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▼2007年09月03日

人事も経理も中国へ

 今、NHKスペシャルでやっていますね。なるほど、確かにこれは合理的です。でもさ…、じゃあ素朴な疑問として、この「ニッセン」という会社は、一体誰のためになんで仕事をしてるのかな?

 確かに、何でもかんでも中国に業務委託すれば、コストは劇的に下がるでしょう。中国人スタッフは人件費も安くて優秀…って、当たり前だよね。現地の相場だと破格の待遇で迎えられているんだからさ。そして、その浮いたコストで安い商品を消費者に提供するのはいいけど、その安くなった商品は一体誰が買うの?中国に委託するため必要なくなった日本人労働者達に売りつけるつもり?

 番組でも言っていますが、今日本人の生産性は世界でもかなり低レベルなんだそうです。人件費も高く、それでいて労働時間も短く、福利厚生にも多大なコストがかかる。
 でもさ、こういう事っていうのは、戦後の日本人達が労働者の権利として勝ち取ってきた大切なものなんじゃないですか。それを「コストが安いから」なんて理由であっさりと外国に業務委託していいものなのか。

 もちろん、海外の安い労働者を使うメリットというのは大いにあるとは思います。例えば生産ラインみたいな仕事は、それこそ安いコストでなるべく長時間回したい業務だしね。また、その商品で世界中を戦っている企業にすれば、もはや日本人の為に製品を作っている…とも言い切れない面もあるし、また国際的な責任もあるしね。

 でもさ、ニッセンってのは、日本人相手にしかモノ売ってない訳でしょ(海外展開してるのかな?)。また、ラインなどの業務ならともかく、人事も経理も総務も海外に業務を委託して、そういう企業を日本の企業として扱っていいのかな。そして、企業の社会的責任という点では、こういう経営方針というのはどう考えられるべきなんだろう。

 こういう企業は、将来中国人の生活基盤が向上して、中国の人件費が高騰すれば、今度はベトナムに移るのか…。あるいは中東かアフリカか…。もう単なる焼き畑農業でしかないわな、こういうの。
 元々ニッセンからモノなんて買ってないけど、こういう日本人を不幸にする経営方針を是としている会社からものを買うのは、ちょっと考え直そう。

 もっとも、別な視点でモノを考えれば、そろそろ国家という枠組みを、経済が率先して崩壊させつつあるという事なのかもしれない。これはこれでいい事なのか悪い事なのか…。

 ちなみに、この番組見てると、私も会社から捨てられる日は近いなと思うわ…ホントに。いや、こういう風に感じているのって、私だけじゃないんじゃないかな。

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コメント

ウチでは、日本と中国の両方に工場があります。
中国は安く作れるけど日本は高い。
その日本で作ったものを「買ってもらう」ために、いろいろ頑張っています。
でも、本当に大変!それはみんな今の製造業は味わっている苦しみでしょう。
その苦しみは誰のため?会社が儲かるように施策を打つのは誰のため?
耳が痛い言葉です。

ご存知かもしれませんが、インドでは、アメリカの会社の事務機能を受託するのが数年前からブームとのことです。。
これがスゴイのは、時差の関係から、夕方終業前にアメリカからデータを送信すれば、翌日アメリカの始業時にはデータが処理されて戻ってきている、ということ。

日本でもこんなことされたら、一般労働者はたまりませんね。さらに特定職種の日本人は不要になっちゃいますね。

複雑な問題ですよね。
コストだけを考えれば、絶対に安い所に委託した方が便利なんだけど、それだと国内が空洞化してしまう…。

たとえ企業が莫大な利益を上げられても、それを還元する先がなくなってしまうと、そもそも企業の存在する意味がなくなるし…。難しい所です。

はじめまして。突然失礼します。
「中国人 ホワイトカラー」でgoogle検索をかけると、日本経団連のホームページが最初に出てきます。実情は分かりませんが、中国へのアウトソーシングは実は日本経団連が推奨しているのではないか、と疑うような内容になっています。ご興味ありましたら、一読されると興味深いと思います。

アウトソーシングしているのはニッセンだけではなく、IBMとかもそうだと報道されていました。ですので一方的にニッセンを責めることはできないとは思います。ただ、今回の中国へのアウトソーシングとは全く関係ないのですが、個人的な意見では、ニッセンは衣料分野では、安いですがモノは全般に良くない印象です。

