメディアの「ミニ批評」の殆どがインチキのパープリン共によって書かれていた事だったな。
 「遅い」「壊れる」「強烈なアンダーステア」「車内が狭く長時間のドライブに不向き」など…。元ミニ乗りとして言わせてもらうと「遅い」「壊れる」はともかく、アンダーステアは上記の通りインチキだし、長時間のドライブに不向きというのも間違いだと断言する。大体あれだけ安物なのに、シートの座り心地は絶妙で疲れないし、ミニに乗ってから長距離ドライブが楽しくなった。北海道にも九州にも行った。実際同乗者に聞いてみても「ミニだと疲れない」という証言も多かったしね。確かに小さいクルマなので、路面の凹凸ではピョコピョコ跳ねたりするけど、その感覚は不自然な味付けがされていないので、別に苦にならないんだよね。「長距離はダメ」と言ってるヤツは、普段よほどいいクルマに乗っているのか、クルマに乗ることが嫌いな自動車評論家なのか、どちらかなんだろうな。まあ、既にこの時点で仕事として彼等自動車評論家の連中とは関わってもいたけど、外から見ても内から見ても自動車評論家というのはインチキ商売だな…と感じていたしね。逆に普段クルマ好きの標的になる巨匠徳大寺は、実に丁寧な仕事をしていると思いますよ。
 ああ、話が前後しますがミニが「遅い」というのも微妙だしね。走り方によってはそんなに遅いものでもないし、山道では普通のクルマよりキビキビして早い位。「遅い」と言ってる人は、小型車の乗り方を知らない人なんじゃないかなぁ。億劫がらずにキビキビとエンジン回してシフトチェンジすれば、そんなに遅い車じゃないですよ。まあ、乗り方の“切り替え”が必要なクルマではあるけどね。
 あと、ミニがよく「壊れる」と言ってるヤツってのは、決まって「ミニフリーク」とか買い漁って、自分で訳も分からずに手を入れてる連中ばかりなんだよね。つまり「壊れる」んじゃなくて「壊してる」の。私なんて、エンジンオイルは車検毎に交換位だったし、冷却水は気づかず空のまま1年以上走ってた事もあったけど(笑)、エンジンは全然壊れなかった。ミニのエンジンはデリケート…なんて言ってる連中は、何も知らないユーザーにいじって壊させて、訳の分からないチューニングパーツ売りつけようと思ってるだけなんじゃないの?私の例は極端としても、普通にオイル管理して、普通に法定整備してれば壊れる車じゃないですよ。大体ミニに使われてるAタイプユニットってのは、イギリスの消防車の放水ポンプ用に使われてるエンジンだからね。そんなに易々と壊れるモンじゃない。ただ、これは新車購入時の話で、現在の状態では、ミニのエンジンがどうなってるかは分かりません。

 そんなこんなで、ミニには5年くらい乗ったかなぁ。まだまだこのクルマに飽きてきた訳じゃなかったんだけど、当時は何故か金を持ってたし「もうちょっとスポーツ系のクルマも乗ってみたいなぁ。それにキャンパストップだけでなく、オープンカーにも乗ってみたい」と思い始め、またクルマを物色。そして最終選考に残ったのがモデルチェンジしたばかりのまたまたロードスターとMGFだった。まず近所のマツダにロードスターの試乗に行ったんだけど、その時セールスマンの人が「ちょっと広い場所まで移動しましょう」といって、クルマを郊外に移動させた。その途中の交差点でリアを滑らせたりしてて、助手席に乗っていた私は「サービス精神旺盛なセールスマンだな」と思っていたんだけど、それは大間違い。実際に自分で運転してみると、新型ロードスターは、もうハナから交差点でも安全に“ドリフト”するように作ってある車で、良く調教されているので危ないとは思わなかったんだけど、こんなに簡単にリアが滑り出すというのにウンザリした上に、高いセンタートンネル、手首だけで決まるシフトチェンジ、アクセルでコーナーを自在にコントロールできる…とかいう、もう自動車雑誌で嫌という程書かれている“理想のライトウエイトスポーツカー”そのままの作りで、もうそれがとてもガキっぽく感じてしまってすっかり意気消沈。そんな中でもステアリング特性だけは極めてドメスティックな弱アンダーのままだったしね。と言うことで、またまたロードスターは落選。
 次はMGFを試乗しに、今はなきローバー青山へ。もう乗り出しからこのクイックなステアリング特性がとても気に入ってしまった。コーナリング特性はともかく、ステアリング特性はMGFってミニとそっくりなんだよね。拳ひとつ分でスパッと向きを変えるところとか、やはり私にはこっちが合ってるわ。後は1.8iにするかVVCにするかの問題。一応両方とも試乗させてもらい、きっちりとレブリミットまで回しましたよ、昼間の国道246号で(笑)。その結果、パワーの盛り上がりがより自然な1.8iに決定。VVCの高回転域の回り方も捨てがたかったけど、なんかドーピングでもしてるような不自然な感じがちょっとしてね。それに値段もこっちの方が安いし。

