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▼2015年09月16日

Bromptonで安宅水軍の里へ【関西旅行編:1】

R0325573.JPG 東京から新幹線のぞみで京都、そこで特急くろしおに乗り換えて、やってきました南紀周参見へ。ま…周参見の方は特急停車駅の関係上のオマケだったりして、本来の目的はこの西隣にある日置町です。
 私は以前から熊野水軍に興味を持っていて、特にその中でも、中世の時代に熊野から瀬戸内海までの支配圏をもっていた水軍「安宅」一族については、一度彼等の本拠地である日置川下流にある安宅本城跡を見てみたかったというのがあります。

 しかし、南紀は東京からだと遠いですね。東京駅始発の新幹線のぞみに乗って、特急くろしおに乗り換えて隣町の周参見駅に着いたのは、11:51。およそ6時間近く電車に揺られていたことになります。
 さて、周参見は周参見で興味深い場所もあるのですが、実のところそんなに時間もないので、早速隣町である日置町へと移動。ルートとしては海沿いの国道と、かつての熊野古道仏坂沿いの道である山間のルートがあり、迷うことなく山道を選択!峠の標高は265mで、当然海からなので比高も265mあります。

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↑駅をでてすぐにこんな山がそびえていて
心が折れそうになりますw

 南紀って、全ての土地が山に分断されているんですよね。結構険しい山が海沿いまで達していて、その間に河川で削られた平地がある。かつて…といっても明治時代辺りまで、この辺りの物流はもっぱら水運であり、力業で切り開かれた鉄道と海沿いの国道42号線を除けば、それ以外の横の交通網はとても貧弱だったりします。今回の仏坂ルートも、国道を避けたルートとはいえ結構な山間路で、鉄道と国道が寸断されるとこの地域本当にヤバいんだろな…って感じ。

 なんてことを思いながら、坂道をえっちらおっちら登ります。なんかねー、この当日はあまり体調良くなくて、周参見駅に降りた時から、ちょっと面倒だなぁ…なんて思ってたんですよね。そのせいか登りがとても辛かった。でも、頑張って無着脚で峠のてっぺんまで登りましたよ。

IMG_20150913_130650
↑峠を登り切って少し下った所。
山のずっと先に日置町があります。

 何か体調悪いな〜なんて思いながら頑張って登って峠を下って、日置町市街に入ったのは、13:00前。何だかんだで走り出してから1時間経ってないんだなぁ。さて、ここからが今日の旅行の本番です。

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↑安宅城跡…と呼ばれている場所。
民家の石垣はかつての城跡と言われています。

 水軍といいながらも、この場所は日置川河口から1〜2km登った場所にあります。現代の常識で考えるとやや不思議ですが、海沿いの熊野灘に直接面した場所よりも、海から少し奥まった場所に拠点を置いた方が、海が荒れているときも安全に船を待機させられますし、気象によって入港できないなどのリスクも減ります。またなにより、この一体の平野から日置川河口まで水の流れがほぼ止まっている上に、周辺には勝山城(本エントリ1枚目の写真)などの山城も築きやすく、防衛拠点的にも優れた場所です。勝山城より少し下には川の中州が広がり、この辺りが商業の中心だったんでしょう。また、それより上の日置川上流からは、船の材料となる良質な材木の調達も用意であります。

 現代社会の視点で見ると、この地域一帯は中央から切り離された辺境の地ともいえなくもないですが、かつての水運社会時代の日本においては、熊野灘を越える風待ちの場所としても最適だったことがわかります。
 これらの実感は、やはり現地を見ると違いますね。本を読んで知識として知っていても、その場所のリアルを体感すると、当時の人の動きが目に見えるようで、とてもワクワクしていました。

 さて、ついでに日置川も少し坂登ってみます。名前は忘れたのですが、この上流数キロ先には渡し場があるそうで、正直観光地化された渡し場にはあまり興味はなくても、この川の流れにはとても興味がわいてきました。
 安宅城跡から川沿いを上って、JR日置駅を過ぎた辺りで川はだんだんと清流の雰囲気になってきます、しかしこの川の水はすごいな…これだけ大きな川なのに、水の濁りもほとんどなくて、とても清らかな青色をしています。これはアレだな…今風に言うと「意識高い系の川」ともいえるなw。この川の規模の大きさで、この綺麗な水は、なかなか本州では見ることができませんね。

 川を数キロ遡ったら、ここからは消化試合w。
 日置川を海まで下って、海沿いの国道42号線を北上。夕方6時前までに紀伊田辺駅に戻らないと、予約していたホテルに帰れません(帰れないは大げさでも、22時過ぎになってしまう)。走っていて大して面白くない国道を、坂登ったり下ったりしながら走ります。途中「太平洋岸自転車道」というサイクリングロードがあったので、海沿いを景色良く走れるのかなと思ってそちらに行きましたが、考えてみれば国道でトンネル通した山をトンネルナシで越えるルートのため、無駄な体力を消耗するだけでなく、海沿いとはいえ道の左右は樹木で覆われていたため、単に薄暗くて景色が悪い不気味な峠道を余計に走っただけだったw。

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↑太平洋岸自転車道。太平洋全然みえない上に
「マムシ・スズメバチ・ダニに注意」とか、注意しようもない注意書きがあった。

 ま、国道42号線はそれなりにいい景色ではあったのですが、ブロンプトンで走っていてあまり面白い道でもない。大型トラックとかそれなりに通りますし、歩道がないトンネルも沢山あります。
 ちょっと退屈だなぁ…と思った辺りで、景色が急に開けて平地が現れ、紀伊白浜へ。そこからは内陸部を通って、紀伊田辺まで、無事17:30頃に到着しました。ちょっと速かったので、特急で帰りました。今夜は和歌山市に宿泊です。

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↑紀伊田辺市街も時間があれば巡ってみたかった。
RICOH GR / LG Nexus5


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