どうも、情報ありがとうございます。後ほどググって見てみようと思います。

IBMのアウトソーシングは、いかにも…という感じかなぁ。
個人的な感想ですが、製造部門はもはや高級品以外海外はやむを得ないと思いますが、会社の中枢機能をアウトソーシングし始めると、もう何が何やら…という感じがしますね。

でも、これからはこういう会社が増えるんでしょうね。残された私たち日本人はこの先どうなるのでしょう。

IBMは…経理のアウトソーシングに関しては草分けだと聞いたことが……出す方じゃなくて、受ける方(笑)。

自社用に開発したシステムが、効率良すぎて他社の仕事も受けるようになった、と聞いたことあります。
真偽のほどはアレですが。

アウトソーシングとは別に考えて欲しいのは、中国側はあれだけ良質な日本語をしゃべれる人材を計画的に大量に
養成しているということですね。
彼らにとってみれば、自国の利益を図るのと、日本の国力を削ぐという二重のメリットがあるやり方だ。
翻って、中高六年習ってもろくに英語も話せない日本人、果たして中国に対抗していけるんだろうか。

国としてアウトソーシングを受ける体制は、かつての日本も業種こそ違えど同じ道だったので仕方ないかなとは思います。

問題なのは、日本人の経営者などの中に「利益の還元」「社会的責任」という点がどうも希薄に見える事かなぁ…と思ったりします。気のせいかもしれませんけど。

私たちが頑張ってかせいだお金は、給料以外でも、私たちの社会をよくするために還元してほしいものですよね。

調べてわかったことですがニッセンホールディングスは番組に登場した大連のInfoDeliver社と平成19年1月22日に業務と資本の提携をしていました。
プレスリリースによるとニッセンは人事、総務、経理、事業部門のバックオフィス機能(これらをニッセンではシェアードサービスセンター「SSC」と呼ぶ)を分社化しInfoDeliverと共同で新会社として設立したそうです。

平成19年2月21日にこの会社は株式会社シェアード・ウィンとして営業を開始、従業員はニッセンのシェアードサービスセンターの従業員80名が一定期間出向後転籍します。

つまり、シェアード・ウィンにすでに出向しているのですから4月3日の会議で総務部員が業務委託を聞いて驚くのもおかしな話です。

「SharedWIN」のロゴは番組にこっそり出ています。また、会議の4月3日は何年の4月なのか番組の中で明示されていないのは不思議な演出です。

結局、冒頭で紹介されていた大連への業務委託は印刷業とPCのコールセンターのことで目新しい話ではありませんでした。
それらを含めても請負企業団地は200社と紹介されていましたので、将来40万人分のホワイトカラーの業務が移転するかもというのは話が大きすぎると思います。

また、北京オリンピック後、土地への投機バブルを吸収する形で人民元の切り上げが起こればこのビジネスモデルは成り立たなくなります。

大連でこのビジネスが盛況なのは第2次大戦中日本に統治されて、徹底的に日本語を教育されていたからで、番組冒頭でも世界中探し回ってやっと大連に海外で業務委託できる場所をみつけたと言っていたので工場や原料のように簡単に移転はできないでしょう。

番組の冒頭で手元アップの恐ろしいスピードのタイピングにビビりましたが、入力センターをパンするシーンに切り替わると誰もそんなスピードで入力していないことに気づき、少し笑ってしまいました。

ニッセンの人事部の業務を60名でカバーしているのですから実際の能力はわかりますよね。

ニッセンは4000名の社員を2%、80名のスタッフでカバーしていました。大連に委託して数百名でカバーする体制と、どちらが労働生産性が高いと考えているのでしょうか。

だらだらと長文ですみませんでした。

今回の資料
InfoDeliver: ttp://www.infodeliver.com/press/press.html
株式会社シェアード・ウィン: ttp://www.sharedwin.jp/
InfoDeliverとの資本・業務提携および新会社設立のお知らせPDF:
ttp://info.nissen.co.jp/ir/pdf/IR_07_01_22_2.pdf

というか、頑張るべきのは経営者じゃなくて我々使われるほうなんだよね。
だって、下が「出来ない」って言うことは上がいくら言ったって出来ないもの。
国としてというより国民として「何をやっていくのがこれからの日本に大切」と子供らと我々が如何に考えて実行するか、このハングリーさと姿勢が必要なのです。
そこが衰えているように思えるのが、日本の本当の危機だと思います。
かつて、中学高校に英語が授業として入りました。それが「国益」と考えたからでしょう。今それで十分ですか?ただ就職すれば生きていけますか?そのように皆考え、自分で備えていますか?