 納車されてしばらくは、もうバカみたいに乗りまくったなぁ。納車が連休前だったこともあり、初回1,500キロ点検は3日後位に持っていったからね(笑)。あのころはまさに「走ぃ~ってい~ればこの世は天国~」な状態。
 それと、友達が沢山増えたのもこのクルマにして良かった点かなぁ。あの当時にMGFを買った人達というのは、なんというか一定の“濃さ”があって、妙にウマが合う人ばかりだった。

 大分長くなったけど、イニDを読んでふと思い出した私の自動車人生半生記を書き殴ってみました。キリがないのでこの辺で止めておきます(笑)。続きというか、書き残した点についてはまたの機会に。

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コメント

この間筑波に行ったときに、菊田さんから、ミニ好きな人は2~3台ミニを乗り換える、といった話を聞きました。販売台数も多いから、程度のよい中古も手に入りやすく、今度はX色にしよう、と乗り換えるそうです。

やんちゃな走りをしていたんですね~(笑)
それにしても、MGFを通じて、友達がホント増えたと私も実感します。(^^)

おはようございます。
東大阪の工場地帯、一角のモータースさんにて、
最近のこと、タイヤをホイルごと交換しました。
試走すると車が前後に揺れるたびギーギー言います、
ホイルと前輪ばね機構との接触で、
ピットに戻り応急手当の後、まだ少し異音がしますが、気にしないで僕はトヨタノアを走らせて通勤路を家路へ向かい走る僕。

この異音、ブレーキに気をつけたら音が少ないから、神経を使い音が出ない運転法を探りながら走ったのですが、とにかく楽しい。
癖を持つ車に乗るということが楽しく、珍しい体験にウキウキしました。
翌日タイヤショップにて本格的な手当てをしましたが、車が少しくらい変な音を出しても構わないと思う僕です。
でも周囲を併走する車からの視線が気になり、仕方なくな対応で、なんだかな~、そんな気持ちです。


FRカペラ!
そんなのに乗っていた時代があったとは。

そういえば、アウディはディーゼルでルマンに出るらしいですね。
すでにアメリカの耐久レースで一勝してるとか。
関係ない話で失礼。
http://www.audi.co.jp/information/news/pr_06_017.html

>kyomiさん
 そうか…、じゃあ私はあと二台くらいはミニに乗らないといけないのか(笑)。
 でも、確かに友人は増えましたよね。
 それは、Fを買ってとても良かった点です。

>てるおさん
 車の運転は、別に早く走らせることだけが楽しい訳じゃないんですよね。
 例えば私は以前、オートマ車で如何にスムースに停車できるかを、
 チャレンジしていたことがありました。
 オートマ車は、普通に停まろうとすると、停まる寸前で「カックン」となるんですよね。
 これを如何に無くすか、結構真面目に追求してたことがあります。
 結構楽しかったです。

>にしだやさん
 今のアウディは本当に元気がいいですね。
 アウディユーザー(父親がですが)として、ちょっと頼もしいです。
 しかし、ディーゼルでレースかぁ…。
 一昔前なら、考えつかなかった発想です。

有料でも良いので(笑)、Fの4輪ともコーナー滑らせながら、の横に乗せて下さい。よろしくお願いします。

望むところッス。
では、次は皆さんで箱根オフッスか?

おしりを滑らせてるところは、
結構皆さんに目撃されてるんですけどね(笑)。

次はMGFを試乗しに、今はなきローバー青山へ。もう乗り出しからこのクイックなステアリング特性がとても気に入ってしまった。とのことですが私なりの感想を。
僕はロドスタNB8もMGF1.8ⅰも所有していました。MGFのハンドリングってそんなにクイックではなかった気がしますが、何か変えているのでしょうか。どちらかっていうと直進付近はかなりダルイ味付けだったと記憶しておりますが。ボディ剛性の無さも有るのでしょうが、コーナーではしっかりストロークさせて曲がるって感じでした。その後NB8に乗り換えた時は余計にクイックなハンドリングに感じられました。MGはどノーマルでしたがとても楽しい車でした。でもNB8もよかったですよ。全く味付けが違う車ですけど。

この辺は言葉では言いにくいのですが、ハンドルの動作に関して、車体が素直に反応するという事です。

挙動だけに関していえば、ロードスターの方がクイックだと思います。
それと、Fのボディ剛性は、新車の時はすごかったのですが、経年劣化もすごいです(笑)。

MGFが前輪で曲がる感覚なのに対して、ロードスターは後輪で曲がる感覚でしたね。私の好みではないですが、それもまた面白いと思いますよ。

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