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▼2009年03月31日

ミサイルとロケットは同じものか

 色々な所で「ミサイルとロケットは同じようなもの」なんて知ったかで書いているブログが多い。
 違う違う…ミサイルとロケット、最大の違いは、弾道に何がついているかじゃなくて、正確な大気圏再突入が出来るかどうかだ。
 極端な話、ロケットならただ上に向けて打ち上げて、適当な所で衛星を放り出せば、後は衛星の方で軌道修正やら何やらの調整は出来る。実際日本が誇る固体燃料ロケットミューシリーズは、上にぶっ放すだけで、軌道修正能力や速度調整の能力はなかった。それでも衛星を打ち上げるには充分使えたのだ。

 ただ、それが弾道ミサイルというと話が違う。一度大気圏外にでた飛翔体は、自らの能力で正確にスピードコントロールと減速、軌道修正をこなし、正確なタイミングで大気圏内に再突入を行わなければならない。あるいは、発射ロケットがそれらの軌道を正確にトレースするよう、発射角度とスピードと弾頭の切り離しタイミングを制御する必要がある。
 しかも、弾頭自体が軌道修正を行う場合には、それは衛星軌道上を何度も回って正確なタイミングを計る…なんて悠長な事を行っている暇はなく、上がって下がる一発勝負の中で軌道修正を行わなければならない。つまり、ただ上に打ち上げるだけのロケットと違い、更に一段上の技術が必要とされるのだ。

 よく、ロケットについて知っているのか知っていないのかよく判らないレベルの人間が、平然とテレビや新聞で「日本はロケットを打ち上げる能力があるので、大陸間弾道ミサイルを作る能力もある」なんて言っているが、この意見は間違いではないのだが、少なくとも今現在の日本に大陸間弾道ミサイルを作る能力はない。何故なら、大気圏再突入に関する実験データとノウハウが全くないからだ。ただ、それらを技術的に作る能力は、日本の場合持っているので、時間と予算をかければ、大陸間弾道ミサイルを制作する事は可能であろう。ただ、それにしたって、潤沢な予算が回ってくる上で、更に何度も実験を繰り返す事が許される世論があって、最速で今の状態から2~5年くらいの時間かかると思う。

 それを考えると、ナチスのV2は、もはやオーパーツと言っていいくらいの超技術である。あの時代にコンピュータを使わず、一度大気圏外に到達した飛翔体を、細かい命中精度はともかく、なんだかんだでロンドン市内に落としている。

 で、今回の北朝鮮ミサイル問題。
 彼らが本当に今回の飛翔体を「ミサイル」と定義付けているのなら、その点に関してのみ、私たち日本の技術を上回っている。繰り返すが、飛翔体を軍事目的のミサイルとして使う為には、ただ上に打ち上げるだけではなく、正確なタイミングで大気圏突入を行えるよう、目標に向かって正確な落下曲線を描くようロケットを飛ばす必要がある。
 おそらく、北朝鮮におけるこれらの技術は、もし本当にミサイルだとするなら、中国やソ連から買った…もしくは盗んだ技術を応用していると考えられる。それでも、ただ技術を買っただけで、まともな実験も行わず、大気圏外に上がった飛翔体を、目標に向け正確に落下させる事など出来はしない。
 特に、弾道ミサイルの再突入技術というのは、最新式の弾道自体が軌道修正を行える種類(多弾頭形等)以外は、ミサイル先端に装着されているノーズコーンの形状、材質などのノウハウ分が主となる。これはある意味伝統工芸みたいなもの。何度も実験を繰り返さなければ、正確に目標に向けて落下させる事は難しいだろう。

 そういう意味で、もし北朝鮮が今回の飛翔体について、本当に「人工衛星」だと言うのなら、それは発射された後の弾道曲線を分析すればすぐにわかるはずだ。
 また、今回の打ち上げがミサイル実験だとするならば、そちらについても打ち上げられた弾道曲線を分析すればわかってしまう。
 テレビで変なコメンテーターが「ミサイルだった場合と人工衛星だった場合の区別がつかないのに、迎撃するんですかね」なんて寝ぼけた発言しているのを見たが、もしその飛翔体が設計通りに飛んだとするなら、きちんと区別は付けられるので心配はない。

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