はじめまして。

番組の最後「2015年までに日本からおよそ40万人分の雇用が中国へ流出する」というナレーションに続けて『人事も経理も総務も中国へ』というエンドタイトルがでてきて一瞬人事、経理、総務の仕事から40万人分流出するのかと思ってしまいました。
実際は日本の労働人口6500万人かホワイトカラー3300万人の中からということですよね。少子化の減少分をカバーするだけじゃないですか?
印象操作ですね。

それに総務の人件費5500円がコストダウンで750円になるというシーンも、日本人の労働生産性がこれだけ悪いといわれているみたいで腹か立ちました。
『労働生産性の国際比較 2006年版』では、トップのアメリカの労働生産性は日本と比較して139%ですが、中国は逆に17%となってます。中国で32352円かかっているコストを為替レートが吸収していると言うことではないですか。

あと、1企業のBPO見積もり金額を公共放送で流すのはどうかと思いました。

どうも。

なるほど、印象操作という考えもありますね。でも、ホワイトカラーが流出かぁ…。イヤな時代になったモノです。

でも、中国の生産コストは、やはり不当に安い為替レートのせいだというのはありますね。この安い為替レートで大もうけしているのが、今の共産党上層部なのでしょうか。

私も手に職をつけないとまずいなぁ…。

申し訳ありません、一部の方のコメントがフィルターに引っかかっていたみたいです。
いろいろな書き込み、ありがとうございます。後で詳しく読ませていただきます。

>個人的な感想ですが、製造部門はもはや高級品以外海外はやむを得ないと思いますが、会社の中枢機能をアウトソーシングし始めると、もう何が何やら…という感じがしますね

総務や経理という仕事が中枢で、製造部門が末端という意識は「思い上がり」ではないでしょうか?「製造の人間はどんどん職を失えばいいが、我々事務職の職が奪われるのは許さない」と言ってるように聞こえます。(というか、言ってますが。)
実際、会社の利益を上げてるのは間接部門ではなくモノを作ってる部門なわけですし。(もちろん利益という意味では営業部門もそうですが、少なくとも経理や総務ではない。)
事務職は日本語の壁に守られて、他業種よりオフショアは緩やかだとは思いますが、「事務職は特別」という意識は、経営層や製造・技術・営業の人間から容認されるものとは思えません。

>製造の人間はどんどん職を失えばいいが

 少し落ち着いてくれませんか?何処をどう解釈すればそうなるのか理解できません。
 少なくとも、現実としてもう製造の現場はかなり海外に流出してしまっていますし、このシステムはもう私たちの生活に根付いてしまっています。
 製造部門が海外で、その上管理部門が海外に流出してしまったら、この日本では誰が働くのでしょう…という現実があっての問いかけであり、製造部門の海外流出を容認とか、そんな話は誰もしていませんが?
 だから「製造部門は『もはや』」という言い方をしているのです。

 このエントリーとコメントで「製造の人間はどんどん職を失えばいいが」などとは、だれもいってはいません。

トーマス・フリードマンが書いてる「フラット化する世界」で説明されているとおりのことが主題となっていましたね。

日本の仕事が中国へアウトソーシングされて奪われていくようなことです。
オートメーション化できる仕事はすべて、もっとも安く効率のいい場所へアウトソーシングされると言うような理論です。

しかし、それに関してのマイナスの部分についてこの番組では触れられていなかったので残念でした。

マイナス部分とは、中国の場合いわゆるチャイナリスクと呼ばれているもので(Wikipediaにのっていますが)、不祥事が起こっても中国の法規制は日本に比べて緩いものが多いから、日本の企業にとって不利な状況が起こることが多いというものです。
こういったことも考慮に入れないと、利益追求だけでアウトソーシングばっかりしてたら痛い目にあうとおもいます。

産業の空洞化も問題だと思いますし

>チャイナリスク…確かにそうだと思いますね。
 日本企業は、そのほか、生産技術なども易々と拡散してしまっている事に危機感を持った方がいいかもしれませんね。

 絶対に隠せとはいわないけど、情報はコントロールしないと。

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