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▼2009年08月03日

MGFのハイドロ

 MGFは、ご存じの通り、ハイドロを使ったサスペンションシステムを採用している。ただ、この「ハイドロ」という言葉だけで、何故か思考停止してしまう人が多いのは一体何故なんだろうね…と、今更になって改めて思う。

 MGFの足回りは、ハイドロマチックといわれるオイルによるダンパーシステムと、全後輪それぞれ4箇所に装着されている「スフィア」と呼ばれる高圧ガスユニットによって支えられている。
 で、通常の自動車における「スプリング」に相当する部分が「スフィア」。そして、ダンパーにおける役割をしているのが「ハイドロ」といわれるオイルを封入したサスペンションシステム。で、それを補助するのが、実際のダンパー。

 この役割について誤解している人が本当に多いし、また、かつてのMGFに関する雑誌記事でも、それらに対する明確な役割を明示的に記述している記事は全くなかった。

 改めて書くけど、MGFの足回りの堅さやしなやかさ…を実現しているのは、高圧ガスが封入されたスフィアユニットの恩恵である。で、その足回りの挙動を、極めて収束が早く抑えているのが、ハイドロシステム。そして、その堅さのチューニングを行っているのが、実際のダンパー。
 何故なら、MGFのハイドロは、左右ごとに前後がつながっている設計になっているので、実ダンパーで挙動の制御を行わないと、前後間のピッチングを物理的に制御する機能がないから。
 もちろん、実際には、前後間を移動するオイルの流入抵抗によって、それらピッチの制御は行われる訳だが、ブレーキング時などの、ある程度長い間のピッチング抵抗については、物理的ダンパーがないと実質無制御状態に陥ってしまう。その為の実ダンパーな訳だ。

 ただ、それでも実際の加速・減速時におけるピッチング抵抗の制御は、完璧ではない訳で、フルブレーキング時のノーズダイブや、コーナリング時のトラクション変化には、MGFでスポーツ走行を行ってきた人にとっては、頭が痛い点であったであろう。

 ちなみに、MGFのハイドロシステムは、シトロエンと違い、左右間における関連性はない。

 当時のMGFに関する記事を読んでいて思うのが、これらの構造を把握した上で、このクルマの挙動を分析している記事が皆無だということ。
 また、ハイドロシステムに関する誤解。シトロエンの今のハイドロは知らないが、DS、SM共、左右方向を1つのユニットにまとめることにより、ロールの制御をハイドロオイルの流入抵抗によって制御するというのが基本。この点はローバーと全く異なる。

 ダンパーにオイルを使っているというのが共通しているだけで、判りやすくいえば、普通のクルマでセミトレーリングアームを使ったサス設計と、マルチリンクを使ったサス設計のクルマを、単に「スプリング車」というだけで同一視しているという、相当乱暴な論調な訳なんだけどな。

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コメント

そういえば・・・昔,うちの親父がシトロエンのGSクラブに乗ってました。車高調整のレバー等・・・思い出します。子どもの頃の自分にとっては,宇宙船のような乗り心地でした。ただし,エンジンの故障が酷く,そのあとスカイラインに乗り換えた記憶があります。

いいなぁ…GSかぁ。
本当に変態チックなシトロエン最後の車種になるかも…
(笑)。

で、以下はハイドロというか、外車に関する整備の愚痴。
ハイドロ回りのトラブルに関する要因は、
おそらく日本の整備工場が、外車をいじりたがらない、
あるいは不勉強だから…という事もあるのかもしれません。
つか、販売割合が新車の1割に達しようとしていたこのご時世でも、
オイル交換すらやりたがりませんからね。
日本の整備工場は…。

シトロエンだって、フランス本国でそんなに故障が多発するクルマの筈はないんだけどな。
もしその通りだとしたら、とっくにメーカー無くなってますよ(笑)。

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