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▼2008年04月30日

○○水素での○○

 おそらく、中学高校で化学を習って、ちょっと軍事的な歴史に興味を持った頭のイッちゃったヤツなら、いくらでも方法は考えつくと思う。
 ポイントは、近頃の「○○の香り」とか「○○に優しい」などといった生半可なモノを使うのではなく、昔からあるベストセラー、あるいは農薬などを使う事。公開されている成分表を良く読めという事ですね。この手の行為には、とにかく純度を上げる事が大事なので。

 で、こんな知識自慢をしたいのではありません。あのさ…死にたいのなら、最も簡単で確実で人に迷惑をかけず、更に実行者が気持ちよく逝ける最良の手段は「首つり」ですよ。自殺したいのならこれ以外の方法を考える必要がないくらい、確実にあの世に逝ける。しかも実行者が苦しまない…というか、下手をすれば快感だという事は、例えば柔道の落とし技を受けた時、あるいは性行為中の首締め(理解しがたいがこういうの好きな人がいるそうだ)などで、信頼できる証言もある。成功率も抜群。失敗すると深刻な後遺症が残るので、見つけた人は放置してあげた方がいいかも…なんて心配をするくらいに気持ちよく確実に死ねます。

 で、最近流行のガスだけど、これは失敗すると悲惨ですよ。

 まず近頃流行の○○水素の場合ですが、一瞬で意識が飛ぶ…というのは、ある意味外から観察しただけの話なので、体の反応がなくなっても、本当のところ意識が飛んでいるかはわからないという事。というか、致死量に達しなかった場合は、猛烈に苦しんで死ぬという事はわかっているので、たとえ一瞬で気を失ったように見えても、本当に意識が飛んでいるかは誰にもわかりません。下手をすれば体が動かないだけで、普通の肺に炎症を起こした窒息死と変わりないのかも知れない。だとしたらこれ以上の苦しみはないくらいの死に様だな…という気もします。

 ちなみに、この方法でテロ行為が行われるのでは…という話もありますが、例えば電車内で多数の人を殺す為の量の○○水素を発生させるには、1人では持ち運べない量の薬品が必要になるし、そんな事していたら当然目立つし、また、混ぜた瞬間に一瞬でガスが拡散するという訳でもないので、テロや軍事目的には使いにくい。ただ、○○○○、○○○○…という点に注意すれば有効は使い方はあるかも知れません。いずれにせよ現場でガスを発生させるというより、既に発生させた場所に如何に人を導くか…という方法を考えた方が有効かも。ついでに言うと、地下街にいる人を全滅させる程大量の○○水素を発生させる事は、現実的に無理。ただ、パニックを演出する手段としては有効かもね。

 で、その○○水素についての致死量ですが、ちょっと調べてみると、即死する為に必要な空気中の濃度は0.1%、1,000mg程度らしい。恐ろしいですね…と言いたいところですが、例えば地下鉄サリン事件でお馴染みのサリンは、0.5mgが致死量となっています。2,000倍も強力な訳です。さすが軍事用、容赦ないな。もちろん無味無臭。というか、サリンは一滴皮膚に垂らすだけで死ぬという話なので、味を知っている人はいないと思いますが。

 なので、この数値を見る限り、屋外でこのガスをばらまいて不特定多数の人を殺傷する用途には向かないという事になります。そしてココも重要ですが、○○水素は臭いが強く、致死量まで吸い込む前に、その臭いでガスの発生に気づかれてしまいます。時節柄、硫黄の臭いがしたらすぐその場を離れる…という事を覚えておいた方がいいかもしれません。ただ、臭いに気がつく暇のない程の高濃度ガスが発生している場所に誘導されてしまうとアウトですけどね。○○○○などであらかじめ発生させておいて、何も知らずに○○○○の人を殺傷…という用途には使えるかも知れませんが、これではテロ行為というより殺人手段のレベルかな。工夫すれば人を殺すのには使えます。ただ完全に臭いを断ち切るくらい密閉できる空間というのが日常であまりないので、成功率は低いでしょうけど。

 まとめます、○○水素の特徴として、

 ・密閉された空間では注意(高濃度だと無臭)

 ・空気より重く下に溜まるので、例えば風呂場みたいな場所だと拡散しにくい

 ・致死量は意外と多い、硫黄臭には敏感になるべき

 ・テロ行為には使えない(使いにくい)

 こんな所かな。あと、

 ・高濃度のガス生成に失敗すると、それこそ地獄の苦しみ

 ガスで死ぬという事は本来こういう事です。中途半端だと肺が焼けたりなんだり、痛くて地獄です。肺が焼けると治療不可能ですし、仮に治療に成功しても深刻な後遺症が残ります。また、ガスを発生させる場合も、市販の薬剤では一瞬で致死量のガスが発生する訳ではありません。おそらく死んでいる人の結構な数の人が、生成中、中途半端にガスを吸い込んで苦しんで死んでいるのではないかと。そういう事は死んでしまうとわかりませんからね。

