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▼2015年08月25日

今時24時間じゃないテレビってあるのだろうか?

 この季節になると毎年騒がれる日テレの24時間テレビ「愛は地球を救う」ですが、最近ではその内容についての議論よりも、出演者のギャラなどが問題視されるようになってきましたね。ちなみに2015年の募金額は2億3726万円だそうで、個人的には「やらない偽善よりもやる偽善」といった感じで、それだけの金額が適切にチャリティー募金として運用されるならいいんじゃないの?と思ったりもします。

 ただまぁ…偽善とは一口で言っても、やはり日テレ側は儲けすぎなんじゃね?という疑惑も感じる訳で、あそこまでチャリティー色を前面に押し出すなら、もう少しチャリティー金額を増やす努力はした方がいいのではないかとも思います。
 そう思う人は私以外にも大勢いるようで、この時期になると必ず「チャリティー番組と言いながら出演者はギャラを取る」とか「海外ではノーギャラが当然」などという批判が出るのですが、ここについては自分はちょっと違うと思うんですよね。

 そりゃ…大物芸人(たとえば金ちゃんとか徳光さんとか)が、ギャラとして頂く数千万円を全額寄付します!ってのは美談だと思うのですが、当然ながらテレビに出ている芸人達はそんなに恵まれた人ばかりではありません。
 普段はあまり出番がないけど、こういったお祭企画だからこそお声がかかる芸人だって大勢いるはずで、そういう人達が稼ぐ出演料の数十万円(100万円に近い方だと印象が変わってきますが)から数万円を「全額寄付しろ!」は、ちょっとおかしいと思うんですよね。
 大体「海外はノーギャラが基本」といっても、セレブ俳優や大物司会者はともかく、本当に末端の芸人達までノーギャラでやっているのでしょうか?仮にノーギャラを強要しているとしたら、日本よりも労働者の権利がきちんと認められている欧米のこと、なんらかの問題提起があってもおかしくない気もしますが、どうなんでしょう?

 ただ、主催者の日本テレビと、そこに広告スペースを売ってる広告代理店達は、やはりおかしいと思うんですよね。嘘かホントか知りませんけど、日本テレビはこの番組の制作費として40億円近い費用をかけているそうです。なら、そのお金をそのまま寄付した方が効率的だし、よほど「愛は地球を救う」行為だと思うのですが、こういう考え方は間違ってるのかな?

 そもそも国民に向け、一般に募金を募る「ボランティア活動」であるなら、単なる預金額だけでなく、この番組の制作にまつわる全ての金額を明らかにすべきだと思うんですよね。
 制作費が40億であるなら、そのうちのどれ位が出演者のギャラに使われたのか、番組企画費やセットで使ったお金、そして一番大事なのは、制作費を40億円描けた番組を作って、その関連グッズの収益はいくらあったのか?また、協賛金として企業からは如何ほどのお金をもらったのか?CM枠もプレミア価格だったと思いますが、その枠をいくらで売ってどの広告代理店が間に入って買った企業はいくら支払ったのか?
 通常の番組制作では、これらの費用は企業秘密に属するとは思いますが、日本国民全てに向かって「ボランティア・チャリティー」を宣言したお祭な訳ですから、これくらい細かく動いたお金を発表しない限りは当然おいそれとは信用できない訳です。

 私は上記で触れた芸人のギャラについては支払って当然と考えますが、日テレとその広告代理店達が、このプロジェクトで収益を上げるのはズルい…とも考えています。というか、世間の批判はここに向くべきでしょう。

 少し昔話をしますと、私の場合世代的にこの24時間テレビの初回の頃を知っている訳ですが、あの頃テレビ番組は、速い局だと深夜12時前…遅くても1時を超えると放送終了という時代で、そんななかでテレビ番組が24時間休まず続くというのは前代未聞で、それだけでお祭り気分だった訳です(というか番組を24時間続けるためにチャリティーということにした、という話もあります。)

 しかし、現代では当然ながらテレビ番組は24時間続いている訳で、今更24時間テレビと言われてもちょっと反応に困る。更に24時間単一の番組が続いている訳でもなく、朝のニュースや笑点などは普通に放送している訳で、実態は単一の企画番組としても24時間でもなんでもありません。
 私も今年の24時間テレビを見たつもりはないのですが、普通に笑点とか見てました。出演者が黄色いジャージを着ているので「あ、今日は24時間テレビなのね」と思うだけで、特に24時間テレビという番組を見たつもりはないのですが、私も番組視聴者に数えられてしまうのかな?
 とにかくこれで「24時間テレビ」というなら、今のテレビは全て24時間テレビなんですよね。

 今となっては、そういう物珍しさもない、視聴者側もそういったお祭り気分もない(テレビ世代ど真ん中の老人達にとってはまた違うかも)、そして、判明しているだけの番組制作費が40億円で、おそらくその数倍以上の売上げを挙げているはずのチャリティーイベントで、最終募金額が2億円代とは、コストパフォーマンスがあまりにも悪すぎます。毎年毎年、一体何のためにやっているイベントなのか?
 少なくとも、毎年莫大な利益を上げるテレビ局や広告屋さん以外にとっては、もはや24時間テレビの社会的役割は皆無ではないかと。

 そういえば、アメリカの病院で赤ちゃんが心臓移植施術を受ける…みたいな募金運動も、以前は短時間で1億とか2億とか集まってた訳で、募金としての趣旨はともかく、やり方としてはその方がより効率的と言えるかな?まさかこの手の募金でプロモーションに40億円はかけないでしょうし(笑)

 それと、以下のような関連グッズの売上げは、きちんと募金に回されるんでしょうかね?

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