 思うに、この自殺が流行っている訳は、「1瞬で死ねる」というポイントが一人歩きしているせいだと思います。方法は書きませんけど、あらかじめ高濃度のガスを発生させて、それを一瞬で吸い込むためには結構な知恵と工夫が必要ですよ。そして、おそらく多くのケースでは即死ではないのではないか?という気がします。何分以内なら即死なのか…という定義もありますが、基本は呼吸麻痺で死ぬ訳です。たとえ1~2分だとしても、地獄の苦しみを味わうはずだとしたら、だれもこんな方法で自殺しませんよね。

 頼むから、マスコミを初めとする報道機関は、それこそネットの情報を真に受けた興味本位の報道を繰り返さないでほしいと思います。それでも死ぬ本人だけが苦しんで死ぬのならどうでもいい話ですが、このガスのポイントは、救出に行った人も被害に遭うケースが多いというのが悪質です。ちなみに皮肉ですが、救出に入った人の方が一瞬で死んでいるケースが多いんだろうなと思います。既に時間をかけてガスが充満している空間に入る訳ですからね。

 とにかく、ブームになっちゃったものは仕方ないので、この先日常生活で硫黄の臭いがしたら、速やかにその場を離れてください。巻き添えを食わない確実かつ唯一の方法は、ガスの発生場所から離れる事以外にありません。
 ○○水素で死んだだの、巻き添えで死んだだの、そういう事は面白おかしく報道されていますが、こういう事件から身を守る方法についての報道はとても少ないなぁ…という気がします。

 あとまあ…日常には○○と○○を混ぜて…とか、○○を煮詰めて○○の純度を上げれば…といった薬品は意外と多いです。そもそも「薬品」なんですから、基本的には体にいい訳はないのです。必ず使用法の注意を良く読めという事ですね。
 大体○○水素で人が死ぬ…なんて話題は、何年か前にも大騒ぎになった事あったじゃないすか。何故今更…という気もちょっとしますし、そのブームを煽ってるのはネットだけじゃねえよな、とも思います。

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コメント

>一瞬で死ねるというポイントが一人歩き…

そうですよね! ならばこんなにも報道することはないのに。まるで推奨しているみたいに感じられてずっともやもやしていました。この死に方がいいみたいだよ…とメディアが騒ぐほどに、そう思ってしまう人は多いはずなので。

他力本願で悪いけれど、よっちさんはこの件について何と語るのだろうと思っていたので、今回のこの話、溜飲を下げた感じです。

死にたいのなら首吊りで…そうしてほしいです。

「死ぬくらいならその苦しみを乗り切って生きられるのでは」とか、そんな次元の話ではなく。

若い頃は「死ぬ覚悟があるのなら何でもできる」と思っていた事もありましたが、近頃では自殺者の心境も何となくわかる気がします。なかなか難しい問題ですが。

それはそうと、あの報道ぶりはなんとかしてほしいですね。
日本の年間自殺者は約3万人と言われていますが、実行してしまう人が年間3万人もいるのだとしたら、潜在的に死にたいと思っている人はたくさんいるはずです。
そこに「一瞬で楽に…」なんて話題を繰り返し報道したら、どうなるかわかりそうなものなのに…。ましてや巻き添えになった人は、死んでも死にきれません。

いっそのこと「自殺は首つりが一番楽で確実です」とかいうキャンペーンでもやればいいのに…なんて不謹慎な事もかんがえてしまいます(笑)。

ちなみに、ここでもちょっと話題にしていますが(長いエントリーですが、安達太良山の話題で)、
http://www.flatearth.jp/mgf/archives/2006/10/01-233525.php
温泉地や火山などでもこのガスは発生します。温泉など行く前にも、一応頭に入れておいた方がいいかも。

「長野へ」のエントリー、読みました。

安達太良山の火山ガス災害のニュースのこと、私もよく覚えています。あのガスと今回の自殺がらみで有名になったガスは同じものなのですね。気をつけないと。

そうそう、先のエントリーの中で、「大声でとめてくれたことを覚えている」という話、なかなか興味深いなと思いました。無意識(ではないとしても)に発した一言が誰かの心に長く残るということ…そんなことが積み重なって、人はみんなに助けられて支えられていきていくのでしょうね。

どうも。連休中は出かけていたので今日コメント読ませていただきました。

確かに、自分では気がつかない他人からの印象って良くありますよね。
このケースはいい意味での話ですが、逆に悪い意味でもこのような事ってたくさんありそうで、ちょっと怖いです(笑)。

いい事悪い事…人というのは、本当にいろいろな事が重なってできてるんだなと思います。

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